※この作品はR-18です。

デジモンアドベンチャー 〜剣と妖精の世界の物語〜   作:藤林 明

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文字数が最近多くなり過ぎてて投稿に時間が掛かる……
お手軽感て何?状態や…orz

それではどぞ!


決着と帰還

ナレーションサイド

 

ヒカリとユウキが八神家に着いたその頃、駅前で戦闘をしていた選ばれし子供たち一行の戦いは、珪子たちSAO組の活躍もあり優位に進んでいた。

 

「おりゃあ!!」

ズドーン!!!

 

「グルオアァァァァァァァァ!!!!」

 

エギルの放ったソードスキルがイルファング・ザ・コボルトロードを容赦なく引き裂く。すると耳を塞ぎたくなるような強烈な咆哮とともにコボルトの王はその手に持つ斧と盾を放り投げる。投げられた武器がポリゴン片となって消えると同時に腰にある武器を引き抜く。

 

「やっぱりあん時と同じか!――デジモン達!攻撃パターン変わるぞ、注意しろ!!」

 

『はいな!』

 

『ええ!』

 

『はい!』

 

「待ってエギルさん!アレ、前に見た武器と違うよ」

 

「何ぃ!――あ、あれは!」

 

デジモン達に注意を呼び掛けるエギルに、引き抜いた武器を見たリーファがエギルに叫ぶ。そう、コボルトの王が本来出すのは野太刀――刀――なのだが、今回出したのは……

 

「……片手剣」

 

「しかも二刀って……ま、まさか……」

 

「ああ……間違いねぇ…………あれは《二刀流》だ」

 

二振りの片手剣だった。――そう。このコボルトの王は両手に片手剣を持つスキル《二刀流》に変わったのだ。……かつて、≪黒の剣士≫と呼ばれた男の代名詞とも言うべき、世界でたった1人だけが習得できたスキル。

 

「これはかなりやべぇな…」

 

『どういう事ですか?』

 

「あぁ、あれは俺たちのいた世界では事実上最強のスキルを使えるスタイルなんだ。……正直、近接戦闘じゃもう勝ち目は薄い」

 

「でもユニークスキルってModも習得できないんじゃ……」

 

「きっと、この世界ではあたしたちの世界の常識は通用しないんだよ」

 

「そんな……!」

 

『すんまへん、ちょっと光子朗はんの所行ってきます』

 

かつての世界最強にして自分たちの仲間の最も強力なスタイルに変わったコボルトの王を前に絶望するSAO組に、能天気な口調の関西弁が割り込んできてそのまま飛び去った。――そう。かのシリアスブレイカー、カブテリモンである。

 

「え!?ちょっ…」

 

『なるほど、光子朗ならこの状況を覆す策を考え付くかもしれない』

 

『ならカブテリモンが帰ってくるまでここで足止めしてましょうか』

 

慌てるリーファに納得顔のエンジェモンが相槌をうちそれに同意するトゲモン。どこまでもマイペースなデジモンたちであった……。

 

 

光子朗サイド

 

イルファング・ザ・コボルトロードとの戦いを遠くで見守っていた僕たち非戦闘組は、その激しい光景を無言で見つめているしか出来なかった。

 

「…………おい、カブテリモンがこっちに向かって来てるぞ」

 

武器を新しくしたモンスターを見ていた僕の耳にヤマトさんの声が聞こえた。

 

「おい!聞いてるのか光子朗。お前を呼んでるぞ!」

 

「え……あ、はいすみません。――どうしたんですか?」

 

僕はどうやら上の空になっていたようでヤマトさんに怒られてしまいました。

改めて戻ってきた僕のパートナーデジモンでもあるカブテリモンに問いかけると、若干呆れたように溜息を吐かれましたが話してくれた内容は驚くべき内容でした。

――要約すると

 

・相手のスタイルが変わり、彼らだけでは対処できなくなってしまった。

・近接戦闘はもう通用しない。

・光子朗はん助けてー。

 

……………………最後の国民的ダメ人間の様な要望は置いといて、どうやら前線で戦っている皆さんがピンチの様です。

 

「困りましたね……」

 

「おい光子朗、だったら完全体デジモンの遠距離攻撃で総攻撃をかければ良いんじゃねぇか?」

 

「た、太一さん……?」

 

「もしよー、本当にあいつがゲームに出てくる敵キャラみたいなもんならあれからかなり攻撃してるし、もうそれで倒せると思うんだけどなぁ」

 

「で、ですがもし回復でもされたら……」

 

「多分それはないんじゃないかなぁ?」

 

火力嗜好の太一さんの耐性無視の提案に待ったをかけようとしたら今度はタケル君に否定されてしまった。

 

「ど、どうしてわかるんですか?」

 

「だって僕が前にやってたゲームだと残りのHPがすっごく少なくなった時に武器とか攻撃の仕方とが変わってたもん!多分だけどこいつもそうなんだよきっと!」

 

「そうそうそれそれ!!だから一斉に攻撃を仕掛ければ倒せんじゃねぇかってことだよ」

 

「…………」

 

……二人の言い分はゲーム内に出てくるモンスターや敵キャラに対しての理屈。…そう言ってしまえばそれまでだが、今目の前で戦っている敵はまぎれもなくゲーム内のモンスター。…なるほど。それもアリか。

 

「……よし。では完全体になれるデジモンは進化して加勢してください!カブテリモンは戦っている皆さんに下がるように伝えてきてください」

 

「よっしゃー!いくぜ皆!!」

 

「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」」

 

太一さんの掛け声とともに僕たちは加勢する為に動きだした。

 

 

 

リーファサイド

 

カブテリモンが光子朗君たちの所に戻ってからは相手の手数の多い攻撃を必死になって受け流していた。

 

「…スー・フィッラ・ヘイラグール・アウストル・プロット・スバール・バーニ!!」

 

「ぐっ……すまねぇリーファ」

 

「やっぱり二刀流強すぎですよ!」

 

『なによこれ!受けきれないじゃないの』

 

あたしはアイツが二刀流になってからは回復役に徹していた。――本当は攻撃に回りたかったけど回復魔法はあたしとシリカちゃんしか使えないから二人で回復に徹してるんけど……

 

「……リーファ、シリカ、MPあとどれくらい持ちそうだ?」

 

「……正直、あと2、3発大きいの食らったら持たないと思う」

 

「私もあと3回しか……」

 

「チッ……わかっちゃいたが、やっぱ敵に回すときっついな」

 

たった数回の攻防だけでHPもMPも限界が近いというのが現状だったりする。……あー、こんなことならアスナさん達とポーション買いに行っておくべきだったなー……。

…そんな感じで状況を見ながら心の中で後悔していると――

 

「……あ…れ…?」

 

「ん?どうし…た…?」

 

カブテリモンが飛んで行った方を見てみると、あたしとエギルさんは絶句した。

なぜならそこには――

 

『待たせたな皆!』

 

『光子朗に言われて加勢しに来たよ!』

 

『さぁ反撃開始だ!』

 

とんでもない大きさの怪獣がいっぱい現れたからなのです……。

 

 

ナレーションサイド

 

カブテリモンはアグモン、ガブモン、ピヨモンが、それぞれメタルグレイモン、ワーガルルモン、ガルダモンという完全体へと進化した3体を連れてエギル達のもとへと帰ってきた。

 

『皆はん、光子郎はんから「完全体の3体で全力の遠距離攻撃をするので下がってください。もし遠距離攻撃が可能なようでしたら援護をお願いします」との伝言や』

 

「了解、んじゃ俺とシリカちゃんは下がってリーファは援護だな」

 

「はい!」

 

「了解!」

 

『あたしも下がるわ。丸焼きにされたくないし』

 

『わかった』

 

カブテリモンから指示を聞いたSAO組とトゲモン、エンジェモンのデジモン組はそれぞれに返事をして動き出す。そして――

 

「全員配置完了!」

 

「よし!ぶちかませーっ!!」

 

リーファの報告を聞いたエギルが全員に攻撃を指示すると

 

『ギガデストロイヤー!!』

 

『カイザーネイル!!』

 

『シャドウウィング!!』

 

『メガブラスター!!』

 

『ヘブンズーーナックルっ!!』

 

「セアー・スリータ・フィム・グローン・ヴィンド!!」

 

デジモン達は必殺技を、リーファは風属性の遠距離魔法で、それぞれが全力で攻撃を放つ。そして・・・

 

「グオアァァァァァッ!!!」

 

バリーン!!

 

一斉攻撃をまともに受けたコボルトの王は、一際大きな咆哮を響かせながらその体をポリゴン片へと変え霧散した。それと同時に空中には

 

CONGRATULATION!!

 

という文字が浮かび上がった。

 

「「「「「「「やったー!!」」」」」」」

 

それを遠くで見た子供たちからは歓喜の声が

 

「ふーーっ…とりあえず、なんとかなったな」

 

「そうですね」

 

「よ、よかったーっ……お疲れ様ピナ」

 

「きゅるる~」

 

勝利したことに安堵するSAO組

 

『なんか、あっけなかったわね』

 

『まぁ、あれだけの攻撃を受けて生きてたらそれはそれでキツイけどね』

 

勝った割に拍子抜け。そんな感じのデジモン組

と、それぞれが感傷に浸る中

 

「くっそ~、覚えていろ!」

 

コボルトの王が敗れ、悔しそうに捨て台詞を残してピコデビモンは飛んでいった。

 

「あ、コラまて!」

 

それに気づいた太一がそう叫ぶも後の祭り。その頃には手の届かないところまで逃げられていた。

 

「ちっ、あのボスの出所を聞こうと思っていたが…逃げ足の早い野郎だな」

 

「そうですね…上手く聞き出せればあたしたちの帰る方法もわかったかもしれないのに……」

 

太一に気づいたエギルの愚痴にリーファが答える。

 

「……さて、とりあえず危機は去りましたし、そろそろ家に帰りましょうか」

 

停滞しかけた場を、光子郎がひとつ手を叩きまとめる。

 

「そうだね。このままここにいても警察に捕まりそうだし、ここはいったん自宅に帰って明日にでもまた相談しよう」

 

丈が光子郎に賛成しつつ周りを見る。――そこには人だかりと警察の姿が遠目に見えた。

 

「……じゃあ、あたしの隠蔽魔法でやり過ごして、そのあと移動しようか」

 

「そうですね。このままじゃ、いずれにしてもあの人だかりを突っ切るのは無理そうですし」

 

「わかりました。ではデジモン達の進化が解けたらお願いします」

 

「了解♪――――シック・シャール・オービス・グロン・ロプト!」

 

その後、光子郎の合図と共に詠唱が完了していたリーファの隠蔽魔法が全員を包み込んだのだった……。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「……さて、遅くなりましたが帰りましょうか……」

 

「「「「「「「「はーい……」」」」」」」」

 

「それじゃ、頼んだぜ」

 

騒動から数十分後、疲れ切った面々(特にリーファ/直葉は魔法を使いっぱなしだった為一番フラフラである)は、それぞれ帰宅の準備に入る。SAO組は当初の予定通りヤマトの家でお世話になることになった(当初は直葉と珪子の二人はミミの家でとの意見もあったが、色々話し合った結果全員になった)ので彼等についていくことになった。

 

「すまねぇなヤマト君、全員世話になることになっちまって」

 

「ありがとうございますヤマトさん!」

 

「ヤマト君…ありがとね…」

 

「いいよ別に。親父も帰って来るかわかんねぇし」

 

3人からお礼を言われたヤマトはそっぽ向きつつぶっきらぼうに返事をするも、それが照れ隠しであることがバレバレなので他の子供たちは苦笑いを浮かべている。

 

「それじゃあ、俺の家はこっちだから」

 

「おう、じゃまた連絡するわ」

 

「頼む。……行くぞタケル」

 

「うん!じゃあまたねー」

 

こうして、ヤマト達一行はフジテレビ近くにある石田家へと向かって行った。




戦いが決着し、ヤマトの暮らす石田家へとエギル達がお世話になっているその頃、八神家でもひとつの出会いがあったのだった…。

次回!デジモンアドベンチャー 〜剣と妖精の世界の物語〜 「ヒカリとユウキ」
今、冒険が進化する……
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