※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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日常業務 奴隷売却2

俺はレオン。20歳の奴隷商人。

ベイルの商館の次期当主として、父の下で研鑽を重ねている。

また、自宅は帝都、南区外側の居住地区の一軒家で、奴隷のロクサーヌと二人で暮らしている。

 

 

「ン〜〜... ンチュッ... チュッ...」

「ん......」

「レオン... サ... チュッ... マ...♥ おは... ンチュッ... よう...♥ ごひゃ... チュッ... いま... ふ♥」

「ロク... サーヌ...... おは... よう」

 

俺の朝はロクサーヌの情熱的な口づけではじまる。

 

いつも通りに彼女にキスで起こしてもらい、着替えて洗面所に行き顔を洗う。

そして、ダイニングに降りると、既に朝食の用意が出来ていて、彼女がコップにハーブティーを注ぎながらニッコリと微笑みかけてくれている。

 

因みに朝食のあとは午前中は商館で働き、午後は迷宮を探索する。そして、夕方帰宅して、夕食、風呂、夜の営みを経て、彼女を抱いたまま眠りにつく。

 

そんな理想的な生活を始めて、今日で10日が経過した。

 

 

初めて朝を迎えたときの彼女の口づけはぎこちなかったけど、日に日に情熱的なものに変わっていき、ついに今日は舌を絡ませながら朝の挨拶をするようになった。

 

夜の営みも積極的だし、日中も何かと俺に寄り添ってくる。

隙あらば腕を絡めたり抱きついてきたりするし、何かとキスを求めてくる。

しかも、お預けしたりすると、ちょっと不機嫌になったりする。

 

彼女が“性奴隷として主人に仕えている”という理由ではなく、一人の女性として心から俺のことを好いてくれていることは、もはや疑いようがない。

しかも、彼女からは、“誰にも渡したくない”、“絶対に逃さない”という想いがヒシヒシと伝わってくる。

 

普通に考えたら重たい女なのかも知れないけど、俺も彼女に同じような想いを抱いているので、全く苦にならない。

10日やそこらでどうしてこんなに好きになってしまったのか、自分でもよくわからないけど、俺も“何があっても彼女だけは離さない”と思っている。

 

◆ ◆ ◆

 

朝食後、ワープでベイルの商館に出勤し、商館主である親父に挨拶してから自分の執務室で業務を開始した。

因みに親父に挨拶した時に、前日の午後にあった事について情報共有を図っているのだけど、今朝の話は興味深かった。

 

何でも昨日、奴隷調達の商圏調整のため帝都の奴隷商館の事務長が来たそうだが、打ち合わせの後に雑談していたところロクサーヌに関わる話が出てきたとのこと。

 

何でも、彼女の似顔絵らしきものを持った狼人族の客が来て、“ロクサーヌ”という名に心当たりがないか尋ねられたらしい。

商館主は知らないと答えたけど、「隠していたらバラダム家を敵に回すことになるぞ」と脅され、「奴隷として販売しているならバラダム家が責任を持って高額で買い取る」とまで言われてしまったため、仕方なくひと通り女性の奴隷を確認させて、いないことを納得させたらしい。

 

事務長は、「バラダム家なんてまともな商売人なら付き合わない。買う気も無いくせに手間暇ばかりかけさせて、全く迷惑な奴等だ」と憤慨していたとのこと。

そして、「アレは他の商館でも同じことをやってるはずだから、いずれアラン殿の所にも参りますぞ」と忠告して帰ったらしい。

 

親父から、該当者が客だった場合は「当商館ではロクサーヌという名の奴隷は販売しておりません」と答え、納得しないようなら帝都の商館と同じように、一通り女性奴隷を確認させて追い返すよう指示された。

 

ロクサーヌがここに来てから70日経ったけど、バラダム家の奴等はまだ諦めていないようだ。

一般的に狼人族は執着心が強い民族だと言われているが、決して物事を諦めないわけでも、考えを曲げないわけでもない。

俺なりに返答の仕方を考えておいた方が良いかも......

 

2日後、該当者がやってきた。

そいつは受付で「ロクサーヌという狼人族の女を買いに来た。話しの通じるやつを出せ」と告げたそうだ。

 

応接室に入りソファーに座っている狼人族の男を鑑定すると、[グルカン ♂ 32歳 探索者Lv19]と表示された。

服装は商人を装っているが、こいつの ジョブは探索者だ。ということは、ロクサーヌを見つけることが目的なのか?

取り敢えず話しながらこいつの意図を探ってみるか......

俺はそう考えながらグルカンという男に近づいた。

 

グルカンは俺に気づくと「チッ!」と舌打ちし、「お前が相手をするのか?」と訝しそうな顔を向けてきた。

 

「ご挨拶が遅れました。私はレオン。当商館の副商館主をつとめております。

あいにく商館主のアランは別の商談で席を外しておりますので、私が対応させて頂きます」

「わかった。俺の希望はロクサーヌという名の狼人族の女だ」

 

ずいぶんストレートだな。

どう見ても俺が年下なんで、こいつは俺を見下しているのだろう。

だが、それならそれで組みし易いな。

 

「ロクサーヌですか...... 当商館ではその名の奴隷は販売しておりません」

「まさか隠しているわけじゃないだろうな?

もしそうならバラダム家を敵に回すことになるぞ!」

 

マジか?バラダム家って... 全く隠す気無いんか...

それとも高圧的に迫れば俺を何とか出来るとでも思っているのか?

 

まあ、コイツからしたら若造なのは否定しないけど、少なくても商人との商談に、商人でもないこんな奴を寄越すバラダム家なんて底が知れてるな。

まあ、上手く立ち回って、二度と来ないように仕向けてやろう。

 

「滅相もございません。本当にその名の奴隷は販売しておりません」

「はあ?なら、本当にいないのか確かめてやるから女を全員ここに連れてこい!」

 

「お客様。それはお断りさせて頂きます」

「何だと!」

「奴隷を購入する気のないお客様に商品をお見せすることは出来ません」

「買わねえと言ってねえだろっ!」

 

「そうですか。購入する気があるなら考えなくもないですが、失礼ですが商人の方ですか?」

「へっ? そ、そうだが」

「では、購入する資金はお持ち頂いていると考えてよろしいのですね」

「も、もちろんだ」

 

「そうですか。では、当商館の女性奴隷の中で最高値の商品は95万ナールとなります。

申し訳ございませんが見せ金としてここに資金を積んで頂けますか」

「は?何でそんな...」

 

「全員見せろということは、お目当ての方が最高額の商品であっても購入するということですよね?

ならばその資金はお持ちのはず。

それとも商人の方なのに、たった95万ナールすら持たずに奴隷を購入しに来られたのですか?」

 

「いや、その。俺は商人にはなりたてで......」

「やれやれ... 先ほどバラダム家とおっしゃいましたし、お客様の態度から考えて、さぞかし資金には余裕があるものと考えておりましたが、まさか対価も持たずに商品を見せろと仰るとは」

 

俺はわざとらしく両手を上げて肩をすくめてみせた。

グルカンは俺から目を逸らし、必死に打開策を考えているようだけど、何も思い浮かばずに口ごもっているようだ。

こんな奴にこれ以上時間を割くのは無駄なので、とっとと追い返すことにした。

 

「申し訳ありません。

先ほども言った通り、当商館ではロクサーヌという名の奴隷は販売しておりませんのでお引き取り下さい。

あと、今後、あなたのような対価を持たず、奴隷を購入する気のない方の入館は固くお断りさせて頂きます」

「ゔ...」

「さあ、お帰りはこちらです。立ち上がれないようでしたら人を呼びますが、如何致しますか?」

 

グルカンに出入り禁止を告げて退館を催促すると、奴は渋々立ち上がって玄関に向かった。

しかし、商館を出る寸前に振り返り、俺に向かって『くそっ!コケにしやがって!いつか痛い目に遭わせてやる!』と叫んだ。

次の瞬間、俺は奴の顔を鷲掴みにして力を込めた。

 

『イデデデデデデデッ!』

『あんたぐらいの実力で俺に勝てると思ってるのか?

ふざけたこと言ってると、次は殺すぞ!』

『なっ!? お前っ!』

 

『俺は奴隷商人だぞ。バーナ語くらい話せるに決まってるだろ。あんたの飼い主は、そんなことも分からないバカを寄越したのか』

『うぐっ......』

 

『帰ったらあんたの飼い主に伝えろ。

金も払わずに商品を掠め取ろうとするお前らは盗賊と一緒だ。うちは盗賊なんかに売る物は何も無い。

次に人を寄越したら、商売を邪魔しに来たとして問答無用で損害賠償金を請求する。

わかったか!』

 

俺はグルカンにそう告げると、一度奴の顔を引き寄せて、それから思いっきり通りに向かって放り投げた。

すると、グルカンは放物線を描いて5mくらい飛び、つぶれたカエルのように、地面にビタンと張り付いた。

 

グルカンはすぐに起き上がったけど、俺を見るなり『ひっ!』と情けない声を上げて、全力で立ち去った。

 

あの男の報告次第だが、バラダム家がどう出るか......

今後の展開について、少し考えておこう。

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