フェルターの宣言で沸き立った奴隷傭兵に囲まれてからどれほどの時間が経ったのか。リヴィスは時間感覚を喪失していた。夜が更け、朝になったのは覚えている。だが、それまでだ。
「ふぅ、マジであのリヴィスを捕らえたのか。洗ってねえちんぽで失礼するぜ」
垢の溜まったペニスを彼女の顔の前に放り出す。恥垢の独特な臭いに嘔吐きそうになったが、彼女の体は既に意思の制御を離れている。「犯され続けろ」という主人の命に従い、彼女は舌を伸ばして、行儀悪く汚臭をまき散らす肉棒を迎え入れる。
無論、その間も口淫だけをしているわけではない。両手は絶えずペニスをしごき続け、尻穴も膣も男の欲望を受け入れる。何人に犯されたのか。記憶しているはずもない。ただ、これまでに彼女が斬り殺した奴隷傭兵よりはずっと少ないことだけは確かだ。
「一度こいつと戦場で出くわしたけどよお。あの俺たちを見下したツラがこうなるとはなあ」
彼女を舌から突き上げている男が、口淫に励むリヴィスを見上げ、その乳房を両手で揉みしだきながら嘲弄する。見下していた。それは事実だ。奴隷傭兵など数字でしかない。リヴィスのようなギフトホルダーからすれば、戦場において彼らは木偶と同等である。弱いが故に金銭事情にも恵まれず、よって彼らの衛生環境は相応に悪い。体臭も口臭も、吐き気がしたし、同じ空気を吸うことさえ嫌だった。
それがこのざまだ。口や舌、両手に腰が自然と精液を搾り取ろうと動く。体が勝手に動くからこそ、彼女の心は現状の惨めさと向き合わざるを得なかった。守り通していたはずの純潔はとうに散らされ、何百回目になるか知れない膣内射精の感覚に腰が浮く。
「垂らすんじゃねえぞ。ちゃあんとおまんこ締めて、次のペニスを待ってな」
口はペニスを含んでいて返事などできない。だが、言われた通りに彼女は膣を引き締め、膣内に出された精液が溢れないように閉じる。下卑た笑みを浮かべた男がペニスを佇立させたまま滑り込んで来た。膣口と亀頭を合わせ、そのまま体重をかけて陰茎を体内に沈めていく。
手でしごいていたペニスが脈を打ち始めた。手から力を抜いて、刺激を抑える。口淫の速度をまして、まず白濁液を喉に出させた。両手それぞれに握ったペニスを顔に近づけ、二本の亀頭を口に含むと、手の動きを早める。彼女の意図通りに二本のペニスは同時に達して、都合三人分の精液が彼女の喉を落ちていく。
「それにしてもこいつら、本当に頑丈だな。普通の女ならとっくに死んでるだろ」
「フェルターさんから聞いたぜ。ギフトホルダーってのは精液だけで何日も生きるんだってよ。内臓も優れてるから、あらゆるものを栄養価に変える。だからクソ穴からクソを垂れたこともねえって話だ」
「ほう! じゃあ、リヴィスちゃんのケツ穴はちんぽ咥えるためについてんのか! そっかあ。加減する必要ねえんだな!」
などと勝手なことをのたまうと、リヴィスのアナルを犯していた兵士が抽送の速度を上げた。負けじと膣を突き上げていた男もスピードを上げる。リヴィスの口から吐息が漏れ、それを受けたペニスが堅さを増して、彼女の喉を貫く。三者三様にリヴィスの穴を犯していた三名は、ほとんど同時に達する。間断なく次の男たちが彼女の穴を埋め、野卑な声を投げつけながら腰を振り始める。
それが幾度となく繰り返された。
ギフトホルダーは肉体だけでなく精神も頑強だ。一度も意識が飛ぶこともなく、リヴィスは男たちの精のはけ口を演じきった。そして、これまで彼女を犯したペニスの中でも一際太く、堅いそれをアヌスで受け入れたとき、彼女は二日間が終わったのに気がついた。
宴の終焉を悟ったのか、奴隷傭兵たちがリヴィスから離れていく。奴隷宣言をした主人――フェルターのペニスがリヴィスの尻穴を更に広げる。きゅぽ、と音を立ててペニスが抜かれると、彼女は地面に倒れ伏した。全裸で尻穴も密壺も久々の休みにひくついているが、それを隠すような余裕は彼女にはなかった。
「フェルターさんよ、ありがとな。表だっては動けないが、必要とあれば俺たちはあんたに協力するぜ」
奴隷傭兵がフェルターに告げた。奴隷傭兵は一般的に数十から数百で団を形成する。ひとりひとりが脆弱な彼らは、そうでなくてはギフトホルダーや国家に対し、なんの権威も示せないためだ。リヴィスを犯したいくつかの傭兵団は、リヴィスたちと敵対していた魔術国家に使われていた者たちだろう。
「ああ。同盟関係だな。こちらの素性は明かせないが」
「いいってことよ。ギフトホルダーを倒すような男がいるなんざ、誰も知らねえ。何か、でかいことをやろうってんだろ? こっちは楽しませてもらったからな。あんたにゃ借りしかねえんだ。力は全くねえけどよ、こんな祭りがあるならいつでも参加するぜ」
「もちろんだ。またギフトホルダーを捕まえたら連絡するさ」
フェルターがそう言うと、傭兵たちは姿を消した。此度は名残惜しそうな態度もない。無理もない。あの場にいた面々は全員、既にリヴィスの体を堪能し終えていた。
「貴様の――目的はなんだ?」
「ギフトホルダーや女神どもへの復讐だ。まずは剣姫庭園を落とす」
剣姫庭園ゴロッザ。それはリヴィスが仕えていた国の名だ。代々剣姫の称号を継承する騎士が王を務める国である。
「貴様は――グラヴィカの?」
「違う。全ての国が俺の敵だ。剣姫庭園を落とすには魔導森林の術者も使う。お前にはせいぜい働いてもらうぞ」
魔導森林グラヴィカ。ゴロッザが数百年に渡り国境線を押し合いをしている国だ。ただ、戦況は膠着しすぎていて、近年では戦場でギフトホルダーの喪失さえしない。ギフトホルダーは違う国家に属していても、互いに対して強い共感を持つ。
仮にリヴィスが敵のギフトホルダーを捕らえたとしよう。その際に起きるのはこの二日間、リヴィスが苛まれたような奴隷傭兵による陵辱だ。そんな蛮行に奔らせないために、決着がつこうとつくまいと、ギフトホルダーは自然に相手を逃がすように動く。
剣姫庭園に属するギフトホルダーがリヴィスのような屈辱を受けたのは、それこそ数十年ぶりだろう。
「お前によって均衡は崩れる」
どのような目に遭おうと、仲間を売ることなどあり得ない。
だが、彼女は既にフェルターの奴隷であり、彼女にはフェルターの命に背く自由はなかった。