※この作品はR-18です。

異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる   作:龍いち

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リリアとクレア1【Side 主人公】

ターヘラの商館に入り受付で「リリアとクラウディアを迎えに来た。2人とも連れて帰るので宜しく頼む」とフレア嬢に伝えると、彼女はニッコリと微笑み「かしこまりました」と返事をして商館の奥に入っていった。

 

カエデと2人でソファーに座り10分ほど待つと、奥の扉が開いて商館主とフレア嬢、その後ろからリリアとクラウディアの2人が出てきた。

だけど、昨日に続き今日もフレア嬢はそのまま受付に行ってしまった。

別に残念というわけではないけれど、彼女は特段俺に興味があるわけではないようだ。

 

そんなことを考えていると、横にいたカエデに肘でつつかれた。

「もう。私じゃ不満?」

「い、いや。すまない」

 

彼女からジト目を向けられて少し焦っていると、俺の前に来た商館主がニヤニヤしながら俺とカエデを交互に見た。

その顔は「昨日はお楽しみでしたね」と雄弁に語っているようだ。

 

昨日どころか今朝も楽しい思いをしてしまったのでなんとも言えないが、見透かされてるようでなんだかムカつく。

そう思っていると、カエデがちょこんと俺の袖を摘んだ。

彼女を見ると顔を真っ赤にして俯いていたので、彼女も商館主が何を考えているのか察したのだろう。

 

「ミツオ様。おはようございます。

2人を連れて参りました。

どうやらカエデとは、かなり親密になれたご様子。

流石はミツオ様です」

「あははは。ありがとうございます」

 

商館主との挨拶が終わると、リリアとクラウディアが前に出てきた。

 

「ミツオ様。宜しくお願い致します」

「ミツオ様。宜しくお願い致します」

「ああ。2人とも宜しく」

 

二人がペコリとお辞儀をしたので、返事をしながら頭を撫でてあげた。

その後、2人にサンダルを履かせ、外套を着せてフードで顔を隠した。

カエデもフードを被ったので、なんだか怪しい宗教でも布教している連中みたいだ。

 

そんなことを考えながら商館主に挨拶して商館を出ると、カエデが俺の右に移動し、リリアが左側、クラウディアが俺の後ろに移動した。

不思議に思って首を傾げると、「4人になったので、これから町中を歩くときは、満男君を囲んで歩くわね」とカエデが答えた。

 

彼女曰く“危険から主人を守るための配置”らしいけど、今のところは俺の方が強いので、あまり効果は期待出来ない。

それでも、そんなことを考えてくれるのが嬉しかったので、「分かった。じゃあ、よろしく頼む」と返事をした。

そして、大人しく彼女たちに囲まれて町中を歩くと、5分ほどで服屋に到着した。

 

「じゃ、これから生活するのに困らないよう、みんな3、4着くらいずつ好きに選んでくれ」

「わかったわ。肌着は少し多めでもいい?」

「その辺はカエデに任せる」

「ありがとう♥」

 

「その、私はこの服がありますので」

「私もまだ着れますので」

 

好きに服を買っていいと言うと、カエデは嬉しそうにニッコリと微笑んだけど、リリアとクラウディアは戸惑っているのか不安そうな表情になって遠慮した。

なんて声をかければ遠慮せずに買い物してくれるだろうか......

2人にかける言葉を考えていると、カエデに笑われてしまった。

 

「ふふっ♥

2人の面倒は私がみるから、満男君は自分の服を選んでいてね」

「ああ。すまないが2人を頼む」

カエデは小さく頷くと、2人に向き直って話しはじめた。

 

「リリア。クレア。2人共よく聞いて。

満男君は私たちに戦闘力だけを求めているわけじゃなくて、綺麗で可愛い女の子でいてほしいって気持ちもあるのよ。

だから、彼は私たちにみすぼらしい格好はさせたくないの。

それにね、満男君は私たちのことをちゃんと一人の女性として接してくれる素晴らしい男性よ。

私たちに対して“お金で買った品物”なんて下衆な考えは持ってなくて、人生をともにする伴侶として責任を持って養うつもりで身請けしてくれてるの。

だから、私たちも全身全霊で彼の期待に応えないといけないのよ」

 

ちょっと褒め過ぎだしなんとなく外堀を埋められている気もするけど、カエデが言ってることは概ね間違いじゃない。

改めて伴侶なんて言われると少しビビるけど、リリアとクラウディアに対してもそれなりに責任は取るつもりだ。

 

2人は目を丸くして驚いているから、たぶん俺の考え方はこの世界の常識からは外れているんだろう。

カエデがドヤ顔しているのはなんとも言えないけど、可愛いから良しとしよう。

 

「だから2人とも、遠慮して必要な服を買わないのはダメだからね」

「は、はい」

「わ、わかりました」

 

2人とも了承したので、後は彼女たちの自主性に任せていいかげん自分の服を見に行こうと思っていると、不意にカエデの雰囲気が変わった。

彼女は真顔になると、スッと2人に顔を近づけた。

 

「それとね。

私たちがみすぼらしい格好をしてたら、満男君が周りの人たちから馬鹿にされるのよ。

“甲斐性も無いくせに奴隷を買うなんて、身の程を弁えろ!”って感じにね。

貴方たちのせいでそんなこと言われたら、許さないからね」

「!」

「!」

 

声を張っていたわけじゃないけど、カエデの醸し出す迫力に気圧されたのか、2人ともギョッとしたあと、無言でコクコクと頷いた。

彼女の迫力を感じて俺も背筋がゾクッとしたけど、2人は素直に従ってくれるみたいだ。

 

以前の彼女のままだったら隣で俺がフォローしないと誰かを従わせるなんてことは厳しかったはずだけど、カエデとして生きた経験がいい方向に作用しているためか、今の彼女はとても頼もしい。

 

2人のことはカエデに任せ、俺は3人と分かれて自分の服選びに専念した。

とは言っても男の服なんてすぐに選べてしまうので、10分後にはカウンターの隣のソファーで休憩し始めた。

 

それから小一時間ほど休んでいると、満面の笑みの3人がカウンターにやってきた。

何着、どんな服を選んだのかよくわからないけど、彼女たちの買い物籠には溢れるくらいたくさん服が詰められていた。

 

俺は割引のスキルの付け忘れがないことを確認してから店員を呼び出して会計を頼んだ。

それでも金貨が2枚も飛んだのにはビビったけど、まだアイテムボックスには金貨が15枚はあるので大丈夫だ。

 

服屋の外壁からワープで家に戻り、服を棚にしまった。

リリアとクラウディアは家の中をキョロキョロと見回してなんだか少し不安そうだ。

俺は何だか不安そうにしている2人が気になって、カエデを手招きして小声で質問した。

 

「リリアとクラウディアは何だか不安そうに見えるんだけど......」

「えっとね。待遇が良過ぎるのが、かえって不安みたい」

「えっ?良過ぎるのか?」

「ええ、そうよ。それに、満男君は私たちを大事にしてくれるでしょ。

それにも戸惑っているのよ」

「えっ?そんなの当たり前じゃん」

 

「この世界じゃそうでもないのよ。

奴隷のことを物だと思ってる人も多いし、奴隷は身分が低いから、たとえ人の奴隷であっても自分にも命令出来るなんて勘違いしてる一般人もいるのよ」

「マジか?

いや...... 言われてみれば、食堂でそんなことを言ってる奴がいた気がする。

今からでも態度を厳しくした方がいいのか?」

 

「満男君は今まで通りで大丈夫よ。

彼女たちならすぐに慣れて安心するだろうから、あとは私に任せておいて」

「わかった。宜しく頼む」

カエデはニコッと微笑むと、リリアとクラウディアに話しに行った。

そして、「ちょっと家の中を案内してくるわ」と言って2人を連れて家の中を見回りだした。

 

それから30分ほどして戻ってくると、リリアとクラウディアの顔から不安の色は消え失せていた。

カエデは2人については特に何も言わなかったけど、3人が仲良くなれたみたいなので取り敢えず良かった。

そう思っていると、カエデが1枚のパピルスを差し出してきた。

 

「満男君。足りない物をリストアップしたから、買い物に行きましょう」

「お、おう」

ただ家の中を見て回るだけじゃなくて、いつの間にかそんなことをしていたのか。

流石はカエデ。頼りになるな。

 

その後、俺たちはリストを基に雑貨屋やパン屋、八百屋、塩や香辛料を売ってる食品店を回り、昼頃に帰宅した。

またもや金貨を消費したけど、まだ大丈夫だ。

 

そして、3人に手早くサンドイッチ のようなものを作ってもらい、ハーブティーを飲みながらパーティー編成のことを話した。

 

「この4人で明日から迷宮に入る。

なので今からパーティー編成をどうするか決めたい。

みんないいか?」

「はい」

「だ、大丈夫です」

「わかりました」

 

4人が同意したので、俺はまず自分の能力について隠さずに話すことにした。

これに関しては昨晩カエデと話し合って決めており、パーティーメンバーは全員人間族以外の女性奴隷で固めること。

その上で能力に関することは他のメンバーにも打ち明け、内密にさせることとしている。

 

因みに人間族をメンバーにしないのは、人間族は本質的に欲望を抑えきれない民族のため不協和音を招く可能性が高いことと、俺の子供を妊娠する可能性があること。この二つの理由でカエデが反対したからだ。

他の男をメンバーにしないことに関しては、敢えて言う必要はないだろう。

 

「先ず、リリアとクラウディアには話しておかなきゃいけないことがある。

だが、人に知られると大変なことになるので、今から話すことは内密にすること」

「は、はい」

「わかりました」

 

チラッとカエデを見ると彼女が頷いたので、俺は話を続けた。

 

「薄々気づいてるかも知れないけど、俺とカエデは幼馴染で、恋人同士だ」

「えっ?そっちから話すの?」

「えっ?ダメだったか?」

「この世界の人に異世界転生とか異世界転移とか言っても通じないわよ?」

 

しまった。能力的なことを明かすことは決めてたけど、カエデとの関係性について、どう説明するかまでは彼女とすり合わせてなかった。

能力の話をする前に、2人の関係性を話しておいた方が色々と説明しやすい気がしたけど、異世界という言葉が通じないと言われてしまうと、言葉に詰まる。

 

俺とカエデはどう見ても5歳は離れている。

この年齢差をどう説明すればいいのか......

既に幼馴染で恋人だったと言ってしまったので、今更 取り消すのも不自然だ。

隠すつもりは無いけれど、どう説明すればわかってもらえるだろうか......

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