四つん這いになり、リラは指先で膣口を押し広げ、フェルターの抽送をねだった。
口角が上がったのは、何も亀頭が押し当てられたからではなかった。求婚を受け、秘めた思いが発露する。だからこそ、フェルターから顔を隠し、性楽に溺れようと願った。
膣壁を押し広げ、逸物がリラの膣内に侵入してくる。粘膜同士が擦れあい、互いの分泌液が混じり合う。
「硬いっ……もっと激しく、動いて……っ」
腰を淫らに前後させながら、熱い吐息とともに願望を吐き出した。腰にフェルターの手が触れる。ごつごつとした掌の感触が愛おしい。フェルターがリラの腰を引き寄せる。子種を搾りとろうと蜜壺が無意識に締まった。
リラがフェルターの求愛に応えられない理由はひとつではなかった。
彼女が壊したかったものは、七女神に支配された世界だけではなかった。
旅に出るなんていうのは嘘だ。フェルターが望みを叶え、この世界を七女神から解放した暁には、リラは死ぬ。そう決めている。
自分自身さえも壊したかった。雄を誘惑してしまう己の肢体が憎かった。幼少期から彼女の半生を苛んだ苦悶を思うと、生半可なことでは彼女は死ねないらしい。
だが、当てはある。
多数のギフトホルダーを配下にした影響で、地底唾王城とその領地は拡張を続けている。活火山が領地に発生したのをカーラから報告を受けている。噴火口に身を沈めれば、流石に無駄に頑丈なこの身に死を与えられるだろう。
焼ける痛みには慣れている。一瞬で骨まで溶かし尽くされるのなら、苦しみは一瞬だ。
リラが生きるのは、フェルターが七女神を倒すまで。女神の打倒など夢物語であったが、アテナを奴隷化した以上、残る女神も必ずや撃破できる。
ならば、リラの死はそれほど遠い未来ではない。現世からの解放は、必然的にフェルターとの蜜月との別離を意味する。あと、どれくらいこうして交われるのか。刻限が定められたことで、一度の交わりがより大事だと感じられる。
熱い液が役立たずの子宮に注がれる。締まる膣に連動するように、口がだらしなく開いた。目の前の床に唾液がしたたり落ちる。この子種からは性楽しか得られない。受け止める機能がリラにはない。
長い性奴隷としての生活の中、リラは一度として孕むことはなかった。それ自体は別段、気にかけるようなものでもない。外道どもの子など宿したくはなかった。理由も推察できる。成長しきっていない体で、あれだけの行為をされ続ければ、機能不全になるのは当然とも思えた。
だが、今は違った。
彼女にはフェルターの子を宿す権利がない。
命は紡がれていく。たとえ、どうしようもなく腐った世界であっても、そうして世界は回ってきた。七女神が消えれば、新たな秩序が世界を覆う。その命の順転に、彼女は関われない。
ならば、フェルターの妃は他の誰かがなった方がいい。
悔しさはある。悲しみもある。だが、そんなものは彼から求められただけで満足して消えた。
顔を背けたままで、リラはフェルターに手を伸ばした。幾度となく交わった。言葉はいらない。リラの挙措で、フェルターは彼女の求めを読み取る。
腰を掴むフェルターの手に力がこもる。女神を倒した力。容易くリラの体をねじ切れる膂力が、まるで精緻な細工でも掴むような繊細な力加減で振るわれる。
後ろから抱きしめられる。陶酔が胸を焼いた。両手を挙げて、フェルターの太い首回りにかける。言葉は要らない。フェルターがリラを支え、体の重みが失せた。腰を上げて、膣口から陰茎が引き抜く。
「んっ……」
という声で、フェルターの判断を褒めた。尻の谷間に硬い肉竿が振れる。二度三度、腰を動かし、陰茎に刺激を加える。尿道口に残った精液を洗い流し、先走り汁が尻を濡らす。
体を上げ、肛門に陰茎を押しあてる。括約から力が抜け、肛門が亀頭を呑み込んでいく。能動的にリラは腰を動かす。苦しげにフェルターが呻いた。知らない。そんな声は聞こえない。
自らの嬌声でフェルターの声を掻き消して、リラは子種を搾り取る。
フェルターの両手に自分の両手を重ねる。手の甲も硬い。陰茎を扱くしか能のないリラの掌とは違う。戦う男の手だった。フェルターからすれば弱々しいにも程があるだろうが、彼女は全力で掴む。そして、自らの乳房に導く。
硬質な掌がリラの乳房を包み込んだ。上から力を込めると、反応してフェルターが愛撫を始める。かさついた手が、硬くなった乳首を刺激する。全身を犯され続けた頃とは全く違う。肛門で咥え込み、乳房を愛撫される。それだけで、口からも膣からも淫蕩に汁が溢れ続ける。感じているのは胸の表層だけではなく、内側も熱を帯びていた。
長い奴隷生活の中、自分から腰を振ってやった覚えはない。
首を捻り、背後のフェルターと目線を合わせる。今、彼を犯しているのは自分だとリラは自覚する。苦しげに喘ぐフェルターの呼吸に、リラの唇から漏れた吐息が混じる。
――引き裂いても、いいのに。
そんな気持ちがリラの胸に浮かぶ。
女神を打ち倒したその力なら、リラの体を破壊することなど容易だろう。命は既にフェルターに捧げている。だから、これ以上彼に与えられるのは心だけだ。
――愛してる。
言葉に出してはいけないと知るから、彼女は胸の内で思いを吐露した。
だからこそ、フェルターへの怒りが沸く。首を伸ばして唇を重ねる。舌を入れ込み、彼の口内を侵食した。寝そべろ、と舌で命じる。フェルターは彼女を抱えたままで、廊下に仰向けになった。
激しく腰を動かし、射精へと導く。腸壁が蠕動を感じた。腰を落として尻肉を彼の腰部に押しあてる。互いの粘膜は激しい熱を帯び、まるで性器がぐちゃぐちゃにとろけているような感触だ。
そのまま、熱い汁が注がれるのをリラは待つ。
特濃の汁が発射され、彼女は肛門で飲み干した。
一滴も漏らさないよう、活躍に力を込めて腰を上げる。それは敏感な肉竿に更なる刺激をもたらしたはずだった。肛門を抜け落ちた陰茎は力強く彼の腹筋を叩く。
後ろ手で陰茎を掴み、膣口へと持って行く。
力を抜いて腰を落とすと、肉竿が膣壁を押し広げ、子宮口にぶち当たる。深い吐息がリラの口から溢れた。振り返り彼の顔を見ながら、杭打つようにして腰を動かす。
求婚した以上、フェルターはリラへの愛情があるのは間違いない。それはリラも認めている。だが、純度が足りない。愛情の中に、憐憫や同情が含まれているのが彼女には分かった。
それがどうしようもなく苛立たしい。
自分の中には彼への愛情しかない。千年に及ぶ、フェルターのブタの王としての彷徨。それを哀れむなどあり得ない。彼の千年がなければ、リラはフェルターと会っていないのだ。
半生をリラは犯され続けた。それも、彼との出会いへの必然であったのだ。
己の半生を呪いはしている。だが、フェルターに憐憫されたくはなかった。
身勝手だ。そんなことは彼女自身が一番分かっていた。
仮に本能のままにフェルターがリラを犯し殺せば、リラは満足してもフェルターが苦しむだろう。ならいつか、彼の前から姿を消すしかない。ただ、彼をひとりにするのも躊躇われた。
給仕隊がその役割を担ってくれることを願う。
内心での葛藤が、性楽に塗り潰される。絶頂への予感ととともに、肉竿の震えを感じとる。
「あ……はっ」
声をあげながら、二度、三度と激しく音を立ててリラは責め立てた。強く膣肉を締め、勢いよく子宮口に亀頭をぶつける。熱い液が子宮に注ぎ、それを最後の一押しとして、リラは背を弓なりに伸ばした。恥じる必要がない絶頂を、彼に見せつける。
繋がったままで彼女は背をフェルターの胸板に預けた。知らず呼吸が重なっていたことに気付き、自嘲気味にリラは笑みを漏らした。
「……まん……ぞく、しました」
嘘だ。満たされることなどあり得ない。こうして交われるのには際限がある。なら、残り全ての時間を彼と交わったとしても足りないのだ。
それでも、彼女は服を着直してフェルターと別れた。
そうしないと涙を見せてしまいそうだった。
地底唾王城の廊下を進む。彼が足を踏み入れることのない、蔵書の置かれた区画に辿り着くと、リラは膝から崩れ落ちた。
「愛してる」
口に出さないと、自分ととともに思いまで世界から消えてしまいそうで嫌だった。
「知っておるよ」
涙と感情が、その声に引っ込む。顔を上げると褐色の裸体がリラを見下ろしていた。
虚空女神マリマノート。
そうだった。無人であることに安心していると、この女神が姿を見せるのだ。
眉根に力を込めて、リラはその琥珀色の瞳を睨み据えた。
「ご主人様に言えば、殺す」
仮にも女神だ。リラの言葉が脅迫になるはずがない。だから、これはリラの宣言でしかなかった。
「秘めた思いを告げるなど野暮はすまい」
泰然とした瞳でマリマノートはリラを見やるだけだ。腹が立つが、かといってどのような眼差しであれば許容できるかは、リラ自身にも分からない。
「七女神を倒した後、そなたは姿を消す――か。それがそなたの望みか?」
疎ましく思いながらも、視線を逸らしたままで首肯だけをした。
その時には、涙を見せず精一杯の笑顔で別れるのだ。あとはこの身を焼き尽くすだけだ。女神が消え、残った痰壺を破棄する。そうすれば今より良い世界になるだろう。世界なんてどうでも良かったが、そこで生きるフェルターやティナたちを思えば、願うしかなかった。
「それは本当の望みであろうよ。だが、時が来れば今一度、問おう。そなたの望みを」
目線を下げ、彼女と正対するようにしゃがみ込んだマリマノートがそう言った。
直前になって今更考えを改めると思うのか。睨み付け、リラは言下にマリマノートを否定した。
それ以上マリマノートは追求してくることもなく、現れたときと同じように忽然と消えた。
ひとり残されたリラは、自室に戻ろうと歩みだし、それから考えを変えて踵を返す。向かうのはこの地底唾王城で唯一、まだ奴隷になっていないギフトホルダーがいる場所だ。
機動教会。唾王城近くに置かれた、所有者の魔力で任意に動かせる建物である。
中に入ると、怯えたルクレティアの眼差しがリラを出迎えた。意地の悪い笑みがリラの口端に浮かぶ。また自分を犯しにフェルターがやって来たと思っているのだろう。
流転教会所属の修道女であるルクレティアが、他のギフトホルダーと違い奴隷宣言をしていないのは、ルクレティアが強靱だからではない。フェルターの責めが手緩いのだ。
理由はリラには分かっていた。大なり小なり、ギフトホルダーは他者を踏みつけにして生きている。だからフェルターは奴隷型と異なり容赦なく責められる。しかし、流転教会の教義は慈愛に満ちている。ルクレティア当人からも血の臭いが感じない。おそらく、人を殺した経験がないのだ。
「リラさん……ですか」
安堵の息をルクレティアが漏らす。いつか、リラは彼女に告げた。自分が調教をすれば一晩で奴隷として屈させる――と。その言葉に虚栄は微塵もない。だが、ルクレティアはそう思っていないらしい。
偽りの言葉を信じ、真なる言を聞き流す流転教会らしいとさえリラは思った。
これ見よがしに鍵を見せつける。地下牢。ブタ部屋の鍵だ。ルクレティアが目を細め、口元を引き結ぶ。その表情に満足し、リラは笑顔を浮かべた。
「私がルクレティア様をブタ部屋に入れるなんて真似はしませんよ。必要だと思ったので、置いておきますが」
意図を判じかねたのか、ルクレティアはさらに眉根をひそめる。リラは構わずに歩を進めた。向かう先は礼拝堂の奥、佇立した偶像の近くに置かれた、人が入れる木製の箱室である。
「ここで懺悔を聞いてくれるのですよね?」
「……はい。懺悔したいことがあるのなら、私が神に代わって聞き届けます」
強張った表情を緩め、ルクレティアは祈るように両手の指先を絡めた。
先にリラが懺悔室に入った。外の照明が遮られ、箱室の中は暗い。ルクレティアが正面側に入ったのも気配で辛うじて分かる程度だ。
「ルクレティア様。確か――流転教会には記憶を覗く魔術がありましたよね?」
息を呑む音がした。何故知っているのか、ルクレティアは訝しんでいる。フェルターから聞いたわけではない。昔からリラは知っていた。
「ええ。望まない相手にそれをかけることはありません。安心してください」
「いえ。懺悔をするなら、私の記憶を覗いていただいた方が分かりやすいと思いますので。私の告解にお付き合い願えますか?」
口角が上がるのをリラは抑えきれなかった。
「お望みなら」
彼女には既に魔女の首輪は付けられていない。奴隷が増えたとはいえ、治癒術の使い手はルクレティアくらいのものだ。教会内部はアルガナによる魔術の監視があるし、騎士型が交代で監視を続けている。もっとも、彼女は逃げる素振りさえ見せなかったが。
触心魔術。流転教会の魔術だ。罪を懺悔する際に、口答では虚偽が無自覚な虚偽が入るために使われるとされる。最低限の魔術耐性で防がれるため、戦闘には役に立たない。ギフトホルダーどころか銀貨で買える護符一枚で無効化できる。
「私が見えます。目を閉じ、告解したい罪の記憶を思い出してください」
闇の中からルクレティアが語りかける。リラは言われるがままに記憶を呼び起こした。嗜虐的な笑みを浮かべたままで。
「……がっ……ひっ!」
悲鳴を押し殺そうとして、ルクレティアは耐えられなかったらしい。自分がルクレティアを調教するならこれをする。そうリラが事前に考えていた手段だが、実行に移したのは腹いせの八つ当たりに過ぎない。
まだ乳房が今ほど実っていなかった頃。竈に頭を突っ込まれて、背後から犯されたときの記憶だ。もちろん、火は轟々と燃え盛っていた。己の顔が焼ける臭い。眼球から水分が蒸発する感覚。息苦しいなどとは一度も思わなかった。口を開けば火を呑み込むだけだ。
その男はそれが1番興奮するらしかった。だが、治療術に長けたその男とて、火傷を癒やすのは実に難しい。それどころか、男が果てるまでに大半の娘は息絶える。
自分の体が頑丈なのを、リラが呪った記憶のひとつだ。
荒い呼吸が聞こえてくる。リラの記憶に呑まれ、ルクレティアは呼吸が満足にできないらしかった。壊れないリラを買った男は、喜んで朝から晩まで愉しみ続けたが、そんなものをルクレティアに味わわせるつもりはない。リラは記憶から現在に意識を映し、静かにルクレティアが落ち着くのを待った。
「こ……れは……なんと、酷いことを……」
声が憐れみを帯びていた。一呼吸置いて、リラは怒りを飲み下した。
「奴隷を買う奴って、まあ大概お金持ちでしょう? 世間では聖人君子で通っている奴こそ、裏じゃあ変態さんなんですね。当たり前ですよね。まともな行為なら奥様にでもすればいい。奴隷としたいことなんて、大なり小なり変質的ですよ」
もっとも、その男は妻帯ができない職業に就いていた。
「何を……懺悔すると」
「いえ。赤子の頃に父親に犯されてから、ずっとこんな人生でしたよ」
一番辛かった記憶をルクレティアに見せたわけではない。
「私は、何の罪を犯したんですかね?」
まず、尋ねたかったのはそれだ。懺悔すべき記憶など、リラにはなかった。
ルクレティアは押し黙る。神の試練だなんだと世迷い言を言い募るつもりはなさそうだ。僅かに、そう説諭されるのを望んでいた自分に気付く。いくらでも反駁の余地はある。
「ご主人様は強きを犯しますが、私や給仕隊には可愛いものです。あの方には、尋常ではない性衝動が呪いとして与えられている。それでも必死に私たちには我慢してくれるんです。これが、私の救いでなくてなんでしょう?」
「だから、私に手伝えと……?」
「ええ。あなたの罪の禊ぎに」
「私の罪……?」
懺悔室で調教するとリラが決めたのはそのためだ。ルクレティアには罪がある。フェルターはそれを知らない。治癒と説諭で他者を癒やす人間だと思っている。だからこそ、彼は苛烈にルクレティアを責めれない。
「もう一度蝕心魔術をお使いください。いえ、あの記憶で苦しませようなんて考えません。確かにあなたのご協力があれば、ああいった調教もできますね。誤解しないでください。フェルター様はああいうの、ちょっと引いちゃうので。そうじゃなかったら、四肢をもがれたギフトホルダーの治療をお願いしてますよ」
リラの説明にルクレティアは少し沈黙で戸惑いを表明した。
「……わかりました」
魔術が再開される。リラは記憶の中に遡行した。頭が燃えたままのリラを竈から引っ張り出し、精液を火にぶちまけた後で、男はようやくリラに水をかけた。視界が狭まっているのは、睨み付けているからだ。
決して自らに屈服しないリラを、楽しげに見やるにやついた禿げ頭――。
「あ……」
きっと、驚愕に目を見開いたのだろう。顔を焼きながら女を犯し興奮する男の正体は、流転教会の前教皇だ。ルクレティアが知っているかはリラには判然としなかった。前教皇はリラで愉しみすぎて逝ったのだ。
「ご……ごめ……」
「いえ。謝る必要はありません。教皇の私生活なんて、あなたには関係ありませんよね?」
謝罪などさせるものか。リラはルクレティアの言葉を遮った。
「ルクレティア様の年齢を踏まえると、前教皇とはあまり縁がないと思いますし」
沈黙が帰ってくる。前教皇に飼われていたのが、まだリラが幼かった頃だと意味していた。
「あの教会では、戦災孤児をよく助けていたそうですね」
優しく聞こえるよう、声色を変えてリラは言った。
「……はい。痛ましい怪我を負う子も、多くいましたので」
「前教皇の私室にはね。私以外にも沢山、性奴隷がいたんです。みんな私ほど頑丈じゃなくて、死ぬ子が多かったんですが」
似た境遇の純粋な被害者だ。奴隷市場で見たようなギフトホルダーたちと違い、彼女たちのことをリラは案じ、死という救いが得られたことを尊んだ。
「たまにね。治療されて帰ってくる子がいたんです。あなたは……治療した子の処遇を全て把握していましたか?」
だから、治術士は嫌いだ。何故了承もなく助けるのか。リラの知る限り、あれほどの損傷を治療しきれるのはギフトホルダーに限られる。
「あ……そんな、まさか……」
何か、思い当たることでもあったのだろう。本当に彼女が、そういった娘を治療したことがあるのか、リラには確証があるはずはなかった。
だが、こんな腐った世界で生き延びさせてなんの意味があるのか。
続く言葉を考えていると、絶叫が響きわたった。祀る神の価値は失墜した。もはや、許しを祈る権利さえルクレティアにはない。信じたもの全てが偽りだったと知らされる。
両手を伸ばし、リラは暗闇の中でルクレティアの手を握った。そして、その手にブタ部屋の鍵を握り込ませる。
「私があなたの罪を許してあげましょうか?」
それは嘘だ。リラにルクレティアを許すことはできない。許せないのではなく、リラとルクレティアには関係がない。ルクレティアが治療し、再び苦しませた相手はリラではないのだ。
神などという虚偽を信じる奴には、そう告げてやるのが一番だと考えただけである。
翌日。
朝早くブタ部屋をリラは訪れた。
地下牢の中、ひたすらに許しを乞いながら、ルクレティアはブタたちに前後の穴を塞がれ、口と手で絞り出した精液で、全身を汚されていた。
「ふうふぃへ……」
虚ろな目でルクレティアは逸物を頬張る口で言った。そんな彼女を見ながら、リラには何の達成感もなかった。
騎士型の奴隷たちを動員し、ルクレティアをブタ部屋から出す。ルクレティアは呆然とした顔をしていたが、足取りはしっかりとしていた。玉座の間でフェルターに会い、そのまま奴隷宣言をした。
フェルターにはリラの手によるものと知れただろう。八つ当たりで見当違いな復讐に過ぎない。フェルターは治術士を他のギフトホルダーと同じだと思っていないのは、ルクレティアへの処遇からも明らかだった。
何か咎めがあるのかと思ったが、フェルターは特にリラを責めはしなかった。
罰を与える価値がないと、見捨てられたのかもしれない。フェルターの威を借りて、女神やギフトホルダーと同じように力を振るったと思われたのかもしれない。
自嘲が口角を上げさせた。
構わない。七女神をフェルターが討伐した暁には、自分は彼の前から消えるのだ。
その時は、彼が二度と自分のような痰壺を思い返さぬよう、満開の笑顔で別れるとリラは決意した。
【挿絵表示】
パラメータで分かる! 現在の状況
【遠征中】
アウレリア→ガロッゾ城塞
カサンドラ→廃霊城(魔導森林領主)
フリーダ→鍛冶場(冒険者組合所属)
ヴァレンティーナ→剣姫城(剣姫庭園領主)
アテナ→太平翠野アテナイ(雅典戦国女神)
レオナ→北防城
カスミ→忍者の里
ナギサ→忍者の里
【地底唾王城総戦力】
フェルター 戦術368→468(アテナ)
E唾王槌
E唾王鎧
E麻痺剣
※フェルターの戦術レベルは奴隷の半分が加算される
※ただし、地底唾王城以外では相手の戦術レベルに合わせてレベル制限される
特殊オプション:
毒合成レベル6
魔術工房レベル120
※魔術工房レベルは戦術レベルと同等まで上げられる
調教道具:
オーク5匹
奴隷傭兵50人
娼館(セラニアが娼館主。領地誓約発動可能)
自動張型(フリーダが供給)
インキュバスの館(各地に点在。拘束宙吊りが可能)
保護中:
村娘9人→給仕隊
村娘ティナ→給仕隊
未亡人ヨダ→給仕隊
治療中奴隷型1名(カスミ編でインキュバスが買った分)
治療中 ギフトホルダー3名(エキドナ編で回収した分)
調教中:
設備:
地下牢
作戦会議室
図書室
調理場
魔術工房×4(セラニア、ロザリンド、ヴェレディア、アルガナ分)
機動教会(ルクレティア)
鉱山→カーラ。鉱婦20。必要な金属・宝石類の獲得
農地
領海→マリーナ。漁師20。新鮮な魚をお届け。売れる。ご飯レベルアップ。
山林
現在農夫、木樵不在で資源活用不可)
【保有奴隷】
傭兵リヴィス 戦術10
騎士アウレリア 戦術20
剣士レビア 戦術10 諜報2
魔術師ロザリンド 戦術9 諜報5 工房20
暗殺者リドベダ 戦術8 諜報8 特技:特殊毒
槍騎士ヴァスカ 戦術11
誓約士セラニア 戦術11 工房20 特技:領地誓約
街盗賊ジリ 戦術7 諜報15 特技:ピッキング
魔導妃カサンドラ 戦術20 工房20
魔導姫ヴェレディア 戦術18 工房20
淫魔アルガナ 戦術40 工房20 特技:亜人魅了
漁師マリーナ 戦術6 漁師20
修道女ルクレティア 戦術15 特技:機動教会、暴力結界
山賊カリスタ 戦術10
鉱婦カーラ 戦術5 鉱婦20
鍛冶師フリーダ 戦術18 鍛冶40 特技:武具鋳造、武具修理、張型開発
軽騎士ステラ 戦術16
新米騎士シルビア 戦術6
重騎士レオナ 戦術20 芦竜号 鋼壁鎧
剣姫ヴァレンティーナ戦術50 魔剣グラムフェムト
下忍カスミ 戦術8 諜報20 忍法嫁水
亡領将トモエ 戦術18
戦乙女ヘルミーナ 戦術60 魔槍 英雄変性
召獣師アレグラ 戦術16 王狼 ハゲワシ 魔獣調教
弓将ヨイチ 戦術18
刀武人トオシ 戦術8
槍武人タダヨ 戦術8
追剥ゼヌゼ 戦術6 諜報10
修道騎士オリヴィア 戦術14 独裁領域
上忍ナギサ 戦術12 諜報30 魔眼
絡新婦アルケニー 戦術80
獣母エキドナ 戦術82 魔獣招聘
蛇眼メドゥーサ 戦術100 石化の魔眼 蛇
戦争女神アテナ 戦術200 必殺の槍 ギフト消失の盾 アレス 世戒
※戦術レベルは単純な戦闘力ではなく、完全な指揮でベストの戦果を発揮したらそうなるという塩梅
【領土】
魔導森林グラヴィカ
剣姫庭園ゴロッザ
英霊楽土ヴァリアーザ
糸縛渓谷ラーニェア
獣母辺獄カリエーカ
無名孤島ケアノス
太平翠野アテナイ
【目的】
降魔呪国ナウプリア→ヘラ討伐
他国→橋頭堡確保目標
忍者の里→下忍カスミ上忍ナギサを奴隷化