「もしもーし」
とある奴隷傭兵団の宿舎に、柔らかい女性の声が鳴り響く。
通常、うら若き乙女が奴隷傭兵の巣を訪れるなど万が一にもあり得ない。だからだろう。彼女を出迎えた奴隷傭兵は、彼女の姿を見るなり愕然とした表情で動きを止めた。
長い栗色の髪を編んで一房にまとめ、肩口に流している。銅色の鎧は、敬愛する閃銀の後塵を拝する誓いが込められていた。手に握るのは身の丈を遙かに凌駕する長槍だ。
槍騎士ヴァスカ・レドル。
閃銀アウレリアに見いだされた、剣姫庭園のギフトホルダーである。
「あらあら、どういたしましたか? ひょっとして何か悪さでもしているのでしょうか?」
七女神が戦いを繰り返すこの大陸において、秩序は原初の掟によって維持されている。
原初の掟――即ち弱肉強食。
悪さを裁定する概念はなく、常に強者の裁量に委ねられる。ならば、奴隷傭兵がたじろぐのも無理はない。脛に傷はある。若い村娘を拐かして陵辱した経験くらい、奴隷傭兵であれば一度や二度はあるだろう。
ただ、ヴァスカは既に宿舎内の気配を感知済みだ。現時点でここに不幸な村娘に類いする者はない。だが、それでもヴァスカには目の前の奴隷傭兵を殺す権利がある。
ヴァスカが強者で、奴隷傭兵が弱者だからだ。標的がこの宿舎にいることは斥候――暗殺者リドベダが調査済みだ。敬愛する閃銀からの久々の指令である。目の前の男を殺し、踏み入って皆殺しにしても構わない。
――まあ、それで獲物を逃がしては本末転倒ですものね。
憧れの騎士に近づくため、ヴァスカは武勲を立て続けた。が、何事も上手くはいかない。武功を立てれば立てるほど立場は上がっていき、アウレリアから離れざるを得なくなる。
リヴィスのように傭兵としてアウレリアの客将となればよかったのだが、当時のヴァスカはアウレリアに近づくことばかりを考えたために騎士を叙勲してしまった。
だからこそ、彼女はアウレリアから直々に任されたこの役務をなんとしてもやり遂げたかった。
「ここに――フェルターという奴隷傭兵がいませんか?」
「……? ああ、確か、昨日そんな奴が一晩泊めてくれって来てたような」
「あら? 不思議ですわね。外様の奴隷傭兵にお部屋を貸すなんて」
「金貨一枚渡されたらそりゃあ逆らえねえさ」
道理である。この建物にいる奴隷傭兵は三十名弱。団を名乗るには不足していると言っていい。彼ら全員が戦場に出たとして、一日に支払われる報償はせいぜいが銀貨で十枚程度。金貨一枚は銀貨にして千枚分の価値がある。
「ちっ、ただ美味い話ってのはないってことかね」
「いえいえ。フェルターという方さえこちらに引き渡していただければ他の皆様にご面倒はおかけしませんとも。その金貨についても受け取ったままで問題ありません」
「ならいいが。こっちも奴との約定じゃ、寝床を貸すだけで――匿ってくれって話じゃない」
奴隷傭兵は仲間内での仁義を重要視する。彼らが常々誓約士と伝手を持つのもそのあたりに理由があるとヴァスカは知っていた。当然、団長のすげ替えや仲間の切り捨ては起きる。だが、それらには実行するための事情が必要で、無闇矢鱈に仲間を売り渡す奴隷傭兵は、他の団から爪弾きになる。そうなった者の未来は暗い――というよりない。もっとも危険な戦地に知らず送られ、全滅するだろう。
「ひょっとして、あちらのお部屋にいるのがフェルターさんかしら?」
「――ん。ああ、そうだな。他の連中は金貨で酒盛りやって爆睡中だ」
「……なら、構いません。通していただければこちらでしっかり処理いたします。無論、口外もいたしませんとも」
「わかった。案内は?」
「大丈夫です。もしお仲間が起きてこられたらご事情を説明しておいていただければ」
笑顔で答えると、彼女は槍を一振りしてから宿舎内に入った。
宿舎内の作りは単純で、迷う余地はなかった。寝室のうち一部屋に気配を感じる。ヴァスカはその部屋をノックもなく開けて、槍を突きつける。
男――フェルターはベッドに腰掛け、羊皮紙を眺めていた。その目だけをヴァスカに向けると。
「よう。待ちかねたぜ。ヴァスカ」
不意を打ったつもりが、男の舌鋒に機先を制される。ただの奴隷傭兵ではないと、目を合わせた一瞬でヴァスカは判断した。フェルターが羊皮紙を投げ捨てる。それはヴァスカの手配書だった。
奴隷商が秘密裏に発行している手配書だ。生け捕りのみで金貨千枚。それが、自分の体につけられた値である。それはいい。だが、何故――ヴァスカが来ることをフェルターは知っていたのか。
「――ち。リドベダね。しくじったか」
フェルターはヴァスカのこぼした声に、嘲弄するような笑みを浮かべると、剣を抜き放った。一目見てわかる。作りは荒いが、刃は研ぎ澄まされている。奴隷傭兵が持つような剣ではない。と同時に、荒い作りも奴隷傭兵に擬態するためのものだと看破した。
ヴァスカは槍を構えた。
フェルターも剣を構える。
油断はしない。だが、槍を持つ以上ヴァスカの優勢は絶対のはずだった。リーチで勝り、かつ、槍は剣を受け流しやすいが、剣で槍を受け流すのは困難なためである。剣はその特性上、斬撃を放つ際に予備動作で方向を指定してしまう。対して、槍は点を貫くのみ。事前に把握できるのは穂先のみであり、それは自身の半身で隠した後ろ手によって瞬時に照準を切り替えられる。
穂先が揺らめく。狙いは常につけてある。首や胴体などの即死の急所、大腿や腕などの戦闘継続が困難な負傷、そして剣の横腹や足下など奇襲の牽制。
時間をかければ精神が削られるのは剣の側だ。だが、フェルターは余裕の笑みを崩さない。はったりだ。業物を用いようが、奴隷傭兵――否、男にギフトホルダーに迫る技量はない。かの閃銀騎士団といえど、彼女の一撃を防げる者はないのだ。
されど、その慢心をヴァスカは振り払う。躊躇はない。だが、それは膠着状態に恐れを成した結果でもあった。
一瞬のうちに穂先が二度、放たれる。
放たれた刺突は過たず標的を穿つ。初撃は大腿を深く抉り、二撃目は左胸――心臓を貫いた。
二撃で止めるつもりは彼女にはなかった。まるで、初めて戦場に出た日、原型を留めないほどに相手を破壊した日のようだった。人を殺すには急所を破壊するだけでいい。それ以上の攻撃はただの遺体の損壊であり、武器を損耗するだけの愚行である。心臓を貫いても、この男が死ぬとは思えなかった。だから、加減なんてしようもなかったのに。
なのに。止められた。
胴体深くに槍を穿てば、抜きづらいのは自明の理である。だが、それはギフトホルダーであるヴァスカの腕力からすれば些細な問題のはずだった。
二撃目で中断させられたのは、胸筋が強く締まり槍を絡め取ったからだ。
「バカ……なっ」
驚愕したのは槍を力任せに引き抜こうとしたときだ。
男の手が槍の柄を掴み、彼女と力で拮抗し――床を踏みしめる彼女ごと引き寄せたのだ。
「ぐっ……」
と、声が漏れる。ヴァスカは部屋に備えられていた作りの荒い机の上に組み伏せられた。そのまま男は彼女に覆い被さってきて、顔をべろべろと舌で舐めてくる。同時にフェルターの胸に刺さった槍の柄が机にぶつかり、さらに突き刺さる。最後には器用に背中側から槍を引き抜くと、破裂したはずの心臓が彼女の目の前で修復した。
「オークっ……?」
そんな再生力を秘める生物は、眷族を除けば亜人のオークしかあり得ない。
「ご明察だ。なら、今から何が起きるかも覚悟してるよな?」
フェルターが右手で、ヴァスカの鎧が剥ぎ取られた。歯がみして悲鳴を出すのをこらえながら、自由になった左手で彼の胸を精一杯叩いた。ともすると無力な女性の抵抗としか思われない一撃だが、彼女はギフトホルダーだ。奴隷傭兵の頭蓋程度、易々と破砕する威力を帯びている。しかし、フェルターの胸筋はそんな一撃を悠然と受け止めるのみだった。
「今の俺はお前と同程度のギフトが扱える。あくまでも同じ程度に制限されていてな。まあどちらにせよ、弱い者いじめにはならんだろ?」
びりびり、と彼女の豊かな胸を覆っていた衣服が破かれる。それでもまだ、彼女は声を出すのを我慢したが、次にフェルターの手が局部に向かった際に、喉奥から「ぃゃ」とわずかに声が漏れた。
「どうした。俺に犯されるだけじゃあ物足りないか?」
何を言いたいのか、ヴァスカはすぐに察した。目をつぶり、上げかけた悲鳴を呑み込む。
「良い子だ」
フェルターは下着を破るとスカートをたくし上げた。ぴったりと閉じた秘部が男の視線に晒され、ヴァスカの頬が朱に染まる。
「フェルター。これを試してみない?」
「ロザリンドか。早いな」
突如、気配のなかった場所から女性の声がして、ヴァスカは驚きながら声の主を見た。灰色のローブを纏う、魔術師型のギフトホルダーらしき女性である。
「魔導森林……!」
「さあ、思うのは勝手だけど?」
言いながら彼女は蔑みの目で剥かれたヴァスカを見やった。ロザリンドが持っているものは紐のようだった。
「あの首輪もいいけどね。力を奪うより力じゃどうにもできない状態で犯してやった方が楽しめるんじゃないかしら?」
「なるほどな」
フェルターはそう言ってロザリンドから紐を受け取ると、ヴァスカの体を反転させた。大きな胸が机に押し潰されて撓む。後ろ手に組まされた両腕に、紐が巻き付けられる。ヴァスカは必死に抵抗したが、紐は異常なまでに固く彼女の膂力でも千切れそうにはなかった。
「さて……と」
何か、むず痒いものを秘部に感じたかと思うと、直後、ぬめった何かが膣口を這った。その悍ましい感触に、彼女は目を剥いて弓なりに背を反らした。
「あら、イッたの?」
ロザリンドがヴァスカの様を見て、意地悪げに言った。
「ちがっ、そんなわけが……ありません」
「おいおい、俺を蚊帳の外にしないでくれよな」
いつの間にかまた覆い被さってきていたフェルターが、彼女の胸を揉みしだいた。
「こりゃあデカいな。並のちんぽなら呑み込んじまいそうだ。鎧の中でもこうやって潰れてたんだろうなあ」
言いながら、フェルターは指先で彼女の乳首をコリコリと弄る。
「槍で突かれたお返しに、お前にイくって感覚を味わわせてやるよ」
秘部に堅いものが押し当てられる。背筋に走りかけた悪寒より疾く、それは処女性の証左をぶち破って彼女の子宮にまで一息に押し入った。
「っ……! ぁ……!」
先ほどの脅しを覿面に受け、彼女は声を押し殺して痛みに耐える。
「奴隷傭兵どもに輪姦されるより俺ひとりを楽しませたいってか。良い奉仕精神だ」
――勝手なことを……!
と内心では思うが、口に出すほどの余裕はなかった。処女だったこともあるが、フェルターのペニスは常軌を逸した大きさであるように彼女には思われた。押し込まれるたびに体が引き裂かれ、抜かれるたびに体が癒着していく。怪我と治療を繰り返しているような感覚である。
治療。ヴァスカにとってそれは自然治癒ではなく、魔術による治癒を意味している。魔術の治癒は肉体の再生力を高めるものだが、これには微細な痒さと気持ちよさが同居する。よって、今ヴァスカは快楽の先走りを気づかずに感じ始めていた。
ずっちゅ、ずっちゅ、と互いの性器が擦り合わされた卑猥な音が部屋に響く。女魔術師が声を押し殺して笑う。
「随分感じやすいな、もうこんなに濡れるとは」
「人に見られると興奮する淫乱なんじゃない?」
「そんなはず……ありません。これは血と……ただの汗です」
「それを濡れてるって言うんだけど……なぁ!」
パンと甲高い音が鳴る。尻とフェルターの腰が接触した音だ。まるで尻を叩かれたような音と刺激に加え、奥の奥までペニスが突き刺さる。彼女はまたも弓なりに体を反らすと、まるでそれを彼女が求めたかのように、フェルターの両手が彼女の胸を荒々しく揉みしだく。
「……ぁ」
考えれば当たり前のことだ。ことこれが強姦である限り、男が妊娠させるのを躊躇うはずがない。だが、彼女は自然とそうはならないと勝手に身の安全を期待していた。どくどくと熱い液体が子宮に注ぎ込まれるのを感じて、彼女の眦から一条の涙がこぼれた。
ヴァスカの体から力が抜け、机に完全に突っ伏した。その膣からペニスが引き抜かれる。陵辱が終わったのだと、彼女は妊娠の恐怖に震えながらも安堵した。
「もう……」
許してくれますか。
満足しましたか。
なんと言おうとしたのか、彼女の脳裏からその先の言葉は瞬時に失せた。次に男の陰茎が突き立てようとした場所は、尻の穴だったからだ。
「だめ……それは違う、ちがうからぁ」
フェルターのペニスと彼女の秘部がそれぞれ分泌した潤滑汁が、彼女の尻穴の受け入れ体勢を整えさせていく。
「やだ、やだぁ、そんなところ、汚いから……」
ギフトホルダーには排泄という機能はない。だが、それでも世間一般の常識を踏まえるのであれば、尻穴に性器を入れるものではない。彼女は涙ながらに訴え、括約筋に力を込めて抵抗した。
「汚くはねえよ。そんな気にするなって」
フェルターが言いながら彼女の尻肉を揉みしだき、両の親指で窄めた彼女の穴を力任せに開いていく。ゆっくり、ゆっくりと彼女の菊座は剥かれていった。日の目に当ててはならない箇所に、視線が注がれ、その羞恥で彼女はさらに涙をこぼす。
びくん、と彼女の体が跳ねた。尻穴に堅さを取り戻した――否、実際にはフェルターのペニスは一度の射精で萎えてなどいなかったのだが――逸物が触れる。
処女を散らされたときとは異なり、ゆっくりと掘削するかのように、小刻みなストロークを繰り返して徐々に、彼女の尻をペニスが開拓していった。
「こりゃすげえ。首輪なしの全力抵抗のケツは初めてだな。こんなん並のちんぽじゃ食い千切られちまう」
やがて奥まで至り、またも腰と尻がぶつかり合った音が響いた。湿った音と乾いた音が交互に繰り返され、その音にヴァスカは気が狂わんばかりの悔しさを掻き立てられた。
――必ず、この男は殺す。この魔術師も……!
彼女の内側で芽生えた憎悪は、後ろ手にされた拳が力強く握りしめられることで、彼らにも存分に知れているなどとは思いもせずに。
ヴァスカの体がぐるりと反転させられる。尻穴でつながったままで仰向けになったヴァスカは、力任せに両太ももを広げられ、秘部がフェルターから見える体勢で尻穴を犯されている。
突き入れられるたびに胸が激しく揺れる。いやらしい肉のうねりに誘われて、フェルターが荒々しく彼女の胸を揉み搾る。さらに片方の手がヴァスカの秘部に触れた。何をされているのか、顎をあげて喘いでいる彼女にはわからなかった。
そうだ。気づけば彼女は喘いでいた。下腹から迸るように感じるむず痒さの正体が、性感だとヴァスカは今更ながらに知った。だが――と彼女は顔を赤らめた。
「クソ穴犯されて感じるなんて、剣士型ってとんでもないのね」
嘆息混じりに魔術師が吐き捨てる。彼女が今、挿入されているのは膣ではなく、尻穴だ。本来は感じる機能などない箇所だった。
――そんな、嘘です。ありえません……!
小刻みに首を振りながらも、彼女は必死に喉の奥でかみ殺してはいるものの、喘ぎに似た荒い息を漏らしている。そして、フェルターの手が彼女の秘部に触れた。陰核と膣口の入り口を同時にフェルターが指でいじくったのだ。それに加えて尻と乳房から来る三種の刺激で、彼女は本日初めての絶頂を果たした。
それに合わせるように、フェルターが彼女の尻穴の奥で埒を空ける。
「さあて……と。このデカい乳を使わねえってのはねえわな」
フェルターはそんなことを宣うと、彼女の体を抱えてベッドに運ぶ。後ろ手に両手を縛られたままで、彼女は男の匂いがこもったベッドに仰向けにさせられた。
男が腕も使えない彼女の体に跨がる。何をするのかと思えば、両乳房の合間にペニスを挟み込むと、胸で左右からペニスに刺激を与えるようにして、腰を振り始めた。
――悍ましい真似を……!
悪魔じみた発想に、彼女はフェルターを睨み付けようとした。フェルターのペニスは豊満な彼女の乳房でも呑み込みきれず、亀頭が彼女の顔に迫るため、彼女は目を背けざるを得なかった。
乳房の合間で、脈動を感じる。
――まさかっ。
と彼女が目を向けたとき、彼女の顔に盛大に白濁液が飛び散った。三度目にして、まったく衰え知らずの精液は、柔和な笑顔がトレードマークだった彼女の顔を、淫らに汚した。
「さあて、最後の準備だな」
フェルターがそう言うと、懐から取り出した赤い首輪を彼女に着けた。先ほど、女魔術師が首輪を、力を奪うとか、言っていたような、と彼女が思ったとき。
精液で汚れた彼女の頭をがしりと両手でホールドし、彼女の口にペニスが突き立てられた。突然の衝撃で、彼女は最初、恥ずかしさより窒息の息苦しさにおののいた。鼻から精臭とともに精液を吸い込みながら、同時に微量の大気を取り込む。
心なしか落ち着きを取り戻したヴァスカは、フェルターの浅はかさを内心で笑った。
――私が折れたと思ったのかしら。無様に汚いものをおっ立ててなさって。
歯とそれを武器とした咬筋による一撃は、人体でも有数の威力を秘める。此度の獲物は骨もない海綿体の集まりだ。噛みちぎれないはずがない。
「あ? 今、歯を立てたな。残念だよ。大人しく奴隷になってくれると思ったのにな」
フェルターは後ろ手に縛られていたヴァスカの戒めをほどいた。自由になったが、その両手には長槍を持てるほどの力さえ感じ取れなかった。
「その首輪は、ギフトホルダーから力を奪う。安心しろ。頑丈さは変わらねえ。易々とぶっ壊れたりはしねえって」
呆然とするヴァスカの頭を掴んで、喉奥にペニスを幾度となくフェルターが突き立て、やがて彼女の口内に精液を注いだ。彼はペニスを口から引き抜くと、ヴァスカの口を塞いで、同時に指先で鼻もつまんだ。両手で力任せに男の手を引き剥がそうとするが、男の手はまるで根が生えたかのように微動だにしない。フェルターの力が強くなったのではなく、ヴァスカが非力になったのだ。
仕方なく、彼女は青臭い汁を飲み干した。するとフェルターが手を離し、呼吸が許された。
「さてと、これで準備は整ったな」
「……あら、良い姿ね。フェルター。誓約は終えたわ。口外禁止で絶命の縛り。他に条件もなく、一にも二にもなく両手を挙げての総絶賛よ。こっちでもよほどのクソばっかなのね。剣士型のギフトホルダーって」
――なんの……話をしていますの?
彼女は繰り返された陵辱と首輪により非力になった事実によって、思考が覚束なくなっていた。
「わかりやすく言うとだな。お前は俺への奉仕に抵抗し、非力になった上で、ここは奴隷傭兵の巣ってことだ」
わかりやすくと言いながら、フェルターは直裁には言わなかった。
淡々と告げられた事実を紐付け、彼女は自身に迫る危険を、今更ながらに理解した。
三十人いる奴隷傭兵に、肉奴隷として陵辱される。
「まあ無論、心を入れ替えて俺の奴隷になってくれるのであれば、考えないでもないがな?」
その嘲るような声が、ヴァスカにに残った矜持を蘇らせた。
――アウレリア様なら、こんな程度で屈したりはしません。
自らが騎士叙勲を受けた直接の理由。美しく力強い、そしてどこか抜けていて、なのに優しい憧れの存在に近づかんと、彼女は自らを奮い立たせた。
つん、と何か違和感が胸のどこかに突き刺さったが、彼女はそれを意図的に無視した。
「あら。三十人ものおちんぽが欲しいなんて。おねだり屋さんだこと」
ロザリンドが嗜虐的な笑みを浮かべた後、両手を叩いた。すると、扉が開いて一斉に奴隷傭兵たちがなだれ込んできた。
「そら、せいぜい楽しめよ」
ベッドから身を起こされ、ヴァスカは男たちのただ中へと突き出された。
「おう、いい格好してんじゃねえか。ギフトホルダー様よ」
「こんなに乳でかかったのかよ。鎧の中で苦しかったんじゃねえか?」
などと言いながら、男たちはヴァスカの乳房に手を伸ばしてくる。必死に彼女はその無数の腕を振り払うが、簡単に力負けし、あろうことかペニスを握らされた。
「普段の槍と俺のおちんぽ、どっちが握り心地がいいんだ? ほれ、こうしてしごいてくれよ」
手の甲に男の手が覆い被さり、無理矢理陰茎をしごかされる。両腕の動きにつられて乳房が揺れ、男たちが感嘆の声を挙げた。
三人がかりで体を抱えられた。
「ほら、皆さんにご開帳だ」
両足を広げさせられ、男たちに向かって秘部を見せつけさせられた。
顔が朱に染まるが、男たちの視線は彼女のひくつく陰部に集中している。
「純潔散らされたばっかしなんかよ。かわいそうに。こっから三十人を何回相手することになんのかねえ」
ヴァスカを宿舎に入れた男が、床に寝そべり屹立したペニスをおっ立てて、彼女を下から見上げている。
「おら、寝ずの番してた俺が一番だろうが! とっとと降ろせ!」
「へっ、一番はもう終わってるだろうが。まあ、いいさ。譲ってやるぜ」
抱えていた男たちが彼女の体をペニスに向かって降ろしていく。いやいや、と腰をひねるが、その下で固定されている秘部は微動だにせず、着実にペニス向かって体が下がっていく。むしろ豊かな乳房をばるんばるんと揺らす様で、順番待ちの男たちを煽情的に誘惑するかのようだった。
「あっ」
と淫靡な声が漏れる。絶頂を果たしてから、まだ埋めてもらっていないメス穴が、男の陰茎に触れた喜びで愛液を激しく分泌する。
「あらあら。こんなに濡らしてしくさって。ひょっとして淫らなお方なんでしょうかねえ」
彼女の口調を真似して、出迎えをした奴隷傭兵が下から彼女を煽り立てた。
きっ、と彼女は男を睨み付けたが、男は野卑な笑みを浮かべるだけ。そのとき、彼女の視点が不意に大きく落ちた。同時に、彼女の体重でペニスが膣内に突き入れられる。
敏感に肉棒を求めていた膣壁が、男の陰茎を激しく絡みとる。
「……お、すっげ。こりゃあ上物なんて言葉じゃ足りねえぜ。熱くてとろとろなのに、それでいてキツキツだ。名器ってのはこういうのを指すのかね?」
「うるせえ、テメエの言葉じゃなんも伝わんねえよ! とっとと終わらせて次に代われ!」
「へいへい。それじゃ、下から動かさせてもらいますよ、騎士様!」
出迎えをした男が彼女の腰を掴んで、激しく腰を突き上げる。
もちろん、他の男たちも見ているだけではない。
「旦那、これ口行けますかね?」
「口を埋められるくらい太ければな。並のなら止めとけ。まだ早い」
フェルターが奴隷傭兵の問いにそう応じた。
「口を自由にさせときゃ、すぐにしゃぶらせられる合図が出てくるさ。気長に楽しめ」
慣れた物言いでフェルターは酷薄に続ける。
――そんなこと、するはずありません!
声の方へ視線を向けるが、彼女の周囲はいきり立った肉棒をおっ立てたサルどもに囲まれていて、フェルターの姿は見えもしなかった。
「じゃ、騎士様のアナルをいただくとしますか……ね!」
下から突き上げていた男のリズムに合わせたのかたまたまか、二本のペニスが彼女の膣と肛門を同時に擦り上げた。
「かはっ!」
企図せず息が漏れた。
「二本同時は初めてですかい?」
「がっは。そりゃそうだろ。処女散らされたのも今日なんだからよ」
「じゃあ、三本目、いきましょうか」
体をひねらされて、その先にいた男が胸の合間にペニスを突き込んできた。
「すげえ、奥まで届かねえぜ! 初めてだ、こんな巨乳はよ」
「ひゅう、見てるだけでイきそうだぜ。早く代われよ!」
などと囃し立てられて、彼女の両手は再び男たちのペニスをそれぞれに握らせられた。
両手に乳房。そしてメス穴と尻穴の計五本を一度に相手させられている。その屈辱に、ギフトホルダーとしての力を奪われた彼女の肉体はなんの抵抗も許されなかった。
「この……覚えておきなさいっ」
ヴァスカは精一杯虚勢を張って、男たちをにらみ据える。
「あなた方、顔は覚えましたから……ひゃっ」
だが、言い切る前に彼女は弓なりに体を反らした。奥底から湧き上がった悦楽で、彼女は軽い絶頂に達したのだった。
「ん、なんて言ったんですかい? 騎士様」
「そりゃ、ひゃ、ってイく私の艶姿をだろ。俺たちのおちんぽの味も形も覚えてくれるとさ」
低劣な言葉で男たちはヴァスカを辱める。
「もう、我慢できねえよ……おら、こっちむけや!」
順番待ちをしていた男のひとりが、自分でペニスを扱きながら彼女の顔を自分の方へ向かせた。
まだ抵抗の意思が萎えていないヴァスカは、口を犯されそうになったら食らいついてやろうと睨み付けたが、男は肉槍を彼女の眼前に突きつけると、そのまま精を迸らせた。
「汚い……なんて、不埒な真似を……」
「何テメエで扱いてる奴がいの一番に射精してんだよ!」
「そうそう、これじゃあ騎士様がかわいそうじゃねえか。騎士様、ご安心くださいな。どこもかしこもとびっきりの名器ですからね」
尻と膣を犯している男たちが口々に言った。
「ああ、でもお高貴なツラにぶっかけるってのはいいなあ」
彼女の両手を犯している男たちが、彼女の眼前に歩み寄ってきて、目の前でペニスを扱かせる。
「ああ……嫌。よしなさい! よして……ください」
一度気丈さを見せた以上、高貴も弱気もともに獣欲の贄となる。彼女の弱々しい哀訴に、尻と膣を犯していたふたりも腰の動きを加速させ始めた。
顔を穢される恐怖に続いて、直腸と膣壁から悦楽が彼女の体を駆け巡る。
二本のペニスから射精された白濁液が彼女の肌を汚すと同時に、膣内と直腸にも精液が注がれた。
「んっんんん、ひぃ……あっ……あぁ! ん!」
弓なりに反った彼女の動きが最後の刺激だったのか、彼女の乳房を犯していた男も埒を空けた。
外も内も雄汁で穢されきった――彼女はそう思ったが、それはまだ当然、宴の始まりでしかなかった。
入れ替わり立ち替わり、男たちが彼女の体を犯し抜いていく。
「もう……やめてください。これ以上、ひどいことはしないで。……許して」
計算ではなく、心底から漏れた哀訴だった。だから、それは合図であると意味していた。
「さてと……そろそろかな」
ひとりの男が彼女に前に立つ。それはやはりというべきか、彼女を出迎えた男だった。
「口でもしっかりしゃぶれるようになったら一人前の肉奴隷ですぜ、騎士様」
眼前に突きつけられたペニスに、彼女は無意識に舌を出して迎え入れ、膣のうねりを再現するように男のペニスを丹念にしゃぶった。
――どうしてこの方は、それほどに私を穢したいのでしょう?
彼女にはそれが理解できていない。この三十人の奴隷傭兵の中で、彼女と話したことのあるのは出迎えたこの男だけだ。アウレリアの指令を果たすため、彼女は努めて公正に男と向き合ったつもりだった。
弱肉強食がこの大陸を唯一司る原初の掟である。そして、彼女は強者として弱者だったこの男に接した。一騎当千の武力は、振るわれていなくとも、持ち主に意図があろうとなかろうと、ただあるだけで脅迫になり得る。
今の彼女は弱者だ。かつて、強者だった弱者こそ、弱者からの怒りを一身に受ける。
「こりゃ、酷い有様ね」
女魔術師――ロザリンドの声がする。ペニスを咥えたままで、ぼんやりと視線をそちらへ向けると、ベッドの上で彼女の痴態を眺めているフェルターとロザリンドの姿があった。
――奴隷になど……なりはしません。だって――アウレリア様なら……!
アウレリアの顔を想起して、彼女は必死に自分を保つ。哀訴をしても、懇願をしても、それでも屈服まではしないと誓う。だが、そのたびに胸のどこかに空いた穴から、何かが漏れ出していく。
「……なに、それは?」
「ああ、リドベダから接種した媚薬でな。ちょうど良い被験者だ。試すとするか」
リドベダ・カムハンド。得体の知れない暗殺者だ。アウレリアも特に信用はしていないはずだったが――汚れ仕事には向いていたと判断されたのかもしれない。だが、汚れ仕事というのがそもそもアウレリアには合う言葉ではないともヴァスカは思った。
フェルターがベッドから降り、彼女に近づいてくる。彼は特に奴隷になれと告げることもなく、ただ彼女の尻に指を――否、薬剤を入れた。
媚薬や催淫剤というものがあるとは知っている。だが、それが劇的な効果を示すなどとは聞いたことがない。都市商会が詐欺紛いのキャッチコピーに使うものだ。
だが。
「あ……はぁ! なに……これぇえぇぇえぇ?」
下腹から湧き上がった悦楽で全身が火照る。思考は反転した。彼女は穢される乙女から、肉欲を貪る生殖の権化と成り果てた。
一周してもなお、彼女を犯そうと居並ぶ奴隷傭兵たちがいきり立たせた肉棒が、彼女には馳走の山にも見えた。
杭打つような騎乗位で、彼女は跨がっていた男の精液を瞬時に搾り取る。口淫や手淫も激しさと妖艶さを持ち合わせ、雌としての本能が雄へ的確に刺激を加えていく。
手で扱いていた男たちが射精の前兆を見せると、彼女はきゅっと搾りを強めて、じゅぽじゅぽと口を淫らに動かして口内に射精させた。舌でひとしきり味わってから喉越しを楽しむように、蕩けた眼差しで呑み込むと、手で相手していた二本の亀頭を同時に口へ含んだ。
指先を動かしながら、舌先で亀頭の裏側をなぞる。まるでそこに回路が組み込まれていたように、男たちは促されるままに口内に迸らせた。
必死に耐え忍ぶ気丈な騎士から、弱々しい雌奴隷に落ちた後、ヴァスカは淫蕩なる娼婦へとさらに変化した。
彼女の密壺も菊穴もどちらもがさらなる進化を遂げ、男たちは興奮し、そしてその彼らのむせ返るのような雄の臭いにヴァスカの淫乱さは果てを知らない。
「……旦那ぁ、これ以上は無理ですぜ」
降参の宣言は奴隷傭兵のひとりが上げた。
魔女の首輪はギフトホルダーが体外に力を放出するのを防ぐだけだ。肉体の頑強さは一切変わらない。よって、結局は心持ち次第でしかなく、高潔さや純潔性、男性への嫌悪や軽侮さえ消してしまえば、並大抵の男がいくらかかってもそれこそ一騎当千の彼女たちを犯し抜くには体力が足りないのだ。
指先で自分の秘部に触れ、自分を慰めながら、唯一この場でまだ性欲を残している雄に対し、ヴァスカは淫靡に体をくねらせながら近づいていく。
ベッドに四つん這いになると、自ら秘部を拡げて、彼女は切なささえ感じ取れる表情で肩越しにフェルターを誘う。
フェルターは彼女の尻に近寄った。他の者たちより数段巨大なペニスが彼女の膣口にあてがわれる。それだけで彼女の膣はおびただしい量の愛液を分泌した。当然、突き入れてくれるものだとヴァスカはただ期待したが、フェルターはぬめりを利用して秘部を擦るに留めた。
「……あ、いやあ。焦らさないで。入れて……膣内に挿入して。沢山出して……孕ませて」
「お前が俺に命令できる立場か? 奴隷になるって言うなら考えてやらんでもないが」
その問いを待っていたかのように、彼女の目は爛々と輝き、そして、愛液が増した。
「もちろんですぅ。私はあなたの奴隷ですから。そのおっきなおちんぽで私を後ろから獣のように犯してくださいぃ」
「……やばいわね。その媚薬。それさえあれば怖いもんなしじゃない?」
「そう上手くはいかんさ。単純に性衝動の化身になるだけで、通常ならむしろ奴隷になる必要がなくなる。何せどのような陵辱も危害ではなく喜びになるだけだからな」
「ふうん。なら、このヴァスカって女がとびきり淫乱だってこと?」
「違う。おそらく、こいつは心のどこかで気づいてたんだよ」
フェルターとロザリンドの会話も、ヴァスカの一握り残った理性はしっかりと聞いていた。
そうだ。快楽に溺れたが、だから奴隷になるのではない。
快楽に溺れて、奴隷にならない意味を失ったのだ。
亀頭のカリで陰核を弄るようにヴァスカは腰を振っていたが、やがて、フェルターの手が彼女の尻肉をがっしりと掴むと、一息にペニスが膣壁を潜り抜け、ボルチオを刺激する。
一回の突き込みで、数回は絶頂するほどの有様だった。
後ろから犯していた――と言うのが正しいのかは定かではないが――フェルターが、彼女に覆い被さる。男の体毛が自身の毛穴に触れていることさえ、まるで性交のように気持ちが良かった。
「お前は、アウレリアに売られたんだ」
フェルターの言葉に、ヴァスカは最後の理性を消した。
最初から気づくべきだったのだ。違う。心のどこかで気づいていた。リドベダなどという怪しい暗殺者が得た情報を、そのままアウレリアがヴァスカに流すわけがない。リドベダがしくじり逆に利用されたなら、アウレリアはそれを見破る。
つまり、ヴァスカを嵌められるのはアウレリアしかいない。
恨みなどない。憧れたアウレリアが落ちるのなら、どこまでも落ちよう。
ただ、アウレリアなら――きっと、並大抵の恥辱には耐えるという信頼もあった。
だから、ヴァスカは媚薬で全てを蕩けさせられて、ようやくアウレリアと同じように落ちられたのだと信じている。
甲高い雌の鳴き声が、奴隷傭兵の宿舎にいつまでも鳴り響いた。
パラメータで分かる! 現在の状況
地底唾王城総戦力
フェルター 戦術33.5 情報22 諜報15
※フェルターの戦術レベルは奴隷の半分が加算される
※ただし、地底唾王城以外では相手の戦術レベルに合わせてレベル制限される
特殊オプション
毒合成レベル6
魔術工房レベル20
オーク2匹
地下牢
作戦会議室
※魔術工房レベルは戦術レベルと同等まで上げられるが、今は魔術師がロザリンドしかいないので戦術が余っている状態。
保有奴隷
リヴィス 戦術10
アウレリア 戦術20
レビア 戦術10 諜報2
ロザリンド 戦術9 諜報5 工房20
リドベダ 戦術8 諜報8
ヴァスカ 戦術11
※戦術レベルは単純な戦闘力ではなく、完全な指揮でベストの戦果を発揮したらそうなるという塩梅
大目標
魔導森林領主 戦術40 諜報30
剣姫庭園領主 戦術50 諜報40