※この作品はR-18です。

デジモンアドベンチャー 〜剣と妖精の世界の物語〜   作:藤林 明

3 / 8
気が付いたら丸々二週間近くかかってもうた…
なかなか原作に近づけるのは難しいな…うん

という訳で、あまりに長くなり過ぎたので前後半に分けることにしました。
なので前話の改稿は次回予告の訂正しかしてません。申し訳ない…


前編 デジヴァイスとVRMMO

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

丈サイド

 

「さて、それじゃあ本題に入ろうか」

 

「あ、はい」

 

アンドリューさんの真剣な雰囲気に僕たちも姿勢を正した。

 

「まずは、…そうだな。君たちからしたら、何故俺達がそのデジモンという生き物を見ても驚かないのかって所が気になってる様だからその理由だな。…まぁ正直言って全く驚いてないか、と言われれば嘘になるが、俺達からしたらVRMMOのMOD…モンスターとあんまり変わらないからだな」

 

「VR…MMO?」

 

聞きなれない単語を耳にした僕たちの中でも最年少のタケル君が首を傾げる。…無理もない。だって、僕だって初めて聞いたもん。そのVRMMOって言葉。

 

「……なんだ?お前ら、あんな大々的に報道されてたのに知らないのか?」

 

僕たちの反応に驚くアンドリューさん。…横にいる綾野さんと桐ヶ谷さんも似たような反応をしてるけど…

 

「…知ってるも何も、俺達は初耳だぞ。…そのVRMMOってのは一体なんなんだ?」

 

ヤマトが言う通り僕たちはVRMMOっていうのが何なのかサッパリ分からないんだ。

 

「えっと、VRMMOっていうのはね、簡単に言うとオンラインゲームの事なんだけど…ゲームの中で作成したアバターに自分の意識を写して動かすの。空を飛んだり歩いたりね」

 

桐ヶ谷さんの説明を聞いてさらに訳が分からなくなる僕たち。それを見たアンドリューさんは

 

「…それでな、こっからが俺達の本題なんだか…丈君、今はいつなのか西暦から教えてくれないか?」

 

と言ってきた。…日付けなんて知ってどうするんだ?

 

「えっと、1999年8月1日です」

 

「えっ!?」

 

「そんな…」

 

「…やっぱりな」

 

アンドリューさん一行は今の日付けを知って、デジモン達を見るより驚いていた。…一体何処に驚く要素があったんだ??ますますわかr

 

「…まさか!」

 

…分かる奴がいたね。こっちにも。

 

「あんた達、未来か過去から来た。なんて言わないよな?」

 

「…察しが良くて助かる。そうだ、俺達は2026年…つまりは未来から来たって事だ。ついでに言うと、俺達はさっき言ったVRMMORPGというジャンルのゲームをやっていたらいつの間にかこの世界…いや、過去に飛ばされてたんだ」

 

ヤマトの言葉にアンドリューさんは頷き補足やをしたけど…

 

「…簡単には信用出来ない話だな…どうする皆?」

 

ヤマトの言う通り、いきなり未来人だって言われてはいそうですか、とは正直言いにくい。…けど

 

「まぁ僕たちの横に既に信じられない生物がいるからなぁ…」

 

「そうね…ピヨモン達の存在も既に信じられないものだからねぇ…」

 

「なんか難しい話はよくわからないけど、この人達別に怪しい人じゃないし、信じても良いんじゃない?」

 

「そうですね。空さんやミミさんの言う通り、この方達は僕たちを騙そうとしている訳ではなさそうですし、ここは信じても大丈夫かと」

 

「僕もそう思うな。太一さんは?」

 

「俺も信じても良いと思う。こんな事で嘘吐くとは思えないしな」

 

皆の言う通り、悪い人ではないのは確かだし何より嘘を言うメリットが無い。その上こっちには未知の生き物が居るんだ。今更信じられない様な話じゃないよね。

 

「信じてくれてありがとうございます。それでですね、皆さんこんなものを見たことありますか?」

 

綾野さんは頭を下げてお礼を言うと、ひとつの小型機械を見せてくれた…んだけど…

 

「お、おい、これって…」

 

「デジヴァイス!?」

 

「知ってるんですか!?これの事?」

 

ヤマトと太一が叫ぶのも無理はない。だってその機械はー

 

ーデジモンを進化させる道具、デジヴァイスだったのだからー

 

サイドアウト…

 

珪子サイド

 

「皆さんこの機械の事知ってるんですね?あの、これって一体何なんです?」

 

驚いていた子供達を見て私は確信しました。この子達はこの機械について何か知っている、と…。

 

☆☆

 

私がこの機械を手に入れたのはALOでの狩りをしていた時でした。

 

「…あれ?なんだろコレ?」

 

「どーしたのよシリカ?」

 

その時一緒に狩りをしていたリズさんが私の声を聞いてこちらへ飛んできました。

 

「あ、いえ。見たこと無いアイテムを手に入れたので何なのか気になって…」

 

「なになに〜、まだ未発見のレアアイテムでも手に入れた?ちょっと見せてみなさいよ!」

 

「あ、はい…えっと…コレです」

 

「コレかぁ……名前は…デジヴァイス?初めて聞く名前ね。効果は…あれ?…うーん…ねぇシリカ?これ本当にアイテムなの?」

 

アイテムを具現化して取り出してからリズさんに渡して鑑定してもらうと、リズさんは奇妙な質問をしてきました。

 

「え?そりゃあもちろんアイテムですよ。私のストレージに入っていたんですから」

 

「…じゃあ、なんで説明文出ないのかしら?」

 

「え?そうなんですか!?」

 

リズさんの鑑定スキルはかなり高いハズなのになんで表示されないんだろ?…やっぱりバグなのかな?

 

「本当よ…名前は出るけどアイテムの説明欄は空欄で何も書いてないわ…うーん困ったわね…エギルもキリトもリーファも今日は来ないって言ってたのにな〜…ほいシリカ、とりあえず返すね」

 

困り顔のままリズさんは私にアイテムを返してくれました。そしてそのままストレージの整理をしていた様なのですが…

 

「…あれ?アタシのストレージにもあるわ。シリカと同じやつ」

 

「えっ!?リズさんもですか!?…ということは、やっぱりこれは新しいアイテムでまだバグの報告がされてない、って事ですかね?」

 

「うーん…どうなんだろ?…んじゃ、とりあえずしまっておいて明日にでもエギルかキリトに聞いてみるか」

 

「そうですね。そうしましょうか…リズさんはまだ狩り続けますか?」

 

「うーん…今日はいいや。明日の朝ちょっと早く行かないといけない用事があるからさ」

 

「分かりました。それじゃあ今日はこの辺で上がりましょうか」

 

☆☆

 

…あれからキリトさんやエギルさん、リーファにこの機械について聞いてみたけど三人とも全然分からなかったからとりあえず捨てずに持ち歩いてましたが…この世界…いや、過去に来てからポケットに手を入れたらなんとこの機械が入っていてびっくりしました。…しかもエギルさんとリーファもこの機械を持っていたので余計に驚きました。

 

「…これはデジヴァイス。…ここにいるデジモン達を進化させる道具だ。…それを何故あんたが持っている?」

 

デジヴァイス…名前だけはリズさんの鑑定スキルで知っていましたが…デジモンを進化させる道具って、私達にはデジモンなんて生き物いません。なのに何故…

 

「…実は俺と直葉ちゃんもそれを持っているんだが…デジモンなんて生き物、俺達は知らなかったしもちろんティム…あー、捕まえてもない。…だからそいつらを連れてたあんた達なら何か知ってるかと思って声をかけた、ってワケだ。すまないが、俺たちも困っていてな…何か知ってる事があったら教えて欲しい」

 

「……どうする光子郎?」

 

「…そうですね、デジヴァイスを持ってる以上敵ではないですし、僕たちの知ってる限りの情報であればお教えします。ただ、代わりにという訳ではありませんが、こちらのお願いも聞いて貰えませんか?」

 

エギルさんのお願いに対して光子郎君は交換条件を出してきました。…この子はかなり賢いみたいですね。

 

「あぁ、タダでと言うつもりも無かったしな。もちろん構わないぜ」

 

「分かりました。交渉成立です。ではまずこちらからー」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

それから光子郎君の説明は10分近く続きました。そこで分かった事は

 

・デジモン達を進化させる

・デジヴァイスを持っている者同士の居場所が分かる

・時々不思議な力で助けてくれる

 

という事でした。

正直パートナーデジモンがいない私達にはイマイチ理解出来ませんでしたが、私の場合はピナという相棒がいるのでイメージは出来ました。…けど……

 

「とりあえずどんなものか、ってのは大体分かったつもりだが…そうすると余計に分からん事もあるなぁ……シリカ、あぁ珪子ちゃんの事な。彼女にはパートナーのピナがいるから納得できるが、俺やリーファ…直葉ちゃんはパートナーと呼べるような生き物がいないからな。これの使い道がイマイチ分からん」

 

「そうですね…珪子ならともかく、あたしとエギルさん…あ、エギルって言うのはアンドリューさんの事ね。で、あたしもエギルさんもMOD…あ、MODはモンスターの事ね…。…ともかく、パートナーがいないのにパートナー用のアイテムが手に入った、っていうのがどうしても疑問なのよねぇ…」

 

直葉さんもエギルさんも何故自分達がデジヴァイスを手に入れることができたのかが疑問なようです。…でもですね、私も疑問なんですよ?だってピナはそもそもデジモンじゃないですから、私だってなんでデジヴァイスなんてものを手に入れたのか分かりませんから。

 

「…それについてはひとつだけ考えられる事があります。…ですが、それについてはここを出て話しましょう」

 

「そうだな…どうやら少し目立ち過ぎたようだ」

 

「あ…」

 

光子郎君の言葉にエギルさんが同調し、その言葉で周りを見た太一君は少し間の抜けた声を出しました。…でも気持ちは分かりますよ?だって店の中にいる人全部の視線がこっちを見ているんですから…ね。

 

サイドアウト……

 

 

丈サイド…

 

店員を含めた数々の視線に耐えられなくなった僕たちは、店を出てから駅へと来ていた。もちろん、これから電車でお台場へ帰る為だ。

 

「恐らくだが、駅でなら電子マネーシステムが使えるハズだ。とりあえず、切符が買えるか調べてくるから待ってろ」

 

そう言うと、アンドリューさんは切符売り場の方へ歩いて行った。

 

「けどさ、本当にあたし達のお金って使えないのかなぁ…」

 

「きっと無理じゃないかな?そもそも電子マネー使える場所が少な過ぎるよ」

 

「うー…じゃあこれからどうしよう?ホテルとか泊まれなきゃ、あたし達野宿じゃん」

 

「あ……確かに。うぅ…どうしよう?」

 

桐ヶ谷さんと綾野さんは自分達の境遇を話し合っているようで落ち込んでしまっていた。…まるで僕たちがデジタルワールドに行った初日の様な感覚みたいだ。

 

「おぅ待たせたな」

 

そんな微妙な雰囲気の中、アンドリューさんは数枚の切符を持って帰ってきたみたいで

 

「切符をとりあえず人間の枚数分買ってきたぜ。皆お台場でよかったんだよな?1枚ずつ取ってくれ」

 

と言って渡してきた。

 

「エギルさん、切符は買えたんですか?」

 

「あぁ、なんとかな。…ただ、まだあまり普及してないみたいで入ってる金額を見て駅員が変な目で見てきたがな」

 

「そりゃそうだろ。電子マネーシステムなんてつい最近出始めたばかりなんだからな」

 

アンドリューさんの言葉にヤマトが呆れながら答えてるけど、これで帰れると分かり、少し機嫌が良さそうだ。

 

「うーむ、となると…ホテルとかの宿泊施設もまだ現金だけなのか?」

 

「えー…てことはあたし達野宿決定じゃん」

 

アンドリューさんの疑問に桐ヶ谷さんはゲンナリしたようにボヤいた。まぁ若い女性がこんな都会の真ん中で野宿だと言われたらこういう反応になるのも無理はないけど。

 

「…でしたら僕のうちに来ませんか?事情を話せば2、3日は泊まれるハズですから」

 

「俺のうちも、親父仕事で遅いし部屋なら空いてるから切符のお礼だって言えば大丈夫だ」

 

桐ヶ谷さんの反応を見た光子郎とヤマトが自宅へ招待する事を提案した。…なるほど、確かにヤマトの家は父親とヤマトの二人暮らしだから1人位なら事情を話せば許可を貰えるだろう。けど光子郎の家は…

 

「あれ?お兄ちゃんちなら分かるけど、光子郎さんちってお父さんもお母さんもいるんじゃ…」

 

僕同様に疑問に感じたタケル君が光子郎に質問した。

 

「はい、確かにお父さんもお母さんもいますが、僕はひとりっ子ですから問題は無いかと…」

 

「いや、それは流石にマズイだろ。この人達は俺たちよりも年上だ。そんな人が泊まる場所が無いから泊めてくれとか言ったら間違いなく警察沙汰になるぞ」

 

「そうだな…流石にそれは俺たちも困るし何より君たちに迷惑をかけるわけにはいかないからな。気持ちだけ受け取っておくぜ」

 

光子郎の説明にヤマトとアンドリューさんは苦笑気味にダメ出しをした。まぁ、正直今回は2人の意見に賛成だな僕は。

 

「じゃあ僕のうちなら大丈夫だよね?うちもお兄ちゃんと同じでお母さんしかいないから」

 

「…えっと、これってあんまり聞いちゃダメだろうけど…ヤマト君とタケル君って兄弟、なんだよね?」

 

タケル君の言葉に桐ヶ谷さんは気まずそうに2人に問いかける。

 

「え?うん、そうだけど…?」

 

「…………俺たちの両親は、俺たちが小さい頃に離婚した。それだけだ」

 

「やっぱり…そう、だよね……ごめん」

 

事情をヤマトから聞いた桐ヶ谷さんは予想していたのだろうけど、それでも疑問が確信となり複雑な心境に目を伏せた。

 

「…とりあえずこれからどうするかは電車に乗ってから考えようぜ」

 

微妙な空気になり始めていた矢先に太一はそう提案して改札をくぐった。

 

 

 

 

「お台場に行くって言ってたからとりあえず国際展示場前駅までの切符を買って来ちまったが大丈夫だったか?」

 

「あ、はい。タケル君も今日はヤマトさんの家に泊まるそうなので大丈夫です」

 

「そうか。それなら良かった。…光子郎君はその歳でしっかりしてるな」

 

「いえ、そんなことないですよ」

 

電車に乗ってからは皆疲れてたのか太一達はデジモン達も含めて全員寝てしまったようで今はアンドリューさんと話している光子郎と僕の二人しか起きてない。

 

「丈君と光子郎君は寝なくて大丈夫なの?駅に着くまであたしとエギルさんが起きてるから着いたら起こしてあげるよ?」

 

僕と光子郎を心配して桐ケ谷さんはそう言ってくれるけど…

 

「いえ、一応僕が年長なので子供組の面倒は僕が責任を持ってしないといけないので気にしないでください」

 

僕は6年生だからね。せめてこういう時くらいは皆の役に立たないとね!

 

「僕は着くまでの間に調べたい事があったので大丈夫ですよ」

 

光子郎も背中のパソコンを取り出してそう答えた。

 

「そっか…ホントにしっかりしてるよね二人とも。うちのお兄ちゃんも少し見習って欲しいよ…」

 

「そういう直葉ちゃんは大丈夫なのか?」

 

「あたしはある意味お兄ちゃんに鍛えられてますから大丈夫です。それに一度寝ちゃうと起きられないんですあたし」

 

「そうか。まったく、最近の若い奴はどうしてこうも大人びてんだか。…その点、珪子ちゃんは年相応に見えるからある意味安心できるぜ」

 

僕たちの話を聞いたアンドリューさんはため息を吐きながら綾野さんの方を見る。僕たちもその視線を追うと、寝ているパタモンとタケル君の隣で寝息をたてている綾野さんがいた。

 

「…それよりアンドリューさん、少しデジヴァイスを貸して頂けませんか?ちょっと調べたい事があるので」

 

「…別に構わないが、どうするんだ?」

 

「あ、はい実はこのパソコン、デジヴァイスを繋げて色々調べることができるようになっているのでこの時間に調べてみようかと思いまして」

 

パソコンを開いた光子郎は早速アンドリューさん達のデジヴァイスについて調べるつもりのようだ。…流石は≪知識≫の紋章に選ばれた子供だな。

 

「なるほどな、それならもちろん構わないぜ。……ほら」

 

「ありがとうございます」

 

納得したアンドリューさんは光子郎に自分のデジヴァイスを渡し、それを受け取った光子郎は自分のノートパソコンにそれを繋げてキーボードをたたき始めた。

 

「んじゃ、俺たちは降りる駅まで今後について考えるか」

 

「そうですね」

 

アンドリューさんの言葉に僕は同意し、桐ケ谷さんは首を縦に振ったので着くまでの間お互いの今後について話し合った……。

 

 

サイドアウト




次回…いつ書き終わるかなぁ…泣


アンドリュー達のおかげで無事お台場まで戻ってきた子供たち一向。そこへいきなりヴァンデモンの手下が襲い掛かり苦戦する子供たち。その時、デジヴァイスが光り輝き新たな進化と奇跡が具現化する!次回!デジモンアドベンチャー ~剣と妖精の世界の物語~ 「後編 「進化」と「変化」」 今、冒険が進化する。
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