フェルターは奴隷契約を結んだ夜、アウレリアの寝室を訪れた。
出迎えた彼女は思いのほか晴れやかな顔をしている。
「そなたが来るのは珍しいな」
「ひとつ気になることがあってな」
「気になること? 剣姫庭園のギフトホルダーに関して――ではないのか?」
「ああ」
当然情報はもらう。フェルターがわざわざ部屋を訪れたのは予想外だったからだ。
「ひょっとして、何故私が奴隷契約に応じたか――か?」
アウレリアはフェルターの問いを先読みした。ロックスが下剋上に会い、傭兵たちが緩急を聞かせアウレリアを陵辱するまでは予想していた。
だが、アウレリアは屈服しないはずだった。年齢の割におぼこいこの女騎士は、涙腺やアナルの弱さと比べて、強靱な精神力を持っている。奴隷契約を結べば、彼女の関係者を危険にさらす。その状況で彼女に屈辱を与えても、奴隷になるはずはない。
「ふん。そんなものは無理強いして聞き出せばよかろう。私は今、そなたの奴隷なのだから」
奴隷契約を結んだ以上、アウレリアはフェルターの問いを拒絶する権利はない。
「確かにな。だが、これはただの興味だ」
「なら言わぬ。これでも――そなたにあらん限りの酷い真似をされても。私は花も恥じらう乙女でな」
などとうそぶく。アウレリアの言い分は正しい。知りたいことがあるなら、奴隷として答えさせればいい。質問という形でフェルターが尋ねるに留めたのは、自分で推測してみたくもあったからだ。アウレリアが素直に答えるとは思っていなかった。だが、反応が類推のヒントにはなる。
少なくとも、奴隷契約が破綻はしないとフェルターは安堵した。宣言をさせても契約が破られる場合があるためだ。
「私からも聞いていいか?」
「なんだ?」
「私を奴隷にするのが目的なら、もっと楽な手があったと思う。たとえばだがリヴィスを人質にとって迫られれば私は苦慮したはずだ」
「奴隷契約にはいくつかの条件がある。第一に他者を条件にはできない。厳密にはこちらから持ちかけることが禁じられている。あくまでも対象の心だけを相手に契約させるんだ。とはいえ、自分が奴隷になれば仲間は守れる――と誤認するのは勝手だがな」
「そんな勘違いがあるのか?」
「錯誤というか、自己防衛だな。自分から奴隷になったのではなく、誰かのためになったと思えば尊厳が保たれるんだろう。――そうだ。第二に、尊厳が完全に破壊された者の奴隷宣言は無効化される。だから奴隷にするために追い込むにしてもやり過ぎは厳禁だ」
「……あれでやり過ぎではないと?」
非難するように目を細め、アウレリアは言った。
「尊厳ってのは堅そうに思えて意外と柔軟なところもあってな。汚して舐めて弄って刺激してやると敏感に反応を示す。弾いたりつついたりしてみてもいい。だが、握りつぶすと二度と復元しない。そうなった者は自分を奴隷にする権利さえ放棄している。――そうだ。お前の思う通り陰核に似ているな」
「……そんなこと」
アウレリアは顔を真っ赤にして抗議した。顔色が雄弁に図星を証明している。フェルターはあっさりと流して続けた。
「これは条件と違い副作用になるが。奴隷になると尊厳は強固――というか、奴隷は主人に尊厳を委譲したと見なされる。奴隷は何をしてもさせられても、奴隷だから仕方ないと責任を放棄し、尊厳は守られるってことだ。さもなくばお前に首輪を嵌めた時点でリヴィスは尊厳を破壊されている。――で、何が言いたいかわかるか?」
「そなたは私をバカだと思っているのか? つまり、奴隷になった後は尊厳は破壊されず、よってそれで契約を反故にはできないということだろう」
「悪かったよ。未熟なのは性知識だけだったな」
アウレリアは何かを言いかけてから腕を組み押し黙った。反論の言葉が見つからなかったらしい。
「とまあそんなところだ。他には?」
「随分と気軽に教えてくれるものだ」
「奴隷から情報が漏れることは絶対にないからな」
秘密を口外しないという誓約レベルのセキュリティではない。地底唾王城やフェルターにまつわる万象一切について、奴隷は無関係の人間に対し、不知として会話ができる。アウレリアがガロッゾ城塞に戻った後、誰かからフェルターについての話を耳にすれば、ギフトホルダーとして憤然としつつも冷静に対処を進めるだろう。
逆に言えば、奴隷自身に教えてはならないことはフェルターはしっかりと秘密にしている。
奴隷契約の第三条件。奴隷の忠誠が本物になった場合、契約は強制性を失い、契約は解除される。よって、奴隷にも継続的に陵辱を与えてやらねばならない。
「それなら聞くか。城が随分と広くなったな。私が――いや、この四日間に誰を捕らえた?」
「魔導森林所属ギフトホルダー、魔術師ロザリンド・フレイムウィスパー。及び、冒険者組合所属、剣士レビア・ドラウニを奴隷にした」
名を聞いてもアウレリアは表情を変えなかった。おそらく、安堵したことだろう。彼女が聞きたかったのは、自分の知り合いが捕らえられたかどうかだ。
「そうか。随分と手が早いな」
早いのは仕事だが、手が早いというのも誤りではない。
「――さて。こんなところか。明日、ひとしきり情報をもらったらお前には城塞に戻ってもらう。代わりにリヴィスをここに住まわせる」
フェルターはそう告げて、アウレリアの部屋を辞した。
翌日、尋問としてフェルターは奴隷になったアウレリアの体を、存分に堪能した。
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フェルターがアウレリアを地底唾王城へ連れてきた日のことである。
レビア・ドラウニは依頼の目的地である洞窟を探索していた。
深い紫の髪を肩の上で左右非対称に切り揃えている。痩躯にフィットした黒の革鎧の上に、白いクロークを羽織っている。中性的な外見で、どちらかといえば少年に近い。それは浮かべる表情が鋭いのも一因だが、彼女の持つ数少ない女性的特徴を服装が隠しているためだった。
集団行動が苦手なたちで、各地を放浪し山賊や魔獣、亜人退治をして生計を立てている。彼女の預かり知らぬところではあるが、手配書には金貨七百枚の値がつけられている。
今回の依頼内容は洞窟に住み着いたオーク二体の討伐だ。彼女にとっては物の数ではない。
――ボクに目をつけられたなんて、かわいそうなオークだね。
などとブタを慮る余裕まであった。
レビアに限らずギフトホルダーの剣士型は夜目が利く。松明の類いは必要がなかった。足音を殺し気配探知を洞窟の壁に合わせて広げていく。
明らかに天然の洞窟だ。人工の要素は探知圏内にはない。
オークが二体だというのは依頼者の報告でしかない。三体以上いる可能性を警戒する。オークの危険性は尋常ならざる回復力にある。首を刎ねねば容易に再生するし、首を刎ねても死ぬ前に頭部を合わせれば蘇生する。確実なのは両手を切り落としてから首を刎ねることだ。
よって一刀両断というのは難しく、数が増えれば増えるほど危険性は増す。ただ、それも無警戒ならの話だ。オークの索敵範囲はギフトホルダーの探知に比べ遙かに劣る。仮に群れに遭遇すれば冷静に距離を離し、一体ずつ捌いていけばいい。
――いた。
と内心の語尾には小躍りするような喜びが付属していた。
――肉が、斬れる。
彼女は腰の鞘から愛剣を抜き放つ。西方刀――銘、シラヌカ。柄や握りは西方側に流通している一般的な長剣と似る。違うのは刀身の煌めきだ。これは東方の一部でのみ伝わる刀に近い。
レビアは刀を用いたこともあるが、シラヌカに一目惚れして買い取った。胡散臭い旅の鍛冶師から半ば強引にだ。
肉を斬る感触が好きだ。斬るのは人でもいいが、それは悪人に限る。レビアの倫理観は斬殺衝動は別個に活動している。だから斬ってもいい悪党は好きだ。肉が斬りたいのなら魔獣はどうか。彼女はもふもふが好きだ。人に害を成していようと毛がもふもふした生物を斬ると悲しくなる。
だから、斬って再生する無毛のブタは彼女にとって最高の獲物だった。
少し開けた場所で二体のブタが座っていた。殺していた気配を解き放つ。ブタは緩慢にだが彼女の存在に気づくと、戦闘態勢に移行した。
ブタ。平均的成人男性より頭ひとつ大きい。筋肉質か肥満型にわけられるが、今回は二体とも筋肉質だった。女を見ればただちに犯す。ただそれだけの生態しか持たず、衣服は着ない。股間におっ立てた見事な肉槍は、レビアを女だと瞬時に見抜いた証左であった。
「やあブタさん。初めまして。ボクをせいぜい――楽しませてね」
シラヌカを構え、彼女は酷薄に笑った。背筋をぞくりとした愉悦が走る。衝動に突き動かされて彼女は駆け出す。
シラヌカが煌めく。断ったのは彼女に向けられていた性器だ。人の腕ほどもある感触でありながら、骨がなく、よって肉を斬る感触だけが刀身からダイレクトに伝わってくる。
続けて、もう一体のペニスも切り落とした。切り落とした分は、再生時に何故か消滅する。
洞窟にオークの怒号が響きわたる。生態に関わる大事な部位を切り落とされても、オークの動きには怯みはない。まるで萎えたペニスがまた屹立したように、ペニスはすぐに再生する。四肢に比べ圧倒的に速い。だからこそ、レビアはオークのペニス落としが大好きだ。
――ボクに向けたおちんちんなんだから、切り落とされても満足だよね?
そんな風に思いながら、彼女はオークのペニスを幾度となく切り落とす。オークは決して弱い生物ではない。襲い来る豪腕は彼女の小さな頭蓋くらい容易に粉砕すると思われたし、本能的にレビアの退路を断つように立ち回ることもできている。
ただ、レビアがそれ以上に強く、速いだけだ。
二体で挟み込んでも、レビアは容易にすり抜けて背後をとる。暇つぶしのように腕を切り落として、またペニス落としに興じる。
オークは怖じない。そして、怯まない。ただし――体力が無限ではないとこんな趣味を持っているレビアは知っていた。
ペニスの再生が遅くなる。切り落とされた部位同様、噴出した血液もすぐに消える。そのため、再生力は無尽蔵だと思われていたが――どうやら何かを消費はしているようで、限界はあるようだ。
楽しい時間はいつも終わる。
――一度、洞窟を出てまた遊びに来ようか。
そんな考えが頭を過るが、これは依頼だ。それに、オークは無辜の少女を傷つける。同じ女性としての罰がペニス落としだと彼女は自己弁護をする。痛めつけ懺悔させた後は、更正の余地のないオークは処断する。衝動とは別軸で稼働する倫理観をロストすれば、彼女こそが亜人となってしまうだろう。
終わらせようとシラヌカに意識を走らせたとき。彼女の体を炎が覆った。
咄嗟に飛びずさったが、まとわりついた炎は失せない。体感温度に変化はなく、痛みもない。つまり炎はエフェクトだ。まだ魔術は完成していない。
気配を探る。魔術は三段階の工程を経て発動する。術者が詠唱を行い、エフェクトが照準し、最後にトリガーワードで結果を確定させる。
炎の魔術で攻撃をする場合、炎がその地点にあることにする、だから相手は燃えるという二段階の行程を挟んでいる。だから、一般的に魔術師は剣士に弱い。エフェクトの発現からトリガーの確定までに、剣士は魔術師を容易に殺せる。
レビアは読みを誤った。殺せる範囲に魔術師はいない。なら、視界から逃れトリガーまでにエフェクトから離脱するしかなかった。遠目の魔術を使おうと、魔術師に剣士の最大戦速を視界に収める術はない。
「フレイム・ジャック」
トリガーワードが放たれる。魔術が完成する。
エフェクトは照準であると同時に、魔術の実態を隠す。単純にそのまま燃やすのが手っ取り早く強力ではあるが、こういった使い方もあるにはあった。
事象が確定した後で、レビアは魔術の効果を知る。拘束だ。体がほとんど動かせない。
ふっと、戦いが終結した後で、魔術師は姿を見せた。
赤い髪に灰色のローブをまとう、レビアと同世代の女だ。豊満な両胸が輪郭を隠すローブ姿でも主張を崩さない。
ただ、姿は見えるがこの魔術師の気配はレビアの鋭敏な感覚で捉えられない。遠隔地に自分を投影しているものと思われた。
「良い趣味してる剣士ね。私の可愛いオークたちのおちんぽを遊びで切り落とすなんて」
「オーク飼うより全然マシだとボクは思うけどね」
動かせるのは口先だけだ。シラヌカも取り落とし、彼女には戦う術もない。
「飼ってるわけじゃないわ。巣穴に間借りさせてもらってるだけ。奥に工房を置いて、無関係なオークに門番をさせれば、こんな風に剣士型にも対応できる」
女は微笑みを崩さない。
「ねえ、強がってるけど、わかってるでしょ? 今からどんな目に遭うか?」
現実に迫られ、レビアは心胆が震えるのを自覚した。
「……ボクさ。仕事探してるんだけど、どうかな。このオークたちより役に立つよ」
動きの拘束されたレビアに二匹のオークがにじり寄ってくる。知性はなくとも本能で彼らは状況を理解した。自分たちを散々に痛めつけたこの獲物は、今、抵抗する術がないと。
まるで、その状況に勃起したかのように遅々と再生していたペニスが瞬時に快復した。
「とてもかわいそうだけど。来てしまった剣士型にはこうするしかないの。わかるでしょ? 魔術師型はね。剣士型を絶対に信用できないもの」
魔術の完成には時間がかかるため、剣士の動きが間に合う距離は全て致死圏内だ。盟約を誓う手段などがこの世界にあるのであれば、七女神の戦争も早期に終結しているだろう。
戦争はいつだって相手の力への恐れと、信頼を持てない疑心暗鬼が引き起こしている。
「とはいえ……困ったものね。私も別の工房を探さないと。もう、オークちゃんたちは十年くらいはあなたを犯すことしか考えないだろうし……」
「は?」
目を丸くして、彼女は魔術師を見返した。魔術師は酷薄に笑う。そこに慈悲や同情の気配が漂っていないのは明らかだった。
「オークには報復性がある。ビンタ一回まる一日。村娘とかがオークに捕まったらね、絶対にビンタとかで抵抗しちゃ駄目だってお話。二日くらいで一度性欲が収まるから、それなら生き残る目もあるけど、下手に抵抗して攻撃したら死んじゃうからね」
なら――とレビアが自分の未来を計算し始めようとしたとき、彼女の下履きは破られた。そのまま下着も何もかもを剥かれ、闇の中に彼女のピンク色の秘部がさらけ出された。
前戯など、ブタの頭にはない。先走り汁だけで十分だと、ブタの亀頭がレビアのぴっちり閉じた膣口に添えられて。
「ああああああああああ……あぁぁぁぁぁああああ!」
洞窟内に彼女の絶叫が響きわたる。ボルチオに届いたとき、肺が潰されたように呼吸が止まった。色気もへったくれもない。処女を奪われた悲しみとて脳裏を過る余地はない。何せ痛みと衝撃しかレビアにはなかったのだから、上がる声はそんなものだった。
レビアには絶叫を続ける自由もない。もう一匹のオークが寝そべる彼女の口を塞ぐ。顎が外れるくらいに大口を開けていたつもりだったが、彼女の顎関節にはもう一歩先があった。
破城槌を思わせる極太が、鍾乳のような喉ちんこを鐘のように叩き始めた。
二匹のオークは報復を正当性として、小柄な剣士の体に自らの分身を打ち付け続ける。
腰振るブタの下で、小柄な剣士は震えることも叫ぶことも許されず、ただ痛みに耐えていた。
不意に口内と膣内で爆発が起きた。青臭い汁が喉から鼻にまで逆流する。膣奥で何かが迸る。射精を知らぬほど初心ではなかったが、この爆発と射精を紐付ける意識が働いていなかった。
全身を振り乱そうとするがレビアの体は全く動かない。ただ、ずびずびと鼻呼吸が激しくなり、ぐるりと深い紫の黒目が上を向いたくらいのものだ。
空気が足りない。喉だけを動かし、彼女は必死に精液を飲み干す。鼻の方へと向かった精液が全て喉を落ちると、ようやく少しだけ呼吸が楽になった。その頃には大分痛みも落ち着き始めた。
愛液の分泌はまだだが、破瓜の血と精液が潤滑を楽にする。
下腹にむず痒い快楽を感じ始め、彼女はもごもごとペニスに塞がれた口内で喘ぎを漏らす。その刺激が良かったのか、喉を犯すオークのピストンが速まった。
二本のペニスが脈打ち始めた。一度目には気づかなかった前兆を彼女は感じる。怯え、顔を歪め――そして膣が締まる。早くも状況に即応し、彼女の体は淫蕩な便器としての一歩を踏み出した。
喉奥とボルチオを二本の醜悪な果実にも似た亀頭が突く。
どくどくどく、と激しく精液が再び注がれ、蕩けた彼女は喉だけで叫び、亀頭に振動という刺激を与えた。
「ふふっ、良い姿ね。せいぜい頑張って犯されてね? 無様な剣士見るの、本当に楽しいから」
と言葉を残すと、魔術師は現れたとき同様にさっと消えた。
既に女魔術師について考える余裕などレビアの脳にはとうにない。
なおも続く二本のペニスによる拷問に、彼女は揺らされるだけだった。
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クロークも革鎧も全て引き剥がされた。茹でた卵の殻を剥けば現れる白身のような、レビアの白い肌が洞窟の中で揺れている。幾多ぶっかけられた精液が、生来の肌の色味をむしろ引き立てるようだった。
後背位で獣のように犯されている。背後から犯すブタが彼女の両手を掴んでいる。今は膣穴ではなく尻穴を汚されていた。長きに及ぶ陵辱で前も後ろも雄の獣欲を満たす蜜壺としての機能を獲得していた。
そして、口を犯されている。哀訴も懇願も絶叫も喘ぎもできず、できるのは鼻の息でむせ返る青臭さと空気を取り込みながら、陰毛を揺らすくらいのものだった。
虚ろな目でただ揺らされながら、しかし狂ってしまえないのがギフトホルダーの不幸だった。
――一ヶ月くらいは経ったかな。
二匹のオークによる絶頂を時間の目安にしようとしていたが、百を越えたあたりで数えるのをやめた。イキよがることも覚えた。最初は体が勝手に感じるのを憎んだが、途中からは感謝した。下手なプライドなどブタの肉奴隷になんの価値もない。
食事も睡眠もできない。なのに、何故か空腹を感じない。そのことから彼女はオークの精液に大量の栄養価が含まれているのだと知る。
三大欲求の二種を奪われ、イキ狂うことさえやめろというのは非情だった。だから、彼女は自分の体が快楽に素直になるのを認めた。
後ろのブタが射精の前兆を見せた。合わせ、彼女のボルテージも高まっていく。二匹のブタのご主人様に開発された尻穴は、注がれるだけで一丁前にイケる名器になっていた。
そんなときだった。洞窟に何者かの足音が響く。
――救助?
レビアはそう期待した。彼女がオーク退治を受けたのは公然の事実だ。ギフトホルダーが帰還しない以上、この洞窟にはなんらかの問題があると認識され、別途討伐隊が組まれてもおかしくはない。
「お、やってるねえ。どっちに転ぶかわからなかったが、俺にとっちゃいい流れだ」
ペニスを頬張りながら、レビアは視線だけを足音の主に向けた。
サル――奴隷傭兵である。だが、おかしい。ブタは奴隷傭兵にとっても驚異だ。特に雌を犯しているときのブタは凶暴で、縄張りに入った雄は確実に殺す。だが、ブタたちは彼を認識していないように――否、ブタたちは何故か、男の登場に合わせて体位を変えた。
一方の寝そべったブタに騎乗位で膣に入れられ、後ろからアナルを犯される。まるで、現れたもうひとりに口を譲ったように。
――そんなわけ、ないか。
「あ、あの……イクっイッちゃう! ああああああ!」
男に話しかけようとして、同じ体位で犯され続けた倦怠が消え、激しくなった刺激に盛大にイキよがる。
荒い呼吸で男をレビアは見上げる。男は彼女の痴態を面白げに観察する。
「わ、ボクは、レビア。に……イっ……依頼で、オークを討伐に来て……」
「で、返り討ちになって肉便器ってわけか。俺はフェルターだ」
「オークに負けたんじゃ……ないっ。ここには魔術師がいて……だから……あんあっ! あん! 討伐隊を……」
「いやあ待てよ。頼み事なら頼み方ってもんがあるだろう? 育ちが悪いのか?」
と言って男はペニスをズボンから取り出した。屹立した逸物が、まるでオークのそれより一回り大きく見えて、レビアは戦慄した。
「お願い……。助けて。なんでもする……」
「違うだろ。まずおちんぽしゃぶらせてください、からだ。なんで俺がお前の話を聞かなきゃならないんだ?」
――なんだよ、このクソ野郎……。
レビアは思い、睨み付けるが眦に涙を含んだままでは迫力など出なかった。
「おちんぽ……ひゃんっ……しゃぶらせて、ください」
言って、大きく口を開け、舌で迎えるようにして、自分の発声器官が口まんこになっていることをアピールする。その口に青臭い汁が飛び込んできて、思わず目を開けた。
まっすぐに迫るペニスが見えて、直後には喉に激しい衝撃があった。ペニスを頬張る。どうにか男の機嫌をとろうとオークに対して覚えた舌技を披露する。
「すぐに出ちまいそうだったんでな。お、悪くねえな。まだ便器になって三日ってとこだろ。物覚えは良さそうだな」
と男は頭を撫でてくる。三日? と彼女は頭の中で反芻する。
「俺は色々網張ってるんだがな。レビアって剣士がオーク討伐に出かけたのは三日前だ。……もしかしてもっと時間が経ったと思ってたか?」
レビアの思考は止まったが、既に性器と化していた彼女の舌は、それでも懸命に奉仕を続けている。男は喉の奥に精液を注ぎ込み、しかし、腰をさらに喉に打ち付けてくる。
一度では物足らなかったようで、都合三回、彼女に精液を含ませた。三度目はどうしてか胃が受け付けず、全てこぼしてしまった。上目遣いに男を見るが、機嫌は損ねなかったようで安堵する。
――三日? まだ? じゃあ、十年って?
「……たす……け、てくだ……さい」
目が痛むほどに涙が溢れる。壊れることさえ許されない無間地獄がここからあと十年もあるなど耐えられない。
「よおし、俺の奴隷になるなら、助けてやってもいいぜ」
男はまたもしゃぶらせようというのか、彼女の唇に執拗にペニスを擦りつけながら言った。
「吸い取れ、ズボンにしまえねえだろ」
と命じられ、彼女は亀頭に口づけて残った精液を、ずぞ、と音を立ててすすり上げた。
「俺の奴隷になるか、オーク二匹の便器でいるか。ただそれだけがお前の選べる道だ」
「なります。奴隷にしてください。だから、ここは……もう……ひぃん! やぁなのぉ」
彼女は即答した。心底からではない。オークから逃げられればどうにでもなる。もっともこの男は奴隷傭兵で、彼にオークを倒す手段はなかろう。よって、彼が連れてきた討伐隊に事情を話せば、むしろこの奴隷傭兵の方が捕縛されるに違いない。
「気持ちよくなりながらよく言うぜ。おうし、契約成立だな」
男はそう言うとレビアから離れた。救助を呼びに行くのかと思いきや、向かう方は逆だ。しかし、この開けた場所は行き止まりで、先はない。
いや、魔術師の投影はこちらからやってきた。
男は顎に手を当てて、楽しげに観察している。それから、突如腕を伸ばしたかと思うと、彼の手が壁に呑み込まれた。
「――ただの幻影だな。この奥か」
「だめ、ここの魔術師は――ギフトホルダーで」
「わかってるさ。俺の奴隷レビア。オークとお楽しみはいいが、妊娠はするなよ」
そんなジョークなのかどうかもわからない言葉を残し、命知らずの奴隷傭兵は魔女の工房へと姿を消した。
残されたレビアと二匹のオークは、ただひたすらに混じり合い、精液と愛液と腸液をひたすらに混ぜ合わせた。