異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる 作:龍いち
愚か者たちからの接収品【Side 主人公】
バラダム家の奴等と決闘した翌朝。
昨日でハルツ公爵とのつながりを切り捨てられたおかげか、決闘で大量の装備品を接収出来たおかげか、それとも精根尽き果てるまで搾り取られてしまったためかは分からないけど、スッキリと目覚めることが出来た。
起き抜けに4人に代わる代わるしゃぶられて、敢えなく一発抜かれてしまったけど、そのせいではないと思いたい。
だからというわけではないが今日は迷宮探索は休みにして、朝食の後はバラダム家の奴等から徴収した装備品の検分をすることにした。
先ずは武器から。
接収した物は7つで、スキル付きが3つある。
睡眠のエストック(睡眠付与、空き、空き)
いかりのバスタードソード(攻撃力五倍)
ひもろぎのスタッフ(知力二倍、空き)
エストックには空きスロットがあと2つ、ひもろぎのスタッフには空きスロットがあと1つ付いている。
今のところ使い道はないけれど、この2つの武器は売らずに取っておこう。
さて、バスタードソードはどうするか......
空きスロットは無いし、あの男が使ってたから心情的には売っ払いたいけど、攻撃力五倍は魅力的だ。
取り敢えずこれも取っておくか。
残りの4つの武器は、鋼鉄のフレイルが1本と鋼鉄の剣が2本。それと、何故か聖槍が1本ある。
決闘する前に奴等を見たときは槍を装備しているヤツはいなかったので、たぶん冒険者のアイテムボックスの中に収納していた物なんだろう。
鋼鉄のフレイルと鋼鉄の剣は空きスロットもついていない普通の物だから、即行で売却だ。
それはどうでもいいんだけど、驚いたのは聖槍の方だ。
鑑定したところ、なんと空きスロットが5つもあった。
ダマスカス鋼や竜革の装備品でも空きスロットは最多で4つだったから、聖槍はそれらよりも上級の装備品ということになる。
こんな槍は武器屋では見たこと無いからたぶん普通には流通しない物なんだろう。
しかし、槍か......
クレアに使わせるのが一番だけど、いま使わせている鋼鉄の槍には詠唱中断・麻痺添加・石化添加と3つもスキルを付けてしまった。
今さら強権の鋼鉄槍を売り払うのは勿体ないし、かと言って空きスロット5つの聖槍を手放すなんてあり得ない。
仕方ないか......
将来的にはクレアに持たせることとして、しばらくはアイテムボックスの肥しにしておこう。
気を取り直して次は防具だ。
頑強の竜革鎧(物理ダメージ削減、空き)
耐火の竜革ジャケット(火耐性、空き、空き)
硬革の鎧×2、革の鎧、アルバ(空き)
耐風の竜革グローブ(風耐性)
耐土の竜革グローブ(土耐性、空き、空き)
硬革グローブ×2、革のグローブ×2
耐風のダマスカス鋼額金(風耐性、空き、空き)
耐水のティアラ(水耐性)、鋼鉄の額金、
硬革の帽子、革の帽子×2
駿馬の竜革ブーツ(移動力増強、空き、空き)
駿馬の竜革ブーツ(移動力増強)
硬革の靴、革のブーツ、革の靴×2
スキル付きの防具は8つもあったけど、確か全て決闘で死んだサボーとイザベラが着けていた装備だ。
あとの4人はスキル付きの防具は一切身に着けてはおらず、身代わりのミサンガも着けてなかった。
つまり死んだ2人よりも4人は扱いが低かったということだ。
そう言えば4人は名前にバラダムという苗字も無かったし、たぶん奴隷か家人という扱いだったのだろう。
それはともかく、スキル付きの竜革シリーズやダマスカス鋼製の防具は悪くない。
悪くはないが、出来れば数日前、リリアと竜革の防具を買い歩く前に手に入れたかった......
取り敢えず空きスロットが十分で、今後も使えそうな防具はとっておくけど、スキル付きでも空きスロットが付いていない装備品は売却する......
いや、出どころがハッキリしている物だから、まとめてオークションにかけてもらう方が良いのか......
よし、決めた!
スキルなしの物はターヘラの防具屋で売ることにして、それ以外の物はクーラタルの商人ギルドでライザさんに預けてオークションにかけてもらおう。
あとはアクセサリーと金銭か。
トパーズの指輪とガーネットの指輪、それとイヤリング......
ん、イヤリングには空きスロットが2つ付いてる。
ということは、このイヤリングは装備品か。
逆にいうと指輪はただの宝飾品ということか?
そんな気はするけど、鑑定スキルでは指輪が宝飾品か装備品かの見分けが出来ない。
そう思ってみんなに相談したら、カエデがトパーズの指輪を、クレアがガーネットの指輪を摘んで2人とも小指にはめた。
「これは装備品じゃないわね。クレアのはどう?」
「こっちも違うわ」
「満男君。2つともただの宝飾品よ」
「えっと、なんでわかったの?」
「装備品にはサイズ自動調整の機能があるから、指輪は小指にはめてサイズが変わるのか確認すれば一発よ」
「そうか。確かにカエデの言う通りだな。
でも、2つしかないのは困った。
これじゃ配れないし」
「えっ?別に要らないわよ」
「えっ?」
カエデの返事に驚いていると、彼女はリリアたちに向き直った。
「みんなはコレ、欲しい?」
「うーん..... 正直微妙。たぶん価値はあると思うけど」
「ちょっとデザインがね。
私が40歳くらいだったら似合うのかも知れないけど。
今はまだ良いかな?」
「私もその指輪は着けて歩きたくないです」
どうやらカエデたちはデザインが気に入らないみたいだ。
石の大きさから考えるとリリアが言った通りそれなりに価値がありそうな気がするから売却すれば良いと思うけど、宝飾品の適正価格なんて知らないし、売りに行けば前回みたいに二束三文の値を付けられる気がする。
買取価格上昇のスキルはあっても最初の値付けが二束三文じゃ意味がない。
だからといって実際に交渉出来る訳じゃないし、どうしたものか......
取り敢えずこれもオークションに出せないか、ライザさんに相談してみよう。
あとは現金だな。
バラダム家の奴等から接収した金を袋から出すと、思っていたよりも金貨が少ない。
みんなで数えると、金貨が32枚、銀貨が81枚、銅貨が118枚。
全部で328,218ナールか。
ハインツ一味よりは持っていたが、奴等はたいそうな商家のような口振りだった。
それなのに33万ナール弱か......
それなりに大金なんだけど、ハッキリ言って拍子抜けだ。
それと、決意の指輪の代金が金貨20枚。
スキルが2つ付いているとはいえ、公爵は奮発したな。
それだけ重要ということか。
こっちは思った以上だったから、昨日1日で53万ナールほどの資金が出来た。
ここ数日で稼いだ分と先日盗賊を倒した分。
それと、不要な装備品の売却代金を合わせると、だいたい80万ナール。
パーティーメンバーはあと1人増やせるし、もう少しだけ資金があれば、奴隷オークションに参加するのも“あり”だな。
前回ライザさんには奴隷オークション以降に訪ねると言ったけど、オークションにかけてほしいものが沢山あるし、前回頼んでおいたスキル付きの武器のオークション結果も気になるから、あとで寄ってみよう。