※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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Side 主人公 盗賊狩り1

俺は加藤満男。

神奈川県川崎市出身の21歳。

 

異世界に来てから6日経った。

俺はソマーラの村で1軒家をあてがわれ、ティリヒとセラの2人の未亡人と暮らしている。

 

この世界に来た日に村長に女を要求したところ、この2人への種付けを依頼された。

はじめは5日間という約束だったけど、昨日「諸事情あってしばらくベイルの町に通うことになったので、この家を拠点に出来ないか?」と村長に申し入れると、「二人への種付けを続けてくださるなら、こちらとしては是非お願いしたい」と言って、2つ返事で了承してくれた。

 

よって、特に愛情があるわけではないが、しばらくはこの2人と暮らすことになっている。

 

[異世界迷宮でハーレムを]という漫画通りだったら、今日はロクサーヌという最高の性奴隷が手に入る日だった。

だが、現実はどうだ......

俺の隣にロクサーヌはおらず、代わりにいるのはアラサーの2人だ。

俺はベッドから半身を起こすと、「はぁー」とため息をひとつ吐いて、両側で寝ているティリヒとセラを眺めた。

 

毎晩抱き潰してるくせに何様かと言われるかもしれないけど、2人合わせてもロクサーヌの魅力には到底及ばないだろう。

 

しかし、ベイルの商館にロクサーヌはいなかった。

よくよく思いだせば、あの奴隷商から奴隷を勧められることもなかった。

更に思い出せば、初日の夜にはこの2人を抱いている。

 

もしかすると、この世界は[異世界迷宮でハーレムを]の世界にそっくりだけど、1から10まで全て同じというわけではないのかも知れない。

 

まあ、考えてみれば、俺は加藤満男だ。加賀道夫じゃない。

主人公すら違うのだ。やはり全く同じ世界ではないんだろう。

俺は異世界に来てから6日もかかって、ようやくそのことが飲み込めてきた。

 

ただ、全く同じではないけれど、そっくりな世界であることは間違いない。

だから、ロクサーヌはいなくても、セリーはいるかも知れない。

 

そう考えると、ベイルの商館に出入り禁止となってしまい、セリーを買う目処がつかなくなったことは痛い。

適当な理由をつけて奴隷を紹介させ、その中からロクサーヌを選ぶなんてことは考えず、はじめから彼女を探しているって正直に言っていたら、彼女には会えなくても、セリーに会う道筋がなくなることは無かったのに...

 

そんな後悔を何度もしているが、いくら悩んでもどうにもならない。

それに、悩んでいてもやらなければならないことがある。

俺は肩をゆすって2人を起すと、ベッドを抜け出して着替え、食卓の椅子に座った。

そして2人に用意させた食事を済ませると、「じゃあ行ってくる」と一言言い残してワープでベイルの町の騎士団詰所に移動した。

 

騎士団詰所の入口には大抵警備兼案内役の騎士が立っている。基本的に騎士団は24時間営業だから、日が暮れても必ず誰か立っているのだ。

俺は案内役に話しかけるために近づくと、今日の男は見覚えのあるヤツだった。

確か、最初にインテリジェンスカードを持ち込んだときに対応した男だ。

 

「よう」

「あ、この間の」

「昨日、ベイルの迷宮で盗賊を倒したのだが」

俺はそう言って、インテリジェンスカードを差し出しながら、昨日のことを頭に浮かべた。

 

◆ ◆ ◆

 

ベイルの商館を出入り禁止にされた翌日はセックス以外何もしなかったが、その翌日からは毎日日が暮れてからベイルに向かい、夜半までは迷宮で魔物を倒してレベルをあげ、その後にスラムに出かけて盗賊たちの動向を探っている。

 

そして昨日のこと。

ベイルの迷宮近くの大木にワープで移動して迷宮入り口を見ると、迷宮探索パーティーのような6人組が「何階層まで攻略が進んでいる?」といつもの迷宮案内の探索者に確認していた。

 

この探索者は夜はいなくなるのだが、日が暮れてからさほど時間が経っていなかったためか、今日はまだ迷宮入口に残っていた。

 

「まだ5階層だ」

「そうか...... じゃ、とりあえず5階層まで頼む」

迷宮探索パーティーの中から一人が出て、迷宮案内の探索者に声をかけて、迷宮内に入っていった。

 

どういう編成のパーティーなんだ?

何気なく鑑定して驚き、思わず大木の裏側に隠れてしまった。

日が暮れてだいぶ暗くなってきてはいるが、こちらから向こうが見えるように、向こうからも、こちらが視認できるからだ。

 

なっ! なんで盗賊が迷宮に入ってるんだ?

陰からこっそり覗いて、もう一度落ち着いて鑑定した。

 

・盗賊Lv13

 装備 銅の剣 皮の靴

・盗賊Lv7

 装備 銅の剣

・盗賊Lv3

 装備 ダガー

・盗賊Lv3

 装備 ダガー

・盗賊Lv2

 装備 ダガー

 

アイツが頭か?それにしてはレベルが低いな...

思わず隠れちまったけど、あの連中なら負けることはなさそうだ。

そう思っていると、迷宮案内人と迷宮に入っていったもう一人が戻ってきた。

鑑定してみると、そいつは探索者Lv9だった。

 

うーん。アイツが加わっても負けねえか?

俺はここ3日で多少はレベルが上がっている。

今の俺は...

 

加藤満男 男 21歳 自由民

探索者Lv10 英雄Lv9 戦士Lv10 

装備 フラガラッハ 皮の鎧 皮の靴 決意の指輪

 

探索者だけだとアイツらよりレベルは下だが、英雄と戦士も足せば、レベルは遥かに上だ。

スキルもあるし、囲まれなければなんとかなるだろう。

 

そんなことを考えていると、探索者がパーティー編成をし直したようで、6人で迷宮の中に入っていった。

俺は入り口での鉢合わせを避けるため、少しだけ時間を空けてから迷宮に入り、4階層に移動した。

 

4階層の入口小部屋に出た瞬間に左右を見て、先ほどの奴等がいないことを確認してほっとした。

もし先ほどの奴等がいたら、先手必勝で襲いかかろうと思い、気合を入れていたからだ。

 

他の階層に行ったのか?

それとも、もう通路の先に進んでしまったのか?

どちらにしても、ここで引き返すという選択肢はない。

俺は一旦奴等のことは頭の隅に追いやり、迷宮探索を始めることにした。

そして、手当たり次第魔物を倒してまわった。

 

あの性奴隷が手に入っていたら、そいつに魔物を探させて、効率よく探索が進められたはずなのに......

しかし、いなかったものは仕方がない。

俺は魔物の群れを殲滅するたびに、「はぁ」と小さく溜め息をついて、再び迷宮内を歩きまわるのだった。

 

そうして2時間ぐらい経っただろうか、迷宮内を歩いていると前方から戦闘音が聞こえてきた。

視認出来る距離まで近づくと、盗賊たちのパーティーが、ミノ2匹、グリーンキャタピラー1匹の魔物の群れと戦っていた。

 

よく見ると、盗賊Lv3が白い糸に巻かれて通路の左端で藻掻いている。どうやらグリーンキャタピラーの糸に捕まったようだ。

更に、ミノ2匹にそれぞれ2人ずつが対応し、グリーンキャタピラーに1人が掛かりっきりだ。

 

チャンスだ!

俺は瞬間的にそう判断して駆け出し、ミノを攻撃していた盗賊のリーダーの後ろに回り込んだ。

そして、フラガラッハで延髄をぶっ刺すと、盗賊のリーダーはピクピクと痙攣し、剣を引き抜くとドサッとその場に倒れ伏した。

 

隣の盗賊Lv2を見ると、涙目でヒィヒィ言いながらミノにダガーを突き立てていて、全く俺に気付いていないみたいだ。

 

“コイツは後でいいな”

俺は瞬時にそう判断し、オーバーホエルミングと頭の中で念じてもう1匹のミノと戦っていた探索者Lv9の延髄を突き刺した。

更に盗賊Lv7の首を切り飛ばし、2人が相手していたミノの側面に回り込んだ。

そこでオーバーホエルミングの効果が切れたので、目の前にいたミノを袈裟斬りにすると、その一撃で魔物は煙になった。

 

残りの盗賊たちはこの時点で俺に気づき、目を見開いてこちらを凝視した。

すると、次の瞬間に盗賊Lv2がミノに体当たりされてぶっ飛び、壁に激突してその場でうずくまった。

 

“いくら驚いたからって、魔物と戦っている最中に目を逸らせたら駄目だろう”

 

俺はちょっと呆れながらも、盗賊への体当り攻撃直後で硬直しているミノを袈裟斬りにして煙に変えた。

そして、ミノにぶっ飛ばされてうずくまっている盗賊Lv2に近づいて、背中から心臓を突き刺した。

 

これで残りはグリーンキャタピラーと対峙している盗賊Lv3と、そのすぐ近くで糸を巻かれて転がっている盗賊Lv3の2人だ。

そう思ってそちらの方を向くと、魔物と戦っていた盗賊は迷宮の奥に向かって逃げだした。

 

“チッ!めんどくせー!”

ここで逃げられたら面倒なことになると思い、俺は頭の中でもう一度オーバーホエルミングと念じると、逃げ出した盗賊に向かって駆け出し背中から心臓を一突きにした。

そして、剣を引き抜いて魔物に近寄り、横に回り込みながら魔物を斬り裂いた。

 

グリーンキャタピラーが煙になると、通路の端に転がっていた盗賊を拘束していた糸が消えた。

男は一瞬呆けてたけど、次の瞬間には立ち上がって逃げようとした。

しかし、時すでに遅し。

盗賊が立ち上がった瞬間に、俺は正面からフラガラッハを突き出し、彼の心臓を串刺しにした。

 

剣を引き抜くと男は一瞬の硬直の後、胸を押さえて崩れ落ちた。

俺は最初に殺した男の下に駆け寄ると、フラガラッハで左手首を切断した。

そして、盗賊の衣服を破って袋状にし、その中に手首を放り込んだ。

すると、次の瞬間装備品を残して、男の体が床に吸い込まれるように消失した。

 

チッ!もう時間か!

まだ殺してから3分経ってないだろっ!

確かあの商人は、「迷宮内で人が死ぬと、3分ほどで身体は迷宮に食べられてしまいます」って言ってたはずだけど......

商人が言っていたことを思い出していると、次に倒した探索者の身体が迷宮に吸い込まれた。

 

「ヤバッ!考え事してる場合じゃない!」

俺は急いで他の盗賊の左手首も回収してまわると、奴等の身体は次々と迷宮に吸われていった。

ギリギリだったけどなんとか間にあったので、俺はドロップアイテムと盗賊たちの持っていた装備品を回収し、アイテムボックスにしまった。

 

因みに探索者のレベルがいつのまにか11に上がっていたようで、拾ったものを全て収納することができた。

確か、明日は市が立つ日だったはずなので、いらない装備品は全て売ってしまおう。

 

その後、俺は2時間ほど迷宮探索を続けて魔物を狩り、探索者のレベルが12に上がったので、その日の探索を終了した。

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