乳房と口、そして手で作った両手。それらを駆使し、アウレリアは幾たびもフェルターの精液を暴発させた。同じ刺激は徐々に慣れていくようで、連続で同じ箇所で抜くのを嫌がる傾向にある。膣と尻穴の消耗を抑えつつ、体の各所で積極的に奉仕する。リラの言う通りだ。一度早々に気絶してしまい、リラを苦しめた失態に報いるため――だと彼女は自分を騙していた。
彼女自身気づいてはいなかったがアウレリアの奥底には、今だけは羞恥を隠し、自分を犯した男を逆に自分で犯せるという昏い悦びが確かにあった。相手に暴かれるのではなく、誘導して果てさせる。射精という結果は同じでも、そこには明白な主従の逆転があった。
またも尿道口に残った分を吸い出すと、ちろちろと挑発するように舌で先端や恥垢の詰まったカリ首を舐め上げる。
どうやら男のペニスというものは、咥え込むだけでなく、挟み込んだり、一部に摩擦を与えるだけでも十分に果てるもののようだ。なら体には無数にそれを成せる箇所がある。
自分を抱きしめるようにして、アウレリアは乳房の上下に片手ずつ回した。胸が押し潰れ、勃起した乳首が外側に向く。乳圧が増し、きっと気持ちがよいだろう。乳の合間に陰茎が押し込まれる。まっすぐにずぶずぶと沈んでいく。パイズリの変形だ。
だが、もちろんそのままでは今のフェルターの剛直は入りきらない。脇を締めて乳圧だけを維持し、彼女は手首でカリ下を抑える。さらにもう一方の両手も同じようにして、手と乳で陰茎全体をカバーする。
伺うように見上げると、フェルターの赤い目に不満は読み取れなかった。
続けて誘導したのは、リラから教わった通り脇だった。これも口で聞いただけなので正確なやり方はわからない。だから彼女は背中側から脇と横乳の間にペニスを挟み込み、沈ませた。
「あっ……」
前後する際にカリ首が乳首を引っかけ、甘い声が漏れた。女体としては前戯しかしていないのに、彼女の膣からは愛液の分泌が止まらない。飲み込んだ精液がそのまま愛液に変換され放出されているかのようだ。
横乳はともかく、二の腕や脇は擦る範囲が狭い。その欠点の対処に、彼女はまたも口を使った。首を伸ばして、脇を通過してきたペニスを優しく舌で迎え入れ、口内を窄んで亀頭を包み込む。効果は覿面で、彼女の体にはまたも秘所ができあがる。左右の違いだけでも、ペニスには十分異なる刺激が与えられるようで、特濃の雄汁を左右の脇から口に出させた。
一度、パイズリを試してみると、思った通り二度くらいは果てさせることができた。パイズリにしたのは、次の一手を早く試してみたかったからだ。彼女の置かれている現状はは耐久戦に近い。よって、その考えが既に冷静さを失っている証明であった。
彼女はパイズリと口を味わうために寝そべっていたフェルターに跨がった。太ももの間にペニスを挟み込むかたちである。アウレリアの太ももから突き出てなお十分な長さ持った肉槍はさもアウレリアから生えているようにさえ見える。股と秘部で男茎の根を包む。そこは前戯の間、自動的に充填された彼女の愛液で十分な滑りを帯びている。
以前された仕返しのように、彼女は騎乗位でフェルターのペニスを責めたてた。騎乗位は本来女性上位の体位である。下からの突き上げに彼女が体重を上手く合わせれば、男はそれだけで達する権利を奪われる。秘部を擦り合わせるようにして、彼女は腰をグラインドさせたり、上下に太ももで扱いたり、陰茎に刺激を加える。だが、途中で止めてしまう。我慢できなくなったフェルターが本能で腰を振るが、馬上に慣れた彼女の腰は、荒馬をも乗りこなす。
「ダメだ、そなたは私の馬だろう? 私の許可なく射精せると思うな」
報復は正当な権利であり、それを可能な状況でこそ人は倫理と理性を求められる。ならば彼女は騎士としては落第点であると言えた。
因果応報は人の世界を巡り回る。よって彼女も報復から逃れることは許されない。それを彼女が知るのは、そんな先のことではなかった。
幾度、絶頂を逃させたか。フェルターの息づかいが荒々しくなって、彼女は流石に身の危険を感じる。
「我が愛馬よ、手綱を握らせればそなたを思うがままに果てさせてやる」
二日前にされたことをやり返す。それは彼女が穢されたと感じた行為であり、フェルターにとってはなんの意味も持たない。報復のための報復でしかなかった。
手綱は素直に馬上の騎士へと向けられた。差し出された手を恋人つなぎにして、彼女は秘部と内ももで、脈打つペニスを果てへと誘ってやる。上下に腰を動かしながら、彼女は無意識に特大のカリ下に陰核を引っかけて快楽を貪っていた。それはほとんどペニスを用いた自慰であり、彼女はフェルターの上で弓なりに体を反らして絶頂した。
それでも彼女の腰は動きを止めなかった。先日身勝手な射精を繰り返したフェルターへの報復のため、彼女も身勝手に果てたかっただけの無意味な意趣返しだ。
彼女はせっかく差し出させた手綱を放した。自分の欲望を抑えるために、両手でカリ首とともに長い髪の先端を握り込んだ。異なる刺激が必要ならば、この髪は適任だった。
幾度か射精を阻害されたためか、此度の一発は劇的なほとばしりだった。アウレリアの髪や顔にまで届くほどの勢いである。彼女は口に入った分を嚥下して、顔や首、胸の青い臭い汁を集めとると手皿から飲み干した。
彼女はペニスを中心に体の前後を入れ替えた。いわゆる背面騎乗位に体勢を変える。
致命的な判断ミスだ。先ほどまでは最低限、それだけは守っていた。秘部を擦りつけるのも、フェルターの視界からメス穴を隠すためだった。にも関わらず、彼女はフェルターの肉槍で拡張されたままの尻穴をフェルターの眼前に見せつけた。
馬上で安易に手綱を手放し、その上で体を反転もさせれば落馬もしよう。ひび割れた自尊心を快復するための報復行為は、やはり彼女にはなんの益ももたらさなかった。
振り落とされた彼女は四つん這いの姿勢になった。覆い被さってきたフェルターが背後から彼女の両腕を掴んで立ち上がる。
だが、彼女の両足は地面に届かない。股の下に通ったペニスに体重を預けるかたちになる。
そのままでフェルターが腰を振り始め、アウレリアは絶頂の嬌声を上げた。
今、彼女は彼のペニスに体重を預けている。ふれあっているのは彼女の秘部のみだ。全体重を愛液だけで潤滑させ、一度のストロークで二回、カリ首が彼女の陰核を激しく揺らす。
「おろ……してぇぇぇぇぇえええっ!」
一転、主従は反転し、彼女は哀訴を卑声で自ら掻き消した。
今、彼女の体に自由になる箇所は首から上くらいのものだった。体重を秘部に預けている姿勢であるがゆえ、下手に体を動かすとそれが全て陰核への刺激に転換される。
犬のような姿勢でアヌスを犯されたとき以上の無様さだった。
唯一の望みは愛液が途切れ潤滑が難しくなり、フェルターの興味が他の部位に向かうことだったが、陰核に触れるたびに潮のように愛液があふれ出す現状では望み薄だった。
状態はずっと弓なりを保ち、意識はエクスタシーの狭間に顔を出すだけだ。
「――と」
自分の喉が何かを叫んでいるような気がするが、瞬きの間しか残らない自我では聞き取ることさえ叶わない。終わりを訴えていたとしても、今のフェルターに届くかは疑わしい。
「も――」
愛蜜と快感の波によって摩擦が失せた。ペニスの抽出は陰核への刺激だけが伝えてくる。他には局部に熱を感じるくらいのもので、もはや恥辱や羞恥さえ欠片も認識できない。
「もっと……」
ついに目の焦点が合わなくなる。発した言葉の意味を咀嚼するような思考回路も残っていない。視界が滲んだのもきっと、唾液や愛液と似たような理由で涙が流れたためだろう。
激しくペニスが引き抜かれ、ようやく秘部への刺激が消え、つかの間絶頂が遠ざかる。
「もっと突いてええええええ!」
希望は叶う。支えを失って既に自力で立つ力もない彼女の体を、焼けた鉄芯が穿ち貫く。
後背位で獣のように膣を犯され、原始的な体位は彼女のスキーン線を荒々しく刺激する。陰核にも勝る敏感な部位を通り、そのままフェルターの極太がボルチオに突き刺さる。
雌としての本能がむき出しになる。否、先ほどまで顔を出していた嗜虐性は本性の被虐趣味を覆い隠し、自分の雌ではなく人間――それも騎士という気高い存在だと擬態するためのものでしかなかった。
ギフトを持たない、女神が大陸を統べる以前の文明を持たない原始の姿だ。
子を成すには、強靱な力を持った雄に性器を犯され子種を注がれるのが常だった時代の名残であり、それは同時に鎧や肩書き、人間としての後天的な資質を全て剥かれた果てにある、彼女自身の中核であると言えた。
エゴが砕かれ、もはや隠す必要を失ったことに安堵して、彼女は必死にペニスを求める。自らより優れた雄の精子を受け、子を宿す快楽は、何者にも勝る至福といえた。
「あ……やだぁ……」
切なげな声を漏らしたのは、膣口からペニスが引き抜かれたためだった。膣口も同じく収斂してから、寂寥とともに胎内に溜まった精液を零れさせる。
次にフェルターの肉槍が突き立ったのは尻穴だった。それと同時にアウレリアの腕が開放される。背中に向けて倒れ込んだアウレリアの体はフェルターの体に支えられ、直後、一息に持ち上げられた。
アナルに突き立てられた体勢のまま、両足は押っ広げさせられ、膝裏に通されたフェルターの両腕が彼女の後頭部で組み合わされる。アナル固めだ。
「違う……違うの……」
絶頂を繰り返しながら、哀願を繰り返す。だが、声は届かない。今のアウレリアは孕まされたいだけの雌であり、尻穴の快感は求めていなかった。
雌の自覚があるのなら、雌としての願望が表に出てくる。だからこそ、この体位のままで膣穴を荒々しく犯して欲しい。夢想するだけで達するほどに、彼女はそれを求めていた。
獣のような背後からの抽送でもなく、独占するような覆い隠すような拘束でもない。
だからこそ、この体位がいい。
「おねが……いひぃ! おねがい……」
理性が戻れば羞恥で死にたくなるはずの願いを、恥ずかしげもなく口にできる。現在という視点だけで考えれば、それが叶うだけで全てが満たされる。そのくらいの思いを込めて、ただ彼女は虚ろな顔で繰り返す。
その願いが叶ったのは二時間後、誰ひとり理性を残したもののない三人の情交が始まってから実に三十五時間後のことだった。
後頭部の拘束がほどかれ、フェルターの両腕は彼女の両足を拡げるために太ももを掴む。
つやつやとした剛直が彼女の膣に触れたとき、雌としての終端にたどり着いたと歓喜した。
ずぶずぶとペニスが蜜肉に沈んでいく。待ちかねていた彼女の膣壁は、最大限の奉仕をもってペニスを出迎えた。
二足歩行たる生物の最終体位だとアウレリアは性感で溶けた脳で感じる。
スキーン線やボルチオへの刺激は、後背位を遙かに上回る。女の体重と男の剛直と力全てが、性交のために使われる。雌を独占するために覆い隠すわけではなく、むしろ他の雄どもに対して自慢するように雌の肢体を余すところなく晒す様は、トロフィーを思わせた。
この体位の名は、フルネルソンと呼ばれている。
「ああ……ああああああ……ああ」
呆けた顔で、アウレリアは至情の悦楽を堪能する。
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「ほらのう。あれで残る五時間は持つ。女の最終体位というものはそういうものだ」
「……まったく。本当に変態騎士様ですね」
リラが目覚め、五時間ほど経過していた。実に二十時間近くもアウレリアはひとりでフェルターを相手している。頑強なのは、イヌと首輪つきには明白な差がある。同じように体内でギフトが完結しようと、ギフトホルダーは鍛錬で育つ。リラには成長の余地がない。
「そう言うな。弱いからこそ覆うのだ」
全裸のマリマノートに言われれば反論のしようもなかったが。
「知りませんよ。そんなこと。それで。その最終体位ってなんですか? 別にあの体位ってそんな珍しいものでもないでしょう」
「女ごとが持つ、雌としての自覚をさせられる体位のことさ。特定の相手に、このポーズで支配されたい――といった潜在的欲求であるな」
「特定の相手? あの変態騎士はもうフェルター様に落ちたのだと? 呆れた。とんだ雌豚じゃないですか」
「惚れた、という意味でならそういうさ。だから違う。特定の条件が惚れた相手、というのももちろんおる。それは個体ごとに千差万別だ。どうかのう、アウレリアの場合は。理性のない相手、とかかもなあ?」
楽しげに笑いながら、マリマノートは楽団の演奏を聴くように、卑猥な音とイキ声に耳を澄ませた。
「ならブタでいいじゃないですか。それじゃ私、仮眠とるので。終わったら掃除に来ますから呼んでください」
「唾王の上に立つ女神様を目覚まし扱いするな」
「あなたそれくらいしか役に立たないじゃないですか」
そう言い残して、リラは謁見の間を後にした。
どうせ、きっと何もかも見抜いていて、黄金の瞳であの女神は今も自分の背を眺めているのだろう。私の最終体位とやらを、見透かして。あの、慈愛に満ちた瞳で。
唇をはんで、彼女は昏い瞳のままで歩き出した。
【言い訳】
スキーン線は要はGスポットです
本格ファンタジーでもなし、気にする必要はないんですがアルファベット使うと表記崩れるイメージがあるので避けました
変なプレイにしすぎたので前半攻めのアウレリアのプレイは
私のスキルでは作れませんでした
また、フルネルソンのも正確なフルネルソンではなく、
フルネルソンは一般的には立ち背面駅弁の一種です
マリマノートに解説させましたが
最終体位は「~~~~な相手に、この体位でヤラれたい」な感じで
それを突けば落ちるというものでもありません
前半指定から外れている相手にされたとしても特別嫌なもんでもないです
作劇上明かす必要ない小ネタということでひとつ
アウレリアさんのはすぐに分かります
ラストの画像は元々の展開から終わりが変わったのでおまけです
リラが掃除に来たときに見たって感じで