異世界転生した俺は、原作展開を壊して自由に生きる 作:龍いち
探索準備1【Side 主人公】
「それじゃ、みんなの装備をどうするかだけど......
カエデ...... は、ボーナスポイントの確認もしたいから後回しにして、先ずはリリアからだな」
「えっ?私ですか?」
「ああ。リリアの武器は、鍛冶師になったら槍か盾+短めの槌だろうけど、2匹同時攻撃をしなくちゃいけないから、取り敢えずは棍棒でいいな」
「はい。棍棒は何度か使ったことはあるので、大丈夫ですけど、以前は叩きつけるようにしか使ったことが無いので、少し練習したいです」
「そうだな。2匹同時に攻撃するには棍棒を水平に振る必要があるから、買ったら練習した方がいいな。
因みに普段は何を使ってたんだ?」
「シミターか銅の斧です。あと、もう片手は鉄の盾を使ってました。これでも前衛でしたので」
「そうだったか。じゃ、このパーティーでも前衛を頼むな」
「はい。お任せください!」
「次に防具だが、革の帽子、革のジャケット、革のグローブ、革の靴とする」
「防具まで揃えて頂けるのですか?しかも全て革装備なんて高価な物を」
「そんなに高価じゃないよ。クレアに回復してもらえるとしても、出来るだけダメージを受けない方がいいからね」
「ありがとうございます」
「じゃあ次はクレアだけど、武器は槍でいいかな?」
「はい。というか、槍しか使ったことがありませんので」
「じゃ、槍で決定。あと防具はリリアと一緒ね」
「私もよろしいのですか?」
「ああ。問題ない」
「ありがとうございます」
「最後はカエデだけど。前使っていた装備は?」
「パーティーを組んで戦っていたときは武器はシミター、防具は皮の帽子、皮の鎧、皮のグローブ、皮の靴だったけど、ランデルのところから逃げたときに全部置いてきちゃった。
その後、ダガーを1本買ったけど、奴隷にされたときに没収されたから今は何も持ってないわ」
「そうか。ボーナスポイントで出せる装備品は使ってないの?」
「使ってるわ。っていうか、一度だけ使った」
「一度だけ?」
「うん。逃げるまではランデルや他のパーティーメンバーがいたから使えなかったの」
「まあ、能力隠してたんだから当然だな」
「ランデルから逃げてひとりで迷宮に入ったあと、魔法主体で戦ったんだけど、MPが心配だったのでダガーで近接戦闘もしたのよ。
だけど私ってスピード系だけど非力だからダガーじゃ厳しかったの。
それで初めてボーナス装備を使ったのよ。
そのとき使ったのが武器4のアルマス。
ホントは武器6のデュランダルを使いたかったんだけど私の固有ジョブって両手剣は合わないから、武器4で妥協したの」
「アルマス?使ったことは無かったけど、片手剣なんだ」
「MP吸収やHP吸収のスキルは付いてないけど、あとはデュランダルと一緒だから、低階層の魔物なら瞬殺出来るわ。
因みに武器3は槍、武器2は槌、武器1は杖だったから、そっちも使えないわね」
「そうだったか。ボーナス装備は色々あるけど、ポイントが足りないから殆ど見てなかった」
「私も満男君と同じ。たまたま武器を見ただけよ」
「そうだったんだ。そういえばファーストジョブを妖狐にしてるのは何か理由があるの?
探索者の方がレベル高いからボーナスポイントが多くなるのに」
「それは......
ちょっと恥ずかしい話なんだけどね、種族固有ジョブを取得できたのが嬉しくて、何も考えずにファーストジョブにしたのよ」
「マジか.....」
「ちょっと、引かないでよ!自分でも失敗したと思ってるんだから。
それに、騎士団詰所に税金のことを相談しに行ったときに、いきなりインテリジェンスカードをチェックされて私のジョブが妖狐ってことを見られちゃったから、それ以降は替えられなかったのよ」
「替えられなかった?」
「私のジョブを見た騎士が節操の無い人で、周りにいた他の騎士に「珍しいジョブの女が来たぞ」とか、「妖狐なんて初めて見た」なんてベラベラ喋りまわって。
そのおかげで変に注目されちゃったのよ。
そのあと捕まっちゃったし......
だから......」
うーん...
なんだか話が変な方向に進みそうだから、話題を変えた方がよさそうだな。
「と、ところで妖狐のレベルが低いけど、やはり上がりにくいの?」
「上がりにくいかどうかはわからないけど、低い理由は妖狐のジョブを就けて戦った経験が1日しか無いからだと思う」
「そうだったのか。まあ、ジョブレベルはみんなそんなに高くないから、これから一緒にあげればいいよ」
「ふふっ。それもそうね。
私たちは今日結成したての駆け出しパーティーだしね」
「そういうことだ。
それで、防具の方は?」
「盾2 のカイトシールド。それと、足装備3の加速のブーツを使ったわ。
スキルにもポイントを割り振ったから、他のボーナス装備を使ったことは無いわね」
「そうか。なら革のジャケットと革の帽子、革のグローブを用意すればいいな」
「うん。それでお願い」
話がまとまったので装備品を買いに行こうと思ったけど、クレアが小さく手を挙げた。
黙ってはいるけど、リリアも何か聞きたそうだし、残念ながら出かけるのはもう少し後になりそうだ。
「クレア。どうした?」
「あの...... 聞いたことのない言葉がいっぱい飛び交ってたんですけど......」
クレアは俺とカエデの会話について行けずに困惑しているようだったけど、俺たちの会話が一段落すると、小さく手を挙げて発言を求めてきた。
手を挙げる勇気まではなかったのか?クレアの言葉に合わせるように、隣のリリアもコクコクと頷いている。
「あははは。すまない。で、何から聞きたい?」
「よろしいですか? それなら先ず......
ボーナスポイントって何ですか?」
「ボーナスポイント自体を説明するのはちょっと難しいんだけど......
俺とカエデは多くの種類のスキルを持っている。
さっき話した複数のジョブに就けるとか、ジョブを変えることが出来ることもその一つだ。
それから鑑定や詠唱省略などのスキル、ワープなどの特別な魔法、さっきカエデが言ってた特別な武器や防具を出すことも、そのスキルの一つだったりする。
ただ、そのスキルはいつでも無制限に使えるんじゃなくて、ボーナスポイントの割り振りによって使えるようになるんだ」
「割り振りですか?」
「ああ。俺は初期ポイントが87でファーストジョブの探索者がレベル17だから、合計104ポイント。
それが今のボーナスポイントで、例えば4つのジョブに就くには、その中から7ポイントを割り振る必要があるんだ」
「難しい話ですね......
ですけど、なんとなく理解できました。
つまり、カエデとご主人様にはボーナスポイントの割り振りで、色々なことが出来る能力があるってことですよね?」
「まあ、そうだな。
とにかく他人に知られたらマズイことになるから、全て内密にしてくれ」
「かしこまりました」
「リリアもいいな?」
「は、はい。絶対誰にも話しません!」
「ところでカエデのボーナスポイントはどうなってるんだ?」
「私の初期ポイントは99でファーストジョブの妖狐がレベル2だから、足して101ポイントね」
「そうか。初期が99は羨ましいな」
「えっ!... その... 満男君ごめんね。
でも、最初から99だったから、私にはどうすることも出来ないのよ」
思わず“羨ましい”という言葉が漏れてしまうと、カエデが申し訳なさそうに頭を下げた。
「あ、いや。こちらこそごめん。
ちょっと羨ましいとは思ったけど、カエデを責めた訳じゃないんだ。
だから、重く考えないでくれ」
「うん.....」
しまった。
心無い言葉でカエデを傷つけてしまった。
なんとか挽回したいけど、言葉が見つからない。
とにかく黙ったままはマズイから、何か話さないと......
「そ、それで......
カエデは101ポイントをどう振り分けてるんだ?」
「えっと私は
フォースジョブ 7pt、必要経験値減少10分の1 31pt、
MP回復速度5倍 15pt、結晶化促進十六倍 15pt、
キャラクター再設定 1pt、ジョブ設定 1pt、
鑑定 1pt、詠唱省略 3pt、ワープ 1pt、
武器4(アルマス) 15pt、
盾2(カイトシールド) 3pt、
足装備3(加速のブーツ) 7pt
あとは、パラメータの敏捷上昇に1pt振ってるわ」
「獲得経験値上昇には振ってないのか?」
「獲得経験値上昇はパーティーメンバー全員に影響するでしょ。
前は能力を隠してたから振り分けしてなかったの。
でも、これからは多めに振り分けした方がいいわね」
「そうだな。
先ず、必要経験値減少に15ptを振り分けて5分の1に、 結晶化促進は外して...
それから獲得経験値上昇に31pt振り分けて10倍にしてくれ」
「わかったわ。
ところで満男君のボーナスポイントの振り分けは?」
「俺のか? 104ptの振り分けは......
フォースジョブ 7pt、獲得経験値上昇10倍 31pt、
必要経験値減少5分の1 15pt、MP回復速度3倍 7pt、
キャラクター再設定 1pt、ジョブ設定 1pt、
パーティージョブ設定 3pt、 鑑定 1pt、詠唱省略 3pt、
ワープ 1pt、 武器5(フラガラッハ) 31pt、
アクセサリ2(決意の指輪) 3pt
と、こんな感じだ」
「満男君も獲得経験値上昇10倍を......
もしかして、10×10で100倍になる?」
「うーん...... やってみないとわからん。
それに、俺とカエデは必要経験値減少5分の1もあるから、500倍になるかも」
「ふふっ♪早く試してみたいわね♪」
カエデはかなり楽しそうだな。
リリアとクレアは俺たちの会話についてこれてはいないけど、嫌そうな顔はしてないので一先ず問題は無いだろう。
話が一通り済んだので、周りから容姿が確認出来ないように3人に外套を羽織らせた。
そして、「先ずは武器屋から回ろう」と声をかけて、部屋の壁にワープゲートを開いた。