※この作品はR-18です。

孤独の蟲王   作:cas_mi

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復讐

 酒を飲み進める中口唇虫の手配を頼んでいたエントマにソリュシャンを連れてバーに来る様頼む、自分以外の女性が来ることにシャルティアは面白くないといった雰囲気を出したが、俺はまだ諦めていなかった。

 そして果物や酒を味わって談笑しているとエントマとソリュシャンがやってきた。

 彼女たちは人間態のアインズの姿に驚いた表情を浮かべるがすぐに礼をとった。

「エントマ様、ソリュシャン様オ疲レ様デス。折角デスノデオ二人モ一緒ニ飲ミマセンカ?」

「我々がその様な栄誉に預かるなど……」

「良いソリュシャン、こういったことは人数が多い程楽しめるもの。折角の機会なのだから私としても是非お前らと楽しみたい」

 アインズの言葉に二人は花が咲いた様な雰囲気を醸し喜びに震える、俺は一度席を立ち二人にアインズの隣の席を空ける。

 二人は一瞬固まり互いを見合わせるもソリュシャンは意気揚々とアインズの隣に座り、エントマは渋々といった様子でソリュシャンの隣に座る。

 そして俺はエントマの隣に座り直し酒宴は再開された。

 

「エントマ様、口唇虫ノ手配ヲオ願イシテイマシタガオ持チデスカ?」

「ええ、こちらに」

 エントマそう言って大きな袖の中から蠢く口唇虫を取り出す、その際眷属が数匹飛び出たが彼女はそれらを迅速に捕まえ口に運んだ。

 一瞬クラヴゥが硬直したが飲食を行う場を預かる身としてはあまり看過できないことだろう。

 俺は受け取った口唇虫を口腔に仕込んで試す様に発声を行う、違う個体であったが声質に問題はなかった。

「お手数をお掛けしましたエントマ様、後日また土産をお持ちしますので」

「お構いなく……と言いたい所ですが前回のものは中々に美味しかったので今回も期待しております」

「ええ、入手次弟またお渡しします」

「何だロータス、エントマに土産を渡していたのか」

 アインズの言葉にエントマはどこか居心地が悪そうにする。

「ええ、口唇虫のお礼に現地の食材を」

「食材?ナザリック外に我々でも欲する程のものが?」

「我々蟲人は恐らく種族特性による好みの味がありまして、対象の性質からナザリックでは中々手に入れづらいものですから土産としてお渡ししました。ただあの味に慣れてしまうと他のものが食べづらくなってしまうので頻繁に、という訳にはいきませんが」

 

 俺は怪訝そうな表情を浮かべるアインズにはぐらかしながら答える、正直に人肉と言ってもあまり良い顔はしないだろう。

 この件に関しては色々と検証してからプレゼンしてゆっくりと納得してもらった方が良い。

「確かにあまり良いものばかり口にしているといざという時に困るか、しかし将来的にはそういった食材も安定して確保できる様にしないとな」

「その点に関しましては既にデミウルゴス様も動かれていますのでご安心ください、十全な計画が整い次弟報告があると思いますので」

「そうなのか?デミウルゴスには本当に色々と手を回してもらっているな……その功績に報いる為にも一体どういったものが相応しいか」

 自嘲気味に憂いに満ちた笑みを浮かべて酒を飲む姿を三人が食い入る様に見つめる。

「でしたら今後仕事終わりにでも本日の様に飲みに誘うのも良いのでは?そこでデミウルゴス様と語らえばそれが彼の喜びにも繋がりましょう、やはりこういった場でしか行えない男同士の話しといったものもありますから」

 そう告げると女性陣はどこか羨ましそうな雰囲気を醸し、グラスを拭くクラヴゥの手の震えが大きくなる。

 

「そうか、男同士の話しか……フフッ楽しそうではあるが仕事終わりに上司と二人で飲むのは中々気を使うんじゃないか?」

「まあ多少はあるでしょうがそれよりも敬愛する上司に自らの働きを認められる喜びの方が上回るものですよ、やはり男というのは女性とはまた違って自らの力を認められることに至上の喜びを感じるものですから」

「確かに男という者はそういった面が強いか、考慮しておくとしよう」

「有難うございます」

 褒美の方向性が定まったことでアインズは笑みを浮かべ酒を味わう。

 今後来客が増える可能性が見えてきたクラヴゥはグラスを磨く手に力が籠もり、楽しそうに酒を味わうアインズの姿を皆それぞれ楽しんでいる様だった。

「そう言えばロータス、エントマはともかく何故ソリュシャンを呼んだのだ?私としては皆で酒を酌み交わすことができて楽しめているから良いのだが」

「ああ、それは飲み終わった後に恐らくソリュシャン様の協力が必要になるでしょうから」

「協力?」

「先程お話した通り元の姿に戻った時、接種した飲食物で御身が汚れてしまう可能性がありますので」

 そう言えばアインズは愕然とした表情を浮かべ、その目は謀ったことを非難しようとするのが伝わってきた。

 

「い、いやそれは三吉くんに」

「恐れながら三吉様では体積が足りません、万が一に備えて元のお姿に戻る際はソリュシャン様に御身を保護してもらう必要があるかと」

 思わず顔を歪めそうになるも、表情があることを思い出し何とか取り繕うアインズを見て笑いを堪えるのに難儀する。

「以前も具申致しましたが何れはこういった振る舞いが必要になりますので……ナザリック外部で行うことを加味すれば少なくともプレアデスの皆様にはそういったことを行って頂く可能性が非常に高いですし」

「ぐっ……ああ、分かった……何れ必要になることだからな、すまないがソリュシャン、そういうことだから飲み終わった後少し頼めるか?」

「ええ勿論ですわ!万が一にもアインズ様の玉体を汚させる訳には参りませんから……アインズ様に置かれましては何の憂いもなく楽しんで頂き、その後のことはこのソリュシャン・イプシロンに全てお任せくださいまし」

 法悦に浸りきった様な喜色に満ちた声色で返答したソリュシャンに思わずたじろぐアインズを見て溜飲が下がっていくのを感じる。

 しかし彼には申し訳ないがこちらも命がかかっているのでもう一つ悪戯を行うことにした。

 

「しかし陛下、大分お飲みになりましたが身体に影響は感じますか?」

「今のところこれと言った不調はないな、耐性については問題なく機能していると思うが」

「恐れながら酒精による酔いとは動かれると一気に回ることもあります、陛下にこの様なことをお頼みするのは大変恐縮なのですが影響を確かめる為にも少しこの階層を見回ってみてくださいませんか?ただ万が一のこともありますのでシャルティア様にお付き頂ければと」

 そう言えばシャルティアは機会が来たとその眼光の鋭さが増し、それを無意識に感じ取ったのかアインズは僅かに身震いをした。

「……まあ影響が確実に出ないと決まった訳ではないしな、シャルティア、私に付き従うが良い」

「はい!」

 席を立つアインズにシャルティアが続く、しかし彼女は隣に立ち自然な形を装って腕を絡めアインズはその行為に動揺し思わず立ち止まった。

「あーシャルティア?何もその様に腕を絡めずとも……」

「何を仰いんすアインズ様、万が一のこともありますからすぐ御身を支えられる様にする為でありんす」

「そ、そうか……いや、まあ、うむ……では行くぞシャルティア」

「はい♡」

 艶めかしい返事をするシャルティアと共に何処かぎこちない動きをするアインズを見送ってから俺はグラスに入っていた酒を飲み干した。

 




アインズの貞操が失われました
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