異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる 作:龍いち
ハルバーの迷宮に入りはじめてから12日、ミリアが加入してから18日経った。
朝食のあと、いつもなら迷宮探索に向かうところだけど、今日はリリアに頼んでミリア専用のダマスカス鋼の短剣にモンスターカードを融合してもらった。
融合したカードは4枚ずつで、兎とコボルト、それから潅木とコボルトだ。
本当は珊瑚とコボルトのモンスターカードも融合してもらいたかったけど、“これ以上の融合を行わせるなら迷宮探索はお休みですよ”という雰囲気を醸し出されてしまったので、それは諦めた。
それでも、先日からの装備品のアップグレードにより、俺たちのパーティーは中堅でも上位の方の探索者に見えるようにはなっただろう。
これならカエデたちを見てムラッとしても、ちょっかいをかけてくるようなヤツは滅多にいないだろう。
だからと言って複数の男に奇襲されたら太刀打ち出来ないだろうから、1人で行動することにならないよう、彼女たちにはしっかり注意しておこう。
そう結論付けて思考を止め、スキル融合が完了した剣をミリアに渡そうとして、名称が短剣だったことがふと気になった。
昨日は2本とも空きスロットが付いていたことに興奮して気にならなかったけど、よくよく考えると名称が異なるのは不自然だ。
そう思って先に試作していた短目の銅の剣を取り出して並べてみると、ダマスカス鋼の短剣の方が刀身が拳一つ分くらい短かった。
えっ!短いじゃん!それに剣幅も気持ち太いぞ!
ダマスカス鋼の2本は全く同じものに見えるけど、試作した剣とは明らかに形が違う。
今さら気付いたけれど放置も出来ないので慌ててミリアに確認すると、彼女は両方の剣を交互に素振りしてからニッコリと微笑み、「ご主人様。こちらの剣の方が使い易いです」と言ってダマスカス鋼の短剣を掲げた。
“勝訴!”
ミリアの掲げた剣が一瞬勝訴判決の紙に見えた。
俺はホッと胸を撫で下ろし、取り敢えず試作品の銅の剣をアイテムボックスにしまった。
因みに今の俺たちのステータスは以下の通りだ。
加藤満男 男 人間族 21歳 自由民
所有奴隷 カエデ、リリア、クラウディア 、ミリア
ジョブ 魔法使いLv74、英雄Lv71、勇者Lv33、
魔道士Lv37、冒険者Lv43、遊び人Lv37、料理人Lv38
獲得ジョブ 村人Lv14、探索者Lv50、戦士Lv50、
剣士Lv1、商人Lv50、奴隷商人Lv1、豪商Lv1、
盗賊Lv9、僧侶Lv9、薬草採取士Lv10、色魔Lv13、
錬金術士Lv1、武器商人Lv1、防具商人Lv1、
騎士Lv1、賞金稼ぎLv1、暗殺者Lv1、重戦士Lv1、
狂戦士Lv1
装備
ひもろぎのロッド(知力2倍)、
耐毒の竜革鎧(毒耐性、麻痺耐性)、
耐火のダマスカス鋼額金(火耐性)、
竜革のグローブ、
加速のブーツ(移動力増強)、
身代わりのミサンガ(身代わり)
カエデ ♀ 狐人族 15歳 奴隷
所有者 加藤満男
ジョブ 妖狐Lv72、仙狐Lv33、英雄Lv71、
勇者Lv33、魔法使いLv75、魔道士Lv37、沙門Lv33
獲得ジョブ 村人Lv13、探索者Lv50、戦士Lv10、
剣士Lv1、商人Lv1、僧侶Lv50、薬草採取士Lv1、
錬金術士Lv1、武器商人Lv1、防具商人Lv1、
料理人Lv32、冒険者Lv1
装備
ひもろぎのロッド(知力2倍)、
耐毒の竜革ジャケット(毒耐性、麻痺耐性)、
耐火の竜革カチューシャ(火耐性)、
竜革グローブ、
加速のブーツ(移動力増強)、
身代わりのミサンガ(身代わり)
リリア ♀ ドワーフ 16歳 奴隷
所有者 加藤満男
ジョブ 隻眼Lv33
獲得ジョブ 村人Lv6、探索者Lv11、戦士Lv1、
鍛冶師Lv50、剣士Lv1、商人Lv1
装備
強権の鋼鉄戦斧(詠唱中断・麻痺添加・石化添加)、
耐毒の鋼鉄盾(毒耐性)、
耐麻痺の竜革ジャケット(麻痺耐性)、
耐火のダマスカス鋼額金(火耐性)、
竜革のグローブ、
竜革のブーツ、
身代わりのミサンガ(身代わり)
クラウディア ♀ エルフ 15歳 奴隷
所有者 加藤満男
ジョブ 禰宜Lv36
獲得ジョブ 僧侶Lv6、巫女Lv50、村人Lv5、
農夫Lv2、探索者Lv1、森林保護官Lv1
装備
強権の鋼鉄槍(詠唱中断・麻痺添加・石化添加)、
耐毒の竜革ジャケット(毒耐性)、
耐火の竜革カチューシャ(火耐性)、
竜革のグローブ、
竜革のブーツ、
身代わりのミサンガ(身代わり)
ミリア ♀ 15歳 初年度奴隷
所有者 加藤満男
ジョブ 忍者Lv12
獲得ジョブ 海女Lv2、村人Lv5、商人Lv1、
探索者Lv1、戦士Lv6、剣士Lv35、侍Lv2、海賊Lv1
装備
強権のダマスカス鋼短剣(詠唱中断・麻痺添加)、
不全のダマスカス鋼短剣(麻痺添加・詠唱中断)、
耐毒の竜革ジャケット(毒耐性)、
耐火の竜革カチューシャ(火耐性)、
竜革のグローブ、
竜革のブーツ、
身代わりのミサンガ(身代わり)
そして、俺とカエデのボーナスポイントは、以下の通りに振り分けている。
加藤満男 ボーナスポイント 161pt(初期87pt)
セブンスジョブ 63pt、獲得経験値上昇20倍 63pt、
必要経験値減少5分の1 15pt、MP回復速度3倍 7pt、
キャラクター再設定 1pt、ジョブ設定 1pt、
パーティージョブ設定 3pt、パーティー項目解除 1pt、
パーティライゼイション1pt、鑑定 1pt、
詠唱省略 3pt、ワープ 1pt、知力上昇 1 pt
カエデ ボーナスポイント 171pt(初期99pt)
セブンスジョブ 63pt、獲得経験値上昇20倍 63pt、
必要経験値減少5分の1 15pt、MP回復速度3倍 7pt、
キャラクター再設定 1pt、ジョブ設定 1pt、
パーティージョブ設定 3pt、パーティー項目解除 1pt、
パーティライゼイション1pt、鑑定 1pt、
詠唱省略 3pt、ワープ 1pt、知力上昇 4pt、
足装備3(加速のブーツ)7pt
ステータス確認とボーナスポイントの振り分け確認が完了したので、俺はハルバーの迷宮前の衝立をイメージしてワープゲートを開いた。
◆ ◆ ◆
迷宮前に到着すると、案内役の探索者がどこかのパーティーに絡まれていた。
どうやら相手は全員狼人族の6人パーティーのようだけど、下手に口を出して俺たちに飛び火しても困るので、そそくさと横を通り過ぎて迷宮に入った。
その際、俺に気付いた案内役が「あっ!ちょっと待て!」と言いながらこちらに向かって手を伸ばしていたけど、普段から態度が悪いヤツだったので、無視して迷宮に入った。
そして、現在攻略中の24階層の小部屋に移動すると、ミリアが声をかけてきた。
「あの、ご主人様。宜しいでしょうか?」
「ん?どうした?」
「迷宮に入るとき、案内人が私たちを指差して“あいつらだ”って叫んだんです」
「何だ?犯人扱いか?
そう言えば、アイツは狼人族ばかりの探索者パーティーと揉めてたよな」
「はい。なんか詰め寄られていたみたいでした」
どういうことだ?
理由はわからんが、俺たちを売ったってことか?
まあ、今から確認しに戻る気は無いし、迷宮を出る頃には居なくなっているだろう。
「戻ってもろくなことにならないだろうから、放置だな。
カエデ、頼む」
「わかったわ」
ミリアは気になったみたいだけど、俺は無視してカエデに索敵を依頼した。
そして、いつも通りに彼女の案内により、迷宮探索を開始した。
それから暫く魔物を狩り続けていると、昼前にボス部屋を発見した。
「リリア。この階層のボスって何だっけ?」
「この階層のボスはシルバーサイクロプスです。
ドロップアイテムは鉄で、たまに鋼を落とします」
サイクロプスの階層のボスはシルバーサイクロプスか。
それならシルバーサイクロプスの階層のボスはゴールドだったりするのか?
いや、それは今はどうでも良い話だな。
それより鋼が欲しかったらシルバーサイクロプスの階層が探索出来ないと集め難いのか。
となると57階層......って、そんな上の階層はしばらくは無理だ。
となると、鋼が欲しかったらこの階層のボス部屋を周回するのが現実的か......
「カエデ。この階層のボス部屋を周回してみたいけど、どう思う?」
「近くに他の探索者パーティーはいないから、1回目は問題なく出来ると思う。
ただ、この階層だと魔物の殲滅に少しは時間がかかるから、待機部屋に戻るのはちょっと心配ね」
「だよな......
ちょっと面倒だけど、5分くらい手前に小部屋があったよな。
ボスを倒して25階層に上がったら、フィールドウォークであそこに戻るか」
「ごめんね。でも、もしものことを考えたらね」
「いや、カエデのせいじゃないから気にするな。
それよりも、小腹が空いたから昼休憩にしよう。
そして、午後からボス部屋を周回する」
「わかったわ」
ボス戦は後回しにして、ワープで一旦帰宅した。
そして、昼休憩のあと一度手前の小部屋に戻り、そこからボス部屋まで歩いてきた。
途中で一度サイクロプス2匹とシザーリザード2匹の群を倒してきたけど、1回目の魔法で麻痺させてから、デュランダルで倒してMP回復したばかりだから気力は十分だ。
「それじゃ、右の魔物はクレア、左の魔物はミリア、そしてボスはリリアが抑えてくれ。
その隙に俺とカエデは風系と雷系の全体攻撃魔法を打ち込む」
「わかったわ」
「わかりました」
「わかりました」
「了解しました」
4人が承諾したので俺たちはボス部屋に入った。
そして、前衛3人は駆け出して、立ちあがる煙の前で戦闘態勢を取ったので、俺とカエデは魔物の出現と同時に魔法を放った。
魔法は俺のサンダーストーム×2、ウインドストーム×1と、カエデのライトニングストーム×1、サンダーストーム×2、ウインドストーム×1の7発だ。
すると、ボスのシルバーサイクロプスとお付のサイクロプス、シザーリザードの3匹は全て麻痺して動かなくなった。
いつも思うが雷系魔法×5の効果は絶大だ。
魔法に耐性があると言われているドライブドラゴンでも麻痺する攻撃に耐性のない魔物が耐えられるわけはない。
MP回復のために4戦に1度はデュランダルで直接戦闘しなくてはいけないので、そのときは気合いを入れないといけないけど、魔法のみで戦えるうちは気は抜けないけど余裕で戦える。
以前はこのあと2回目の魔法7発を放ち、魔物を殲滅していたけれど、今は多少余裕があるので2回目は一度に7発撃たずに先ずは俺が2回目の2〜3発を放ち、それ以降は残った魔物の数に応じて対処方法を変えている。
今回はお付の魔物は2匹とも煙に変わり残った魔物が1匹なので、前衛の3人が取り囲んでタコ殴りだ。
更にそこへ俺とカエデも参戦したので、シルバーサイクロプスはあっという間に煙に変わった。
ドロップアイテムは鉄か......
残念ながら今回はハズレだな。
気を取り直してドロップアイテムを回収し、一度奥の扉を抜けて25階層に上がり、すぐさまワープで24階層の待機部屋に一番近い小部屋に移動した。
そして、そこから歩いて待機部屋に戻り、再びボス部屋に突入した。
その後、3時間ほどかけて50回くらい周回を続け、鋼が20個集まったのでボス部屋の周回は終了にしたけど、結局そのあいだ他の探索者パーティーが近づいてくることは無かった。
これならボス戦の後はワープで待機部屋に移動しても良かったと一瞬後悔したけれど、もしも他の探索者に待機部屋に移動してきたところを見られたら面倒なことになると思い、仕方がなかったことだと諦めた。
今までの経験で知力が上がれば魔法の威力が上がることは分かっているので、もっとレベルが上がって1回目の魔法でこの階層の魔物を殲滅出来るようになったら、改めてこの階層のボス部屋周回にチャレンジしよう。