「面を上げよ、直答を許す」
支配者然とした喋りに内心ため息をつきつつ口を開く。
「オ初ニオ目ニカカリマスアインズ様、私ハサクサクパンダト申シマシテ数時間前コノ地ニ転移シタプレイヤーデス」
「そうか、それは大変混乱したことであろう、私もこの地に来た時は中々戸惑ったものだ。それで?お前はどう言った目的でここに来た」
「コノ世界ノ情報ヲ得ル為-」
「ああ違う、あちらからどういう目的でこちらに来たかだ」
-目的?
疑問に思いアインズを見れば抱いていた違和感の正体に気がついた。
「何モ、強イテ言エバ楽シム為ニ、アチラト違ッテコノ地ハトテモ美シイモノデ溢レテイマスカラ」
「そうか、楽しむ為か……それについては私も同じだ、ここは私たちの為に用意された様な世界だからな」
「エエ全ク……ソレデ本物ノアインズ様ハドウオ考エデスカ?ソレトモモモンガ様トオ呼ビシタ方ガ?」
そう言えば愉快そうに肩を震わせていたアインズの動きが止まり、配下のものから一様に警戒と殺気の気配が漏れ出る。
「私ハアインズ・ウール・ゴウンノ代表者トノ対話ヲ望ンデイマス、影武者デハナク」
そう言えば影武者は笑い声を漏らす、それはどんどん大きくなり大げさな動きと共に黄色の軍服を着たドッペルゲンガーに姿を変えた。
「素晴らしい!まさか僅かに言葉を交わしただけで私の正体を見破るとは!些か疑問でしたが本当にアインズ様と同じ場所からいらした様ですね」
「一方的ニ存ジ上ゲテイルダケデス、ワールドアイテムヲ所持シテイナイコトト我々ノ本質ヲ知ラナイ様デシタノデ」
「本質?」
ドッペルゲンガーは疑問に思った様だが答えるのは控えた。
「エエ、ソレヲオ話シスルコトハデキマセンガ……ソレヨリ対話ガデキナイ様デアレバコノ地ヲ離レマスガ如何シマスカ?」
殺気が一層強まったが構わず続ける。
「先ホド申シ上ゲタ通リ逃走スルダケデアレバマダ可能デス、モシ対話ガ叶ワヌノナラ私ハアインズ・ウール・ゴウンニ対シ敵対行動ヲ取ラザルヲ得マセン」
アレから殺意が放たれアルベドが武器を持って立ち上がろうとするのをドッペルゲンガーが制止させる。
「良いでしょう、アインズ様に謁見する許可をします」
「パンドラズ・アクター!」
アルベドが絶叫するもパンドラズ・アクターが睨みを効かせれば押し黙る。
「アルベド様のお気持ちは良く分かります、しかし我々は早急に動き過ぎた。この者が敵対するのは避けた方が良い」
パンドラズ・アクターはそう言って感情が読み取れない記号の様な顔でこちらを見つめる。
「貴方はとても掃除が得意そうですしね」
暗に前職を示唆され苦笑を浮かべるが隠すほどでもないか。
「仕事ブリヲ評価サレルコトは多カッタデスネ」
「それは頼もしい、でもこちらではお休みになられては?」
「ソノツモリデス、正直好キナ仕事デハナカッタデスシネ。別ノ働キデアインズ様ノオ役ニ立テレバト」
そう言うとパンドラズ・アクターはしばらく黙り込む、伝言で連絡をとっているのだろうか。
「アインズ様から伝言をいただきました、お会いになられるそうですよ」
「ソレハ良カッタ、大変名誉アルコトデス」
そう言って立ち上がろうとすればパンドラズ・アクターが支えてくれた。
「ゴ迷惑ヲオ掛ケシマス」
「お気になさらず、腕を回復させてから向かいますか?」
「イエ、反意ヲ持タヌ証明ニモナリマショウ」
「そうですか、では参りましょう」
開かれた転移門を数名の配下が通っていく後に続いて俺は牧場を後にした。