彼女は膀胱炎を患っていたのだが、その原因となる出来事は戦艦特有の事情があるようで…?
「大和です。明石さん居ますか?」
「空いてますよ!どうぞ!」
平日の昼下がり、医務室を訪れたのは戦艦大和。艦隊でも最大級の排水量を誇る超弩級戦艦だ。
明石の差し出したパイプ椅子に座る大和だったが、椅子が大きい音を上げて軋んだのを聞いて、恥ずかしそうに頬を染める。
「大和さんの体だとちょっと強度が足りませんかね…?」
「だ、大丈夫ですから!」
デリカシーの無い明石の発言に、大和は更に頬を赤くして答えた。
「そうですか?じゃあ椅子はこれで良いとして…大和さん、ここに呼ばれた理由、わかりますか?」
明石の口がニヤリと歪む。大和は特に何か知らされるでもなく、ただ工廠へ行けと提督に言われてやってきたのだ。
しかし実際の所、大和にはそれとなく心当たりがあった。
「……健康診断の結果…ですか?」
人間がやる健康診断と同様に、艦娘にも健康診断がある。人々を護るため日夜戦う彼女達にとって体は資本であり、宝なのである。艦隊随一の戦力ともなれば尚の事で、大和の場合は三ヶ月に一度の頻度で精密検査を受ける事になっていた。
そして、つい先日健康診断があったばかり。医務室に呼び出されたのであればそれ以外に理由はないだろう。
「ええ、その通りです。ちょっと検査項目で引っかかる部分がありまして…大和さん、自覚症状とかありませんか?」
「うーん…私は何も…。」
「本当に?」
「うっ…。」
ぐいっと顔を近づけて、値踏みするように眺めてくる明石。大和は彼女の顔を見返す事なく、部屋の壁へと目線を泳がせている。
「そうですねえ…おしっこの時、痛みがあったりしませんか?」
「えっ!?なんで明石さんが知って…あっ。」
大和は口を紡ぐがもう遅い。明石はにんまりと微笑んでいた。
「ふふふ…やはりそうでしたか。でも大丈夫ですよ。膀胱炎なんて女性の体なら珍しくもありませんよ?恥ずかしがる必要もありません。」
「そう…なんですか?」
「ええ。名前の通り膀胱内に炎症が出来る症状です。大体は一過性なんですが、大和さんの場合ちょっと慢性化してそうな雰囲気がありますねぇ。前回の尿検査でもギリギリ基準値に収まってたぐらいで、今回はガッツリアウト…工廠担当としては原因を突き止めておきたいです。」
検査項目の資料をパラパラとめくりながら明石は続ける。
「一番多いのはおしっこの後に拭かずに雑菌が繁殖してしまうパターンですね。私達艦娘は出撃もありますから、清潔さには一層気をつけないといけません。現場だと介助が付くはずですが……あれ、大和さん?」
大和の顔はいつの間にか真っ赤に染まり、顔から蒸気が吹き出ていた。両目には涙が溜まって今にも泣き出しそうである。
「や、大和さん?大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ…ないです…。」
大和は、つい最近の出撃を思い出していた。
それは出撃の帰り道だった。南方海域に出現した姫級の殲滅作戦で、大和は用意周到に均されたルートを進撃し、何事もなく殲滅対象の姫級を叩きのめした後の話だ。
旗艦である大和の他には姉妹艦の武蔵と護衛の軽巡、駆逐艦達。大和型姉妹と関わりの深い矢萩や清霜もいる。
凱旋ムードに包まれた艦隊の中、大和は一人だけ青ざめた顔をしていた。
「おい大和。そんなに我慢していると体に毒だぞ。恥ずかしいのはわかるが、無理はするな。」
「い…いえ…大和は…大丈夫…。」
大和は両手で下腹部を抑えながら、おぼつかない足取りで舵を取っている。そんな姿を見かねたのか、武蔵は声を潜めてもう一度語りかけた。
「そんな姿で帰投してどうする。それに…お前とて鎮守府のど真ん中で粗相はしたくないだろう。」
「うっ……。」
大和は言葉を詰まらせて、観念したように呟く。
「艦隊…停止…排水を……行い……ます。」
そんな小さな声に真っ先に反応したのは、艦隊の先頭を切る駆逐艦清霜だった。
「はいはいはーい!今日の当番は清霜です!大和お姉様、よろしくお願いします!」
それに続き、軽巡矢萩が声を上げる。
「全員、大和を囲んで輪形陣!電探の出力最大、全方位に警戒!」
護衛の駆逐艦達が慌ただしく動く。号令をかけた矢萩の顔はどことなく赤く、他の駆逐艦も例外ではない。
大和と清霜を除く全艦が、二人を囲んで外側を向いた。清霜はそれを確認すると背嚢からあるものを取り出す。
清霜が取り出した、光り輝くガラス製の器。それは尿瓶だった。
「大和さん、準備できました!」
「………あ、ありがとう。清霜。」
先程まで青かった大和の顔は、今度は真っ赤に染まっている。彼女は震える手でスカートに手をかけると、捲り上げてパンツに手をかける。
パンツをある程度下ろすと、再びスカートを捲り上げる。そこにあったのは、生まれたままの大和の姿。成熟した女性のヴァギナが、ひくひくと蠢いている。
大海原のど真ん中で、大和は仁王立ちしたまま秘所をさらけ出していた。
「そんなに恥ずかしがる事じゃないと思いますよ?武蔵さんや長門さんだってやっているんですし。」
「そういう問題じゃないんですよ!!!」
「ですけどねえ…戦艦級、それも大和型や長門型の艤装ともなると、大型すぎてしゃがむ事なんて出来ないんですよね。座ってするとなると下部の砲台が海水に浸ってしまいますし、立ってしてもらうしか…。」
「せめて一人でさせてください!浜風や磯風ならまだいいんです!雪風や清霜に何の悪気もなくニコニコされながら……その……おしっこするなんて、どれだけ恥ずかしいか…!」
「うーん…一人でするにしてもちゃんと拭かないといけませんし、立って垂れ流しは艤装も制服もかなり汚してしまいますよ?やはり今の形が最善の運用でして。」
「…………。」
涙を溜め込んでいた大和だったが、ついにその涙が頬を伝った。溜まりに溜まった羞恥の感情が、堤を破ったように溢れ出す。
「えっ、や、大和さん!?どうしたんですか?」
「はい、大和お姉様。出して大丈夫ですよ!」
清霜は尿瓶の先を大和の下腹部へと差し出して、上目遣いで大和に声をかける。
妹である武蔵は勿論の事、自分も慕ってくれている可愛らしい駆逐艦が、尿瓶を手に笑顔でこちらを見上げる光景。大和は全身が真っ赤に焼け付くほどの羞恥を感じた。
未だに踏ん切りがつかない大和だったが、僅かな波が彼女を揺らす。
「ひゃっ…♡」
ガラスのひんやりとした感触が大和の下腹部を襲った。その瞬間、ぷっつりと何かが切れたように黄金の液体が噴出する。
「あっ……あああああぁ………!」
小さく、振り絞るような諦めの声に反して、液体の排出は止まらない。じょぼぼぼぼぼ、という品のない水音が尿瓶から漏れ出し、静かな海へと響いていく。
「ごほんっ!」「げほっ!げほっ!」
二人を取り囲む駆逐艦達が、わざとらしく咳払いをする。大和の水音をかき消さんとする心遣いなのだが、本人にとってはより羞恥を掻き立てるものだ。
駆逐艦達が騒音を立てなければならないほど、自分の水音が大きいという事にしかならない。自分の事を思うのなら、せめて聞こえないフリをしていて欲しい。
だが、そんな事を口に出来るほど大和の心は強くない。結局、こうして羞恥に耐えながら排水する他無いのだった。
無限にも感じられる時の中で、清霜が声を上げた。
「あ、あれ?大和お姉様、まだ出る?」
「えっ?」
眼の前の光景を直視出来ず、空を見上げていた大和が下を見る。
尿瓶は七、八割ほど満たされていたものの、排水が止まる様子は無い。
「えっ、ど、どうしよう…?」
尿瓶を大事に支えたまま困惑を見せる清霜。だが大和にはどうすることも出来ない。少しでも動けば、清霜が尿瓶を落としてしまうかもしれない。
「やだっ、と、止まって!止まって…!なんで止まらないのよ…!」
注がれていく金色の液体は除々に入口まで迫っていた。尿意は収まってきたものの、間に合うかどうかは微妙な所である。
「止まって…お願い……!」
大和が念じるように力むと、勢いは除々に減り、尿瓶が完全に満杯になる頃にようやく止まった。
本来横にして使う尿瓶は海に対して垂直に向いたまま、黄金の液体が表面張力でどうにかこぼれずに保っている。
「はぁ…ようやく止まった…。」
「大和お姉様の排水量、やっぱ凄いなぁ…。武蔵さんより多いかも。」
武蔵は大きく咳払いをしたが清霜は気が付かず、ゆっくりと尿瓶を下ろそうとする。
その一瞬、大和は気が緩んでしまった。
「あっ。」
最後の最後、大和が強引に引っ込めた僅かな残りが、緩んだ彼女のヴァギナから漏れ出す。
「わっ!?お、お姉様!?」
黄金の液体は尿瓶を外れ、尿瓶を持っていた清霜の手にかかってしまった。
「あ…ご、ごご、ごめんなさい!清霜、大丈夫!?」
「えっと…う、うん!大丈夫!ちょっとかかっただけだから!」
「す、すぐに洗って!汚いから!」
「大丈夫!お姉様のを拭く時に一緒に拭くから!」
そう言って清霜は濡れなかった方の手でポケットティッシュを取り出した。吸収性に優れる明石謹製の、野外排水用ティッシュだ。抗菌効果もあり、下手に海水などで洗うよりよっぽど清潔な優れモノである。
清霜は尿瓶を密封してコンテナに入れた後、ティッシュで手を拭いてから同じように大和の下腹部へ手を伸ばした。
「っ………!」
「あ、痛かったりしたら言ってね!」
ティッシュのザラザラとした感触が大和を襲う。体を清潔に保つためとはいえ、自分よりも小さく幼い少女に、濡れたヴァギナを拭き取られるのは抵抗がある。
その恥ずかしさに加えて、清霜の優しさが大和を苦しめる。優しく、隅々まで拭き取ろうとする小さな指の手付きに、大和はどこか心地よさを覚えてしまっていた。
これは単なる生理的反応であって、彼女自身そういうつもりはないのだが、僚艦達の隣で排水を行うという背徳感なども相まって、体は否応なく反応する。
「はい、終わりました!えへへ…清霜でよかったでしょ!」
満面の笑顔を向けてくる清霜。そんな彼女を見て、底なしの罪悪感に駆られつつも大和はパンツを履き直した。
羞恥、背徳感、罪悪感、それらに押しつぶされそうになりながらも大和は呟く。
「大和、排水終了しました。艦隊……前進……。」
帰投した大和はなぜか死んだ目をしていたという。
「なるほど…そんな事がありましたか。……あれ?清霜さんから尿瓶の容量不足について報告は受けてませんが…。」
「……私が必死に頼み込んだんです。喋らないで欲しいって。」
「そこは報告して欲しいんですけどねえ。でもまあ、原因ははっきりしました。大和さん…野外排水が恥ずかしくていつも我慢されてますね?」
「……………はい。」
「それです。おしっこを我慢すると当然膀胱に溜まっていきますが、内蔵ですから傷つきやすいんですよね。ちゃんと定期的に出さないと雑菌も貯まる一方なので、基本的に尿意を感じた時点で出さないと慢性的な膀胱炎になってしまうんです。大和さんはその典型的な例ですね。」
「でも…今でも物凄く恥ずかしくて。どうにもならないんです…。」
「そうですねえ…とりあえず膀胱炎に関して治療は受けてもらいますが、その時に対策でもしましょうか。」
ニッコリと微笑む明石。大和はその表情を見て安堵したが、彼女の笑顔は清霜の笑顔とは全く異なるものであるとすぐ知る事になる。
暗い処置室の中、下半身裸になった大和が分娩台へ上り、足を開く。
「あの…明石さん?何もこんな所でやらなくても…。」
「え?ああ、こっちの方が処置しやすいので。ゆっくりしてていいですよ。」
「処置って…薬とか塗るんでしょうか?」
「うーん、塗るっていうか、注入ですね。」
明石は机からシリンダーとカテーテルを取り出して机に置いた。
大和は医療器具に詳しくはなかったものの、細い管…カテーテルを見て、これから何をされるのか察し始める。
「え?注入って…まさか…。」
明石は続けて緑色の液体が詰まったボトルを机に置く。
「ええ。これ、高速修復材を薄めたものです。普段の入渠で治らないものもこれさえあれば一発でー」
「わ、私…帰ります!」
そう言って急ぎ上体を起こそうとするが、大和の手が分娩台から離れることはなかった。代わりに金属音が部屋へと響く。
「えっ!?これ…いつの間に?」
困惑する大和の横に、ぬっと別の顔が飛び出てくる。
「あらあら大和ちゃん。おいたはいけませんよ?お医者様の言う事は聞くものです。」
明石の同僚で大和の大先輩。元戦艦、現工作艦の朝日が優しく大和を宥める。
「あ、朝日さん!?」
「体はちゃんと治さないと、清霜ちゃんにも迷惑がかかってしまいますよ?大丈夫、明石ちゃんもわたくしもプロですから。任せてくださいね。」
「は………はい………。」
朝日の笑顔に、大和はそう返すことしか出来なかった。
「最初はちょっと痛みがありますけど、すぐに気にならなくなると思うので安心してくだいさいね。」
明石は医療用の手袋をはめて、高速修復材配合の緑色のローションをカテーテルに塗っている。オレンジ色の医療用カテーテルが真緑に染まった後、大和の曝け出されたヴァギナへ手を伸ばした。
「はーい、入りますよ~リラックスしてくださ~い……。」
「んっ………!」
カテーテルの先端がピンク色に染まる大和の粘膜をくすぐる。大陰唇がひくひくと動くが明石の指に阻まれており、ぽつんと空いた小さな尿道は露出したままだ。
その小さな孔へ、カテーテルが突き刺さる。
「痛ッ………。」
「ちょっとキツいかもしれませんが、ローションが効いてくるはずなんで大丈夫ですよ。身体も暖かくなるかもしれません。」
「うっ………はい………。」
大和は尿道に異物が入ってくる感覚に怯えていたが、明石の言った通り最初に痛みはあったもののすぐ消えていた。するするとカテーテルが入る感覚と、擦れた部分が熱を帯びる感覚があるのみ。
そうして彼女が力を抜くと、別の温かいものが流れる感覚に襲われた。
「えっ……ま、待ってください明石さん!で……出てます!」
明石によって挿入されたカテーテルの先、バケツに垂れたもう一方の先端部からちょろちょろと黄金色の液体が漏れていた。
「ん?ああ、これですか?膀胱まで通ったようですね。尿道の中に管を通したので流れてくるのは自然な事ですよ。」
「~~~~~~~~ッ!」
大和は反射的に真っ赤な顔を隠そうとしたが両手は動かず、金具を鳴らすだけだった。
しばらくして金具の音と水音が鳴り止み、大和の荒い息だけが残る。
「全部出たようですね、では注入を始めます。」
明石は薬剤で満タンのシリンジを掴み、カテーテルのY字の部品に繋いだ。Y字の根本は大和の膀胱へ、二股に別れた先はバケツとシリンジにそれぞれ繋がっている。片方は排出用、もう片方が注入用の作りだ。
「…………ひゃっ!つ、冷たい……?」
「冷蔵の液体なのでちょっと冷えますね。でもすぐに温まりますから大丈夫ですよ。」
大和の背筋がぞくりと震えた。内蔵が直接冷却された事による寒気と、膀胱の中で液体が蠢く未知の感覚。本能的に身を捩るが縛られた手足は動かない。
「あ…あの…これって入れた後はどうするんですか?」
「数分待ってから排出ですね。」
「えっ………わ、私、またおしっこしないといけないんですか?」
別の悪寒が大和に走る。この体勢で他人に放尿を見られる事がどれだけ恥ずかしいか、身を持って味わったばかりだ。
「何度か繰り返す事になります。内臓系は修復材の吸収効率が悪いんですよねぇ。」
「うううぅ………。」
「そろそろ満杯かな…大和さんどうですか?膀胱、苦しかったりします?」
「痛いとか苦しいとかはないです…ちょっと…熱いかもしれません。」
そう答える彼女の額には脂汗が浮いていた。下半身を露出し、冷えた修復材を注入されているが、身体はどこか温かさに包まれており、不快感はない。
(でも……なんだろう……液体の動きが手に取るようにわかって……変な気分)
「はい、じゃあ外しますね~。」
明石がシリンジを外すと、シリンジによって掛けられていた圧力が無くなり、今度は大和自身の膀胱の圧力がカテーテルを圧迫する。溜まった修復材がカテーテルを伝い、バケツへと吐き出された。
じょぼっ。じょろろろろろろろ……。
「……………ッ!」
先ほどよりも量が多い。大和は耳を塞ぐ事もできず、ただ聞かないようにしていたが、それでも自分の下半身に流れる液体の感覚は消せない。
熱く、鋭敏になった下半身でその感覚に浸る。わずか十数秒の長さだが、大和にとっては永遠に続くように感じられた。
緑色の小水が全て吐き出された後、明石は再びシリンジをつなぐ。
「はい、じゃあまた入れますね~。」
「はい…………ひっ!?」
大和の身体がまた震えた。液体の冷たさには慣れたはずなのに、どうしてか腰が浮いてしまう。
熱く火照った尿道の中を液体が貫くのを感じて、もどかしいような、くすぐったいような、わけのわからない感覚が彼女に湧き上がる。
「んっ……♡あ、あのっ!明石さん……?」
「どうしました?」
「その………ヘンな液体とか入れてませんよね…?」
変な液体、と聞いて明石はニヤリと笑った。
「はて…?変な液体とはなんでしょうか…?私が入れているのはただの修復材ですよぉ?」
わざとらしくそう答える。純朴そうに見える大和にも、そういった知識はあるのだと明石は内心で微笑んだ。
「まあ、修復材に含まれる鎮痛作用は色々な作用の仕方をしますから、そういう『ヘンな』気分になっても仕方ありませんねぇ。」
「でもっ……私……んんぅ♡」
額に汗を浮かせ、体を捩らせる大和。彼女の頬に白いハンカチが触れた。
「大丈夫ですよ大和ちゃん。排泄が気持ちいいのは体がそういう作りをしているからです。だから受け入れていいんですよ。」
朝日は優しく語りかけ、その微笑みを見た大和に安堵を与える。
「そうなんですか…?」
「ええ。おしっこを我慢すると神経を通じてストレスが溜まってしまうけど、出すのはその逆で、神経をリラックスさせる効果もあるの。心の健康を保つのには適切な頻度の排泄も必要なの。」
朝日の言ったことは事実だが、今大和が置かれている状況とは大きな隔たりがあった。しかし大和はその言葉を信じて、これが普通なんだと、僅かに悦びを感じ始めた自分に言い聞かせる。
「はーい、全部入りましたよ大和さん。まだ出さないでくださいね。」
気がつけば、明石の持つシリンダーの中身が空になっていた。自分の中で蠢く緑色の液体を想像しながら、大和は悶々と開放の時を待つ。
膀胱は重く、仰向けになった自分の下腹部にずっしりと沈み込んでいるようだった。自分の体の作用によらない、人工的な圧迫感。それは彼女の女性器へとのしかかり、感覚を狂わせていった。
「…………♡…………ふぅっ………♡」
息をする度に、肺に空気を入れる度に体が動く。その僅かな動きですら膀胱を揺らして、重石のようにグリグリと彼女の奥底を削り、徐々に快楽を生み出している。大和の開かれた割れ目には、尿でも修復材でもない透明な液体が滴っていた。
(あれ…大和さん本当に感じちゃってます?意外とムッツリですねぇ…)
数分後、明石はまたシリンジを引き抜いた。何十分、何時間にも焦らされていたように感じていた大和の膀胱から、緑色の液体が流れ出す。
「あっ♡でっ……出てる…………♡」
目を瞑っても、眼の前の光景が離れることはなかった。温かいものが尿道を流れる感覚も、バケツに流れ落ちる水音も、そして開放感の中に混ざる快感が頭の中に光景を描き出していた。
「あ………ああぁ………♡」
吐息と共に、ひくひくと蠢く彼女の膣口から透明なものが吐き出された。分娩台の青いシートの上で、それは艶めかしく光っている。
「頑張りますね~大和さん。『汗』がすごいので拭き取っておきます。」
「え………?っ!?」
明石は吸水シートを何枚か丸め、大和のヴァギナに押し付けた。真っ白な繊維が、すぐに濡れた灰色へと染まっていく。
「っ……………うぅ………!」
大和はそれがもどかしかった。どうせやるのならもっと強くして欲しい。心の底ではそう望んでいても明石がその一線を超えることはなく、大和はフラストレーションを溜めていく。
「ふ……………うっ♡」
最後の一滴を絞り出した大和。バケツの中には緑色と黄色の混合物があったが、緑色はどんどん濃くなっていく。そうしてまた、彼女の中に液体が注ぎ込まれた。
注入、放置、排泄。注入、放置、排泄。注入、放置、排泄。
何度繰り返しただろうか。大和の体は汗でぐっしょりと濡れており、ゴミ箱には彼女の愛液に濡れたシートが山盛りになっていた。
「はい大和さん、これが最後の一本です。頑張ってくださいね~。」
「はぁ……はぁ………さい……ご……?」
シリンジの液体が大和の体に注入されていくが、彼女の体はそれを感じることはなかった。修復材の鎮静薬が作用し、下半身の感覚を鈍らせている。
それでも、膀胱に何かが溜まっていく感覚と、膀胱に押しつぶされる子宮の感覚はある。苦痛を取り去った大和の体に残るのは圧迫感と焦燥感。早くこれを吐き出して楽になりたいという思考が頭を支配していく。
「……っ!明石さん……!まだ…まだですか…?」
「今入れ終えました。馴染むまでまた少し待ちましょうか。」
涼しい顔で告げる明石とは対照的に、大和の顔は赤く染まっている。荒い息をしながら下半身をくねらせているが彼女にその自覚はなく、明石も朝日も、そんないじらしい姿を生暖かい目で見守っていた。
「はやくっ…!はやくっ…♡ださせてっ…♡」
拘束具が立てる音は段々大きくなり、分娩台の揺れも激しいものになっていた。
(この調子だと長くは持ちませんね…流石に大和型の拘束は想定していませんでしたし…まあ、修復材の量は念の為で多く見積もっているので問題ないでしょう。)
「うーん、仕方ありませんね。ちょっと短いですけどいいでしょう。」
明石がそう告げた瞬間、明石がシリンジに手を伸ばす直前に、大和は限界を迎えた。
「っ!……で、出ますっ♡♡♡」
深く挿入されていたカテーテルがずるりと抜け落ち、解れきった尿道から勢いよく緑の液体が弾け飛ぶ。
「あっ♡ああああああああああああっ♡♡♡♡♡」
大和は絶頂と共に修復材を真横に打ち出した。焦らされた欲求を全て開放して、その快感に耽る。
「うわ、うわわわわ、すごいですねこれ……。」
放出された液体は真横に飛び、医務室の白い壁に打ち付けられて霧散する。修復材が全て排泄された後も、大和は痙攣しながら透明な液体を振りまいていた。
「あっ♡はっ♡あ゛…♡ず…ずみまぜ…えっ♡」
大和は涙を流しながら謝るが、その顔に嫌悪感はない。未知の快感によって歪み、涙と鼻水でグズグズに濡れたその顔は、今まさに全てを放出して痙攣する彼女の女性器と何ら変わらなかった。
数日後、海上を進む大和はその記憶を思い出して顔を赤くしていた。
(明石さんも朝日さんも大丈夫って言ってくれたけど…私は大丈夫じゃなかった…!)
赤い顔で海面を見つめる大和に、僚艦の武蔵が近づいて耳打ちする。
(おい大和、大丈夫か?我慢は厳禁だぞ。)
(…わかってる。うん……そろそろ……。)
それまで煮えきらない態度だった大和だったが、武蔵はそれを聞いて安心して離れる。
「……艦隊、停止。排水を行います。」
「雪風、お手伝いします!」
他の僚艦が輪形陣で大和を背にして囲む中、その中でも一際小柄な雪風が名乗り出た。今回の当番で、この役目にかなり積極的な少女である。
もう一人の積極的な少女、清霜は大和に背を向けつつも振り返り、少し顔を膨らませて雪風の姿を見つめていた。
大和はそんな彼女の視線に気づくことはなく、眼の前の少女…雪風を見つめる。
荷物に手を突っ込んでゴソゴソと尿瓶を探す雪風の姿を見て、大和の心臓は張り裂けそうになっていた。
(私……こんなにドキドキしてる……今までもそうだったけど……何か違う感じ……。)
胸の高鳴りが今までのそれとは違う事を、大和はなんとなく自覚していた。彼女の胸を高鳴らせるのは羞恥心ではなく、欲だった。出して気持ちよくなりたい、開放されたいという原始的な欲求だ。
衆人環視の元、性器を露出しての排泄など、現代社会の枠組みから大きく離れた行為である。大和もそれを理解し、行為と価値観のギャップは羞恥心として彼女に襲いかかっていた。
だが、今は違う。排泄することの気持ちよさを知ってしまった彼女は、肉体が発する高揚感をその身に受け入れている。
「あ、ありました!大和さん、スカートお願いします!」
舌っ足らずな声でそう要求する無垢な少女。この少女の前で、排泄の快楽に浸る背徳感が大和を襲う。してはいけない、感じてはいけない。禁忌のスパイスが彼女の情緒をさらに乱していく。
(そう…これは必要なこと…必要なことで、仕方のないことなんです…!)
大和はスカートをめくり、パンツを下ろして、自分の指でヴァギナを割った。中から溢れ出る蜜が指に触れ、反射的に声を出した。
「きょ、今日は暑いわね、雪風!」
「え?そうですか?」
汗という言い訳をしようと思ったが、雪風のきょとんとした顔がそれを打ち砕く。しかし知識のない雪風は結局、大和の太ももを滴り落ちるそれを汗と認識したようで。何の疑問も抱かず尿瓶を差し出した。
尿瓶の先、ガラスの輪がピンク色の粘膜に押し付けられる。
「んっ……♡…………はっ!」
思わず甘い声を出してしまった大和。手で口を塞ぐがもう遅く、それは雪風や僚艦達にも聞こえていた。
「もしかして…痛いんですか?」
「い、いえ。大丈夫。冷たくてびっくりしただけ。」
大和は作り笑いをすると、雪風は満面の笑みで返した。
(どうして…こんなっ……♡)
雪風は尿瓶を構えてニコニコとこちらを見上げている。その光景が黄色い液体で汚されるのを想像するが、それを思い浮かべた大和の下半身は何故か熱くなっている。
「ん…………うっ♡」
真っ黄色の先駆けが尿瓶の中にひり出される、そこからは壊れた蛇口のように液体が流れ出す。
「んんっ♡ふぅっ♡ふううぅぅっ♡」
勢いよく飛ぶ黄金の糸は尿瓶の中を駆け回り、ガラスの容器を満たしていく。熱く迸る液体が自分から放出される度、大和の体に快感が刻み込まれていった。
「ふっ♡はぁっ♡…………♡」
大和は必死に口を抑えていたが、荒い息は隠しようがなかった。振り向いて大和を見つめる清霜の頬は赤くなっていたが、大和も、清霜本人もそれには気が付かない。
体にのしかかる艤装の重みと震える足に耐えかねて、大和はほんの少しだけバランスを崩した。前に一歩だけ踏み込み、尿瓶の先が彼女のヴァギナを圧迫する。
「っ!?~~~~~~~~~~っ♡♡♡」
ガラスが食い込み、盛り上がったピンク色の粘膜、その頂点にある尿道から溶岩のように熱い液体が吹き出す。その熱さはガラスを通じて雪風の手の平にも伝わっていた。
「大和さん、やっぱり暑いんですね?温かいです!」
「ふっ♡ううぅ♡」
笑顔でよう呼ばれて、大和の頭は真っ白になった。雪風に見られ、僚艦達に聞かれながら、彼女は小さく絶頂を迎えた。
「……………ッ♡………はぁっ!…………はぁ……あ……♡」
それでも旗艦としての誇りが彼女を支える。倒れそうになった所で踏みとどまり、弛緩する女性器から残りの尿を放出しながら、涼しい海風が体をくすぐる感触に浸る。
「…………はぁ……………はぁ…………。」
全ての液体を放出し、雪風が尿瓶をしまう最中、ようやく大和が羞恥を襲う。僚艦の前で排泄したこと、そしてそれで快感を得て、あまつさえ絶頂まで迎えてしまったこと。
(私……雪風の前で…みんなの前で…♡こんなこと…♡)
大きな快楽に伴う大きな罪悪感と後悔に沈む大和の前で、雪風がティッシュを取り出した。
「大和さんのここ、お掃除します!」
罪悪感と後悔はすぐに吹き飛んだ。代わりに眼の前のティッシュへ目が向けられる。
「待って、雪風…」
その声は小さく、雪風には届かなかった。
「ッ!?」
表面がざらりとした乾いた紙片が下腹部へと押し付けられた。尿と愛液を吸い取り、ぴたりと粘膜に張り付いたそれを雪風は遠慮なく上下させる。
「んっ!?んっ♡あ゛っ♡あぁっ♡」
大和は必死で声を抑えた。敏感になった秘所を擦られて、それで感じているなどとても口には出せない。それが雪風のような何も知らない少女であれば当然だ。
(雪風っ♡だめっ♡もっと…♡優しくっ…♡)
そう心の中で想いつつも、それが言葉になることはない。雪風なら言えば従ってくれるだろう。そう、従ってくれる。優しくしてくれる。自分が快感など感じる事もないほどの優しい手つきでしてくれる。
だが、今の大和が求めているのは激しさだった。明石に散々焦らされて、溜まっていた欲求。誰かに秘所をめちゃくちゃにして欲しいという願望が、彼女の口を黙らせる。
紙片とその向こうにある指が、自分のヴァギナを隅々まで吹いて回る。クリトリスも大陰唇の裏も、何もかもをその細かい刺激で引っ掻いてかき回す。雪風の手の中で、大和はもう一度絶頂した。
「ん゛っ♡ふうううううぅぅぅ……♡」
気がつけば、大和は自分の袖を喰んでいた。赤子のようにそれをしゃぶり、声を押し殺す。
熱を帯びた目で雪風を観察する大和とは対照的に、雪風は真面目に作業に従事していた。
(大和さん、すっごい汗かいてる…ティッシュ足りるかな…)
雪風は山盛りのティッシュを大和の秘所に当て、彼女が吹き出した愛液を全て受け止めた。対して疑問に思うこともなく、全ての液体を拭き取り、作業を終える。
「終わりました!雪風、お役に立てましたか?」
そう報告する雪風を見て、大和は露出した粘膜をぶるりと震わせ、透明な液体を滴らせた。
肌に流れる熱い液体を無視し、大和はパンツを履いてスカートを戻す。まだ赤みのある顔で雪風に笑みを返した。
「……ええ。ありがとう…雪風…♡」
「……!はい!」
その時の大和の顔は、雪風の記憶にあるものとは違っていた。死ぬほど恥ずかしそうな顔をして、苦々しい顔をして無理に作り笑いを浮かべる大和ではなく、頬を赤く染めて、悦びに満ちた笑みで感謝を述べる大和。
雪風が初めて見る表情だった。その何も嘘偽りのない感謝の表情を見て雪風はなんだか嬉しくなって、その場で跳ねて笑みを浮かべる。
排膿の中、尿瓶の水音を鳴らしながら雪風はスキップし、戦列へと戻っていく。
「大和、排水完了しました。艦隊、前身!」
先ほどまでの蕩けた顔はどこへ行ったのか、よく通る声で号令をかける大和。僚艦達はすぐにそれに従い、再び帰路へ付き始めた。
向かい風が大和の体から熱を奪っていく。彼女は背筋をぞくりと震わせると、先程までの行為を思い浮かべた。
僚艦達の背を眺める。清霜と雪風、二人の少女。彼女達は明日も明後日も変わらず、尿瓶を携えて自分を受け入れてくれるのだろう。
いけないことだと解っていながらも、大和はまた体を震わせる。
大和の下着は、まるで漏らしたかのようにぐっしょりと濡れ、透明な液体がソックスまで滴り、シミを作っていた。