荒くれたちの声が酒場を埋め尽くしている。彼らの腰には一様に、ホルスターに入った銃があった。保安官だろうが無法者だろうが、この地では誰もが銃を持つ。持たなければ死ぬだけだからだ。
鉛弾荒野ニュメト。
渇いた風が吹きすさび、赤茶けた地面がどこまでも続く地だ。こういった酒場のある宿場町が、領土中に無数点在している。
酒場の喧噪は愚痴や悪罵が大半を占めていた。
「クソっ、いつまであの牛女に好き勝手させてんだよっ」
がん、と木製のジョッキがテーブルに叩きつけた音が響く。すぐに周囲から同意を示す声が轟いた。彼らの怒りの矛先はひとりのギフトホルダーである。
彼らは無法者だ。とはいえ、彼らには彼らなりの掟があり、それによって調和が保たれていた。
それを外部から訪れたギフトホルダーひとりに壊されればたまったものではなかろう。
「……おいっ」
入り口の方から警句が響いた。もはや遅い。ウエスタンドアには防音性は皆無だった。腰丈の扉の奥にはテンガロンハットが見えている。
「はあい。クソッたれの荒くれちゃんたち」
扉を勢いよく開け、はち切れそうな乳房を豪快に揺らしながら、噂の女は現れた。
牛女──と呼ばれるのも当然と言えた。
銃手ヘレナ・ウィンチェスター。
まず彼女を目にした者が目を奪われるのは、一点だ。丈が短い革の外套から、申し訳程度に黒い胸当てを添えた胸部である。牛を連想する者がいるのも当然だった。
短めの金髪に載るのはテンガロンハット。撃たれることなど微塵も考えていないのか、インディゴで染められた繊維は腰元しか覆われていない。無法者と同じく、腰には革のホルスターが備えられ、黒光りした銃が収まっている。陽光を反射する太ももの輝きに目を奪われなければ、その銃が丁寧に整備されているのも分かるだろう。
「ちっ……、何しにきやがった……」
酒場の薄暗がりの中、誰かが呻くように言った。ヘレナは眼差しを鋭くし、口端を持ち上げる。
「喉が渇いただけよ。マスター、ミルク。ジョッキでね」
そう言いながら、彼女は蠱惑的な肉感を誇示するように、体を左右に揺らしながらカウンターへ向かった。店主は嘆息だけを返し、彼女の前に木製のジョッキを置く。
一息にそれを飲み干すと、ヘレナは振り返った。舌を出して、唇に残ったミルクの残滓を舐めとる。生唾を飲み込む音がいくつも聞こえた。
男たちの怒りとそれに匹敵する欲情を、ヘレナは肌で感じとる。相反する感情で股間を硬くしている男が複数いた。嗜虐の歓びで目を細め、彼女は男たちに視線を巡らせた。
「
明確な挑発だった。
彼女が敷いたルールは、たったひとつ。あらゆる稼ぎの三割を彼女に納めること。
ヘレナは一介のギフトホルダーであり、当然ながら領主とは無関係だ。また、鉛弾荒野に住まう無法者たちが税を課せられることはない。この地には金脈が無数にあり、領土を運営にするには十分過ぎた。鉱夫としての生活を嫌い、銃の腕を頼みに自由を謳歌する無頼の徒たちにとって、ヘレナという存在が疎ましいのは当たり前だった。
男の内、ひとりが動いた。手をホルスターに向け、僅かに動かしたのをヘレナは見逃さなかった。その手が銃にたどり着く前に、銃声が響く。
「がぁっ!」
正確に手を打ち抜かれた男は短い悲鳴を上げ、机に突っ伏した。引き金に指をかけたまま銃を回し、顔の前で銃身を立てた。
遅れて硝煙がヘレナの鼻腔に香った。眼差しが照準ではなく、視界にすり替わる。
ヘレナにとって、銃は手足の延長などという領域に留まらない。時折、銃こそが自分で、ヘレナという女の肉体がその付属物なのではないかと錯覚する。敵意を向けられたら、相手が銃に手を伸ばしたら、その瞬間、意識という夾雑物は役割を失い、気付けば発砲を終えている。
「あら、残念。もう少し、早く撃てるように頑張って」
片目を閉じ、銃口に唇を寄せてから、白煙を吹き飛ばす。
「あたしに早撃ちで勝てたら、何でも言うこと聞いてあげる」
銃を回しホルスターに戻しながら、体を大仰に身を捩る。張りのある胸が大きく揺れた。男たちの視線が谷間に突き刺さる。
「性格はクソの極みだが……相変わらず体だけはすげえな……」
ぼそぼそと悪罵と賞賛を無法者のひとりが漏らす。
「気に入った男を食ってるって話だぜ……」
ヘレナに聞こえているのは分かっているだろう。いつものことだ。ヘレナは赤い舌で唇を舐めとり、囁きに応じる。
――もう少し、かな。
ヘレナは内心で舌を出した。
無法者から徴収した金銭は、ヘレナの本当の目的ではない。
彼女の目標は寄り集めた無法者たちをまとめ上げ、他国に傭兵として派遣し、利益を得ることだ。いくつかの国を巡ったヘレナの経験からすると、銃の扱いに慣れた無法者たちは、戦術的な価値がある。
銃は鉛弾荒野のある機構技国が製造を得意とする兵器だ。中部では銃を含めた兵器の開発競争が行われており、南部はその実験場のような扱いだ。
引き金を引けばそれだけで相手を殺せる武器が銃だ。とはいえ、練度や整備技術の差は存在する。他国の奴隷傭兵が粗悪な銃を持ったとしても、鉛弾荒野の無法者たちの相手ではない。無論、弾切れや人数差があるので絶対的ではないが、それは扱う側の器量の問題だろう。
傭兵は使い捨てで金に換えられればそれでいい。
傭兵派遣が上手く行けば、その中で生き延びる優秀な兵も出てくるだろう。大陸西部――雅典戦国ならば騎士位を与えられるような凄腕だ。
命令を遵守し、それでいて自律的な判断が可能な男の兵士は高い利用価値がある。この鉛弾荒野でも保安官に抜擢されるだろうし、工作員は引く手数多だ。そうなれば、誓約などで彼らは仮初めの主に縛られることになるだろう。
だが誓約は所詮、当人の感情までは操れない。皮算用ではあるものの、上手くいけば領主を殺し、その座を奪うこともあり得るだろう。
ヘレナはだからこそ、自覚的に美貌を誇示する。お気に入りは寵愛すると噂を流したのも彼女自身だ。
――まあ、ここはハズレね。
銃の腕前も見栄えも優れた者がいない。ヘレナは顔には出さずに消沈した。まだ今日中にいくつかの宿場を回る予定だ。とっとと金を回収して立ち去ろう。そう彼女が考えたときだった。
「早撃ち勝負ってのは、先に当てりゃ終わりなのかい?」
酒場の奥から声がした。暗がりに身を潜めていたらしい。目を引くほどの大柄な男だった。その目には歴とした自信の光が宿り、傲然とした表情を浮かべている。
疑問の意味が飲み込めず、しばしヘレナは逡巡した。
だが、意味に至る。
「ああそういうこと。体のどこに当てても意味があるってわけじゃないわ。あたしは加減して銃を持った手を撃ってるってだけ。そんなことも知らないの?」
尋ねはしたものの、ヘレナは観察を終えていた。男のホルスターは新品同様。つまり、無法者生活を始めて日が浅い。
握りの形状から、銃はグラム社――それもレッドスピンの二型のようだ。最新鋭ではないが、安定した人気を誇る名銃である。信頼性においては、ヘレナの愛用する同じくグラム社のグリードドッグ四式に勝る。が、ヘレナの知る限り、名うてのガンマンにレッドスピンを使う奴はいない。撃ち手を選ばない代わりに、優れた撃ち手から選ばれない。それがレッドスピンシリーズだ。
「なら、挑戦してみるか」
男はにやりと自信たっぷりな笑みを浮かべた。先ほどのヘレナの早撃ちをろくに見ていなかったのだろう。
「いいわよ。開始の合図はなし。あんたが銃に手をかけようとしたら撃つ。右手に注意なさいね。右手を動かしたらそれで終わりだから」
銃、それも早撃ち勝負では体格など些かも優位には働かない。それが分かっていない新入りは早い段階で間引くに限る。
男が右手を動かした。銃声が響く。遅すぎる。男の手は自分のベルトさえ跨げていない。癖で銃を指先で回しながら、侮蔑の表情を浮かべたときだった。
巨躯が彼女に真っ直ぐと迫ってきた。嘆息を挟んでから、二度目、三度目の銃声を響かせる。狙いは脳天と心臓。過たず肉が弾け、酒場の床を赤黒い血が濡らす。
手を撃たれ、破れかぶれの突進をしてくる男もヘレナは幾度も見てきた。その手が彼女に届く遙か前に、二発の銃弾で完全に絶命させる。
が。男が止まらない。残る三発を撃ちきり、呼吸の間に六発を装填する。焦りは脳内に押し止め、指先に震えは連動しない。
再び銃口を向ける。照準に迷う。既に撃ったのは五発。右手。脳天。心臓。左膝に右大腿。そして、左肩。なのに男はまだこちらへ向かって駆けている。
ヘレナの敗因はここだった。装填したところで、弾つ場所がわからなければ意味がない。盗賊型の速度を活かし、酒場から出て愛馬に跨がるべきだった。
迷っている間に、男が手の届く範囲にまでたどり着く。脳天に六発、発砲音がひとつに連なるほどの速射を見舞う。
直後、両肩を強い力で押さえられた。硝薬の煙を通してにやけたままの男の顔が見える。ようやく、そこでヘレナの背筋を寒気が襲う。
「なっ……!」
男の手が革のジャケットを破り、胸当てを引きちぎる。反動で豊かな乳房が跳ね、薄らと痛みが奔った。弾丸はジャケットに入っており、愛銃は殺傷能力を喪失している。
彼女は銃を握りしめた。銃だけが彼女が頼れる暴力であり、自分を守る力だと本能が告げているかのようだった。
男はヘレナの手から銃を奪い取るような真似はせず、続けて彼女のインディゴ染めの履き物を下履きごとむしり破った。髪と同じ金色の恥毛が、酒場の薄暗い照明に晒される。
不意に重力が失せた。男に体を持ち上げられたと気付く。彼女は手近なテーブルに運ばれ、テーブルの上に背中を預けさせられた。支えを失った胸元が、ヘレナの意志を無視し誘うように淫らに揺れる。
まるで現実感がない。悪夢を見ているようだ。彼女の撃った弾丸は、全て正確に男の体に当たった。なのに、男は生きている。
男が銃を額に当てた。冷たく硬い感触が、ヘレナに死を予期させた。それが、ヘレナに安堵を与える。
早撃ち勝負において、ギフトホルダーには危険がひとつある。脳ならともかくとして、心臓などの臓器は銃弾では完全に破壊されない。治療術師の手を借りれば簡単に傷が癒えてしまう。銃を手放し、無力なただの女となったままで。
そうなればどのような蛮行が尽くされるか、想像するまでもない。ならば、脳天を打ち抜かれ、死ぬのは僥倖かもしれなかった。
だが、死の確信がヘレナに激しい怯えを与えた。死ねば無となる。多少の屈辱は甘んじて受け入れる。心より先に体が動いていた。
甘えるような蕩けた目つきになり、彼女は舌を出した。男が楽しげに笑い、銃口を唇に寄せる。震えた唇で銃口を咥え込む。大気が乾いているせいで、銃に唇が張り付く。唾液で潤し、艶冶に舐める。
「早撃ち勝負に決着をつけないとな」
男が開いた左手で彼女の豊満な乳房を荒々しく揉みしだいた。性感はない。痛みすら感じる愛撫だったが、ヘレナは表情を歪めはせずにむしろ恍惚を演じた。
「痛いのは……嫌よ?」
銃口から口を離し、色を帯びた息をヘレナは吐いた。体を打ち抜いた経験はあるが、撃たれたことはない。激痛に喘ぐのは男たちの領分で、自分には無関係だとヘレナは考えていた。
「なら、望み通りに決着をつけてやるか」
男はテーブルに寝そべった彼女に覆い被さり、下履きから逸物を取り出した。無意識にヘレナは目を見開く。知識としては知っていたが、実際に見る肉竿は黒々としていて禍々しく見えた。太さも長さも先ほどまで舐めていた銃身より遥かに大きい。
「な……にを」
彼女の問いともつかない呻きに答えることもなく、男はテーブルに銃を置いた。好機だと思い力を込めたがビクともしない。ただヘレナに反抗の意思があると男に伝わっただけだった。
男はそんな彼女に嗜虐的な笑みをかけるだけだ。尋常ではない再生能力だけでなく、膂力もギフトホルダーであるヘレナを上回っている。不利な体勢からでは押し返せるものではなかった。
両手で男が張りのあるヘレナの乳房を歪ませる。周囲で観覧している無法者たちが野卑な歓声をあげた。
ひとしきり乳房の柔らかさを確かめた後、男が彼女の上に跨がる。そして、あろうことかその肉棒を双丘の狭間に差し入れた。吹いたばかりの銃身に似た熱が谷間から感じられた。肉竿の先端はヘレナの豊かな乳房を貫き、赤黒い亀頭が彼女の顔に向けられている。
両の乳房が押し込まれ、肉棒に圧力を加えながら擦りつけられる。乾いた肌と粘膜の擦れは、やがて先走り汁により湿り気を加えられ、滑らかになっていく。淫らな音が徐々に速まっていくのに合わせ、雄の臭いが鼻腔を冒す。
谷間が肉竿の蠕動を感じた。視線を外せず、彼女は亀頭を注視する。ほとんど銃口と同等の威圧感を帯びたそれが、彼女の顔に狙いを定めていた。
「あ……いやっ」
何が起きるのかをヘレナは正確にはわかっていなかったが、体が勝手に恐怖を抱きそんな短い声をあげる。そのとき、視界が白く染め抜かれ、粘り気のある熱いものが顔に飛び散った。
「これで早撃ち勝負は俺の勝ちってわけだ」
青臭いのは精液の臭いであるらしかった。白い肌を白濁汁で汚され、ヘレナは呆然と男を見上げる。
「で……好きにしていいんだったな?」
男が太い指先でヘレナの顔を撫で、集められた粘液を口元にねじ込む。苦味にヘレナは顔をしかめるが、現時点では抵抗の余地はない。加え、周囲には他の荒くれもいる。
「……いいわ。けど、別の場所で……ね?」
品を作ってから舌を出し、自分から精液を舐めとった。ミルクと違い喉越しも甘さもまるでなかったが、美味しそうに嚥下する。
「いいや? たっぷりと艶姿を見せつけてやるとしよう」
男が上体を起こした瞬間、脇に置かれた男の銃を手に取った。即時、ヘレナは引き金を絞る。
が。
かちり、と撃鉄が落ちるのみだった。最初から弾丸は込められていなかったらしい。
「お? 約束を破るとはな? ひでえ女だ」
言葉とは裏腹に男は楽しげな笑みを浮かべるだけだった。男は彼女をテーブルに寝そべらせたままで、その両足を拡げさせた。こじ開けられた太ともから、膣口が照明に晒される。歓声が激しさを増すが、そんなことに意識を向ける余裕はなかった。咄嗟に体を起こしたヘレナは、自分の薄桃色をした割れ目を見てしまう。彼女の性器は死の恐怖を浴びたからか、それとも肉竿を眺めたからか。当人の意に反して潤い、剛直を受け入れる準備を終えていた。
「このままでも問題なさそうだが……味も楽しませてもらおうか」
男が彼女の股間に顔を埋める。鼻息が恥毛を揺らしたかと思うと、湿った粘体が彼女の膣口を這いずり、それから先端が侵入してきた。
思わず感じた怖気に、彼女は体を強張らせる。
「ひゅうっ。牛女の癖に敏感じゃねえか」
「ずいぶん綺麗なおまんこだな。もったいねえ使ってねえのか?」
歓声に混じり荒くれたちのそんな感想が聞こえてきた。顔を羞恥に染めて男たちを睨み据えたが、もはや彼女の眼差しに男たちを射竦める威圧はない。
「おいおい。何、早くも他の男に気をとられてんだ。まずは俺を満足させろや」
声が聞こえたときには、既に体を影が覆っていた。膣口に先ほどまで這いずっていた舌より、遥かに硬いものが添えられ――。
「ひがぁっ!」
衝撃と鈍痛に、彼女は背中を仰け反らせた。柔肉を押し退け、男根が一息に際奥まで侵入してくる。体が左右に引き裂かれたような錯覚がヘレナを襲った。
「くくっ。大層なこと言いやがって。未通女じゃねえか」
破瓜の血を舐めながら男が言った。
男が腰を引き抜くと、無理矢理にこじ開けられた膣肉が名残惜しむように締め付ける。焦点がさだらまらない視界は、薄ぼんやりと男の鍛え上げられた胸を眺める。
「ぁぁぁはっ……」
下腹部の圧迫感が消え、声が溢れた。頬に熱が生じる。肌が白いヘレナの顔は、桃色を通り超して赤みを纏っていた。
苦悶と恥辱に耐えようと目を閉じたのが誤りだった。視覚が失せれば、必然的に彼女の意識は開いた感覚に向く。犯される彼女を見ている荒くれたちの繰り言。深々と挿入された男性器と、自らの膣壁が生じる摩擦。酒場の空気が湿ったのを乳首が不思議と敏感に感じとる。
半ばほどまで抜かれた肉竿が、再びヘレナを深く貫く。
「あひぃっ!」
思いがけない動きに、ヘレナはそんな声を漏らした。口端から涎が垂れ、乳首を濡らした。不意の刺激を、乳首が性感として貪る。痒みにも似た疼きがあった。感度が高まった乳首を、太い二本の指が挟み込む。歯の根を合わせ、必死に堪える。何を耐えているのか、ヘレナには分からない。この感覚に身を委ねたとして、自分がどんな反応を示すかを彼女は知らなかった。
弄られている乳首に意識が集中する。再び肉竿が彼女の膣内を前後し、不意討ちの刺激に目を剥いた。安酒場の薄汚い天井が視界に映る。
男の左手が彼女のくびれを強く掴んだ。逃げ場を失ったヘレナに、男が腰を打ち付け、肌と肌が重なる乾いた音が鳴る。
曖昧ながらに男が自身の体をどのように弄んでいるか、ヘレナは悟った。意識をちょうど良く振り分けるのは難しかったが、責められているのは膣と片方の乳首だけだ。これ以上予期せぬ衝撃はない――そう考えたときだった。
「くぅぅ……はぁっ!」
予想外の刺激に再び声が溢れた。見ると男が乳首に顔を埋めている。どうやら歯で噛まれたようだった。体を支えていた両腕から力が抜け、テーブルの上に仰臥する。
男の影が消えた。頭上を仰いでも男の姿が見えない。もちろん、今もまだ剛直は彼女の膣内にあった。片足の膝裏が掴まれ、高く持ち上げられる。残る一方の手が、彼女の腰に添えられた。
男が腰の勢いを激しくした。淫水の混じる音に加え、肌の打ち合う音が狭まっていく。激しい振動が彼女の体を襲い、質量のある乳房が大きく揺れる。男の唾液で濡れた乳首が、酒場の乾き沈殿した大気と擦れて確かな疼きを加えてきた。
体の最奥から、何かの予兆が広がってくる。それは火薬の炸裂にも似ている。乳首や膣への摩擦で生じた疼きや気持ちよさとは異なるものだ。発してしまえば一切を吹き飛ばすだろうという確信だけがある。
「たまんねえ。俺たちにも回してくんねえかな」
「普通、初物奪われてあんなになるかね。ありゃ天性の淫乱だぜ」
「バカでけえ牛乳が跳ねてやがらあ」
無法者たちの語る声が聞こえる。抽送を繰り返される結合部に、彼らの視線が集中しているのが見ずともわかった。抽送の潤滑を担っているのが、自分の淫水なのはヘレナにも分かった。過剰に分泌された愛液がテーブルの上を塗らし、彼女の太ももや尻を濡らしている。
揺れる視界には天井しか映らない。爆発に向かい、性感は徐々に高まっていく。閾値を超えたとき、どのような感覚に至るのかは不可知だ。彼女の意識は恐怖を訴えているが、体の方はむしろ未知の感覚を望んでいるように思われた。
引き抜かれ、貫かれる。反復する動作の度に、未知の頂へ登っていく。達したときに味わう感覚はわからずとも、このままいけばあと何回で至るかは不思議とわかった。
およそ、二十回ほど、剛直が奥に押し込まれたとき、彼女はそこへ届く。やがて訪れるそれに、彼女は耐えようと意識的に防備を固めようとした。
「ひゃっ!」
瞬間。彼女の背中が跳ねた。膣の近くで小さな実が弾けるように、性感が破裂した。残った力を総動員して上体を起こし、ヘレナは男の親指が陰核を強く潰しているのを見た。
絶頂までの猶予が消える。その間にも打ち付ける腰は止まらない。膣内を前後し、肉壁をかき分ける陰茎が、幾度奥まで貫けば達するか。
次だ。
「ああああっ……来るぅぅっ!」
視界が眩い光に包まれる。ヘレナは体を弓なりに反らしていた。未知の刺激に耐えようと力を込めた両足は、男の体に巻き付き小刻みに痙攣している。
「あっ……ひっ……がっ……やっ……」
絶頂の余韻にある敏感な膣壁を、男の肉竿が容赦なく貫き擦過を与える。突き込まれれば声を喘がせるだけの木偶になったように、ヘレナは呆けた眼差しのままただされるがままだった。
膣壁を通し肉竿の震えが伝わる。快楽に呑まれかけていたヘレナだが、孕む恐怖で正気を取り戻す。
「膣内は……っ」
言い終える前に、ぐい、と深々と突き込まれ、精は放たれた。牝卵へと向かい、子種の群れが泳ぎ来る。無力なままで男たちの群れの中にあるヘレナ自身と同じ窮地だと言えた。
二度の射精を終えた男は、彼女の体を反転させうつ伏せにする。乳房が押し付けられ、尻肉が背後に回った男の前に示される。
獣じみた体位で、今度は背後から犯されるのか。半ば諦めとともにぼんやりとヘレナは考えた。
「……ああ、言い忘れてたな。俺の肉奴隷になるなら、多少は加減してやっても構わないぜ。周りの奴らにも聞こえるように、ちゃんと言えよ。フェルター様の肉奴隷になります、ってな」
後ろから覆い被さったフェルターに、ヘレナは耳打ちされた。屈辱的な要求に、ヘレナは歯噛みし睨み付けようとした。首だけを巡らせた位置に既にフェルターの姿はなかった。
肉付きの良い尻肉を、フェルターの手が感触を楽しむように弄ぶ。乳房に比べれば感度は薄く、愛撫されても愛液が滴るようなことはなかった。
尻肉を押し広げられ、肛門が露出する。第二の秘所だ。仮に夫や種馬を得たとしても、決して見せるはずのない箇所である。
それを衆人環視の元で晒され、心臓が焼けるほどの恥辱を感じた。
「さあて。こっちの締まりはどうかな?」
意味を解しきれなかった。困惑するヘレナに、状況もフェルターも躊躇はない。まだ余韻で湿った膣口に親指が差しこまれ、すぐに引き抜かれる。不満げに膣口が収縮した。己の淫乱さに恥じ入るような時間はなかった。
愛液で湿り気を帯びたフェルターの親指が、彼女の肛門に滑り込んできたからだ。
「な……あっ?」
きつく閉じた肛門を、親指でほぐし始める。肛門は誘うように指を咥え込み、直腸へと呑み込もうとした。親指は肛門の誘いに従わず、窄まる門肉を無理に引き剥がして前後する。出し、入れられるたびに膣とは違う悦楽が彼女を襲う。
フェルターのもう一方の親指が、膣口に再び入り込む。乾いた肛門をヘレナ自身の愛液で塗らし、滑りを良くしているようだった。
「なにを……なんの……?」
何をしている。
何のために。
おそらく、眺めている荒くれも理解した一幕を、当事者であるヘレナだけが唯一わかってはいなかった。
二本の親指が肛門に入り込む。尻肉を力任せに左右に割り、秘門が限界まで拡張される。尻肉を掴まれたままで、親指が引き抜かれる。乱暴に押し広げらた肛門に、見知った硬さのそれが触れた。最前まで彼女の膣内を埋め立てていた剛直なのは疑いようもなかった。
「やだぁっ!」
想像の埒外の蛮行に、たまらずヘレナは悲鳴を上げる。しかし、直後二度の射精を経ても硬さを維持した雄棒が彼女の肛門を抉った。
「か……はっ!」
下腹部が圧迫され、息が漏れた。愛液を分泌しない腸壁が、逸物の硬度と勢いだけでこじ開けられていく。腸壁と肉竿の摩擦は激しく、肛門内が削られるような感覚を受けヘレナは呻いた。
「が……ぎ……あが……っ!」
尻肉にフェルターの腰部が当たる。苦悶に喘ぐヘレナに忖度はなく、フェルターが腰を引いた。押し込まれた際とは逆しまの刺激が加わる。異物が侵入してくる恐怖とは異なり、逸物が引き抜かれていく過程には膣で感じたものとは異なる快感があった。
最後まで引き抜かれることはなく、再び押し込まれる。勢いが激しかったためか、尻肉をフェルターの腰部が打ち、乾いた音が酒場に鳴り響いた。
抽送の速度が際限なく増していく。だらしなく舌を出し、焦点の合わない瞳で虚空を眺めながら、ヘレナは肛門を犯されている。
淫水が滴る音が聞こえた。幻聴ではなかった。太ももを伝って愛液が床を汚す。穿たれている肛門に嫉妬するように、膣口は愛液を涎の如く垂らして、空漠を厭っていた。
まるで尻を叩いたような音が谺する。腸壁が迸りの前兆を悟った。直腸に精液が注がれても孕むことはない。しかし、ヘレナは本能的な恐怖で腰を動かし、必死に射精から逃れようと足掻く。
「淫らに腰振りやがって。そんなにケツに注がれたいんだな」
「ちがっ……わか、わかったからっ。奴隷になるから、フェルター様の奴隷になるからぁっ」
首を激しく振って、ヘレナは従属の意志を叫んだ。
「よし。なら俺の可愛い奴隷のために子種をくれてやるとしよう」
話が違う。そう口にする前に、熱い液体が腸内に放たれた。不随意に腸壁と肛門が硬く締まる。まるで一滴も残さないというような、浅ましい反応だった。
「ヘレナ。どうした? 感謝は言えないのか?」
射精したばかりでなおも硬い逸物で、腸壁を味わうようにゆっくりと腰を動かし、フェルターがヘレナに耳打ちする。
「精液……、腸内にくださってありがとう……ございますぅ」
ヘレナの意志を無視して、口が独りでに言葉を紡いだ。
「さあて。テメェのケツが吸い残したもんを、お口で掃除してもらおうか」
テーブルから下ろされ、床に膝立ちになったヘレナの鼻先に、亀頭が向けられた。体が言うことを利かない。勝手に口が開き、唇で亀頭を咥え、舌先でカリ裏を舐める。ひゅっ、と吸い込むと残った精液が口内に入った。丹念に舌と唇で肉竿を扱き、言われるがままに掃除させられる。
先走り汁や汗で乾いた空気に水の気が混じる。この地では珍しく蒸せた大気が、雄の臭いを濃くしていた。だが顔を背けるどころか、陰茎から口を離すこともできない。
唾液がいやらしい音を立て、彼女は口に膣や肛門の真似事をさせている。フェルターが彼女の金髪に手を添えた。まるで本当に所有物のようになった気にさせられ、不快感が募る。
どうやら、命令に逆らえない――いや、従うしかないのは間違いなさそうだ。意志に反して口淫を続けながら、ヘレナは思考した。
命令外のことには制限がない。今も、反抗的に睨むこともできている。理解した直後、彼女は恍惚の表情を意図して作り、仮初めの主人に媚びるような上目遣いをした。
フェルターがヘレナを自分のものだと独占してくれるのならいい。このまま拉致されたとしても、逃げる機会はきっとある。
だが、彼の機嫌を損ね、ここに置き去りにされたとしたら? 散々にいたぶってきたお返しとばかりに、荒くれたちは彼女の体に群がるに違いない。
そんな末路を避けるには、彼女はフェルターに価値を抱かせなければならない。舌先でカリ下を隅々まで舐める。苦い恥垢を見つけ、唾液とともに飲み干す。
射精の前兆を読み取り、彼女は舌を広げて受け入れた。口内に白濁の汁が溢れかえる。舌の全面が雄汁で塗れ、味蕾すべてで味を感じとる。粘度のある苦い液体が、まるで甘いミルクであるかのように笑みを浮かべ、精液で満ちた口内をフェルターに見せつけた。
「いいぞ。呑め」
予測通りの言葉に。彼女は従った。二度、三度と喉を鳴らして精液を飲み干す。青臭い臭いが鼻先に逆流するが、蕩けた笑顔は崩さない。
尿道に残った精液を吸い出して、愛おしげに亀頭に口づける。
「はっ。必死なもんだ」
フェルターはヘレナの内心を読み取ったのか、嘲るように告げた。
「だがな。ヘレナ。周りの連中だって見ているだけじゃあ不満だろうよ。とはいえ可愛い俺の奴隷だ。無理矢理やらせるわけにもいかないな」
フェルターは曖昧に言葉を濁した。ヘレナを圧倒した彼を、無法者たちにどうこうできる手段はない。場の主導権はフェルターの手の中にしかなかった。
「自分で宣言してたんだ。早撃ち勝負。それに負けたら何でもする――って話だったよな?」
内心でヘレナは喝采をあげた。いくら体に疲労があろうが、早撃ちで連中に負ける道理がない。だが、そうだと見抜かれれば不利な条件を与えられかねない。
「……そんな、今の、あたしに?」
なおも天に向かって屹立するフェルターの剛直を握り、ヘレナは頬ずりしながら言った。
「もちろん。一斉に撃たれたら死んじまうかもしれんな」
問題ない。弾丸の再装填を加味しても、連中の誰かが発砲するまでに全員殺せる。手を狙う必要さえもないなら、瞬時に死体の山を築き上げよう。
ヘレナが内心でほくそ笑んだときだった。
「安全に互いの体液で早撃ち勝負だ」
フェルターの発言から意図を読み取ったのは、荒くれたちが先だった。男たちが股間の肉銃を扱きながら、ヘレナの周囲を取り囲む。
「いいのか? お前は撃つ準備をしなくて? とっとと愛液を発射してみろ」
後半がヘレナへの命令だった。愕然としながら、ヘレナは床に寝そべる。両手の指先が、まだ潤ったままの陰部をなぞり始める。頭上では数十本の肉銃が彼女に狙いを定めていた。
ようやくヘレナは状況を理解する。蒼ざめた顔を左右に振りながら、勝手に指先が自分を慰める。性感は高まるが、当然膣口の先には誰もいない。
男たちより先にイケたとしても、当たりはしないのだ。
確実な、それでいて無様な敗北を確信しながら、ただ逃れるために自慰をし続ける。その先は男たちの慰み者だ。これまで彼らにしてきたことを考えれば、報復の苛烈さは想像を絶するに違いない。
「いやぁ……許してぇ! お願いだからぁ!」
言いながら激しく指先が膣を出入りし、陰核を刺激して性感を高めていく。
「ひっひ。どうしたぁ、ヘレナぁ? 得意の早撃ちができてねえみたいじゃねえか」
「そんなところにゃ誰もいねえぜ?」
などと彼女を煽りながら、頭上で男たちは肉銃をひたすらに扱く。男たちに取り囲まれ、いつ精液を浴びせられるかわからないままの自慰。被虐の予想が彼女の性感を加速させたため、不慣れな手つきでの自慰でも、軽い絶頂に達せた。
ヘレナの背中が僅かに伸び、愛液が床を濡らした。発射とはとても言えない少量で、当然誰かに触れることもない。
与えられた銃に殺傷能力はなく、よって勝ちの目は皆無だ。それでも体が命令に従い、必死に指先が膣口を刺激する。
「うおっ、出るぜっ」
その宣言が皮切りだった。絶望の眼差しで見上げた肉銃から、白濁の弾丸が発射する。それは彼女の顔を汚し、口にも苦味のある粘液が浸入した。
「ああっ……この……っ」
反抗的な言葉を発せたのはそれが最後だった。続けざまに頭上に林立する肉銃が、精液を一斉に浴びせかけてくる。
顔だけでなく、胸や腹、そして下腹部までもが真っ白に染め抜かれ、汁の温かさを感じながらヘレナは放心状態で虚脱する。
「どろどろでぐちゃぐちゃじゃねえか。きったねえ」
「溜めてた一番濃いのをこの人数でぶっかけたんだ。仕方ねえだろ」
おそらく自分の姿はよほど無様なものなのだろう。嘲笑混じりの男たちの声を聞きながら、呆然と彼女は思った。
「よし、ヘレナ。体にぶっかかった汁をこれに溜めて、一気に飲みな。ミルクは好きなんだろ?」
命じながら、フェルターが木製のジョッキを手渡してくる。受け取り床に置くと、ヘレナは体を染め抜く白く濁った子種を手でかき集め、ジョッキを満たしていく。
満杯になったジョッキを持ち、口に近づける。直接口内に放たれた汁よりも青臭さが増している。ジョッキを傾けると、ゆっくりと口内に汁が垂れ落ちてきた。乾いた大気に触れたためか、熱を彼女の体に与えたためか。精液は冷えている。濃いというのは比喩でも大言でもなかったようで、粘性はとてつもなく高く、嚥下すると喉に引っかかる。続く汁を喉に送り込み、無理矢理に胃に流し込み続ける。
吐き出す自由はもうヘレナにはない。半分ほど飲んだところで涙が溢れ、数滴の雫が床に落ちたころにようやく飲み干した。
空になったジョッキに目を落とす。あれだけの量が自分の体内に収まったと実感し、嘔吐感がこみ上げる。
その口は即座に塞がれた。射精したばかりの肉竿が、彼女の口にねじ込まれる。
「おらっ。さっきはよく撃ってくれやがったなクソ女が! おかげで萎える気がしねえよっ!」
頭を掴まれ、激しく喉を突かれる。鼻先が男の陰毛に押し付けられ、視界も塞がれる。
太ももがこじ開けられた。秘部が晒され、男たちから感嘆の息が聞こえる。フェルターに貫かれ、自慰で準備を終えた膣に、前戯はいらなかった。誰かの陰茎が膣壁に滑り込み、抽送が始まった。
「おっ。あのデカマラで開発されたにしちゃあよく締まるじゃねえかっ。おら、どうだ? 牛女、俺のちんぽはよおっ!」
乾いた音と湿った音を交互に鳴らしながら、誰かが彼女の膣を蹂躙する。フェルターのそれよりは遥かに細い。それでも膣壁に強い摩擦がある。それは彼女があの擦過を求めて、強く締め付けているためだった。
「おい、バカが。体位考えろ。これじゃあクソ穴使えねえだろうがっ」
「っと、悪い悪いっ。おら、ヘレナ。愛馬に比べりゃ可愛いもんだろうが、俺が下から揺らしてやる……よっと」
男たちが数人がかりで彼女の姿勢を乱暴に変える。喉を激しく犯される彼女は、自分が男に跨がらせられたことを遅れて理解した。
「質じゃああの兄ちゃんには勝てないからな。量で勝負ってわけだ」
後方から声がしたかと思うと、肛門に亀頭が触れた。
「む……ごぉ……っ」
膣と尻穴を同時に埋め立てられても、口を塞がれたヘレナにはそんな声しか出せなかった。口を塞ぐ陰茎を通して、彼女の唾液がしたたり落ちる。
下から突き上げられ、背後から貫かれたまま、体を捻らせられる。張りのある乳房の合間に、肉銃が押し込められた。
「ひゅう、そうじゃねえかと思ってたがこれでも体に届かねえな。こいつは立派な性器だ」
乳房を揉み込みながら、腰を前後させた誰かが言う。
「おし。二丁拳銃だ。物騒なもんはもうやめて、今後はこれだけ握っとけや」
最後に両手に肉竿が収まる。全身を余すところなく、精液を絞り出す道具として扱われ、各所を揺らす振動の中で、ヘレナは絶頂が迫っていると気がつく。
「むふぅ……んっ!」
口内にどろりとした臭い汁が放たれる。呻きながらも彼女の唇は自然と窄まり、尿道に余った残液を吸い上げた。
「すっげ。テメェから腰振ってやがる」
「ああ六本同時にこれなら、娼婦でも存分にやっていけらあ」
「なっ……」
反論の声をあげた口に、次の肉竿が滑り込む。頭を掴まれ喉奥を激しく犯される。絶頂の予兆で思考がまとまらない中、ヘレナは自分の動きを改めて顧みる。
両手それぞれで肉竿を掴み、柔い掌で擦りつけ扱く。根元に当たったところで、手に力を込め、男たちの体躯を支えに使う。反動で腰を動かす。膣穴を塞ぐ陰茎を搾るために縦に振り、肛門を埋める肉竿のために前後へ動かす。膣壁と括約のどちらもが、摩擦を求めて収縮しており、粘膜同士が絡み合う。頭を押さえつけていた手が外れると、淫靡な音を立てながら逸物を咥え、腰の動きに合わせて頭を前後させていた。
両肘で乳房を内側に押さえつけ、谷間に挟み込まれた陰茎を扱く世話までしている。
確かに無意識のまま、彼女が男たちを貪っているかのようだった。
フェルターには命令を強制させる異能があるのは間違いない。その条件に奴隷宣言が必須なのだろう。そこまではヘレナも理解できていた。
しかし、彼女が腰を振っているのが、命令によるものか雌の本能の発露なのかが区別がつかない。
早撃ち勝負で負けたから、男たちの望みを叶えている。上手い具合にフェルターの発言でこれを強制されていたとしても、発言だけは抵抗できている理由がわからない。
昇天の前兆が始まる。同時にさらに膣圧が高まったのを自覚する。彼女が跨がる男が太い呻き声を上げた。
「むぐっ……ぼ……」
視界が眩しく点滅し、昇天の快楽が子宮から脳天を貫いた。体が強張り、強く咥えた逸物を吸う。犯している男たちだけでなく、取り囲んだ者たちの目にも彼女が達したのは瞭然だっただろう。
敏感になった膣壁を、下から男が激しく突き上げる。喉を塞がれたままのくぐもった喘ぎが、口内の亀頭に振動を与え性感を促す。肛門への抽送も加速し、尻肉を腰部が叩く音が爆ぜる。
「おっ、いくぜ……ヘレナ。まだ孕んでなきゃ、俺ので孕みなっ」
子宮に熱い液体が注がれる。同時に、手で扱いていた二本が埒を空けて肌にかかる。豊かな乳房の合間にも精液が放たれ、再び彼女は白で染め抜かれた。
激しく背後から肛門を突かれ、直腸にも汁が注がれた。射精された精液を直腸が飲み干し、腸内がすぐに乾いたのを自覚する。
口を犯していた男も全身を汚されたヘレナに興奮したらしく、一心不乱に腰を打ち付ける。舌先で激しく愛撫しながら、その肉竿の動きにヘレナも応じる。
鼻が潰れるほどに顔を陰毛に押し付けられ、喉に熱い液が放たれた。嚥下する以外の選択肢は与えられない。静かな酒場に、ヘレナが喉を鳴らす音が響く。それから、口内の陰茎を唾液で掃除すると、ようやく彼女の体は一時的に解放される。
だが当然のように次の男たちが彼女を取り囲み、再び彼女の全身は射精のために使われる。
全身を余すことなく犯される。それを数度繰り返すと、全員が二度目の射精を終えたようだった。幾たびも絶頂を迎えたヘレナの吐息は荒い。口内だけでなく、胃にも精液が溜まっている。生臭い精液の臭いが、内から感じているのか外からのものか判別がつかない。
ただ、終わったのだ……とヘレナが安堵していると、男のひとりが彼女を立ち上がらせる。
「な……にを」
「もう終わりなわけがないだろう。まだまだお前のおまんこ使ってない奴がいるんだからな」
そう言うと、男が背後から彼女の膣を貫いた。秘肉は緩むことなく、突き込まれた逸物に絡みつき、性楽を貪るように締め付けた。
乱暴に背後から犯される。男は彼女の片足を持ち上げ、結合部が周囲に見えるようにした。愛液に混じって幾度となく膣内に注がれた精液が掻き出される。
蜜肉が強く肉竿を締め付けているのを実感する。ああ、とヘレナは自覚した。フェルターの剛直の味を膣は忘れられないのだ。押し広げ硬い逸物で粘膜を擦られたのを再現しようと、彼女の膣内は収縮している。
背後から揺らされ、彼女の乳房は幾度となく跳ね上がる。ヘレナと男たちの汗で湿気を増した大気が乳房をなぞった。
「おらっ。また射精すぞっ。たっぷり味わえっ」
宣言すると尻肉を男の腰部が叩き、乾いた音が響く。どくどく、と熱を纏う汁が子宮に注がれる。二度、三度、埒を明けたばかりの肉竿を前後すると、男がヘレナから離れる。そして、即時雌穴が塞がれた。
「あはぁ……やっ!」
引き抜かれたばかりで物欲しそうにした秘肉が、突き込まれた逸物に歓喜を訴える。抱え上げられた足を下ろされ、獣の体位で背後から幾度となく打ち付けられる。
全身を犯されていた状況とは違う。これは種付けだ。孕ませるための情交である。体を好き放題にされていた苦痛と恥辱から、純粋に男たちの子種を植え付けられる恐怖に切り替わる。
「いやぁ……っ。膣内は……もう……辞めて……」
弱々しい声で、今更にヘレナは哀訴した。彼女は知らない。そんな声を上げれば、男たちの獣欲には再び火が灯る。彼女が無法者たちの子を孕むのを恐れるのであれば、彼らは必然的に膣穴を執拗に責め立てる。
ヘレナの哀願が、男の逸物を固くさせ、射精を早めた。言葉責めする余裕もなかったか、蠕動を感じたかと思うと、膣内に熱いものが注がれる。
すぐに交代し、次の男が彼女の穴に肉銃を納めた。まだ誰ひとり弾切れをする気配はないらしい。
男たちはそうして彼女を二周分、犯し抜いた。取り囲む男たちの人数を彼女が正確に覚えていたわけでも、背後から犯された回数を数えたわけでもない。一周ではなかったのは間違いなかったし、恐らくは切りよく二回ずつ子種を注がれた。
数十人に複数回膣穴を使われ、その分射精された。疲労は限界に達し、彼女は最後の男が手を離すと床に倒れ込む。汗や愛液に精液が混じった汁が床を濡らしていたが、避けるような体力もなかった。
男たちとフェルターが何かを話し、男たちが立ち去る。いつの間にか彼女を犯すのに混ざっていたマスターとフェルターだけが酒場に残った。
「悪いな。掃除代だ。とっておいてくれ」
フェルターが数枚の金貨をマスターに支払うと、湯桶に入った水を彼女の体にかけた。匂い立つ各種の汁が洗い流され、水の冷たさがヘレナの意識を覚醒させる。
それでも体に力が入らない。絶頂を繰り返し、体力と魔力が枯渇しているようだった。ヘレナの腰をフェルターが掴み、抱え上げる。
既に乾きいきっている肛門に、硬いものが押し当てられた。
まだ、満足していないのか。これ以上犯されたら――。
「ひぃ……死……死ぬぅ。たす……けて……」
犯されるのも孕むのも確かに怖い。それ以上に、精液を吐き出すための道具として使われ、そのまま果てるのは恐ろしかった。
ヘレナの助命の声に、フェルターはひと言も返さない。硬いフェルターの胸筋に、ヘレナの頬が触れる。フェルターの片手が尻肉を引っ張り、そのまま肛門に剛直を突き立てた。熱した鉄杭に脳天まで貫かれたような衝撃がヘレナを襲った。
強く体を引き寄せられ、ヘレナの胸は潰れ、乳首が肌と擦れ合う。ゴワゴワしたフェルターの陰毛が、彼女の陰核に刺激を加える。
命の危機を感じるほどの疲労の中、与えられた性的悦楽に、彼女の性器は欲しがるように愛液を多量に垂れ流す。性器は入り口だけを肌と陰毛で擦られ、物欲しそうに収縮しているのがわかった。
「お……ちんぽぉ……。こっちにもくださ……いぃ」
恥じ入る正気などとっくに失われていた。ヘレナの口は、言葉を奏でられるだけの性器に過ぎない。下腹部に与えれた刺激が、死に瀕していることも忘れさせ、愛液を分泌する膣穴の気持ちを代弁する。
「ま……その前にな。おらっ、たっぷりケツから飲みやがれ」
直腸の奥に突き立てられ、無法者たちのそれとは量も熱も比較にならない、特濃の子種が与えられた。腸壁が音を鳴らし収斂し、熱い粘液を吸収していった。
体から虚脱感が消えていた。そこでヘレナは口や尻穴から取り込んだ精液だけで、十分に命が長らえることを知る。今後の肉奴隷としての未来を考えれば、ろくな事実ではなかったが、今の彼女にはそんな先のことは考えられない。
得た活力を糧に、彼女は両手をフェルターの首裏に回す。甘えるように舌を出しながら、濃厚な雌の吐息をまき散らして口づけを交わす。そうして肛門から亀頭が抜けた。膣口でその亀頭を咥える。欲しくてたまらなかった逸物に、彼女の雌穴が一層の滑り気を帯びた。
体重を落とす。
荒くれたちの肉竿とは違い、膣壁を太さと硬さで抉り拓いて剛直が子宮に迫る。
「か……はっ!」
子宮口にぶち当たり、その衝撃で肺腑が潰れ息が漏れた気がした。瞳は焦点が合わずに上向く。数十人にひたすら種漬けされた時間さえ、ヘレナの雌穴はお預けを食らったとむせび泣いているようだった。
ようやく埋め立てられた歓びは、ヘレナの思考さえ占有する。両の手を使って、体を上下に揺らす。体重を彼に預け、乳房は互いの胴体の合間で潰れている。体の前面を擦りつけ合うと、まるで肌が粘膜になったかのような錯覚があった。
二度、三度と彼女は絶頂を味わう。その度に背を弓なりにして、フェルターに昇天を伝える。甘えても縋っても、この男は自分には些かも心を許すことはない。雌としての果てに立ち、ヘレナはそれを実感した。
心音が奏でているのは怒りの音だ。ヘレナ個人ではなく、それは何かに向けられている。何せ、彼女にはフェルターに恨まれる理由がない。ギフトホルダー、そして女神。いわば世界へと向けられた激しい怒りだ。その心臓から脈打ち、白の溶岩流として精液が流れ込んでくる。
自分が上位だったと示すように、フェルターが力任せにヘレナを突き上げる。その意に否はなかった。余韻を愉しみヘレナは受け入れる。
「おねだり叶えた分、もう少し調教しておかんとな」
フェルターがヘレナを抱えたままで、酒場の外に出る。既に周囲には荒くれの姿はなく、厩舎にもヘレナの愛馬が残るのみだった。
「……え?」
彼女の愛馬の背には、禍々しい突起が二本生えた鞍が取り付けられていた。フェルターの逸物より小さいが、並の男のそれよりは太く長い張り型だ。
「落ちた領土の敗戦記念にでも使おうと準備したんだ。たっぷり愉しんでくれ」
フェルターが彼女を抱え上げその鞍に載せる。二本の張り型が彼女の膣穴と肛門に突き刺さり、体重で沈み込んでいく。
乗り手の重みを知覚したか、愛馬が激しく跳ね出した。普段なら容易く諫められる。だが、太ももにまるで力が入らない。愛馬が跳ねる度に体が浮かび、そうして重力と張り型が無機質に彼女の両穴を責め立てた。
「あが……っ。ひっ、ダメ……これぇっ……こわれ……るっ!」
愛馬は彼女を振り落とそうと跳ね、その度に前後の穴の粘膜が削られる。どうにか鎮めようと力を込めたが無理だった。ブーツも履いていない彼女には、踵の拍車で合図を与える術もない。
振り落とされる心配はなかった。いくら跳ねても反り返った二本の張り型は、彼女の穴から抜け出ることはなく、蒼天の下、執拗な責めが繰り返された。
繰り返し果て続けるヘレナが馬上から降ろされたのは、空が夕焼けに染まった頃だった。
元守護将軍ウィスラ・ドーランド
【挿絵表示】
パラメータで分かる! 現在の状況
【遠征中】
アウレリア→ガロッゾ城塞
カサンドラ→廃霊城(魔導森林領主)
フリーダ→鍛冶場(冒険者組合所属)
ヴァレンティーナ→剣姫城(剣姫庭園領主)
アテナ→太平翠野アテナイ(雅典戦国女神)
レオナ→北防城
カスミ→忍者の里
ナギサ→忍者の里
【地底唾王城総戦力】
フェルター 戦術468→472(ヘレナ)
E唾王槌
E唾王鎧
E麻痺剣
※フェルターの戦術レベルは奴隷の半分が加算される
※ただし、地底唾王城以外では相手の戦術レベルに合わせてレベル制限される
特殊オプション:
毒合成レベル6
魔術工房レベル120
※魔術工房レベルは戦術レベルと同等まで上げられる
調教道具:
オーク5匹
奴隷傭兵50人
娼館(セラニアが娼館主。領地誓約発動可能)
自動張型(フリーダが供給)
インキュバスの館(各地に点在。拘束宙吊りが可能)
保護中:
村娘9人→給仕隊
村娘ティナ→給仕隊
未亡人ヨダ→給仕隊
浪人狩りハルカ→給仕隊
治療中奴隷型1名(カスミ編でインキュバスが買った分)
治療中 ギフトホルダー3→2名(エキドナ編で回収した分・ハルカ回復)
調教中:
設備:
地下牢
作戦会議室
図書室
調理場
魔術工房×4(セラニア、ロザリンド、ヴェレディア、アルガナ分)
機動教会(ルクレティア)
鉱山→カーラ。鉱婦20。必要な金属・宝石類の獲得
農地
領海→マリーナ。漁師20。新鮮な魚をお届け。売れる。ご飯レベルアップ。
山林
現在農夫、木樵不在で資源活用不可)
【保有奴隷】
傭兵リヴィス 戦術10
騎士アウレリア 戦術20
剣士レビア 戦術10 諜報2
魔術師ロザリンド 戦術9 諜報5 工房20
暗殺者リドベダ 戦術8 諜報8 特技:特殊毒
槍騎士ヴァスカ 戦術11
誓約士セラニア 戦術11 工房20 特技:領地誓約
街盗賊ジリ 戦術7 諜報15 特技:ピッキング
魔導妃カサンドラ 戦術20 工房20
魔導姫ヴェレディア 戦術18 工房20
淫魔アルガナ 戦術40 工房20 特技:亜人魅了
漁師マリーナ 戦術6 漁師20
修道女ルクレティア 戦術15 特技:機動教会、暴力結界
山賊カリスタ 戦術10
鉱婦カーラ 戦術5 鉱婦20
鍛冶師フリーダ 戦術18 鍛冶40 特技:武具鋳造、武具修理、張型開発
軽騎士ステラ 戦術16
新米騎士シルビア 戦術6
重騎士レオナ 戦術20 芦竜号 鋼壁鎧
剣姫ヴァレンティーナ戦術50 魔剣グラムフェムト
下忍カスミ 戦術8 諜報20 忍法嫁水
亡領将トモエ 戦術18
戦乙女ヘルミーナ 戦術60 魔槍 英雄変性
召獣師アレグラ 戦術16 王狼 ハゲワシ 魔獣調教
弓将ヨイチ 戦術18
刀武人トオシ 戦術8
槍武人タダヨ 戦術8
追剥ゼヌゼ 戦術6 諜報10
修道騎士オリヴィア 戦術14 独裁領域
上忍ナギサ 戦術12 諜報30 魔眼
絡新婦アルケニー 戦術80
獣母エキドナ 戦術82 魔獣招聘
蛇眼メドゥーサ 戦術100 石化の魔眼 蛇
戦争女神アテナ 戦術200 必殺の槍 ギフト消失の盾 アレス 世戒
銃手ヘレナ 戦術8 早撃ち
※戦術レベルは単純な戦闘力ではなく、完全な指揮でベストの戦果を発揮したらそうなるという塩梅
【領土】
魔導森林グラヴィカ
剣姫庭園ゴロッザ
英霊楽土ヴァリアーザ
糸縛渓谷ラーニェア
獣母辺獄カリエーカ
無名孤島ケアノス
太平翠野アテナイ
【目的】
降魔呪国ナウプリア→ヘラ討伐
他国→橋頭堡確保目標
忍者の里→下忍カスミ上忍ナギサを奴隷化