報奨を含めた福利厚生の提案が成功し、アインズが席を外すと守護者は話し始めた。
「いやーアインズ様と一日一緒に居られるなんて凄いよね!」
「そうでありんすね!復讐を終えられたばかりなのにこんな褒美をもらえるなんて、本当に夢のよう……」
「ですよね!どう過ごそうかな、アインズ様好きな本とかあるかな」
「アア、アインズ様トノ模擬戦、イヤ、リザードマンノ村デ大会ヲ開クコトモ……」
「まさかわたしにまでこのようなごじひをいただけることになるとは」
「まさしく!ンアインズ様とどの様に過ごすかと考えるだけで
「ええさくぱん、いえロータス殿に素晴らしい提案をしていただけたお陰ですね」
デミウルゴスがそう告げれば守護者がこちらを見る。
「イエイエ、皆様ガ普段ヨリ魔導国ノ為身ヲ粉ニシテ尽クシテ頂イテイルカラコソデス、私ガ提案セズトモイズレ近イ制度ハ導入サレテイタデショウ」
それだけ言えば皆アインズを称え始めたがアルベドとパンドラズ・アクターだけは会話に参加している様でこちらへの警戒を解かなかった。
「ソウイエバ皆様ニオ願イシタイコトガゴザイマシテ」
「何でありんすか?先ほどの礼に少しばかり慈悲を与えても良いでありんすよ」
以外にもそう口を開いたシャルティアに驚きつつ続ける。
「有難キ幸セ、皆様ノ支配下ニアル者デ男性ヲ相手ニシタ仕事ニ長ケタ人間種ハイラッシャイマセンカ?」
「男性を相手に?……所謂娼婦の様な者ということでありんすか?」
「エエソウイッタ者デスネ、亜人種ヤ異形種トナルト少ナソウデスガ人間種デアレバ居ルカト思イマシテ」
「ソノヨウナ人間ヲ一体ドウスルツモリナノダ?」
「ナザリックノ方ガ直接行ウワケニハイカナイ研究、異形種ノ私ガ人間種ヲ孕マセラレルカノ実験デス」
そう告げれば皆が驚愕の表情を浮かべる。
「忠誠コソ誓イマシタガチョウドイイコトニ私ハ皆様ト同ジ場所カラ来タモノノ所詮ナザリック外ノ者デス、コウイッタ実験ハ適任カト。ソレニ娼婦デアレバ男性ヲ欲情サセタリ、避妊技術ニ長ケテイルデショウカラアエテ孕ム様ナ技術ヲ持ッテイルカモシレマセンシ」
言い終わればデミウルゴスが少し思案し思い出した様に話し始めた。
「それであればアルベドが管理しているシュグネウスとかいう女が適任じゃありませんかね、確か元娼婦、でしたよね?」
デミウルゴスの言葉にアルベドは僅かに表情を歪める。
「……ええ、確かにあの者なら条件に合致するわね」
「オオ本当デスカアルベド様、ソレデアレバ是非ソノ者ヲ紹介シテ頂キタク。モシ私トソノ者ト子ヲ成スコトガデキレバ陛下ノゴ世継ギニツキマシテモ可能性ガ見エテキマスノデ」
「ナント!ソレハ本当カ!?」
苦虫を噛み潰した様なアルベドに比べコキュートスが興奮した様子で詰め寄ってきた。
「エエ、異形種ノ私ト人間種ノ間ニ子ガツクレルノナラアンデッドデアル陛下ニモ可能性ガアルカト。肉体的ニハ無理デモ魔術的ナ方向デノ可能性モ見エテキマスカラ」
「オオ!ソレハ素晴ラシイ!」
「しかし魔術的な方向とは?」
「肉体ガ著シク違ウ種族間デノ交配ガ可能デアレバ宿ル魂ニ差異ハナイカト思イマシテ、デアレバ何ラカノ魔術デ魂ニ手ヲ加エ、宿ル肉体ヲ用意スレバオ世継ギヲ望メルヤモシレマセン」
「それはお腹を傷めず子を生むということでありんすか?それだと少し寂しく感じるやも知れんでありんすね」
「手段ハ多イ方ガ良イカト、ソレニ陛下ニ性交可能ナ肉体ニ受肉シテ頂クノハ肉欲ヲ楽シンデ頂ク為ナラ問題ナイデスガオ世継ギトナルト違ウト思イマスシ、カトイッテ種族ヲ変更スルノハ問題ガ多過ギテ抵抗ガアリマス、行ウニシテモ世界ヲ支配シ安寧ヲ得タ後デノ最後ノ手段ニナルカト」
そう言うと守護者はそれぞれ考え始めたがやがてシャルティアが痺れをきらした。
「まあどの道試してみなければわかりんせんね。アルベド、転移門を開きますから女を連れてくるでありんすよ」
「……ええ、わかったわ」
アルベドとシャルティアはそう言って転移門の中に消えていき、程なくして青褪めた幽鬼の様に見窄らしい女が現れ即座に土下座をした。
「コレハマタ随分ト教育ナサレマシタネ、ココマデ躾ケテイル者ヲ任セテ頂イテヨロシイノデスカ?」
「……正直個人的には気に入らないけど、貴方の提案にはそれだけの価値はあるわ」
苦々しく告げるアルベドの姿から少しは信用を得たと考えて良いだろうかと考える。
「過分ナゴ配慮感謝致シマス、今回ノ試ミ必ズヤ成功サセテミセマス。ツキマシテハデミウルゴス様ニモゴ協力シテ頂キタク」
「もちろん協力するとも、互いにアインズ様の為に頑張ろう」
「エエ、ヨロシクオ願イ致シマス。デハアルベド様、陛下ニ計画ノ許可ヲ頂キタイノデゴ同行オ願イ致シマス」
「分かったわ、シュグネウスはそうね……エントマにお願いしましょうか」
アルベドは伝言で連絡をする、デミウルゴスが少し怪訝そうな反応をするに何か問題があるのか?
「ではアインズ様の元へ参りましょうか」
「お!お待ちください!」
今まで何も言葉を発さなかったシュグネウスが突然悲鳴の様な叫びを上げる、結局いきなり呼び出されて自分を無視して処遇が決められていくのだ無理もない。
「貴方……」
不快そうに顔を歪ませたアルベドが処断する前に遮って声をかける。
「大丈夫デスヨシュグネウスサン、少々苦労サレルト思イマスガ今後私ノ管理下デ働イテモラウコトニナルト思イマス。待遇ニツキマシテハ陛下ノゴ採択次第デスガ、良イモノニナルコトヲ約束シマスヨ」
そう告げればシュグネウスはまだ不安と恐怖に満ちた顔であったが再び頭を下げた。
「オ言葉ヲ遮ッテシマイ申シ訳アリマセンアルベド様」
「別に構わないわ、ついてきなさい」
俺はアルベドに一礼をしてアインズの元へと向かった。