※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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二人でお買い物

今から家具や衣類、食材、それと桶や食器などの雑貨を買い揃えなくてはならない。

俺はロクサーヌを連れて、帝都の街に繰り出した。

最初に向かったのは、南東区にある大きな家具屋だ。

 

30分ほど歩いて家具屋に着くと、最初に服をしまう棚や食器をしまう棚、脱衣所に置くための棚を選んだ。

それからダイニング用の大きめなテーブルを選び、そのテーブルに合う6脚組のイスを選んだ。

 

そして最後にベッドを選びはじめると、それまで俺に従っていたロクサーヌが意見した。

 

「レオン様。私は奴隷ですので床でも構いません。ベッドはレオン様が安らげる物を選んで下さい」

「いや。ベッドは一番大きなものにするから、ロクサーヌも一緒に寝てくれ」

「えっ! あっ、はい。その... 経験はありませんが、そのときは頑張ってご奉仕......」

 

ロクサーヌは顔を真っ赤にして、俯きながらゴニョゴニョとつぶやいていた。

言葉が尻切れで何を言っていたのか聞き取れなかったけど、嫌そうではなかったので問題ないだろう。

そう考えて、一番大きなベッドを注文し、他の家具と合わせて明日の午後に家に届くように手配した。

 

「ロクサーヌ。次は雑貨屋で、そのあとは服屋に行くよ」

「かしこまりました」

 

俺たちは15分ほど歩いて南区に入り、雑貨屋でリュックサックと手縫いなどの小物を買った。

次に、宣言通り服屋に向かい、ロクサーヌの服や肌着を買い揃えた。

もちろん南区の店で買っているのだから、古着ではなく新品だ。

 

彼女は「私は古着で十分です」とか「こんなに何着も必要ありません」などと言ってかなり遠慮していたけど、「ロクサーヌにはいつも綺麗にしていてほしいんだよ。まあ、俺のわがままなんだけど、付き合ってくれないか?」と耳元でささやくと、顔を真っ赤にして「レオン様。そんな言い方は卑怯です」と言って受け入れてくれた。

 

荷物が多くなったので、会計後に服屋の店員に断わって店の奥の壁に向かってフィールドウォークの呪文を唱えた。

そして、ゲートを潜って一度家に帰り、荷物を置いてから再びフィールドウォークのゲートを開き、今度は冒険者ギルドに移動した。

 

冒険者ギルドを出て北西方向に歩いて西区に移動し、通りを第1外壁の西門に向かって歩いた。

先ずは武器屋に入ってロクサーヌに使わせる武器を探す。

 

「ロクサーヌは獣戦士だから、やはり剣を使うのか?」

「はい。以前は片手剣で戦っていました」

「そうか。それなら......」

 

俺はカウンターの奥に飾ってあった剣の1本を指差した。

よく見ると、その剣の下には値札が貼ってあり、[エストック∶50,000ナール]と書いてある。

しかし鑑定してみると、空きスロットの無い武器だった。

 

マズイ。値段はともかく俺は空きスロットの無い武器を勧めようとしている。

何で鑑定する前に指をさしてしまったのか。

猛烈に後悔したけれど、今更取り返しはつかないし、情けない姿をロクサーヌに見せたくない。

それに、彼女は素直だけど、流石に5万ナールの武器は遠慮すると思う。

 

結局俺は振り上げた指を降ろせずに、少しおどけて「アレなんてどうだ?」と勧めてみた。

すると、彼女は両手を振って「わ、私には高価過ぎます」と言って遠慮したので、俺は内心ほっとした。

 

「確かにアレは今の実力には見合わない武器かも知れないな。相応しい実力をつけたとき、あの武器を購入しよう」

「はい。頑張ります!」

 

とは言っても出来るだけ空きスロットのある良い武器の方がいい。

そう思いながら鑑定しまくっていると、空きスロットが3つあるレイピアを見つけた。

 

レイピアか。

片手剣と言っても長剣だし、細身だから刺突性も優れている武器だ。

但し細身のため癖があり、両手剣のように叩き斬るような使い方は出来なかったはずだ。

 

ロクサーヌが戦うところを見たことは無いが、前世の知識通りなら使いこなせるだろう。

1万5千ナールか。まあ、妥当な価格だな。

 

「ロクサーヌ。これなんてどうだ?」

「こ、これもすごい武器ですが、よろしいのですか?」

「ああ。ロクサーヌには前衛で魔物をひきつける役を担ってほしいから、遠慮しないでくれ。

ただ、この剣は細身だから叩き斬ることには向かない。使いこなすのが難しい武器だが大丈夫か?」

「はい。私は魔物の攻撃を回避しながら隙をついて斬りつける戦闘方法を得意としておりますので、使いこなしてみせます。お任せ下さい」

「うむ。よろしく頼む」

 

その後、予備武器として空きスロットが2つある鋼鉄の剣を選び、レイピアと一緒に購入した。

 

次に防具屋に行き、ロクサーヌに鋼鉄の盾、硬革の帽子、硬革のジャケット、硬革のグローブ、硬革の靴を購入した。

 

もちろん全ての防具について、俺が鑑定で空きスロットがある物をいくつか選び、その中から購入する物をロクサーヌに選ばせたのだけど、5点買うのに1時間以上かかってしまった。

前世の知識で知ってはいたが、彼女の品物選びへのこだわりは、なかなかのものだ。

 

防具屋を出ると、外はだいぶ日が暮れていた。

時間があれば迷宮に行ってみたかったけど、中途半端となるので商館に帰ることにした。

 

「ロクサーヌ。今日はここまでだ。冒険者ギルドまで戻り、そこから商館に帰るぞ」

「......かしこまりました」

 

一瞬ロクサーヌの表情が曇った気がしたけど、「続きは明日な」と言うと、パッと表情が明るくなった。

それから、冒険者ギルドまで歩き、フィールドウォークで商館に帰った。

 

ロクサーヌを部屋に返して執務室に向かい、親父に午後からのことを報告した。

帝都に家を借りたことを報告すると少し驚いていたけど、明日の午後に家具類を搬入して明後日この商館から二人で引越すことを伝えると、「そうか、では明日と明後日はこちらの仕事は休んで良い」と言われた。

 

「えっ?明後日はともかく明日午前中は仕事出来るよ?」

「はぁ。レオン。家を借りたときは、家具だけではなく色々なものが必要になる。

お前のことだから準備に抜かりはないと思うが、一旦落ち着いてから考えなおすと意外と買い忘れた物があるものだ」

「分かった。じゃあ遠慮なく休ませてもらうよ」

 

◆ ◆ ◆

 

翌日。

商館で朝食を摂り、ロクサーヌと一緒に帝都の家に移動した。

そして、家具が届く前に簡単に掃除しようとして、気が付いた。

 

「桶が無いな」

「申し訳ありません。昨日は失念しておりました」

「いや。ロクサーヌのせいじゃないよ。

実は昨日親父に“準備に抜かりはないと思っても、一旦落ち着いてから考えると意外と買い忘れた物があるはずだ”って言われてたんだよ。

だから今日は午前中も休ませてもらったんだ」

 

「さすがアラン様ですね」

「ああ。まあ、近くに店はたくさんあるから、足りない物に気付いたら、都度買いに行けばいいさ」

「かしこまりました」

 

俺たちは昨日買い揃えた物を確認し、他に生活するために足りない物が無いか考え直した。

すると、掃除道具や洗濯用具、木炭、カンテラ、寝具など、まだまだ足りない物があることに気が付き、改めて助言と午前中も休ませてくれた親父に感謝した。

 

その後、近所の寝具屋、雑貨屋、桶屋をまわって買い物し、家に帰って簡単に掃除した。

それからもう一度出かけて近所のパン屋、八百屋、肉屋をまわり、食材を購入して家に戻る。

 

キッチンで簡単に昼食を作り、そのまま調理台で立って食べる。

そして、ハーブティーを飲みながらしばらく休憩していると、外から家具屋の声が聞こえた。

 

外を見ると、大型の馬車に家具が満載だったけど、彼らは手慣れた感じで荷解きすると、テキパキと家に運び込んだ。

そして、こちらの指示に従って家具を配置し、1時間ほどで引きあげていった。

それから30分ほどかけて昨日購入したものの片付けとベッドメイキングをし、全ての作業を終わらせた。

 

「ん〜。終わった」

俺は真新しいベッドに寝転んで背伸びをし、身体を起こしてベッドの縁に腰掛けた。

 

「ご苦労様です」

見上げると、目の前にはニッコリと微笑むロクサーヌがいたので、彼女にも座るよう促した。

少し躊躇していたけど、手を掴んで引き寄せると、素直に隣に座ってくれた。

 

「夕方まではまだだいぶ時間があるけど、特にやり忘れてることってないよな?」

「えっと。特には......」

彼女はそう言うと頬を赤らめて、何故か少し俯いた。

 

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