※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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ベイルの商館襲撃事件【Side レオン】

時間は商館襲撃の半日前に戻る。

 

夕方。

俺たちは迷宮探索を終えて帰宅し、夕食と風呂を済ませた。

いつもなら、この後はロクサーヌを抱いて眠りにつくのだけど、今日と明日は警戒強化のため商館に泊まることになっている。

なので、風呂上がりに普段着に着替えていると、隣でロクサーヌも普段着に着替えはじめた。

 

「えっ?!何してるんだ?」

「私も行きます」

「いや、必ずしも盗賊の襲撃があるわけじゃないし、ロクサーヌは家で休んでいても...」

「行きます!」

 

ロクサーヌは真剣な表情になり、被せ気味に返事をすると、俺に強い瞳を向けてきた。

彼女からは不退転の覚悟が伝わってくる。

こうなると、よっぽどの武器が無いと彼女の説得は難しい。

 

武器は... 無い。

残念ながら、お手上げだ。

俺は瞬時に説得を諦め、「わかった」と言って彼女に同意した。

 

すると、彼女の顔がパーッと輝いた。

よっぽど嬉しかったのか、尻尾も盛大にピクついている。

あまりの可愛さに思わず彼女を抱きしめてしまい、しばらく唇を貪った。

 

その後、俺たちは玄関横の物置に移動して装備品を持ち、ワープで商館の自室に移動した。

 

装備品を部屋の隅に置いてから親父の部屋に行き、家令のシモンと普段は荷運び役として活躍しているバザンを加え、明け方の集合時間と場所、襲撃を受けた際の配置や各員の役割について話した。

配置に関しては色々と意見がでたけど、最終的には以下のように対応することが決まった。

 

先ずは表側の2階に上がった通路に集合し、ロクサーヌが索敵する。

そして、例の奴隷が部屋を抜け出して入口に向かったら、それぞれの配置につく。

 

先ず、入口から伸びる通路の先にアドロンとサムロンの2人を配置、そのすぐ後ろに残りの親父のパーティーを配置して盗賊たちを足止めする。

2階に上がる踊り場にシモンと戦闘奴隷を2名配置して、万が一親父のパーティーを突破してきた盗賊がいたら、商館内部に入り込むのを阻止する。

駐車場側の通用口にはバザンと戦闘奴隷2名。そして、俺とロクサーヌを配置して、そちらからの盗賊の侵入を防止する。

 

話がまとまったので一度自室に戻り、俺とロクサーヌは仮眠を取るためベッドに入った。

 

商館の自室のベッドは帝都の家の物より狭いので、自然と抱き合って眠りにつくことになる。

おとなしく寝るつもりだったけど、肉感的なロクサーヌと抱き合っているとムラムラしてしまい、おやすみのキスをすると我慢出来なくなってしまい、結局1回だけしてしまった。

 

因みにロクサーヌに、「声が響くとまずいから我慢してね」と告げると、彼女は小さな声で「レオン様の意地悪」と言って抗議したけど、そのあとは口を固く閉じてさらに両手で口を押さえ、涙目になりながらも必死に声を出すのを我慢していた。

 

俺はロクサーヌのそんな姿にめちゃくちゃ興奮してしまい、ビクンビクンと身体を震わせて絶頂する彼女の中にたっぷりと精液を注ぎ込んでしまった。

そして、そのまま意識を手放すように眠りについた。

 

数時間後、俺はロクサーヌの情熱的な口づけで起こされた。

そして、戦う準備をして集合場所に向かうと、シモンとバザンが武装を整えた奴隷たちを連れて来ていた。

俺は少し声量を落として2人に挨拶し、奴隷たちにも「こんな時間から済まないが、みんな、宜しく頼む」と言って少しだけ頭を下げた。

すぐに親父も合流したので、事が起こった際の配置をもう一度確認し、その場に座って待機した。

 

そのまま30分ほど待機していると、スンスンと匂いを嗅いでいたロクサーヌが俺の袖を引っ張った。

どうやら懸念していたことが現実となるようで、例の奴隷が部屋を出て商館の入り口に向かったとのこと。

 

奴は自分がロクサーヌに索敵されているとも気づかずに、商館の入口まで移動して、その場でじっと動かずにいるようだ。

たぶん入口扉の鍵を外して、外からの合図を待っているのだろう。

 

「では、配置について、予定通り対応すること」

親父の指示に俺たちは無言で頷きあうと、散開して自分たちの持ち場に向かった。

そして、俺が通用口に到着して声を潜めていると、入口の方から剣戟の音が聞こえてきた。

 

ロクサーヌに確認すると、襲撃してきた盗賊はかなりの人数らしく正確には把握出来ないとのこと。

俺たちは通用口からも襲撃されると考えていたけど、3分ほど経ってもこちら側に盗賊が来る気配がなかった。

 

ので、俺はバザンにこの場所を守るよう申し送って、ロクサーヌと2人で通用口から外に出た。

そして、商館をぐるっと迂回して入口から飛び込み、盗賊たちを背後から奇襲した。

 

俺は鑑定をかけながらオーバードライブと念じて、一番後ろで偉そうに指揮を執っていた盗賊Lv26の延髄をレイピアで斬り裂いた。

次にその隣にいた盗賊Lv21の延髄も斬り裂いて、更にその2人の盗賊の隙間から、すぐ前にいた盗賊Lv10の延髄にレイピアを突き刺した。

すると、ちょうどそこでオーバードライブの効果が切れたので、俺はバックステップで盗賊たちの背後に下がった。

 

隣でロクサーヌも盗賊Lv12の延髄を斬り裂いており、俺と同じようにバックステップで下がってきた。

すると、俺たちに奇襲された4人が一斉に膝から崩れ落ち、口から泡を吹いて絶命した。

 

そこで再度鑑定すると、残っているのは盗賊Lv18と盗賊Lv7の2人だけだった。

足元に3人転がっているので、俺たちが来る前に親父たちの方で倒していたみたいだ。

 

残った2人は後ろにいた盗賊たちが倒れた音に肩をビクつかせると、恐る恐るこちらを振り返った。

次の瞬間、奴等は驚愕の表情になり、「ま、待ってくれ。降参するから殺さないでくれ!」と言って武器を落として両手を上げた。

 

親父はアドロンとサムロンに「そいつらを縛れ」と指示して2人を拘束させると、他のメンバーにシモンとバザンを呼びに行かせた。

そして、2人が来ると、バザンには騎士団への報告と現場検証に来てもらうよう指示して送りだした。

 

30分後、殺した盗賊たちのインテリジェンスカードを回収していると、バザンが3名の騎士を引き連れて商館に戻ってきた。

親父は騎士に状況を説明して盗賊のインテリジェンスカードを差し出すと、騎士はカードを確認して、それから呪文を唱えて捕らえていた2人のインテリジェンスカードを表示させ、そいつらも盗賊であることを確認した。

 

「襲撃の事実を確認しました。

死亡した盗賊のインテリジェンスカードの確認と捕らえた盗賊の代金支払いのため何方か騎士団詰所まで同行してください」

「ふむ。では、家令のシモンを同行させます」

「シモン。頼む」

「承知しました」

 

「では早速向かいましょう」

騎士はそう言うと、シモンと捕まえた奴隷を引き連れて、騎士団詰所に戻っていった。

 

「レオン様。捕まえた盗賊はどうなるのですか?」

一段落すると、ロクサーヌが疑問に思ったことを聞いてきた。

 

「ふむ。一旦騎士団で牢屋に閉じ込めて尋問した後、賞金首なら公開処刑となる。

殺人などの重罪を犯していた者は処刑。

処刑する程では無いが、それなりの罪を犯していた者は奴隷身分に落とされた後に死ぬまで鉱山送り。

それ以外の軽犯罪者は奴隷身分に落とされた後に商館に売却されることになる。

因みに賞金首の場合は、その賞金も受け取れることになっている」

 

「先ほど騎士の方が代金の支払いと言っていましたけど。あれはどういうことですか?」

「ああ。盗賊を生け捕りにした場合は、騎士団が買い取るんだ。表向きは取締り協力費としてな。

処刑か鉱山送りになる盗賊は、一人5万ナール。

領主によって買い取る金額が多少異なるけど、何処の町の騎士団でも、だいたい同じ金額だ」

「そうなんですね」

 

「あと、軽犯罪者の方だけど、通常は騎士団が商館に奴隷として売却し、その金額の8割を取締り協力費として後日受け取ることになる。

健康上問題ない男なら、だいたい3万ナールが相場だから、受け取る金額は2万4千ナールだ。

ただ、今回はうちが商館なので、取り調べ後に協力費は無しで戻されることになる」

 

「どういうことですか?」

「こちらで売却して協力費分も儲けろってことだ」

「そういうことなんですね」

「ふむ。まあ、盗賊を生け捕りにするなんて滅多に無いことだけど 、一応覚えておいてくれ」

「わかりました」

 

ロクサーヌとの会話が一段落すると、今度は親父が話しかけてきた。

 

「レオン。お前が懸念した通りになったな」

「そうだね。まさか本当に襲撃されるとは思わなかったけど...... とにかくこちらに犠牲がなくて良かったよ」

「うむ。まだ襲撃はあると思うか?」

「内通者がいなければ、戦闘奴隷がいる商館を襲う奴はいないと思う」

「そうか。まあ、一安心といったところか」

 

親父は返事をすると、「うーん」と唸りながら背を伸ばした。昨夜は仮眠を取らなかったのか、かなり眠たそうだ。

 

「親父。午前中は俺が対応するから、一眠りしてきたら?」

「ふむ... では、2人に任せて少しだけ休ませてもらおう」

「ああ。起きたら声をかけてくれ」

俺が頷くと、親父は自室に向かって歩いていった。

 

その後しばらくすると、シモンが奴隷の身分に落とされた盗賊Lv7の男を連れて戻ってきたので、騎士団での顛末を聞いた。

 

襲撃犯たちはスラムでは最大級だった盗賊グループの構成員だが、そのグループは2日前に幹部が全員殺されてしまい、構成員の統制が利かなくなっていたらしい。

なので、騎士団としては“襲撃犯たちのリーダーは、次の幹部になる実績作りとして商館を襲撃した”とみているとのこと。

因みに町の外で商人を襲撃したグループもあったらしく、そちらも失敗したとのことだった。

 

捕まえた盗賊のうち、年上の男の方は以前に貴族御用達の商人の馬車を襲ったことがあったらしく、その際に護衛を二人殺した為に10万ナールの懸賞金がかけられていたとのこと。

また、殺した盗賊の中にも賞金首が2人いた為、取締り協力費と懸賞金で合計45万ナールも受け取ってきたとのこと。

 

親父がいないのでひとまず奴隷となった盗賊の男の主人を俺にして、大部屋に放り込んだ。

とにかくこれで、襲撃事件は本当の一段落だ。

 

その後、俺たちは昼過ぎに起きてきた親父にシモンから聞いた騎士団での顛末を報告し、奴隷となった盗賊の主人を親父に変更した。

 

俺たちは商館で食事をした後、自室からワープで帝都の家に帰宅した。

すると緊張の糸が解けたのか、身体がだるくなり急激な眠気に襲われた。

 

仕方がないので午後の迷宮探索は諦めて、ロクサーヌを抱きしめながら夕方まで眠りについた。

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