異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる 作:龍いち
アジトの中に入り探索すると、入口近くの部屋から大勢の人の気配がした。
扉を少しだけ開けて中を鑑定すると、全員男で盗賊Lv17、盗賊Lv11、盗賊Lv7、盗賊Lv5、盗賊Lv4、盗賊Lv3、盗賊Lv3の7人だった。
鑑定結果が上下二段に表示されてるので、どうやら 二段ベッドで寝ているようだ。
“コイツらは下っ端だな。”
おそらくこの中には賞金首はいないだろう。
殲滅目的だから後で殺すけど、取り敢えずは後回しだ。
俺は扉をそっと閉め、廊下の奥に向かった。
意外と広いな......
入口からではよくわからなかったけど、多分家を数軒つなげているようで、それなりの大きさにしてるみたいだ。
そう思いながら奥に進むと、一番奥の大きな部屋とその手前の部屋から人の気配がした。
普通に考えて入口の近くに偉い人がいるなんてことはないから、この二部屋はたぶん幹部の部屋だろう。
そう思いながら、先に一番奥の部屋の扉を少し開けて鑑定した。
すると、中にいたのは男1人女2人の3人で、男が41歳で盗賊Lv51、女が12歳の村人Lv2と11歳の村人Lv1だった。
コイツが頭目なのか?
もしかしてさっきの悲鳴はこの2人だったのか?
こんな小さな娘に手を出すなんて、とんだロリコン野郎だ!
しかし、面倒だな。
少女たちは盗賊じゃないから殺せない。
騒がれたら不味いし、顔バレなんかしたら目も当てられない。
俺は、“今すぐ殺してやりたい”という衝動を抑えながら扉を閉めると、手前の部屋を確認した。
扉の隙間から鑑定すると、手前の部屋の中は男女一人ずつで、男が37歳で盗賊Lv42、女が29歳で盗賊Lv34だった。
こっちは2人とも盗賊だ。
先ずはこっちからだな。
俺は扉の隙間から室内に身体を滑り込ませ、極力音をたてないように摺り足でベッドで眠る2人に近づいた。
そして、奥の男と手前の女の首を一度に斬れるようにフラガラッハをあてがうと、肌掛けを上から落とし、次の瞬間に2人の首を一気に引き斬った。
次の瞬間、2人の体がビクッと跳ねてベッドが軋んだけど、10秒も経たずに静かになった。
俺は2人の左手首を探して切り落とし、持参した袋に詰め込んで、もう一度奥の部屋に向かった。
奥の部屋に入ると、盗賊はベッドの中央に仰向けで寝ていた。そしてよく見ると、その奥に小さなベッドがもう一つあり、2人の少女が身を寄せ合って、肌掛けに埋まっていた。
目を凝らして周りを見ると、少女のものと思われる服や肌着が部屋中に散乱しているので、コイツが何をしていたのか想像出来てしまい、胸糞が悪くなった。
俺は、再び溢れ出す殺意をなんとか抑えつつ、とにかく奥の少女に気づかれないよう慎重に、盗賊の首にフラガラッハを当てた。
そして、さっきと同じように肌掛けで顔を隠し、次の瞬間に剣を引き抜いて首を斬り裂いた。
先ほどよりも力が入っていたのか、頭目は一瞬ビクついたけど、それ以上は動かなかった。
気分的には嬲り殺してやりたかったけど、少女に気づかれたらまずいので、コイツが騒がなかったのは僥倖だ。
俺は、左手を切り落として持参した袋に放り込み、もう一度摺り足で部屋から出ると、そっと扉を閉めて入口近くの部屋に向かった。
次は7人か......
オーバーホエルミングを使って、なるべくレベルが高い奴から一気に殺ろう。
そう思いながら、そっと扉を開けて室内に滑り込み目を凝らすと、部屋には二段ベッドが左右の壁側に2つずつ並べて配置されていた。
右側に4人、左側に3人寝ている。
1つ空いているベッドは、外の見張りの分だろう。
俺は摺り足で4人が寝ている左側に近づき、頭の中でオーバーホエルミングと念じて上の段で寝ていた盗賊Lv17の首を斬り、続いてその下で寝ている盗賊Lv3の首を斬った。
そして、すぐに隣のベッドの前に移動し、上の段で寝ている盗賊Lv5、盗賊Lv3の首を斬った。
ここで オーバーホエルミングの効果が切れた。
声を上げるやつはいなかったけど、身体を痙攣させてベッドをガタガタと震わせた奴がいたので焦った。
俺はフラガラッハを構えて反対側で寝ている盗賊たちの様子を見たけど、誰一人として起き上がりそうな奴はいなかった。
大丈夫そうなので、俺は4人の左手首を切り落として持参した袋に収納した。
そして、深呼吸をして息を整え、摺り足で反対側のベッドに近づいた。
俺は、再びオーバーホエルミングと念じると、上の段の盗賊Lv11と、その下の段の盗賊Lv3。
そして隣に移動し、上の段の盗賊Lv7の首を斬り裂いた。
「......コイツら本当に盗賊だったのか?」
あまりにも呆気なくアジトの盗賊を全滅させることが出来たので拍子抜けしたけど、このグループは少ない集団だから楽だった。他のグループは人数も多いので、こんな簡単に討伐はできないはずだ。
そう思い直して気を引き締め、残り3人の手首を回収した。
手首の回収が済んだのでベイルの迷宮にワープしようと思ったとき、部屋の隅に傘立てのような縦長の壺があり、銅の剣が突っ込んであるのが目に入った。
ん?コイツらの武器か...... 売れるか?
そう思いながら部屋の中を物色すると、他にも武器が見つかった。
銅の剣が4本とシミターが1本。あとはダガーが5本だな。
人数よりも多いのは、予備ということなんだろうか?
そこら辺はよくわからなかったが、売っ払うならどうでもいい。
俺は余計なことを考えるのは止めて、金目のものを物色した。
そうしてアジト中を物色し、武器や防具、そして見つけた金を全て頂いた。
頭目の部屋にもう一度入る時は緊張したけど、少女たちに見つからないように物色し、きっちり鋼鉄の剣と硬革の鎧を回収した。
一通り物色が終わり、この場を離れようと思っていると、左手を回収した袋の中で、インテリジェンスカードが飛び出し始めた。
俺は袋から盗賊の左手を全て出して近くのテーブルに並べ、インテリジェンスカードを全て回収、リュックサックにしまった。
そして、ワープゲートを開いてベイルの迷宮3階層の小部屋に移動した。
3階層に移動した理由は、この階層の魔物はコボルトで人気が無く、人がいないと考えたからだ。
「はぁー」
ゲートを抜けて、俺は大きく息を吐き出した。
どうやら自分で考えていた以上に、緊張していたみたいだ。
盗賊から奪った戦利品を確認しようと思ったけど、なんとなく気持ちが落ち着かなかった。
俺はソマーラの村で30人近くの 盗賊を殺した。
あの時は気持ちが高ぶってしまい、思わず村長に女を要求してしまった。
今日殺したのは10人だったけど、寝込みを襲ったせいかあの時以上に気持ちが高ぶっている。
この高ぶりをティリヒとセラにぶつけたい衝動もあるけれど、次の行動をどうするか考えないといけない。
俺はすぐに家には帰らずに、迷宮探索を行なって気持ちの高ぶりを魔物にぶつけた。
そうして2時間ほど探索を行うと、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。
家に帰ろうと思いながら何気なくステータスを確認すると、各ジョブのレベルが1つずつ上がっていた。
たぶん盗賊を倒す直前は、探索者、英雄、戦士の3ジョブともレベルが上がるギリギリ手前だったんだと思う。
◆ ◆ ◆
ワープで帰宅すると、いつも通りティリヒとセラに出迎えられた。
「ミツオサマ。オカエ、ナサイ」
「ミツオサマ。オカ、ナ、サイ」
「......ただいま」
相変わらずブラヒム語は片言だ。
その後、彼女たちが作った食事を取りながら、俺は次の方針を考えた。
そして、次は今日倒した盗賊グループの右隣のエリアのグループを討伐することにした。
理由は人数が少ない割に、下調べの段階でレベル30超えの盗賊が6人もいたからだ。
つまりそれだけ賞金が期待出来るということだ。
値札が付いてるわけでは無いので絶対ではないけれど、賞金が多いに越したことはないので、北東のグループを次のターゲットとしたのだ。
そうと決まれば早めに寝て、今夜は奴らの情報収集に向かおう。
そして殲滅決行は明日の深夜だ。
方針を決めたので、今日は寝ることに......
しようと思ったけど、その前にいつも通り2人に3回ずつ種付けした。
そして、今日も泥のように眠りについた。
夕方。
目覚めて身支度を整えてる時に、ふと2人の少女がどうなったのか気になった。
あの2人は間違いなく何処かから攫われてきたのだろう。
関わる気はないし、何しろ顔バレしたくないからそのまま放置してきたけど、目が覚めて周りが全員殺されていたら、相当焦るだろうな。
あのアジトのすぐ裏手には川がある。
あそこは一番下流だから、川沿いの道を10分も歩けばスラム入口の橋にたどり着くはずだ。
死体を見て気が動転し、近くの人に助けを求めるなんてことをしなければ問題ないのだが......
「あっ!」
しまった!
アジトの入口で見張りをしていた男を殺し忘れた!
俺はそのことに気づき、思わず声が出てしまった。
「ミツオサマ、ドシタ?」
「いや、何でもない」
俺の声が大きかったのか、隣で着替えていたティリヒを驚かせてしまった。
すぐに誤魔化したけど、小首を傾げている。
“俺がいま何をしているのか 、何に気がついたのか”なんて、彼女に説明する気はないので、食事の用意をするよう言いつけて寝室から追い出した。
殺し忘れた男をどうするか......
少し考えたけど、いまさら気にしてもどうにもならない。
次のターゲットにどのような影響が出ているのかも分からないので、寝る前に考えた通り、今夜は情報収集に努めよう。
俺はそう考えて、寝室を後にした。