ベクトル付与で異世界最強~ホロメンハーレムしながら学生性活 作:とも667
ミオから真実を聞かされた三人が、驚愕する。しかし唯一、ユウマだけは察しがついていたようだ。
「そんな……じゃあ、あの時の彼らの言ってたことは……」
「うん。全部、本当のことだよ」
「白上が子供の頃から、あのお話はあったんだよ? そんなに前から、鬼人の皆さんは……」
罪悪感に苛まれるフブキ。それを見たユウマがすぐにフォローを入れた。
「フブキ、気にするな。隠蔽されてたんだから、真実なんて知りようがない。俺だって、今の今までわからなかったしな」
「ユウマくん……ありがとう」
「歩きながら話そっか。あなた達には、教えても良さそうだし」
あやめがそう言って、みんなを手招きし……自分達に何が起こったのかを話し始める。
「きっかけはある日、鬼人の女の子が酔った貴族に絡まれたことだった。その子は弱くて、貴族に引っ張られて連れていかれそうになってたの」
「迷惑な酔っ払いだな……」
「そこに他でもない、あやめちゃんが通りかかった。あやめちゃんはその子を貴族から引き離して、その子を庇ったの」
だが、それが良い結果を生まなかったのは……この現状が物語っている通りだ。
「だけど、上手くいかなかったんですよね?」
「うん……そいつは逆上して、腰に差していた短刀を抜いて、あやめちゃんを襲ったの」
「そんなの、酷いよ……それだけで殺そうとするなんて……」
あくあがそう言ったのを聞いて、あやめが更に続ける。
「余はその刀を受け流して、弾き飛ばそうとした。そこで偶然……貴族に刀が当たって、そいつが怪我をした」
「……それで、更に怒りを強めたんですね」
「そう。貴族の男は、あやめちゃんが帯刀してきたのをいいことに、罪をあやめちゃんに擦り付けて……隣にいたその子も、共犯者に仕立てあげた」
濡れ衣を着せられてしまった二人。だが、それだけでは貴族の理不尽な怒りは収まらなかった。
「そんな、自分のせいなのに……卑怯だよ!!」
「そこからその貴族は、お金とコネで鬼人全体に悪いイメージを植え付けた。その一端が『人斬り鬼とお侍様』だよ。余達鬼人は、森の奥に隠れ住む他なくなった……」
「……ということは、この先に鬼人の住んでる村があるんですか?」
ユウマがそう言うと、二人が暗い顔で頷く。
「うん……言うよりも実際に見た方が早い。村までもうすぐだしね」
「えっ……ここが、そうなの?」
「そうだよ、フブキ。これが……今の鬼人が強いられている、生活だ」
そこにあったのは、雨風をギリギリ凌げるだけの簡素な家の集まりだった。空腹に喘ぐ人達の声が、あちこちから聞こえてくる。
「お腹、すいたよぉ……」
「大丈夫よ、もうすぐお嬢様が取ってきてくれるはず!!」
「あぁ……お嬢だ!! お嬢が帰ってきたぞ!!」
あやめを見て、その場にいた全員が駆け寄ってくる。しかし、その内の一人がユウマ達に気づいた。
「よ、余所者か!? ここに何をしに来た!?」
「まっ、待って!! あてぃし達は……!!」
「大丈夫だよ、みんな。この人達は、余とミオを助けてくれたんだ」
あやめの説明で、刀を抜いていた鬼人達が刃を収める。ユウマはそこで、気になっていたことを聞いた。
「……数がやけに少ない気がするが」
「『人斬り鬼』とされてから、鬼人はかなりの人数が殺されてしまった。今残ってるのは、たったこれだけ……元々、子供ができにくい種族だからね」
「そんな、それじゃもう……残ってる道は……」
鬼人の数は、たった数十人程度だ。子供はほぼおらず、壮年の者が多い印象だ。遠くない未来に鬼人が全滅することを察して、AZKiが悲しそうに言った。
「だから、最近は昨日みたいな人達が増えてるの。これで最後なら、人間に一矢報いてから死にたいって……余の励ましも、もう気休めにもならない……」
「みんな。これが今日の食料だよ、一人一人配るからね」
「ありがとうございます、大神さん!!」
ユウマ達は鬼人の現状を見て、貴族への怒りと悲しみを募らせる。どうして、彼らがこんな目に遭うのかと。
「こんなの酷すぎる……!! ミオ、私達も協力するよ!! 協力して、そいつを……!!」
「フブキ、貴族を倒してもどうにかなる問題じゃないと思うぞ。今回は、幽世全体に差別意識が根付いてるからな」
「そんな、ユウマくん……どうして諦めたようなこと言うの!? ユウマくんらしくないよ!!」
不満の声を上げるフブキとあくあ。しかしユウマも、諦めるつもりは毛頭なかった。
「早とちりするな、俺だって諦めたわけじゃないさ。大神さん、百鬼さん……あなた達も諦めてないんでしょ?」
「毎年、お祭りの時期は仮面を被って、鬼の角を隠してお祭りに行くんだ。でも、年々規制が酷くなってきてて……今年はミオと余だけで行ったの」
「そして、みんながお祭りに行けるように……貴族から証拠を取ってきて、真実を明らかにするのが目的なの。でも、そんな時にあいつは……魔王軍を雇って、鬼人を潰しにかかってきた」
ユウマはそれを聞いて、魔王軍は自分が何とかできることを伝える。
「魔王軍に関しては、僕がなんとかします。もう三人倒してるので、奴らの相手は慣れてますよ」
「わかった、そっちは任せる。じゃあ、余とミオは貴族の家に行かないとね」
「そういえば、気になってたんですけど……その『貴族』って誰なんですか?」
AZKiの質問に対して、ミオが答える。
「やったのは黒木家の現当主の祖父。そこから、家族ぐるみで隠蔽を続けてる」
「黒木家……白上、そこに行ったことあるかも!!」
「えっ、フブキってそんなすごい家系だったのか!?」
ユウマは本気で驚いた。まさかフブキがそんな貴族だとは思わなかったから。
「言ってませんでしたね。白上って、実は幽世ではちょっと有名な貴族の家系なんですよ!!」
「そうだったんだ、知らなかったよ……」
「じゃあ、そっちはフブキにやってもらうことになるな。決行日は?」
ユウマが尋ねると、あやめがそれに答える。
「みんなはもう限界に近づいてる。遅くても明後日には実行したいな」
「よし、じゃあ百鬼さんはみんなにその旨を伝えてあげてくれ。生きる希望になるだろうからな……明日は百鬼さんと大神さんも、フブキと一緒に侵入を頼む。フブキ、案内は任せるぞ」
「わかった、任せといてください!!」
そこでAZKiとあくあが、自分達の仕事を聞く。
「ユウマくん、あてぃし達はどうしたらいい?」
「二人には二人の仕事がある。俺に作戦があるんだ……鬼人の皆さんにも協力してもらいたい。百鬼さん、頼めるか?」
「いいけど……どうするの?」
ユウマはあやめに聞かれて、笑みを浮かべてから言った。
「貴族の悪行をバラすなら、人が多い方がいいだろ? 作戦はこうだ……」
「……なるほど、それで人を集めるんだね!!」
「あぁ、AZKiが頼りだ。頼めるか?」
「わかった、ユウマくんの頼みなら!!」
ユウマはそれから、あくあにも作戦を伝える。
「あくあは人前に出るの、苦手だろ? だから、裏方を頼みたい……こんな感じでな」
「あ、それならできるかも……!!」
「建てるのは簡素なものでいい、使うのは一回だけだからな」
ユウマはあやめにもそれを伝達して、あやめに鬼人全員に伝達をしてもらう。
「みんな、聞いて!! 鬼人への差別を解消出来るかもしれない方法が見つかったの!!」
「なんだって!? 本当なのか、お嬢!?」
「うん、だからみんなにも協力して欲しいの!! みんなでお祭りに行けるように!!」
「「おぉぉぉぉぉー!!!」」
一筋の希望が見えて、全員の士気が一気に上がる。そして、ユウマは建設場所の見当もついていた。
「場所はここ、鬼人の村の入口……!! 情報を全員に知らせたら、村の惨状を見せる!! それで更に説得力を増強できるはずだ!!」
「あとは上手くいくかどうかだね……」
「上手くいかせてみせるさ……俺に任せておけ」
ユウマはそう言って、自信満々の笑みを浮かべてみせた。
そして、二日後。昨日街中に貼り付けておいたポスターのおかげで、人々が鬼人が建てた大きなステージの前に集まっていた。
「なぁ、歌姫のAZKiが来るってホントかな!?」
「こんなところでゲリラライブするとはな、パスポート持っててよかったぜ!!」
「13時から開催か……くぅー、待ちきれない!!」
歌姫AZKiのネームバリューで人を集めて、人を集める。まず、これが作戦のひとつ……そしてフブキとユウマ達は、貴族の家へと来ていた。そしてユウマが、フブキ達に能力を使う。
「三人は浮いて窓から入れ、たぶん入れる場所があるはずだ。ダメそうだったら、俺が破壊する」
「わかりました、任せてください!!」
「みんなのためにも、絶対に手に入れる……!!」
あやめとフブキとミオが、ユウマの与えたベクトルで浮き上がる。ユウマ自身も浮き上がって、鍵の開いている窓を探す。
「……あ、ここ開いてる!!」
「よし、ここから入ってくれ。俺は魔王軍が来ないように見てるから」
「お願いね、上村くん」
三人が窓を開けて、その中に入っていく。そこでユウマは、三人の浮遊ベクトルを解除する。そして自分も屋敷の前に降りて、目の前を見た。
「……いるんだろ? 出てこい」
「見つかったか……やはり厄介だな、上村ユウマ」
「褒め言葉として受け取っておくよ、バーゲストさん」
そこに来たのは、バーゲストだった。ユウマを見て、バーゲスト率いる狼の軍団がユウマを睨みつける。
「今度こそ貴様を殺してみせる……!! 覚悟するがいい!!」
「前にボロ負けして、イライラしてるらしいな。今回はリベンジできるといいな?」
「舐めた口を聞きおって!! 死ねぇぇぇ!!!」
全方向から、バーゲスト達が襲いかかってくる。しかしユウマも、その対策はしてあった。
──ズバァァァッ!!
「がぁぁぁぁ!? な、なんだと!? これは……刀か!?」
「鬼人さん達が持ってた刀を借りた。今までは、そこの木の裏に隠しておいたんだ」
「くっ、くそぉぉっ……!! 舐めるなよ、まだまだいるんだ!!!」
ユウマの周りに、たくさんの刀が飛び回っている。それらがバーゲストを切り裂いて、どんどん倒していく。ベクトルを自在に操り、ユウマの見えない後方を刀がカバーしている。
「このぉぉぉっ!!」
「忘れてないか? 刀を動かしてても、俺は動けるんだ」
──ジャシュシュッ!!
「ぐぎゃあぁぁぁぁ!?」
前方はユウマの放つ水の刃があるので、前方も後方も隙がない。つまり、単純な物量攻めを得意とするバーゲストにとっては天敵だ。
「どうした、俺の対策くらいしてきたんじゃないのか?」
「くっ、くそぉぉぉっ!! このために百匹は用意してきたのにッ……!!」
「……どうやら、対策が対策にならなかったようだな」
バーゲストは自分の得意な物量戦で、ユウマを追い詰めるつもりだった。しかし、ユウマは全く疲れていない。一方、何度も肉体を殺されているバーゲストは既に満身創痍だ。
「かかってこい。それとも、もう在庫が無いのか?」
「ぬぅぅぅぅ……!! 貴様だけは咬み殺すッ!!!」
「やってみろ、できるならな」
ユウマとバーゲストが戦っている中、フブキとあやめとミオは……屋敷の内部で、警備を掻い潜りながら歩いていた。
「確か、こっちのはずだよ!!」
「詳しいんだね、フブキ……」
「彼が何かを取ってきた時は、こっちから出てきたからね。多分、部屋はこっちだと思う」
フブキ達はどんどん先に進んでいく。そして、一際大きな鍵付きの部屋に辿り着いた。
「多分ここだよね……でも、鍵がついてるよ」
「扉を壊すしかないかな?」
「余に任せて、できるだけ音が出ない方法で壊すから」
そう言ってから、あやめは二人に周囲を任せて刀を抜いた。その刀に、青い炎を纏わせる。
「あやめちゃんの得意な『妖炎』……あれで溶かすつもりみたい」
──シュウゥゥゥ……
「……よし、これで開いたはず!!」
──ギィィィィ……
「じゃあ、入ろうか。この中にきっとあるはずだよ」
そこは、高級そうな家具や物がたくさん置かれた部屋だった。ファイルにまとめられた紙束や、ノートなどを手早く確認していく。
「これじゃない……次はこれだね」
「あ、これ使えるんじゃない!? 鬼人を陥れた時のことが書いてあるみたいだよ!!」
「ナイス、フブキ!!」
フブキが、ファイルから紙を一枚破って取る。更にあやめが、有力な証拠品を見つけた。
「あ、これ……魔王軍と取引した時の契約書?」
「よし、それも持っていこう!!」
「他にもあると思うし、もっと探そう!!」
みんなが、証拠品を探すのに集中している中……後ろから音もなく近づく者がいた。血煙となって近づき……フブキの後ろで実体化する。
「あっ、これも使えそう!!」
「隙あり、死ね!! 白上フブキッ!!」
「えっ……!?」
いきなり風魔法を撃ち込まれて、フブキは対抗しきれない。風の刃がフブキの首を跳ねようと、容赦なく迫る……しかし。
──ボンッ。
「なっ……なにぃぃぃ!?」
「えっ、魔法が……弾かれた? どうして?」
「これはッ……空気の塊か!? 何故、どうしてこんなものが……まさか、上村ユウマ!?」
そう、ユウマはこのような事態を想定しておき……予め、空気の塊をみんなの背中側に設置しておいたのだ。
「ここまでわかってたってこと……!? あの人は、一体……」
「とにかく、ある程度は回収できた!! 行こう!!」
「待て、貴様ら!! くそぉっ、背中側では攻撃が当たらん……!!」
「窓から飛び降りよう、きっとユウマくんなら……!!」
そしてみんなは、窓を開けて……そこから飛び降りた。一方、その頃ユウマは……バーゲストを後がない状態まで追い詰めていた。
「ここで終わりだな、バーゲスト」
「くっ、くそっ……畜生ッ!! 私を倒したところで奴らは助からん!! 残念だったなぁ!?」
「……なるほどな。陽動作戦だったってわけか」
ユウマが納得したように言う。ボロボロのバーゲストは、ユウマを嘲笑いながら言った。
「そうだ!! お前を倒せなくとも、奴らなら殺せるからなぁ!! 大切なものを守れなかった苦しみを味わうがいいさ!!」
「ユウマくんっ!!!」
「……来たみたいだな」
「なんだって!? バートリーはどうした!?」
窓から飛び降りた三人を、ユウマがベクトルでゆっくり着地させる。後から、悔しそうな顔をしたバートリーが出てきた。
「何の対策もしてないと思ったか? 甘すぎるんだよ」
「取ってきたよ、あとは……!!」
「くそっ、畜生……がっ!!」
──ズバァァァッ!!
ユウマはバーゲストにトドメを刺して、バートリーに向き直る。
「残念だったな。お前らの作戦は失敗だぜ」
「かくなる上は……!! この場で貴様ら全員を殺すまで!! 覚悟しろ!!!」
「覚悟するのはお前だよ」
そう言ってユウマは、刀の群れをバートリーに向かって飛ばす。しかし、バートリーも簡単には当たってくれない。体を蝙蝠に変えて、攻撃を避けていく。
「そんなものには当たるか!! お返しだ、『イフリート』!!」
──ゴォォォォッ!!!
「あっ、刀が弾かれて……ユウマくん!?」
「うぉりゃあぁぁっ!!」
なんとユウマは、バートリーが炎魔法を放ったのを見てから……剣に写った自分を見て、自分自身を射出した。炎で目の前が隠れたバートリーに、ユウマが剣を突き立てる。
「なっ……ぐっはぁぁぁ!?」
──ズシュウッ!!
「あ、当たった!!」
「これで終わりだ」
そこでユウマは、刺さった剣の柄を叩く。すると剣が虹色に光って……バートリーの体中に、おびただしい量の深い噛み跡が刻まれる。
──ブシュウゥゥゥッ!!!
「ぐぎゃあぁぁぁぁッ!?!?」
「えっ、それって……AZKiちゃんの剣!?」
「後ろから来たバーゲストの牙は、これで受けてたのさ。木を隠すなら森の中……刃を隠すなら刃の中だ」
体中を噛みちぎられては、流石にバートリーも耐えられない。
「魔王様、申し、訳……ありま、せん……ぐはっ」
「よし。早く行くぞ、みんな待ってるだろうしな」
「うん、行こう!!」
一方その頃、ライブ会場は……AZKiの歌で熱狂していた。
「~♪」
「「うぉぉぉぉぉー!! AZKiー!!」」
「確か、このあたりで……えいっ!!」
AZKiの歌に合わせて、あくあが裏から水魔法を使う。すると……
──プシュウゥゥゥ……
「おぉ、噴水が上がった!!」
「綺麗だな、撮っとこう!!」
「ゲリラライブなのに、豪華だなぁ!!」
映像がネットに上がることで、ネット上の注目度も上がる。そして、そこでユウマ達が来た。
「みんな集まってるみたいだよ!!」
「よし、今だ!! みんな、集めてきたものを出してくれ!!」
「うんっ!!」
その紙や、日記の重要なページのみを破って、ユウマが手に持つ。そして……紙吹雪のように、それを観客席へとベクトルで飛ばす。
「おぉ、紙が飛んできたぞ!!」
「拾え拾え、レアだぞ!!」
「ん? なんだこれ……なんか書いてないか?」
拾った人たちがそれに気づく。そこでAZKiが、歌うのを中断して言った。
「みんな、聞いてください!! それは……鬼人の皆さんを陥れた、黒木家のものなの!!」
「黒木家ってあの黒木家か?」
「あ、契約書にも書いてある……ホントなのか?」
観客席が一斉にざわつき始めた。そこでユウマは、最後の仕上げに入る。
「今だ、鬼人の皆さん!! ステージを壊して!!」
「「うぉぉぉぉーっ!!!」」
「うわっ、なんだなんだ!?」
ステージからAZKiが降りると……最初から骨組みもユルユルだったステージは、鬼人達に簡単に壊されてしまった。AZKiもそれをわかっていたので、踊ることはせずに歌うだけに留めていた。
「……なんだ、このボロボロの村?」
「これが鬼人が追いやられた村だ。人斬り鬼も、お侍様もいない……悪いのは黒木家なんだよ!!」
「そ、そうだったの!?」
「えぇぇぇ、マジかよ!?」
会場が一気にザワつく。そして、当事者のあやめがそこに続けて言った。
「余達鬼人は、特別扱いなんて望まない。ただ、普通の幽世の人間として生きたいだけです!!!」
「そうだ、俺達は人間なんだ!!」
「俺達を受け入れてくれ!!」
それに気づいた人達が、証拠品を見てから言う。
「黒木家って、そんなに悪い奴らだったのか……」
「ネットにも上げとこう……」
「みんな、わかってくれたの……?」
あやめがそう言って、ミオとユウマが言う。
「うん。しばらくしたら、きっと結果が出るはずだよ」
「よく頑張ったと思います。あとは、ゆっくりと休んでください」
「そっか……そうなんだね……!!」
鬼人達も作戦が成功したことに、とても喜んでいる。
「やったぞ、鬼人は救われたんだぁぁ!!」
「全く、白上達だけじゃなくて……種族一つ丸ごと救っちゃうなんて。白上も鼻が高いです!!」
「そうしないと、百鬼さんが救われなかったからな」
ユウマはそう言って、みんなの喜ぶ様子を眺める。
「歌ってって言われた時は、ビックリしたけど……上手くいったね!! 流石だよ!!」
「ごしゅじん、あてぃし……上手くできたかな?」
「うん、二人もありがとう。みんなのおかげだ」
ユウマ達はこうして、鬼人の差別問題を見事に解決したのだった。