しばらくして、由良が目を覚ました。
額には角、口には牙、そして人間だった頃にはなかった妖艶な雰囲気を全身から醸し出している。
「ううっ…姫様。私、いつの間にか寝てしまいました」
「由良よ、気分はどうじゃ?淫鬼として生まれ変わった今の気持ちを教えてはくれぬか」
蜜羅が穏やかな口調で語りかける。
「全身に力がみなぎって私じゃないみたいな…でも、凄く気持ちがいいのです。今までの人生が全て夢だったと思えるぐらいに」
由良が意気揚々に語る。
そして、自分の頭に生えた角に触れる。
「私にも姫様と同じ角が…本当に鬼になったのですね」
「そうじゃ、由良よ。よく似合っておるぞ」
「ああ、ありがたきお言葉」
「鬼になったそなたは、以前よりもさらに美しくなっておる」
蜜羅は艶めかしい手つきで由良の角を撫でまわした。
「本当にワラワが嫉妬するぐらいに…」
「そんな…」
否定の言葉を考える由良の口を塞ぐように蜜羅が唇を重ねる。
んっ…チュッ…ムチュ…チュポ
蜜羅が舌で由良の唇をこじ開けると、由良も応えて舌を絡めた。
唾液に濡れた柔らかな唇と舌が、激しく求めあう。
口元の快感、それもまた以前よりも濃密なものとなっていた。
蜜羅が由良の乳房に手を伸ばす。
そして、乳首を指でつまんだ。
(ああッ!!凄い…気持ちいい!!これが鬼の乳首……)
由良は全身が痺れるような快感を感じた。
さらに、乳首を引っ張られたり、こねくり回されると頭の中が真っ白になった。
「どうじゃ?」
「人間だった頃よりも体が敏感に……」
「そなたは淫欲の鬼と化したのじゃ。ワラワと同じ淫鬼に」
蜜羅が嬉しそうにほほ笑んだ。
「私、とても幸せでございます!姫様、ありがとうございます」
由良は涙を流しながら蜜羅に感謝する。
恐ろしいと思いながらも、由良は蜜羅の美しさ強さ、あふれんばかりの自信に憧れを抱いていた。
そして今、鬼神界において最下層である人間の殻を破り、蜜羅と同じ鬼になれた事が嬉しくてたまらなかったのだ。
蜜羅は由良を抱き寄せ、ベッドの上に寝そべった。
そして、布団を被る。
肌と肌が触れ合う感触が心地よい。
蜜羅は自分よりも高い体温の由良の体にギュウとしがみついた。
ふさふさの陰毛や少しゴツゴツとした足、柔らかな乳房、そのすべてが心地よかった。
「由良や、添い寝をしてくれぬか?」
「はい……喜んで」
由良は頬を赤らめながら蜜羅の誘いを受け入れた。
お互いの体温を感じながら、いつの間にか呼吸のリズムも合わさっていく。
そして、気が付くと2人は深い眠りについていた。
由良は以前なら粗相をしたらどうしようと不安で眠れなかっただろう。
だが、鬼になった事が心に余裕をもたらしたのだ。
窓から差し込む月明かりが見せた幻影か、他人であるはずの蜜羅と由良、2人の寝顔がどこか似て見える。