異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる 作:龍いち
ワープで商館駐車場の壁面に移動し、キャラクター再設定でファーストジョブを探索者に変えた。
そして、値引交渉30%のスキルを選択して交渉準備を整え、それから商館入口のドアノッカーを叩いた。
そして、商館の店員に、「奴隷購入の件でミツオが相談に来たとアラン殿に伝えてくれ」と言って取次をお願いした。
受付で待たされ、既に10分ほど経った。
俺は客だぞ!お茶すら出ないのか?
一瞬そう思ったけれど、ここで問題を起こすわけにはいかない。
目を閉じて大きく深呼吸して、イラついていた気持ちを落ち着かせる。
そうして、さらに10分ほど待つと、やっと店員が来て俺を応接室に案内した。
ソファーに座って、先ほどと同じように大きく深呼吸していると、奴隷商が部屋に入ってきた。
「ミツオ殿。お待たせしました」
「いや、アラン殿。こちらこそ、忙しいところ申し訳ない」
「おかげ様で、忙しくさせて頂いております」
チッ!皮肉を言ったつもりだったが、さらっと流しやがったな。
まあいい。先ずは違和感なくロクサーヌを紹介させるように話を持っていこう。
そう思いながら奴隷商が俺の向かいに座るのを見ていると、奥の扉が開いてメイドが入ってきた。
一瞬ロクサーヌかと思ってガン見したが、残念ながら別の女だった。
メイドがテーブルにお茶を置いて退室すると、奴隷商が口を開いた。
「ミツオ殿。奴隷購入の件で相談があると伺いましたが、どのようなお話でしょうか?」
「実は、ベイルの迷宮に潜ろうと思っているのだが、パーティーメンバーを奴隷にしようと思っていてな」
「なるほど。では、本日は戦闘奴隷を探しに来たということでよろしいでしょうか?」
「まあ、そういうことだな」
「失礼ですが、 ミツオ殿は迷宮探索の経験はございますか?」
「経験はあるが、まだ初心者と言われる類だ」
「ほう。因みに、他の方とパーティーを組まれていらっしゃいますか?」
「いや。まだ 誰ともパーティーは組んでいない」
「ふむ、さようでございますか。
男性と女性、経験豊富な者とそこそこ戦える者がおりますが、ミツオ殿のご希望は」
「そうだな...... 戦闘経験に関してのこだわりは無いが、人間族以外の女性が良いと考えている」
「ほう。他種族の女性ですか......」
俺の答えを聞くと、奴隷商の目がスッと細まった。
しまった。露骨すぎたか......
いや、今更何か言ったところで無駄だな。
もう俺が何を希望してるか、この奴隷商は分かっているようだ。
「まあ、そういうことだ」
「かしこまりました。こちらで何人か見繕ってご紹介するという形でよろしいですか?」
「いや、長く付き合うことになるのだ。条件に合う者を一通り見せてもらいたいのだが」
「かしこまりました。では、準備して参りますので、しばらくお待ちください」
いよいよロクサーヌとご対面だな。
そう思うと笑いがこみ上げてくる。
ただ、今の資金では彼女を購入することは出来ない。
それに、漫画では奴隷商の方から売り込んでいたが、今は俺から求める形になっている。
おかしい。なんで違う展開になってるんだ?
これで、5日待ってもらうことに出来るのか?
漫画と違う展開になってしまい、あれこれ考えているうちに、奴隷商が戻ってきてしまった。
「準備が出来ました。ミツオ殿。どうぞこちらにお越し下さい」
「うむ」
その後、応接室の裏口扉から出て、奴隷商の誘導に従い女性奴隷のいる部屋に入った。
その部屋には人間族以外の女性奴隷が5名待っていた。
「ミツオ殿。現在当商館には戦闘経験のある人間族以外の女性奴隷は9名おります。この部屋に5名。隣の部屋に残りの4名を待機させておりますので、まずはご覧頂き、気に入ったものは後で面談して頂きます」
「わかった」
先ず、ざっと5名を見る。
チッ!ハズレか。どうやらここにはロクサーヌはいないようだ。
だからと言って真面目に見ずに隣の部屋に移動するのは不自然なので、一人ずつちゃんと見てまわる。
猫耳、ウサ耳、ウサ耳、この耳は狼人族か? 最後の女は種族はよく分からんが丸耳だ。
女たちは種族はバラバラだが、全員薄着で身体のラインがわかり易い。
特にウサ耳の1人と狼人族の女は胸がデカイな。
このサイズなら、パイズリさせながら亀頭を舐めさせることも出来そうだ。
ロクサーヌほどはデカくないが......
さすがに感触を確かめたいから触らせろって言ったら不味いか......
しかし、こうやって選んだ女を買って、好き放題抱けると思うと滅茶苦茶興奮するな。
やっぱここは、商館じゃなくて娼館なんじゃねえか?
ヤバッ!変なこと考えたら、色魔のジョブをセットしてないのに勃ってきちまった。
「ミツオ殿。そろそろ宜しいですか?」
「あ、ああ」
「では、こちらへ」
いかん。いかん。
俺はロクサーヌを買いに来たんだ。
“フー、フー...”
俺は奴隷商にバレないように深呼吸して気持ちを落ち着けて隣の部屋に移動しようとすると、奴は爆弾発言しやがった。
「隣の部屋の4名は全員処女でございます。さらに見目も麗しい者たちです。
そのぶん値が張りますが、よろしくお願い致します」
「そ、そうか」
処女か...あっ!クソッ!完全に勃っちまったじゃねえかっ!
コイツ、余計なこと言いやがって。
まあ、いい。どっちにしても、次の部屋にロクサーヌがいるんだから。
ぐふふふふふふふっ。
これから毎晩可愛がってやるぜ!
さあ、俺の性奴隷ちゃんとご対面だぁ!
俺はパンパンに膨らんだ股間のことは無視して、少し足早に隣の部屋に入った。
そして、その部屋で待っていた女性奴隷たちを見て混乱し、思わず声が漏れてしまった。
「えっ!いないっ!」
右から狐っぽい耳、猫耳、エルフ?、犬耳......
いない!ロクサーヌがいない!なんで?!
もしかして並んでないのか?
慌てて周りをキョロキョロ見たが、それっぽい女性奴隷はいない。
もしかして、さっきの部屋の狼人族がロクサーヌだった?
いや。わざわざ鑑定しなかったけど、髪の色が違ったし、何より顔が違った。
「ミツオ殿。どうかされましたか?」
「い、いや。 えっと、この4名で最後か?」
「ミツオ殿の指定された条件となると、以上となりますが。どうされましたか?」
しまった。動揺して変なことを聞いちまった。
いや、変なことじゃないのか?
いや、そんなことはどうでもいい!
何でロクサーヌがいないんだ?
条件を言い間違えたのか?
そんなことはないはずだ。なら、何で?
もしかして戦闘奴隷として分類されていないのか?
「アラン殿。戦闘奴隷ではない他種族の女性奴隷を見せてもらえるか?」
「......可能ですが、ミツオ殿は探索者パーティーのメンバーとして奴隷を探しているのではなかったのですか?」
やばい動揺しすぎて何も考えずに言葉が出てしまった。
奴隷商は、明らかに訝しそうな目でこちらを見ている。
なんとか言い訳しなくては......
「あ、いや。その、あれだ。
獣人は種族的に身体能力が優れてるから、戦闘奴隷でなくてもそこそこ戦える者がいるような気がするのでな」
「ふむ。確かにそう言えなくもないですが、紹介していない者は、性格的に戦闘には向かない者たちです。
勿論本人たちも戦闘は望んでおりません。
ですので、ミツオ殿が戦闘奴隷を求めている以上、紹介はひかえさせて頂きたいのですが」
「え、あ、いや。本人が戦闘を望まないなら、無理強いはしないつもりだ」
「そうですか......
一応お聞きしますが、今見て頂いた9名はお気に召さないということでしょうか。
特にこの部屋の4名は、しっかりとご覧になられていないような気がしますが」
奴隷商は鋭い眼光で俺を覗き込んでいる。
だが、ただでさえ資金が足りないのに、ロクサーヌ以外の奴隷を買うつもりなんてさらさらない。
どんなに怪しまれても、ここは断りの一手だ。
「その... 端的に言えば、そういうことだ」
「そうですか。それは残念です」
「手数をかけて済まないが、戦闘奴隷以外の他種族の女性奴隷を見せてくれ」
「......かしこまりました。
準備致しますので、一度応接室にお戻りください」
「ああ。よろしく頼む」
応接室に戻り、一度大きく深呼吸をした。
さっきはパニックになったけど、一人になれたので少し落ち着いた。
なんでこんなことになっているのかよくわからないが、奴隷商が席を外している今のうちに、状況を整理しよう。