※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

60 / 130
不思議な迷宮探索2【Side セリー】

そういえばレオン様は奴隷商人のスキルを使っていた。

移動魔法は説明がつかないけど、魔法を使えるということは......

やはり、以前考えた通り、彼は複数のジョブに就いているということなんだろう。

 

「あの。もしかして、レオン様は複数のジョブに就いているのですか?」

「おお!気付いたか。大正解だ。

俺は、最大7つのジョブまで同時に就くことが出来る。そして、それを自由に組み替えることも出来るのだ。

それに、パーティーメンバーのジョブを変更することも出来るぞ」

 

恐る恐る聞いてみると、彼はとんでもないことを言い出した。

もはや想像したこともない、個人が人のジョブを変えるなんて、人としてあり得ない話だ。

でも、この人なら!

 

「つまり、レオン様にはギルド神殿の力もあるということですね!すごいです!」

信じられないことだけど、彼に常識外過ぎる力があることを理解した瞬間、一気にテンションが上がった。

 

常識なんてどうでもいい!

ワクワクする気持ちが止まらない!

レオン様。この人のことをもっと知りたい!

 

そう思いながら彼を見つめていると、ポンと肩に手を置かれた。

ハッと我に返って手を置いた人に顔を向けると、そこには笑顔のロクサーヌさんがいた。

そして、彼女からは尋常ではない殺気が!

 

「ヒッ!」

「ここは迷宮です。大きな声は出さないこと。

それと、わかっているとは思いますけど、このことは内密ですよ」

「わ、わかりました」

私がコクコクと頷くと、彼女は「ふふっ」と笑って私から目を逸らした。

そして、どちらに進むかレオン様に確認した。

 

「右は止めた方がいいな」

「そうですね」

ロクサーヌさんはレオン様に返事をすると、「3分ほどで魔物と接触します」と言いながら左の通路に向けて歩きだした。

 

3分後。

「この先に魔物がいます。先ほども言いましたが、コラーゲンコーラル2匹とチープシープ1匹です」

ロクサーヌさんは私たちに注意喚起すると、細身の長剣を鞘から抜いた。

 

あれはレイピアだ。

あの剣を扱えるなんて、相当力量があるのだろう。

そう思っていると、レオン様も剣を鞘から抜いた。

よく見ると、レオン様の剣もレイピアだ。

 

うぅ.... お揃いなんて羨ましい......

私もレオン様とお揃いの武器がいい......

 

なんて、レイピアなんて扱えるわけがないのに馬鹿なことを考えていると、前方に魔物が見えてきた。

ロクサーヌさんが言った通り、魔物はコラーゲンコーラル2匹とチープシープ1匹だ。

 

私は先制攻撃するために魔物に駆け寄るのかと思ったけど、2人とも全く走り出す気配がなかった。

なので疑問に思っていると、ボォッと音が響いて火の玉が魔物に向かって飛んでいった。

そして、チープシープに着弾すると、魔物は炎に包まれてそのまま煙になった。

それを見て呆けていると、レオン様から声がかかった。

 

「セリー。魔物が近づいてきたら2体同時に棍棒が当たるように攻撃してみてくれ」

「は、はい」

「掠るくらいでもかまわないから、とにかく一振りで2体同時に当たるようにしてくれ」

「わ、わかりました」

 

私は2人の前に出て棍棒を構え、魔物が近づいてくるのを待った。

そして、棍棒がギリギリ届く距離にコラーゲンコーラルが近づいた瞬間に、思いっきり振り回した。

すると、“ガガッ!ガキン!”と迷宮内にコラーゲンコーラルの硬い体に棍棒がぶち当たる音が鳴り響き、1匹の魔物は頭が後ろに反り返り、もう1匹の魔物は後ろにひっくり返ってゴロゴロと転がった。

 

「やった。当たった!」

1匹は掠った程度だったけど、私の一撃は間違いなく2匹に当たった。

一発で2体同時攻撃を成功させるなんて、私には棍棒のセンスがあるのかしら?

今まで槍しか使ったことがなかったのだけど、私、実はこっちのが合ってるのかも。

 

そんなことを考えていたら、私は肩をぐいっと後ろに引っ張られた。

すると、私と入れ替わるように、ロクサーヌさんが前に出た。

そして、棍棒が掠っただけで殆どダメージを与えられなかったコラーゲンコーラルの前に立ちはだかると、魔物の攻撃を躱しながらレイピアで攻撃をはじめた。

 

す、すごい。魔物の攻撃が全く当たらない。

あんな目の前にいるのに、盾でいなすか紙一重で躱している。

ロクサーヌさんの動きに驚いていると、レオン様の声が響いた。

 

「ロクサーヌ。少しだけ離れてくれ!」

声を聞いたロクサーヌさんがバックステップで一歩下がると、次の瞬間コラーゲンコーラルが砂嵐に包まれた。

よく見ると、私の攻撃で転がされた方の魔物も砂嵐に包まれている。

つまりあれは、サンドストームの魔法だ。

さっきも魔法を使っていたけど、レオン様は普通に魔法を使うんだ。

 

誰かに見られたらマズイのではないかと思ってちょっと心配したけれど、私の気持ちを察したのか、レオン様は「近くに他の探索者がいる時は、魔法は使わないからね」と言って微笑んだ。

 

“近くに他の探索者がいるかどうかなんて、どうやってわかるのか?”

その疑問が一瞬頭を過ぎったけど、視界の隅に映ったロクサーヌさんを見て納得した。

 

砂嵐に揉まれて魔物が煙に変わると、ロクサーヌさんがドロップアイテムを拾い出した。

私も慌ててアイテムを拾い、レオン様に手渡した。

すると、レオン様は私の顔をじっと見ながら「ふむ......なんでかな?」と呟いた。

 

「うまくいかなかったのですか?」

「うーん...... 村人Lv3がマズイのかな......」

えっ?村人Lv3?

村人のレベルって、いったい何を言ってるの?

 

「一度ジョブを村人に変えてみるか」

「では、万が一がないように、後ろに下がらせておいた方がいいですね」

あれ?ロクサーヌさんはスルーしてる。

村人のレベルは2人の中では常識なの?

 

それに、ジョブを村人に変える?

そういえばレオン様はパーティーメンバーのジョブを変更することが出来ると言っていたけれど、私、村人にされちゃうの?

 

疑問を抱えたまま固まっていると、「セリー。お前のジョブを村人に変えたから、絶対前には出ないように」とあっさりレオン様に言われてしまった。

 

「は、はい」

「では、他の階層に移動する」

レオン様はそう言うと、すぐ横の壁にダンジョンウォークのゲートを開いた。

そして ゲートを通り抜けると、当たり前のようにロクサーヌさんが臭いを嗅ぎ出した。

 

「レオン様。正面の通路に魔物がいます。スローラビットだけ4匹。1分もかからずに見えるはずです」

「わかった。一発で倒すからドロップアイテムの回収を頼む」

「お任せください」

 

えっ?魔物が4匹?!

ということは、ここは8階層よりも上になる。

その階層の魔物を一発で倒すの?

いくら魔法が強力だと言っても、そんな強力な魔法なんてあるはずが......

 

そう思っていると、レオン様はロッドを取り出した。

本格的に魔法で戦うみたいだ。

そして、通路を進み始めると、1分も経たずに通路の先に魔物が見えた。

 

あっ!魔物だ!

そう思った瞬間、魔物の群れは炎に包まれた。

そして、その炎は何故かピカピカ光っていた。

あれはファイヤーストーム?

知識でしか知らなかったので、すごい勢いだと驚いていると、炎の中で魔物が煙に変わった。

 

「えっ!本当に一発で......」

「まあ。本当は一発ではないけどな」

「えっ?どういうことですか?」

「まあ、それは後で。ふむ。もう一回か」

 

疑問に思ってる私をよそに、レオン様は私から視線を外した。

「ロクサーヌ。もう1回頼む」

「かしこまりました」

返事をしたロクサーヌさんを見ると、いつの間にか兎の毛皮を回収し終わっていた。

 

彼女は毛皮をレオン様に渡すと、再びスンスンと匂いを嗅ぎはじめた。

「その先を右に曲がると魔物の群れがいますけど、すぐ先から探索者パーティーが迫ってます。

一旦さきほどの小部屋に戻って、右か左の通路に進みましょう」

「わかった。任せるよ」

 

その後、先ほどの場所に一旦戻ると、右の通路に進みはじめた。

そして、2、3分ほど歩くと、ロクサーヌさんから「この先に魔物がいます。スローラビット2匹とコラーゲンコーラル1匹です。2分ほどで接触します」と報告が入った。

 

私は棍棒を構え直したけど、魔物が見えた瞬間にさっきと同じように魔物は炎に包まれた。

そして、次の瞬間には煙に変わっていた。

 

やる事がないわね......

せめてドロップアイテムだけでも拾おうと思っていると、先ほどと同じようにレオン様が立ちふさがり、私の顔をジッと見つめだした。

 

ち、近いっ! でも...... かっこいい♥

レオン様。そんなに見つめて......

うぅ...... 恥ずかしい...... でも...... なんか嬉しい♥

いま、目を瞑ったら......

キス...... されちゃったり......♥

 

そんなことを考えながら目を瞑り、彼を求めるように唇を突き出すと、背後からものすごい殺気を感じた!

 

背中がゾクゾクして目を開けられない。

顔から体から、冷たい汗が流れ出す。

 

振り向かなくても後ろに誰がいるのか、彼女がどんな顔をしているのか......

手に取るようにわかる。

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!と唸りをあげて放たれる殺気でわかってしまう。

いや...... 現在進行形で分からされている!

 

怖い。どうしよう...... 

このままでは帰らぬ美少女になってしまう!

奴隷の分際で馬鹿なことを考えなければよかった......

 

震えそうになる体を必死に抑えながら、頑張って薄目を開けると、目の前にいるレオン様は苦笑いしていた。

 

「ロクサーヌ。怒るな。大目に見てやってくれ」

「別に怒っていませんよ?」

嘘だっ!この人は嘘をついてるっ!

だって殺気がなくならないしっ!

 

「はは。俺の一番奴隷なら、ただ叱るのではなく正しい方向に導いてあげてほしいな」

「ふふっ♥ そうですね。レオン様の一番ですしね♪

かしこまりました♪」

 

次の瞬間、一気に殺気が霧散した。

私は思わず“ハァー”っと大きく息を吐いた。

緊張し過ぎてどうやら呼吸を忘れていたみたいだ。

 

「セリー。レオン様はかっこいいので、好きになってしまうのは仕方がありません。

ですけど、迷宮の中では自重しなくてはいけませんよ。

それと、あなたは2番目です。

ちゃんとそれを忘れないようにしてくださいね」

 

「は、はい。 私は2番目です!」

振り向いて背筋を伸ばし、ロクサーヌさんに返事をすると、彼女は満面の笑みを浮かべた。

 

どうやら私は許されたようだ。

それと、どうやら分をわきまえればレオン様を好きになっても良いみたい。

そして、2番目っていうことは、私もレオン様の寵愛を頂けるってことなのかも...... ♥

なんて馬鹿なことを考えていると、秘部がキュンと疼いてしまった。

 

私は商館に来る迄は性行為には殆ど興味が無かった。

兄様ほど優しくて頼りになる男性が周りにいなかったからか、恋愛や結婚は自分とは縁遠いものだと感じており、必然的に男性との性行為も縁遠いものだと感じていたからだ。

 

だから、処女検査の時の快感は衝撃的だった。

私に与えられた部屋が個室だったことも影響し、その日から毎晩秘部を弄ることが止められなくなっている。

まだ15日だけど、もう何処をどう弄れば気持ち良くなれるのかわかっている。

 

自然とそこに指先が向かいそうになり、慌てて止めた。

いけない。夜まで自重しないと......

そんなことを考えているうちに、2人がとんでもないことを話しだした。

 

「レオン様。もう大丈夫です♪」

「いや、そういうわけではないんだが...... まあ良い。

それより無事 鍛冶師が取得出来た。

探索は終了して、一度執務室に戻ろう」

「かしこまりました」

 

えっ?鍛冶師を取得?

どういうこと?

それに、もう探索終了?

本当にどういうこと???

 

瞬間的に我に返り、理由がわからず目を白黒させていると、私の困惑を余所に2人は一度私に視線を向け、納得したように頷いた。

そして、いつの間にか迷宮の壁に開いていたダンジョンウォークのゲートに向かって歩きだした。

 

ゲートをくぐり抜けると、そこはレオン様の執務室だった。今度は迷宮の中から外に直接移動したということだ。

 

正味30分。たったの3戦で、本日の......

疑問だらけの迷宮探索?は終了した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。