翌朝、一足先に起きていた蜜羅がベッドのそばで由良の寝顔を見つめていた。
手には小さな木箱を持っている。
「由良よ。いつまで寝ておる、起きるのじゃ!」
布団の中で眠る由良の肩をさすると、眠い目をこすりながら起きた。
「良いものを見せてやろうと思ってな……これじゃ」
蜜羅が木箱のフタを開けて、中身を見せる。
「きゃああああああああああああああああッ!!!」
由良が悲鳴を上げる。
木箱の中身はなんと、男の陰茎と陰嚢だった。
「これは轟雷というワラワの家来だった者の逸物じゃ。轟雷はそれは勇猛な鬼族の男じゃった」
蜜羅は轟雷の事を思い出しながら、溜息をついた。
「由良よ。この逸物をどう思う?」
「えっ?ええ、すごく立派だと思います…」
由良は当たり障りのない感想を述べる。
「こんな逸物で犯されてみたくはないか?」
蜜羅が淫らな笑みを浮かべ、陰茎を自らの股間に当てあがった。
「どうじゃ、なかなか似合うじゃろ?」
まるで、蜜羅の股間から陰茎が生えているように見える。
「ワラワにはどうでもいい話じゃが、人間の僧侶の世界では女は悟りを開けない、あるいは開くのに苦労するというらしいのう。嫉妬深く、我がままで好色、業が深いと……」
「私も詳しくはありませんが、女は業が深いと聞いたことがあります。私はそうは思いませんが、むしろ男の人の方が欲望が強く、血の気が多い煩悩の塊に見えます」
由良は女が馬鹿にされているようで少しイラっとした。
「はははは、そう思うか?まあ、そこは何とも言えん。それに、ワラワのように底なしの淫乱な女は人間にもたくさんおるじゃろうて」
蜜羅が愉快そうに笑った。
「ところで変性男子へんじょうなんしという言葉は聞いたことはあるか?」
「へんじょうなんし?いえ、ありません」
「ふむ、それは仏の功徳により女が男に成る事で悟りを開くという事らしい」
「とても不思議ですね。だけど、私もこうして人から鬼になりました。なので、そのような不可思議があっても驚きません。そして、私は男だったとしても女だったとしても蜜羅様に心を奪われてしまうでしょう」
由良はそう言っ艶っぽい笑みを浮かべた。
人間だった頃のオドオドした様子とはまるで別人のようである。
「嬉しい事を言ってくれるのう」
蜜羅も色香をはらんだ笑みで応えた。
「仏法を守護する天龍八部衆の1人である娑伽羅竜王サーカラりゅうおうの娘である善女竜王ぜんじょりゅうおうも8歳にして男子に変性し悟りを開いたと言われておる」
「8歳で悟りを開くなんて凄いですね」
由良が感心しながら言った。
「しかし、そのような奇跡は仏だけのものではない。ワラワたち淫鬼族にも変性の秘儀が代々伝承されておるのじゃ」
そう言って蜜羅は逸物を、まるで自分のモノのように触り手淫のような卑猥な仕草をして見せた。