※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

53 / 130
第5章 セリー
突然の出会い【Side 主人公】


騎士団詰所を出てからふと考えた。

 

さて、今日はどうするか。

迷宮に行くのは良いとして、何だか目標が無くなっちまったな。

とりあえず迷宮で戦ってレベル上げでもするか......

 

一応ティリヒとセラを孕ませるって目標?はあるけれど、毎日種付けし続けてるから2人ともそろそろ妊娠していてもおかしくない。

ベイルの町の盗賊討伐があったのでなんとなくソマーラの村に居続けてたけど、衣食住を世話されて種付けしていただけだったから、段々しんどくなってきていた。

 

別に2人に愛情があるわけじゃないし、そろそろ切り上げ時かも知れないな......

正直盗賊を狩るのも飽きてきてるし、奴等に身バレしたら、いつ、誰から襲撃されるか気が気じゃなくなり本当の意味で人生終了するかもしれない。

 

どこかに拠点を移して1から何かを始めるか、気に入った奴隷を買って、無難に迷宮探索をこなして、スローライフってやつを送るのも、良いかも知れないな......

 

そんなことを考えながら何となく迷宮に向かって町中を歩いていると、視界の先にフードを被った2人の小柄な人物が映った。

よく分からないけど、一人は頭がやたら膨らんでいた。

この世界には、そんな人種もいるんだな。

そんな感想を抱きつつ、それ以上は特に気にせずに歩いていると、その2人は俺を出禁にした商館の前で立ち止まった。

 

嫌な場所で立ち止まるもんだな。奴隷でも買いに来たのか?

まあ、俺には関係ねえ話だ。

そう思いながら、俺はこの商館を出禁にされた時のことを思い出し、思わず首を振った。

 

「せいぜいあの奴隷商の機嫌を損ねないよう気をつけるんだな」

2人に視線を向けてそんなことを呟きつつ、俺は迷宮に向かうために横を通り過ぎようとした。

しかし、次の瞬間頭の中で、奴隷・商館・小柄な人物・この時期、という言葉が噛み合って、稲妻が走った気がした。

 

ちょっと待てっ!

もしかしてセリーなんじゃないか?!

 

俺は振り返って頭が膨らんでいる人物のフードの中を覗き込むと、そこには決然としながらも少し不安気に商館を見つめている少女がいた。

漫画で見た容姿とは若干異なり黒髪だったけど、身長140cmくらいの華奢な美少女だ。

 

慌てて鑑定すると、[セリー ♀ 16歳 探索者Lv10]と表示された。

隣にいる人は[ガバール ♂ 41歳 鍛冶師Lv5]と表示されているので父親か、親族か、それとも知り合いなのか......

よく分からないけど、彼女は自分自身を売りに来たはずだから、売却代金を持ち帰る役目の男なんだろう。

 

とにかく商館に入られたら手が出せなくなるので、咄嗟に俺は2人と商館入口の間に回り込んで行くてを塞ぎ、声をかけた。

 

「済まない。その娘を売りに来たんなら、俺に売ってくれ!頼む。この通りだ」

俺は男に向かってそう言い、ガバッと頭を下げた。

 

やった!商館に入る前にセリーを確保出来た!

俺!めっちゃツイてんじゃん!

降って湧いた幸運に一気にテンションが上がった。

 

先ずは話し合いに持ち込み、誠心誠意訴えてコイツらが納得する金額を提示すれば彼女が手に入る。

幸い金ならたんまりある。

いくら提示されるかわからんけど、今の俺なら余裕で払えるはずだ。

 

俺を出禁にして精神的な苦痛を与えた商館の奴等に、ざまあ見ろと言ってやりたいぜ。

ククククッ。そう考えると思わず笑みが溢れてしまう。

 

俺は笑いを堪えながら返事を待っていると、ガバールという男が「&で#たβ℃か*ま☆」と、よく分からない言葉を吐き出した。

 

「えっ?」

驚いて顔をあげると男は訝しそうに俺を睨み、「*た√¥や&∶∶た%」と、またもや俺の知らない言葉を吐くと、俺を押しのけて商館に向かおうとした。

 

「ちょっと待ってくれ!金なら払う!」

俺は叫びながら咄嗟にセリーの手を掴んで引き止めると、彼女は「キャーーーッ!!!」と叫んで、俺の手を振りほどこうとした。

そして、それに気が付いたガバールが「%◆β℃◆%∶&ぁⅢ!」と怒鳴り、俺に殴りかかってきた。

 

慌てて拳を避けると、男は「*%&%##∶&ぁⅢ!」と叫んで今度はセリーを掴んでいる手を叩き落とそうとした。

その手を払いのけて「待てって言ってんだろ!」と逆に怒鳴りつけると、男は大声で「β¥、βか☆%! &さ℃#、√!」と周りに向かって叫んだ。

 

チッ!言葉が通じねえ!

こいつらブラヒム語は話せねえのか!

 

怒鳴りつけたのは逆効果だったようで、ガバールはさらに俺の知らない言葉で騒ぎ始めた。

セリーも「&≫かβ***して!」と叫びながら、ずっと俺の手を振りほどこうとしている。

 

騒ぎが大きくなってしまい、周りでは何人も足を止めてこちらに注目しはじめたので、俺は声音を抑えて「怒鳴ったのは済まなかった。

ちゃんと話がしたいので、少し落ち着いてくれ」とことさらゆっくりと話したけど、ガバールという男は頭に血が上っているようで、全く聞く耳を持ってくれずにセリーを掴んでいる俺の手を指さしながらもう一度「%¥¥&☆%#!」と怒鳴った。

 

一瞬セリーを掴んでいる手を離そうかと思ったけど、離した途端に彼女に商館に駆け込まれたら、目も当てられない。

そう思うと手が離せない。

どうすればいいのか考えていると、騒ぎを聞きつけたのか?商館から男が飛び出してきて、「何してるんですか!」と言いながらこちらに駆け寄ってきた。

 

男は、ガバールに「#&ぁは#な%、は**☆℃&」と俺の知らない言葉で声をかけると、一言二言、言葉を交わしてから俺に向き直った。

 

「貴方が急に目の前に立ちふさがり、彼女の手を掴んで連れて行こうとしたので抵抗していると、こちらの方は言っています。

貴方とは知り合いでも何でもない。きっとコイツは人攫いだ。とも言っています。

貴方は人攫いなんですか?」

「はあっ!人攫いじゃねえよ!俺はその娘を買うって言ってんだ!

アンタは邪魔だから引っ込んでろ!」

 

思わずカチンと来てしまい、商館の男を怒鳴りつけると、奴は怪訝そうな顔をして俺に言い返してきた。

 

「あんた何言ってんだ!

いきなり腕を掴んでこの娘を売れって、それはどう考えても犯罪者の言葉だろ!」

「なっ!犯罪者だぁ!」

瞬間的に頭が真っ白になり、「てめえはすっこんでろっ!」と言って商館の男に向けて拳を振り上げると、今度はガバールが俺に向かって「%&た√☆*さ℃!」と捲し立てだした。

 

チッ!今度はお前か!

「くそっ!あんたの言葉はわかんねえんだよっ!

とにかく誤解すんな!俺は金を払うって言ってんだ!」

 

俺は勢いよく拳を下げ、ガバールに向かってそう吐き捨てると、彼はまた「√&な☆%だ¥!」と俺の知らない言葉で言い返してきた。

 

畜生っ!どうすればいいんだよ!

なんで通じないんだよ!

 

泣き言を言ってもどうにもならないので、もう一度ガバールを諭す言葉をかけようと思っていると、今度は商館の男が「こちらの方たちはウチに用があるって言ってんだ。とにかく一度、アンタは彼女から手を離せよ!」と、食ってかかってきた。

 

畜生っ!交互に 話しやがって!

そう思って2人を睨んでいると、突然横からセリーを掴んでいる手首をガシッと掴まれた。

次の瞬間、骨がきしむほどの握力で締め付けられ、思わず「ウッ!」と唸ってセリーを離してしまった。

 

すると、あろう事かセリーは俺の手首を掴んだ男の後ろにまわり込み、その背に隠れてしまった。

思わず男を睨みつけると、そいつは薄ら笑いを浮かべながら、「彼女が怯えていますよ。冷静にお話ししましょう。一体何があったのですか?」と言って、いかにも“私が調整してあげますよ”といった感じのいけ好かない雰囲気を醸し出した。

 

俺は「チッ!」と舌打ちすると、ソイツの手を振りほどき、一息 吐いて気持ちを落ち着かせた。

 

仕方がない。

こいつのペースで話すのは嫌な予感がするけれど、かと言ってこのままじゃ埒が明かない。

このまま揉めてて騎士団でも出てきたら、今まで気づいた 信頼が崩れてしまう。

 

俺は瞬時にそう考え、ひとまず話の主導権を目の前の男に預けることにした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。