※この作品はR-18です。

唾王フェルター陵辱記   作:じょりほー

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剣姫ヴァレンティーナ・ルビエラ

 

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 曇天により星明かりさえない、深夜。鬱蒼と茂った森の中を、鮮血にも似た紅い瞳と鎧を纏う、金の髪の少女が歩みを進めていた。

 

 夜は亜人と魔獣が活発になる時間帯であり、ギフトホルダーでさえ明かりもなしで進むような場所ではない。だが、この少女はただのギフトホルダーではなかった。

 

 剣姫庭園の領主。剣姫ヴァレンティーナ・ルビエラ。

 

 その小柄な体躯と、幼さの残る容貌は、確かに少女と形容するしかない。現に、三姉妹を知らぬ者から見れば、もっとも背丈の低い彼女は末女に見える。しかし、戦場の、死の気配を鋭敏に察知できるものであれば、彼女と対峙することこそが、最も死に近いと感じ取るだろう。

 

 静寂を乱さぬまま、不意に草木を揺らすこともなく、大型の魔獣がヴァレンティーナに躍りかかった。毛色は黒色。動作は無音。図体は馬より巨大で、その牙が肉食を常としているのは瞭然だった。

 

 殺気が大気を揺らすこともなく、ただ静かに剣閃が奔る。

 

 首根っこに牙を突き立て、獲物を丸ごと喰らうつもりだっただろう魔獣は、突如として頭部を失った。残った胴体はバランスを崩して樹木に激突し、頭部は獲物を喰らわんと顎を開いたままで絶命していた。

 

 昨日。

 

 妹であり、北防城を守るレオナ・ルビエラが消息を絶った。北の英霊楽土を監視する任を帯びたレオナが、夜になっても帰城しないと剣姫城にいたヴァレンティーナに密かに連絡が入った。

 

 一報を受けてもレオナは動じなかった。ヴァレンティーナは妹たちに不測の事態があったことを気付いていたからだ。

 

 妹たちの気配が地底(・・)にある。

 

 地底――それも魔術師の工房や迷宮の類いとは思えない深さだ。

 

 剣姫の異名を有し、領主であるとはいえ、ヴァレンティーナは騎士型のギフトホルダーである。故に気配探知は得意ではなかった。気配を感じ取れるのは妹たちだけに限られている。妹の位置だけを知ることができる、異能とも呼べぬこの特技を知る者は当の妹だけだった。

 

 生きていることは間違いない。が、自力での脱出が困難な状況であるのなら、誰かに拐かされたと考えるのが自然だった。

 

 向き合っての戦闘に限れば騎士型は最強だ。その上でレオナもステラも、戦闘能力においてはこの剣姫庭園でも有数の実力者である。

 

 ――そんなものは無事の保証になど、ならんがな。

 

 極めて冷酷に、ヴァレンティーナは内心で吐き捨てた。

 

 大陸全土は戦場だ。練武の如く、向き合っての一対一という状況こそが特殊例である。搦手、騙し討ちに不意討ち、人質に罠、果ては想像を絶する初見殺しもあるのが戦場だ。

 

 レオナやステラ――否、ヴァレンティーナ自身といえど、慢心など許されようはずもない。

 

 妹たちがどのような経路で拉致されたのかは気配を追ってヴァレンティーナは把握している。徒歩ではたどり着けない位置に気配がある以上、必然途中でゲートに入ったのだろう。

 

 そう判断し気配が一度消失したこの森を、ヴァレンティーナは探索しているのだった。

 

 誰か、魔術への造詣を持つ者を連れてくるべきだったか――そうヴァレンティーナが思ったときのことだった。闇夜の中、うっすらと魔力の波動が溢れているのが見えた。

 

 ゲートを前にしてヴァレンティーナは足を止めた。

 

 躊躇はない。彼女が今、考えているのは感情に寄って行動していないか、自身を見つめ直すためだった。

 

 敵の正体は未定。剣姫庭園を狙う意義のある相手の中では、魔導森林である可能性が高く、英霊楽土の可能性は低い。ただし、レオナもステラも名の知れたギフトホルダーだ。それを踏まえれば賞金稼ぎの線も考えられたし、特に領境線を面していない無関係の領土が相手である可能性だってあった。

 

 相手が不明瞭であっても、妹たちの現状を想定することは容易い。無力化されたギフトホルダーの憂き目など決まっている。拷問を兼ねた陵辱だ。

 

 亜人などに犯させ、情報を得られるだけ抜いた後、奴隷商に売却する。ギフトホルダーの末路など、大半はそんなものだ。

 

 ギフトホルダーの中には、眷族や魔術師型に特に多いが、同じギフトホルダーが犯されるのを見て優越に浸る者も多い。敵対する者には容赦ない――などと言えば聞こえはいい。

 

 実態は勝者として敗者に無様な姿を晒させ、自分は永遠に勝者なのだと錯覚するための儀式でしかない。

 

 ヴァレンティーナがひとりで来たのには明確な理由がある。レオナやアウレリアでさえ、全力を発揮したヴァレンティーナには足手まといだ。

 

 では――何をしにきたのか。

 

 ヴァレンティーナは非情ではあっても無情ではない。妹たちの救出だ。ただ、それは無事に解放させる、などという安易な考えではなかった。

 

 第一優先は始末をしてやること。

 

 奴隷として死ぬに死ねず、種を問わず雄に犯され続ける人生は、当人たちも真っ平だろう。

 

 相手の親玉を殺れなくとも、妹たちだけは死をもって解放する。

 

 決意新たにヴァレンティーナは歩を進め、ゲートをくぐった。

 

 深い森の中から突如として開けた場所に出る。

 

 地下であるが、空には星が見えていた。

 

 正面には、闇の如き黒の、高い城があった。城砦の要諦を満たしておらず、それどころかただの城として見ても不備が多かった。

 

 城は一般的に重要人物が住まう場所だ。砦として用いるつもりはなくとも、最低限の防衛設備は整っていてしかるべきだ。だが、この城はにはそれがない。

 

 具体的には物見塔のような。外敵を察知するための高所がない。堀もなければ当然その上を渡る跳ね橋もない。ヴァレンティーナがこのまま歩いて行けば正門にたどり着ける。

 

 城の周囲にはいくつかの建物が分散して建っていた。不気味なほど静かで、人の気配はない。建物も住居に適しているようには思えず、城下町というわけでもなさそうだ。ただ、田畑や牧草地帯が広がっている。普段は人がいるのかもしれないが、少なくとも今は牧畜の姿さえなかった。

 

 遠くには山や海が見える。ただ、これも奇妙に感じられた。何が、というわけでもなかったが不自然に思えたのだ。海と山が近すぎるのか、それともその境界が整い過ぎているためなのか。

 

 意図があって組み上げられたような風景は、ヴァレンティーナに直感的な不快さを与えた。

 

 妹たちの気配は城の奥から感じ取れる。

 

 城の正門にたどり着く。振れてみると内側に閂などはかかっていないのか、思いのほか軽く扉は開いた。

 

 慎重にヴァレンティーナは廊下を進んでいく。

 

 やがて、開けた場所に出た。

 

 正方形で、天井と高くやたらと広い部屋である。燭台が壁に並び、闇に呑まれた場所はない。

 

 待っていたのは腰まで届く黒髪に、絹の装束を身につけた魔術師だった。

 

「投影体か」

 

 魔術師が用いる、遠隔地に自らの似姿を映し出す技術だ。この状態でも魔術を使用可能だが、距離によって魔力は弱まるため、警戒する対象ではなかった。

 

「――はい。ご容赦を。ヴァレンティーナ様。誓約士セラニア・ホーガイルです。魔導森林の末席を汚す程度の私では、実体で顔を会わせるのは恐ろしいのです」

 

「……魔導森林なのか?」

 

「主にお尋ねください。私には仔細を話す権利はありません。――ただ、噂通りでしたね。どの国でも領主は誓約の履行が禁じられている。私ではあなたを御しきれない」

 

 セラニアは投影体を闇に溶かし、ヴァレンティーナの前から失せた。

 

 何をしに出てきたのかはヴァレンティーナにはわからなかった。ただ、領主には誓約ができない――というセラニアの指摘は正しい。領主を拝命すると、女神との間に「誓約を禁じる」ことを誓約させられる。

 

 理由は推測するのみだが、各領主が徒党を組んで女神に反抗することを阻むため――というのが最も納得しやすい。誓約の強制力は絶対的で、同盟関係の樹立には最適だからだ。

 

 他にも誓約を禁じられることで領土間は口約束を強いられることも一因だろう。同盟や和平交渉は誓約に頼れず、互いに裏切りを警戒せざるを得ない。ただひとつの大陸は、七つの国と無数の領土が日々国境線を書き換え、終わりのない戦火に包まれている。

 

 また、廊下を進んでいく。

 

 セラニアがいたのと似たような部屋に出る。

 

 今回は誰もヴァレンティーナを出迎えることはなかった。そのまま部屋を抜けようとすると、燭台の明かりが消えた。

 

 一拍遅れて,ヴァレンティーナは気付く。明かりが消えたのではなく、闇に覆われたのだ。魔術発動に先んじて発動するエフェクトだ。エフェクトに闇を利用する術者を、ヴァレンティーナは寡聞にして知らなかった。

 

 加え、技量も高い。エフェクトは後に魔術が起きる場所を予告する。闇は部屋だけでなく前後の廊下まで包んでいる。

 

 焦るでも油断するでもなく、ヴァレンティーナは剣を抜くこともなく、悠然と待った。

 

 遅れて、魔術が発動する。

 

 ヴァレンティーナの体に負荷がかかる。不可視の力場が彼女を四方から拘束しようと重圧を受けた。

 

「定石通りか」

 

 ヴァレンティーナは重圧を感じたままで、しかし傍目からはそれとわからぬほどの自然さで優雅に歩き出した。

 

 魔術の致命的な弱点はエフェクトと発動のラグだ。

 

 眷族レベルであったとしてもこの欠点は消えない。これにより魔術師型の攻め手は範囲を広げて必中状況を作るに限られる。

 

 何故ならば動体視力や瞬発力で劣る魔術師型は、格下の騎士型や盗賊型にさえ、命中させるのが困難だからだ。

 

 範囲を広げると威力が弱まる。今、ヴァレンティーナに掛かっている重圧は、リヴィスやヴァスカであればはね除けられない程度だろう。レオナやアウレリアにとっては精彩を欠くくらいで、効果的にはなるまい。ヴァレンティーナにいたっては鎧の方がまだ重いと感じるくらいだ。

 

 魔術師型は格下を同時に制圧するのには長けているが、同等以上の騎士型には不利を強いられる。一方で、膂力が劣る代わり速度に長ける剣士型や盗賊型には必殺に等しい。

 

 姿を見せなかったがために正体は以前不明だが、重圧の術者は実力的には魔導森林においても上澄みだろう。

 

 ただ――この程度の相手にレオナが負けるとは考えづらい。

 

 ヴァレンティーナは警戒を新たに、さらに先へと進んだ。

 

 効果がないのを悟ったのか、重圧はその途中で消えた。

 

 城の構造の意図はわかった。侵入者に対し、足止めか実力を確かめるための捨て石を置く。相手の情報を引き出せれば御の字。手傷や疲労を蓄積させれば僥倖といったところか。

 

 続いて第三の部屋。

 

 セラニアはともかくとして、重圧の術者はそれなりの力量だった。奥の部屋こそ強力な番人がいるだろうと考えたヴァレンティーナだったが、ここで梯子を外された。

 

 誰もいなかったのだ。

 

 隙でも伺っているのかとしばし待ったが、特に何も起こらなかったのでヴァレンティーナは時間を無駄にしたことを悔やみつつ、さらに奥へと進むことにした。

 

 廊下の奥は、大きな扉に閉ざされていた。こちらも施錠はなされておらず、押すとすぐに開いた。

 

 内側が見えるより前に、激しい呼吸音――いや、喘ぎ声が聞こえてきていた。青臭い悪臭と甘ったるい匂いが鼻孔を突く。見えてきた光景にヴァレンティーナは眉をひそめた。

 

 奥に広い部屋だ。正面には玉座があり、裸の男が四つん這いになった女を背後から犯していた。

 

「いひっ! 奥、突かれて……っ! また……まだっイグっ!」

 

 巨躯の女は豊かな胸を揺らして、雌の快楽に溺れていた。髪を振り乱し焦点の合わぬ目をしたまま、犬のように舌を伸ばして、小刻みな蠕動を繰り返している。

 

 レオナだった。

 

 妹の艶姿に目を奪われたヴァレンティーナだったが、玉座の間には他にも幾人もの全裸の女が赤い絨毯に突っ伏して、身もだえしているのに気がついた。

 

 いずれも見知った顔だった。

 

 リヴィス。ヴァスカ。シルビア。

 

 ――そして、ステラ。

 

 自動で動く張り型が、彼女たちの局部をひたすらに突き上げ、その快楽に溺れ嬌声を上げ続けている。

 

 レオナを犯している男が、ヴァレンティーナを見た。鎧の下を見透かしたような眼差しをして、野卑な笑みを浮かべながら舌なめずりをしている。

 

「随分と勝手をやってくれたようだな」

 

 部下や妹たちが陵辱による痴態を晒しているのを見ても、ヴァレンティーナの声は酷薄ともいえる平坦さを帯びていた。

 

 淫らにイキよがっていたレオナがヴァレンティーナに焦点を合わせ、恥じらいからか顔を伏せた。

 

「領地での貴様の跳梁、見逃していたのは私の不徳によるものだ」

 

 殺気が広い玉座の間を覆った。直後、ヴァレンティーナは剣を握って腕を振るう。同時、男はレオナを抱え上げ、屹立させた上半身を背後から抱き、豊かな両胸を揉みしだく。

 

 最前までレオナの首があった場所を、ヴァレンティーナの斬撃が引き裂いていた。

 

 魔剣グラムフェムト。冒険者組合に所属する名鍛冶師フリーダに鍛えさせた、ヴァレンティーナの専用兵装である。

 

 その効能はただひとつ。剣を振るった軌道に沿った斬撃を飛ばす。

 

「盾にするか」

 

「いや、俺は俺の肉奴隷を庇っただけさ」

 

 男は悠然と告げる。その語調からは魔剣や剣姫に対する畏怖は感じ取れない。人質にはしていない――と言外に放つように、男はレオナを玉座の脇に降ろした。

 

「……姉……上っ。ダメだ。この男には……っ」

 

 度重なる性楽を植え付けられたのだろう。レオナは息を荒げていた。

 

「人質なんかになりゃしないってことくらい、俺もわかってるさ」

 

 男は立ち上がる。それと同時、玉座の背後に巨大な漆黒の甲冑があることに遅れながらヴァレンティーナは気がついた。努めて冷静であろうとしていたが、妹たちの痴態に狂わされていたらしい。

 

「質――つまりは物だ。ならば殺してやった方が幾分マシだろう。もっとも――」

 

 ヴァレンティーナはそこで継ぐ言葉を止めた。死の後にあるギフトホルダーの運命を、妹には聞かせる必要はない。押し黙っていると、フェルターはその先を尋ねるてはこなかった。

 

「こいつらを殺されちゃあ困るんでね。剣姫庭園と魔導森林を足がかりに俺は領土を広げる」

 

 芝居がかった口調で演説するような物言いだが、当人にそんなつもりはないのだろうことも伺えた。

 

 無音で背後の鎧が部位ごとに分割される。籠手と具足は上肢と下肢に、胴と腰部は別れた上で前面と背面に。それらは無音で彼の体に纏わり付くと、継ぎ目もなく結合した。

 

 リビングメイル。

 

 優れた鍛冶師が護衛に持つ武装と同じ技術によるものとヴァレンティーナは推察する。

 

 甲冑はただ暗色に塗り潰されていて、一切の装飾がなかった。質実剛健な、勝利だけを求める純粋な兵装であった。

 

 遅れて、男の手には馬鹿げた質量を感じさせる槌が握られた。男の身長ほどにもある持ち手、先端には巨大で潤沢な魔力を帯びた鉄塊がついている。

 

「忘れられた八番目の女神――虚空女神マリマノートに見初められた王。唾王フェルターだ」

 

 ヴァレンティーナはなんとか驚愕を面に出さずにこらえた。

 

 この世界の女神は七柱である。そこに疑問を抱く者はない。ただ、同時に納得がいったのも事実だ。この城の広さ、そして一騎当千の部下たちがみすみす捕らえられたことを踏まえると、このような慮外の事態である方が頷ける。

 

 そして。

 

 女神は配下のギフトホルダーや眷族が増えれば増えるほど驚異を増す。今現在、マリマノートとやらの配下がどれほどかは不明だが、時を経れば状況は悪くなる一方だ。

 

 ヴァレンティーナに残された選択肢はふたつ。

 

 誅殺か。

 

 撤退か。

 

 撤退に成功すれば雅典戦国の女神――アテナに八番目の女神出現を報告し、国全土の戦力を結集しこの城を落とすことは可能だろう。ただし、その場合、ヴァレンティーナは自らの領土を守り切れなかった咎で生き地獄を味わわされる。

 

 知らず、彼女の口角は自嘲気味に上がった。

 

「――やるしか、ないか」

 

 そもそも騎士型のヴァレンティーナは撤退には向かない。敵地に単独で乗り込み、相手が一対一の闘いを受けてくれる状況下で逃げる意味はなかった。

 

「安心しろ。卑怯な手は使わねえよ」

 

 フェルターが槌を構えて余裕の表情で言った。

 

「卑怯?」

 

 つい、オウム返しにしてしまったが、ヴァレンティーナは遅れて気がついた。今、この場でイキ狂っている彼女の部下たちは搦手にあって捕まったのだろう――と。

 

「この世界に、そんな概念はないよ」

 

 魔剣グラムフェムトを抜き放ち、構えをとってからヴァレンティーナは言った。

 

「この世界にあるのは弱肉強食の摂理だけだ。肉を喰らうも犯すのも強者の権利。強者とは勝者であって、勝利の過程など誰ひとり吟味はしてくれまい?」

 

 それがヴァレンティーナの心底からの本音だった。魔術師型が罠を張る、盗賊型が情報を盗み逃げる――それは、騎士型が戦うのと同じだ。

 

 自らの優位を捨てざるを得ない状況を卑怯と謳うのならば、騎士型が他のギフトホルダーに単独襲撃を仕掛けることも卑怯になる。

 

「いい態度だ。まやかしの高潔さじゃない。あんたを股ぐらの逸物でひいひい言わせてやりたくなったぜ。より一層な」

 

「ご立派な逸物ではあったが――私を飽きさせぬと誓えるのか――なっ!」

 

 飛ぶ斬撃。

 

 これは騎士型――というより剣を使う者にとっての極致のひとつである。弓矢などの長射程の武具に匹敵する速度で迫る。その上で放てる者は剣士として上澄みの技量を有する。距離を詰め必殺の斬撃を放つことに特化した者の布石として、これ以上の驚異は剣姫と呼ばれるヴァレンティーナ自身にも考えつかない。

 

 初撃で狙ったのは槌を握る右腕だ。武器が重ければ必然、それを握る腕は動きが遅れる。武器を手放すかそれとも武器に縋って腕を落とすか――。

 

「――っ!」

 

 間合いを詰め次なる必殺の刃を振るいながら、ヴァレンティーナはフェルターの行動に驚嘆した。

 

 離れた間合いを断つ斬撃は確かにフェルターの右腕、その肘を断った。

 

 ――が。

 

 残された下腕部は吹き飛ばなかった。

 

 その上でヴァレンティーナの目はしっかりとそれを見た。断たれた部位がお互いに肉の内側を盛り上げ、結合するのを。

 

「――再生、能力っ!」

 

 判断を誤ったのを悔やむ時間はない。

 

 再生能力に加え、リビングメイルの機能で装着者に鎧を纏わせる以上、切断は相手の欠損にはならない。あの自動装着でさえ欺瞞だった。

 

 フェルターの鎧の真価は、仮に首を切断されたとしても、自動的に装着者のもとに兜ごと戻り復活することだ。

 

 追撃を加えようと前のめりになっていたヴァレンティーナは、咄嗟に踵で床を踏ん張り、背後に跳躍しようとした。

 

 その動きまで読まれていた。再生を終えたフェルターの右腕は、槌を握ったままで真っ直ぐこちらに突っ込んできて――。

 

 死んだ。

 

 そう、ヴァレンティーナは思った。

 

 ギフトホルダーは頑強ではある。とはいっても限度はある。

 

 レオナが振るう鉄塊紛いの剣でさえ、当たればヴァレンティーナは死ぬ。

 

 フェルターの握る槌はそれ以上の重量を秘めている。

 

 体中の骨がバラバラになったのではないか――そう思えるほどの衝撃を受けながら、ヴァレンティーナの体は玉座の間を転がった。

 

 本来であれば即死する一撃を受け、しかしヴァレンティーナは失神することもなく、同時に体を動かすこともなく――ただ床に転がっていた。

 

 ――痛みは、ない。

 

 致命傷を負ったにも関わらず生きていて、その上で体を動かすこともできそうだ。

 

 なのに。

 

 ――力が出ない。

 

 魔力を失ったかのように、ヴァレンティーナの動きは緩慢だった。

 

「――何が、起きた」

 

 今のヴァレンティーナは抵抗力を奪われた、いわば噂に聞く奴隷型と同じ状況と化していた。

 

 勝利を確信したのか、フェルターが鎧を外した。着用時と同様、自動的に分割され、脱げた甲冑が玉座の裏に戻る。

 

 彼女に一撃を加えたフェルターの方もただごとではなかった。仰臥したままで視線を彼に送ると、全身から血を吹き出し、肩や胸部、それに大腿部あたりは骨が露出している有様だ。

 

 ヴァレンティーナには一切フェルターに反撃する余裕はなかった。

 

 では、何故、フェルターが傷を負っているのか。

 

 普通の人間――それどころかギフトホルダーや回復力に長けるオークでさえも致命傷だと言い切れる傷を負いながら、フェルターは身動きができないヴァレンティーナに迫っていた。

 

 赤く充血したフェルターの目が、今から自身を犯すつもりだ――そう確信できるほどだったのに無傷のヴァレンティーナは倦怠感で逃げることさえできなかった。蟲のようにわずかな蠕動をするのが精一杯だった。

 

 ろくに動くこともできないヴァレンティーナは、ただ満身創痍のフェルターが迫ってくるのを、困惑したままで眺めることしかできなかった。

 

 フェルターはヴァレンティーナに覆い被さると、片手で彼女の身を包む鎧と肌着をむしり取った。

 

 背丈にしては豊かな、それでいて使い込まれていないことが瞭然の桃色の乳首と性器が玉座の間の大気に晒される。

 

 状況への無理解が、ヴァレンティーナにまだいささかの抵抗心を芽生えさせた。

 

 何故、自分はまだ生きているのか。

 

 何故、フェルターが傷を負ったのか。

 

 何故――私は今から処女を散らされるのか。

 

 領主どころかギフトホルダーではないただの少女の腕力で、ヴァレンティーナは必死にフェルターの胸部を押し返す。

 

 そんな無様なヴァレンティーナにフェルターはにやついた。

 

 そして彼は常識外の腕力でヴァレンティーナの鎧を掴むと、一息に引き裂いた。仰向けで引き倒された体勢の彼女は、乳房や臍――そして女性器までもを露わにされて、咄嗟に悲鳴をかみ殺す。

 

「ヴァレンティーナ、女神は自分の領地じゃないと力を完全には発揮できん。その上で、女神――マリマノートから代理の権限を与えられている」

 

 その意味がわかるのは大陸広しといえど領主以上だけだろう。

 

 前者――領土内でなければ力を発揮できない――は、七女神特有のものだ。当然、他領土においても女神の権能は眷族やギフトホルダーを凌駕はする。

 

 ただ、女神同士の戦いになれば話は違う。だからこそ、七国の争いは領土の広げ合いに終始するのだ。女神が他国に攻め入れば、その国の女神には勝てないから。

 

 問題は後者だ。

 

 七女神国である以上、王は七人いる。その中に、代理権限を持つ王はない。

 

 ヴァレンティーナが知るのは唯一雅典戦国の王だが――その邪眼(ゴルゴーン)メドゥーサでさえ、担っているのは代行であって代理ではない。

 

 代行は女神の指令に従い、実務をする者。

 

 代理は――女神そのものと同じ権限を持つ者を指す。

 

 この男は女神同様、配下の力を吸い上げ、出力を増大している。そして、その出力を発揮できるのは自らの領土内のみというわけだ。

 

 ヴァレンティーナの太ももにフェルターが触れる。力任せにこじ開けられ、ぴったりと蜜肉を塞ぐ膣口に視線を感じた。フェルターが性器に顔を寄せようとするのを、両腕で押し戻そうとしたが、力がほとんど出ない。

 

 気付けばフェルターの傷は癒えている。再生速度はオークをも凌駕していた。

 

「一体――何を……くぅっ」

 

 濡れた何かに膣口をこじ開けられ、蜜肉を撫で回されて艶やかな声が漏れた。

 

「はっ、鎧で蒸れてたからな。良い具合に熟成された匂いだ」

 

 尋ねた内容とは異なる、性器の感想を口にされ、ヴァレンティーナの顔が羞恥と怒りで赤く染まった。

 

 歯冠を強く噛んで、声が出ないように堪える。やがて舌による愛撫が終わると、彼女の白い肌を男の影が覆った。

 

 瞼を開け、視線を下げると屹立した逸物が彼女の陰毛に重なっていた。小柄なヴァレンティーナには収まりきらないはずの怒張だ。現にそれは彼女の臍を優に越えていた。

 

 怒りで怯えを払拭し、ヴァレンティーナはフェルターを睨み付ける。そんな彼女の頬をフェルターは先ほどまで蜜壺を舐め回した舌で触れた。つんとした匂いの内、どれが自分の性器が醸したものかはわからなかった。

 

「唾王槌と唾王鎧。味気ないが誰に知られるもんじゃなし、凝った名前をつける気にもなれなくてな。唾王鎧の方はシンプルだ。自動着脱に俺の魔力を用いた身体機能の増幅だけ。お前も見た通り着脱と継ぎ目なく融合する特性を利用して、切断されても修復するようにはなっちゃいるが」

 

 フェルターは自分の兵装の開陳を始めた。趨勢は完全に決した。その判断は誤っていない。今のヴァレンティーナにはここから逆転する秘策などなかった。

 

「唾王槌の方が厄介でな。重いのもそうだ。俺は領土外じゃあ敵対するギフトホルダーと同等の魔力出力しか出せん。となるとまず女神か王クラス相手じゃないとアレを持つのは難しい」

 

 その発言が真実だとすれば、現状、フェルターの領土内における魔力出力は他国の王クラスに匹敵することを意味している。ならば、ヴァレンティーナに勝てる道理はなかった。

 

「能力も微妙に複雑だ。相手の戦闘能力を奪うことに特化している。直撃させた場合、その負傷が快復するのに必要な魔力を奪うだけ。ギフトホルダーの治癒速度は高いが、致命傷を治すには魔力も相応に失う。便利だがその反動もある。負傷した事実を消失はさせられないから、俺の体で与えた負傷を肩代わりする必要がある」

 

 つまりは先ほどのフェルターの傷は、本来であればヴァレンティーナが受けるべきだった傷ということである。同時に、高い再生能力を持つフェルターにとって、その反動は甘受できるものであり、王や女神を生かして捕まえるには確かに有用な兵装と言えそうだ。

 

「ついでにな」

 

 フェルターがいつの間にか腰を引いていて、亀頭が彼女の膣口に触れた。

 

「なるかどうかは試してみて初めてわかったが――反動も有効だ。お前を犯すのに必要だった痛み――俺の逸物は、お前から受けた痛みだと信じて猛ってやがる」

 

 体が引き裂かれたような痛みが全身を奔った。歯が砕けんばかりにヴァレンティーナは食いしばる。そんな彼女の表情はフェルターの剛直に堅さを与えるに過ぎなかった。

 

 膣壁は侵入者を退けようと締まるが、それはただ剛直に刺激を与えるだけだ。亀頭が徐々に蜜壺を開拓し、やがて子宮に当たる。まだ彼女とフェルターの肌は触れ合っていない。

 

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 続く刺激に、ヴァレンティーナは目を見開いた。見ると双丘を舌先と片手で弄ばれている。潤滑を促す雌汁が過剰に分泌されているのを自覚した。

 

「いっ!」

 

 知らない感覚に彼女は堪えきれず声を出した。残った手で陰核が責められ、彼女の体は性楽を脳髄に伝達した。

 

 ヴァレンティーナは身を竦ませた。まだ抽送が始まったわけでもなく、膣襞は破瓜の痛みのほうが強い。にも関わらず彼女の性感帯は十分に反応を示している。

 

 快楽は耐えることはできない。知識として彼女はそれを知っていた。幼い頃、城の地下で、先代剣姫が妹を仕込む姿を覗いてしまった時に。理想の騎士だったはずの母は、雌の顔で淫らに腰を振っていた。

 

 過剰な分泌は愛液に留まらなかった。貫かれたままで三点責めをされたヴァレンティーナは唇から唾液を溢れさせた。その顔はきっと、かつての母と同じように淫らなことだろう。

 

 自分が快楽に屈すれば、妹や部下たちは一生この男に囚われたままだ。以降、領土内は好き勝手に蹂躙される。

 

 剣姫として。

 

 領主として。

 

 純潔を守ってきた乙女として。

 

 自らを汚す男に抵抗すべきなのはわかっていた。

 

 ただ、彼女には希望がなかった。

 

 剣姫庭園の騎士たちは違った。彼女たちは最悪でも剣姫が助けてくれる可能性にすがれた。しかし、ヴァレンティーナは領主であり、すがるものは何一つなかった。

 

 同国であろうと敵国であろうと、敗者はただの肉だ。英霊楽土にフェルターが敗れたとしよう。ヴァレンティーナたちは解放されはしない。ヴァレンティーナたちは奴隷傭兵にでも引き渡されるか、亜人どもによって子を孕む苗床にさせられる。強くなるためには倫理など捨て去るしかない。強者は弱者、勝者は敗者と自らを重ね合わせず、故に、同じ女であっても敗者弱者の女を汚辱させるのに抵抗を持たなくなっていく。

 

 その行き着く先が七女神だ。

 

 謁見したその日を思い出す。

 

 戦女神アテナ。

 

 一目見られただけで、彼女は畏怖で体が動かなくなった。

 

 ――ああ。

 

 その日、彼女は女神に隷属することを誓った。

 

 ずっと、自分は女神の奴隷だった。

 

 ヴァレンティーナは、今更になって自らの境遇を知り、ヴァレンティーナは早くも性楽を受け入れた。

 

「もっとっ、奥まで……挿入れてっ!」

 

 視野の端で、レオナの目から光が失われるのが見えた。

 

「おいおい、剣姫様とあろうものが落ちるの早すぎるだろうが。お前の部下どもはもう少し耐えてくれたぜ」

 

 言いながらもフェルターは彼女の太ももに手を添え、腰を突き出す。肌と肌が触れ合い、彼女の小さな密壺は肥大な怒張を咥え込む。

 

 始まった抽送の快楽に溺れながら、ヴァレンティーナは語り始めた。

 

「だって……私は、ずぅっと、女神の奴隷で……っ。いつ、女神の気まぐれでこうなるか怖くて……っ」

 

 魔導森林と小競り合いに終始していたのもそのためだ。部下が奪われることも怖かった。戦場に出てしまえば恐懼は振り払えたが、魔術師がどのような罠を構築しているかはしれたものではない。

 

 頼みのものは鎧と力のみ。

 

 その両者が剥奪された時点で、ヴァレンティーナは相手におもねるしかなかったのだ。

 

 激しい抽送で乾いた音と湿った音が交互に繰り返される中、色を帯びた吐息が彼女の口から漏れる。

 

 膣壁が脈動を伝えてくる。締め付けは強まり、まるで子種を搾り取ろうとするようだった。

 

 膣内の奥に熱い迸りが放たれた。それと同時、彼女の体は痙攣して背を反った反動で乳房が淫らに揺れる。

 

「ほぉっ! お、おおっ!」

 

 押し寄せた快楽はそんな雌の泣き声をヴァレンティーナの喉から溢れさせた。

 

 膣から剛直が引き抜かれると、また彼女は体を震わせた。

 

 その後、フェルターはまだ残り汁が収まらない陰茎を彼女の顔に突き出してくる。青臭い匂いが、しかし今のヴァレンティーナには香ばしくさえ感じられた。

 

 言われるまでもなく、彼女は亀頭を唇で優しく咥えると、残った精液を吸い出し、嚥下する。

 

「よくできたじゃねえか。口で扱きながら、残った鎧を脱げよ。できるか?」

 

「ふぁひ」

 

 と無様な肯定を返し、ヴァレンティーナは吸引して陰茎に刺激を与えつつ、顔を前後した。そのままで器用に両腕や腰回り、脚部に残っていた鎧を自ら脱いで、産まれたままの姿になった。

 

「小柄な割にでけえ乳も使えよ」

 

 重力でわずかに下がった乳房を両手で抱え、彼女は間に剛直を挟み込んだ。腰を使って上体にバネを利かせ、首を伸ばして亀頭を咥え込む。

 

「お、やるじゃねえか。おら、そろそろまた出すぜ。こぼすなよ。……で、一生肉奴隷でいいなら奴隷だって宣言してみろや」

 

 回りの部下や妹たちが逃げられなかった理由は、おそらくこの宣言になんらかの誓約に似た強制力があるのだろう。誓約であれば領主である彼女にはかからない。しかし、似てはいても別種のこれは、彼女を永続的に支配すると本能が訴えた。

 

 乳房と唇がともに脈動を察知し、乳房を落として顔を前に出した。フェルターの陰毛が鼻先をくすぐる。口に熱いものが放たれた。

 

 きゅっと一際強く口を窄め、陰茎で口に栓をする。喉から鼻孔に逆流する精臭を感じつつ、ヴァレンティーナは特濃の精液を喉を鳴らしながら飲み干した。

 

 残った精液を吸い出して、舌先で余った汁をかき集めて呑み込む。蕩けた目でヴァレンティーナはフェルターを見上げると、大口を開けて舌を伸ばし、完飲を報告する。

 

「はい。私はあなたの奴隷です。……だから、役に立つので……どうか、妹たちや部下を、そして私を――どこかに売るのだけはやめてください」

 

 と、ヴァレンティーナは嘆願した。

 

 領土を広げるとフェルターは言った。ならば、手駒はいた方がいいだろう。売られるよりはマシだ。買い手によっては責め苦は常軌を逸していて壊されてしまう。見る限り、妹や部下たちは嬌声に喘いではいるものの、正気を失っているというほどではなかった。

 

「安心しろ。俺の最終目標は七女神も肉奴隷にすることさ。手駒を無為に端金に換えるつもりはない。まあ、調教はさせてもらうがな」

 

 フェルターは言うと彼女を抱え上げ、玉座に近づいていった。そのとき、不意に彼が思い出したように尋ねてくる。

 

「そういや、さっき何を言い淀んだ?」

 

「言い淀む……? ああ」

 

 ヴァレンティーナは察し、その内容を誰にも聞かせないように、フェルターの耳元に顔を近づけて言った。

 

「ギフトホルダーの来世は奴隷型になる。だからレオナたちをここで殺せたとしても――別に陵辱から解き放たれるわけではない。できれば――」

 

「誰にも言うなよ」

 

 ヴァレンティーナを遮って、フェルターは言った。フェルターがそれを隠す理由はあるのだろうか――とヴァレンティーナは訝る。だが考えている合間に、フェルターは移動を止めた。

 

「ほら、玉座に手をついてケツをこっちに向けな。今度は尻穴を開発してやる」

 

 と言った。あまりの事柄にさすがにヴァレンティーナは青ざめたが、体が勝手にその命令に従った。奴隷契約の効果を彼女は実感させられた。

 

「剣姫の痴態をみんなにもちゃんと見てもらわねえとなあ」

 

 フェルターが指を鳴らす。それがなんの合図だったのかヴァレンティーナにはわからなかった。

 

「大人しくそこで自分たちの主が犯されてるザマを見とけよ。奴隷ども」

 

 獣のような四つん這いで尻穴を晒された体勢で、恐る恐るヴァレンティーナが背後を振り返ると、レオナたちが横に並んで視線を彼女へと向けていた。どうやら張り型の動きを止め、彼女たちがヴァレンティーナが犯される様を落ち着いて見られるようにしたらしい。

 

「あっ……それは……」

 

「はっ。形ばかり抵抗しなくってもいいんだぜ。ほら、こんなに愛液が出ていやがる」

 

 フェルターはそう嘲り、そして事実として愛液の分泌を増やした膣を撫でた。愛液で濡れた指先が彼女の肛門に触れる。

 

 最初は一本。本来大気にさえ触れることのない部位に、指先が触れる。幾度か前後したあと、太さが倍になった。二本目を入れてきたらしい。さらに二本の指が未踏の地を押し広げる。

 

 肛門に硬く濡れたものがあてがわれた。膣口や唇で触れたときよりも、もっと悍ましく禍々しいとさえ思えるが、亀頭なのは疑いようもなかった。

 

 痛みが奔る。だが、ヴァレンティーナは既に痛みが性楽の先触れだと知っていた。愛液に留まらず唾液までも放出する。汚されたばかりの他の穴ふたつまで、ふたたび犯してほしいとねだっていた。

 

 腸液が潤滑を補助し、腸壁が開拓されていく。

 

 尻肉がフェルターの腰に推し当てられたときには、自らを貫く肉槍の熱さえ愛おしく感じていた。

 

 抽送が繰り返され、徐々に速度が増していく。尻肉に腰部が当たる音が激しくなっていく。

 

 普段、自分が腰掛けるのにも似た玉座に無作法にも手をつけ、尻穴を男に犯されている。その事実がヴァレンティーナをさらに狂わせる。

 

 突き穿つ肉竿を待てないというように、彼女の方も抽送に合わせて腰を前後した。一層尻肉が奏でる音は強くなり、その合間の湿った音が彼女の整った要望を溶かしていく。

 

【挿絵表示】

 

 脈動を腸壁が関知して、彼女は括約筋に力を込めながら、フェルターの肉竿を奥まで貫かせた。直腸に注がれる子種によって、彼女は昂ぶり、絶頂を歌い上げた。

 

 残り汁まで括約筋が搾り出して、引き抜かれた時には淫らな糸だけが彼女の肛門とフェルターの陰茎をつなげていた。

 

 今度は玉座に座らされて、両足を広げさせられた。フェルターは一度横に避けて彼女の視界を開けさせる。

 

 陵辱で疲労した部下や妹たちは泣きながらも、全裸で股ぐらから精液の残りを垂れ流して玉座に倒れる剣姫に視線を向けている。

 

 剣姫庭園が落ちたことを実感させる光景だった。

 

 ただ――ただ、救いなのは、実際の敗城よりはマシだったことだ。

 

 陥落した城では、至る所で陵辱が繰り返される。限界まで体力を奪われ、奴隷型と変わらなくなったギフトホルダーたちを、同輩を殺された奴隷傭兵たちが股ぐらをいきり立たせて狩り立てる。城内にはギフトホルダーではない者もあり、当然ながら幼い者もある。

 

 捕まったギフトホルダーは全身で幾人もの奴隷傭兵の相手をさせられ、絶望の中で雌に落ちざるを得ない。守りたかった全てを敵に奪われ、仲間が汚される姿を眺めながら、自分も犯され続ける。

 

 剣姫庭園は長らく最南端を守っているが、隣接する領土は日々国境線を書きかえ、そして時に上書きされる。剣姫庭園が攻め入り、敵軍を減らすと、弱ったその国は四方の領土――同国とて敵になりうる――に蹂躙される。結局はどの国も北部から無制限に眷族やギフトホルダーが湧き、彼女たちが次の領土を乗っ取り国境線を書きかえてくる。

 

 永遠に続くいたちごっこだ。

 

 守っていようと攻めていようと、やがてどこかで力尽きる。剣姫庭園が数百年変わらなかったのは、きっかりと代替わりを繰り返していたためだ。母は亜人と子を成し、自らより強力な娘を育て上げてから衰える前に自死をした。

 

 来世が奴隷型と知りながら。

 

 虚ろな、しかし快楽に溺れた瞳でヴァレンティーナが部下たちを眺めていると、フェルターの影が彼女を覆った。

 

 彼は両手で彼女の膝下を掴むと、彼女の小柄な体を持ち上げる。フェルターの首裏に手を回し、抱きつくような姿勢になって、乳房が彼の胸筋の上で潰れた。

 

 大股を広げて抱きつくような姿勢だ。いきり立った逸物が彼女の膣口に再び触れた。彼女の密壺は待ちかねたように涎を垂らす。

 

 自重で肉竿が深々と突き刺さり、ボルチオで受け止めた。

 

 フェルターの腕力とヴァレンティーナの体重で、彼女の体は激しく上下し、そのたびに激しい快楽が脳髄に響いた。

 

 部下や妹たちのためにも、少しでも気に入ってもらわないと――そう思ったヴァレンティーナはそこに自分の意思を加えた。腕力で持ち上げられた瞬間に首裏に回した力を込めてより高く体を上げる。口吻だ。口と口を絡ませる、本来であれば前戯以前の愛情を示す行為を、彼女は自分から求めた。

 

 唾液混じりでむしゃぶりつく。それから首裏に回した手を緩める。興奮が離れると同時に、彼女の体は自由落下に移る。一度、先端ギリギリまで上がったためか、ボルチオへの刺激は一層破壊力を増し、ただそれだけで彼女は軽い絶頂に達した。

 

 その淫蕩な上下運動を、部下や妹たちが背後から眺めている。

 

 羞恥が快楽に深みを与え、より一層彼女はよがり狂う。

 

「あ、あ、飛ぶ――っ。意識、飛んじゃうっ!」

 

「うるせえなあ。そんな簡単に失神なんざしねえって」

 

「来るッ? まだっ! 一緒にイクっ! 次、奥まで、一気に刺し貫いてっ! 膣内にちょうだいっ!」

 

【挿絵表示】

 

 フェルターは彼女の懇願に答え、最後の瞬間、腰回りに手を持ち替えて一気に子宮口を穿ち抜いた。舌が口からまろび出て焦点が狂う。

 

 余韻を楽しむように、残り汁を出すように、フェルターが腰を上下させる中、敏感になった彼女の膣はその間にも軽い絶頂で震えた。

 

「さあて……と。本当は落とすためにレオナから聞き出してたんだがな……。こんなによがり決めてんじゃあ何してもご褒美になりそうだ」

 

「そうなのお……おちんぽ、大好きぃ。ずっとおそばにいさせてぇ」

 

 これほどに甘えた声が出せたのか。ヴァレンティーナは驚きつつも徹底的にフェルターに媚びた。浅ましいとは笑わせる。ずっと、彼女は浅ましかった。

 

 凜々しい騎士。そんなものは女神アテナへ媚びているだけだ。卑怯を嫌い、しかし卑怯に負けた者を愚鈍と罵る。鉄壁にして潔癖の処女神は、忠義や騎士道を愛しながら、それでいて敗者には一切の容赦がない。

 

「フェルター……それはやめてくれ……。姉上が……壊れてしまう……」

 

「いいや、そんな簡単に壊れやしねえよ」

 

 レオナとフェルターの会話が意味するところをヴァレンティーナは気付かなかった。

 

 フェルターは彼女を抱え上げたまま、玉座の間の奥に入った。城の構造としては歪だが、実用性が皆無というわけでもない。ヴァレンティーナが入ってきた正面入り口は敵を迎え撃つための部屋だ。その奥に筆頭戦力である王が座する。

 

 奥にあるのは生活用の部屋や各員の住居だろう。どこへ向かうのかと思いきや、フェルターが足を進めたのは地下牢だった。

 

 その入り口にはひとりの女――眷族の姿があった。

 

「アルガナか。見物は認めんぞ。尻尾巻いて逃げやがって」

 

「ふふん、我は我が一番可愛いが故な。騎士型とはいえ所詮はギフトホルダー――そう思っておったがなんじゃこいつは。勝てんわ」

 

 胸を張って情けないことを言う眷族だった。どうやら門番のいなかった第三の部屋には、本来彼女がいるべきだったらしい。

 

「ただ我が主様の前では形無しか。痴態を見てやりたいところじゃったが……まあ良い。汝の機嫌を損ねると給仕長にどやされる。……それと、ロザリンドの奴を褒めてやっておいてくれ。死ぬ気で三匹増やしてきたぞ」

 

 豊かな尻を見せつけるように揺らしながら、彼女は立ち去った。

 

 フェルターが地下牢の奥に進んでいく。

 

 その間、多様な鳴き声が聞こえてきた。

 

 亜人の声だ。

 

 甲高い声はゴブリンだ。

 

 ばくばくと心臓の鼓動が激しく鳴り始めた。

 

 低い地響きを思わせる獰猛な声は――オーク。

 

「よかったなあ。ヴァレンティーナ」

 

 フェルターが足を止める。おそるおそる、青ざめた顔で振り返る。

 

 地下牢では、五匹のオークが彼女の醸し出す雌の匂いに惹かれ、悍ましい肉竿をいきり立たせていた。

 

「いや……それは……いやっ……っ! なんでもする……なんでもするの……っ。けど……オークだけは……っ」

 

 幼少期、母がオークとまぐわっていた姿を見てから、彼女はオークに並々ならぬ恐怖を抱いていた。剣姫庭園で亜人の目撃例が少ないのは、特に剣姫城付近からオークをできる限り排除していたためだ。レオナもそれを知っていて、彼女がオーク狩りに精を出すのは姉の身の安全を確保するためだった。

 

 錠が開かれ、ヴァレンティーナは吐き気を催すほどの精臭が蔓延る地下牢へと入れられた。即座にオークの手が彼女の五体を撫で回し、まるで挨拶のように全員が肉竿から悪臭のする精液を吐き出した。

 

 本能で雌を犯すオークだが、女を陵辱する際には協調性さえ見せる。

 

 一匹が彼女の下で寝そべり、なんの躊躇いもなく陰茎を突き刺すと、遅れて尻肉を分け入って肛門をも肉竿が貫く。

 

「ごほっ!」

 

 悲鳴を上げる隙もなく、ただ肺腑から声を上げた彼女の口を、即座に三本目が塞いだ。

 

 彼女の小さい手はこの時点で拘束されていて、それぞれ一本ずつペニスを扱かされている。

 

 代わる代わるオークたちはヴァレンティーナの体を犯し続け、それは二昼夜にも続いた。

 

 多少は薄くなった精液を、必死になって飲み干すと、聞いてくれることなどないと知りながらも、反射的に彼女は声を漏らした。

 

「もう……許して……いや……」

 

 哀願と涙がオークの劣情を催したのか、それとも本能の赴くままか。

 

【挿絵表示】

 

 頭を掴まれ幾度目か数えるのも馬鹿らしい。またも喉を犯され、彼女の口は塞がれた。

 

 




プレートアーマーって入れるとお盆が出てくる。ネガティブ入れても。
どうしても鎧を銀に塗りたがるAIとのバトル。

パラメータで分かる! 現在の状況

【遠征中】
アウレリア→ガロッゾ城塞
カサンドラ→廃霊城(魔導森林領主)
フリーダ→鍛冶場(冒険者組合所属)
ヴァレンティーナ→剣姫城(剣姫庭園領主)
レオナ→北防城

【地底唾王城総戦力】
フェルター  戦術128→153(ヴァレンティーナ) 
E唾王槌
E唾王鎧

※フェルターの戦術レベルは奴隷の半分が加算される
※ただし、地底唾王城以外では相手の戦術レベルに合わせてレベル制限される

特殊オプション:
毒合成レベル6
魔術工房レベル74(65)
※魔術工房レベルは戦術レベルと同等まで上げられる
※現在戦術レベル不足で工房レベル上限中

調教道具:
オーク2匹
奴隷傭兵50人
娼館(セラニアが娼館主。領地誓約発動可能)
自動張型

保護中:
村娘9人→給仕隊
ティナ→給仕隊
イヌ1人→ゴブリン巣穴から救出・治療中

調教中:
修道女ルクレティア

設備:
地下牢
作戦会議室
魔術工房×4(セラニア、ロザリンド、ヴェレディア、アルガナ分)
機動教会(ルクレティア)

鉱山→カーラ。鉱婦20。必要な金属・宝石類の獲得
農地
領海→マリーナ。漁師20。新鮮な魚をお届け。売れる。ご飯レベルアップ。
山林
現在指揮者(農夫、木樵不在で資源活用不可)

【保有奴隷】
傭兵リヴィス    戦術10 
騎士アウレリア   戦術20 
剣士レビア     戦術10 諜報2
魔術師ロザリンド  戦術9  諜報5  工房20
暗殺者リドベダ   戦術8  諜報8  特技:特殊毒
槍騎士ヴァスカ   戦術11
誓約士セラニア   戦術11 工房20 特技:領地誓約
街盗賊ジリ     戦術7  諜報15 特技:ピッキング
魔導妃カサンドラ  戦術20 工房20
魔導姫ヴェレディア 戦術18 工房20
淫魔アルガナ    戦術40 工房20 特技:亜人魅了
漁師マリーナ    戦術6  漁師20
修道女ルクレティア(調教中) 戦術15 特技:機動教会、暴力結界
山賊カリスタ    戦術10
鉱婦カーラ     戦術5 鉱婦20
鍛冶師フリーダ   戦術18 鍛冶40 特技:武具鋳造、武具修理、張型開発
軽騎士ステラ    戦術16
新米騎士シルビア  戦術6
重騎士レオナ    戦術20 芦竜号 鋼壁鎧
剣姫ヴァレンティーナ戦術50 魔剣グラムフェムト
※戦術レベルは単純な戦闘力ではなく、完全な指揮でベストの戦果を発揮したらそうなるという塩梅

【領土】
魔導森林グラヴィカ
剣姫庭園ゴロッザ

【大目標】
雅典戦国アテナイ→アテナ討伐
降魔呪国ナウプリア→ヘラ討伐
他国→橋頭堡確保

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