ベクトル付与で異世界最強~ホロメンハーレムしながら学生性活 作:とも667
あれからどうなったのか、ご覧下さい。
ユウマはフブキに対して、気さくに挨拶をしてみせたが……フブキは困惑していた。自分を浮かせて、ベルシリカすら倒せるあの能力は、一体何なのか。どうして、そんなにも冷静でいられるのか。もっともそれを聞いたところで、本人すら真実を知らないのだが。とりあえずフブキは、助けてもらったお礼を言うことにした。
「ご、ご丁寧にありがとうございます。私、白上フブキです」
「白上フブキさん……なるほど。そういえば、どうして付け耳と尻尾を付けてるんですか? そういう趣味?」
「えっ、獣人を知らない……?」
ユウマはそう言われて、まずい発言だったと後悔した。この世界は『魔王』のような、ファンタジー作品によく居る悪人がいる世界だ。獣と人が合体したような人がいても不思議ではない……ユウマは、必死に言い訳を考える。
「いやいや、冗談ですよ冗談!! すみません、寒い冗談言っちゃって」
「そ、そうですよね。大丈夫です、気にしてませんので」
「ありがとうございます、白上さんは優しいですね」
ユウマは本心からフブキを褒めた。フブキは顔を赤くしながら、しっぽを揺らして笑っている。
「や、優しいなんてそんな……じゃなくて!! 聞きたいことがあって……」
「なんでしょうか?」
「どうして、あなたは……そんなに冷静なんですか?」
そう尋ねられて、ユウマは全く考えていなかったところへの不意打ちで動揺する。
「俺が、冷静……?」
「バイト先なんですよね? それが壊されてても、あなたは全然慌てていなかった。ベルシリカが強いことは、見た目からわかるだろうし……それが怒っているという極限状態でも、何の焦りも見えなかった。戦闘未経験の一般人だとは思えないんです」
「……あいつ、そんなに強かったのか」
ユウマは『ベクトル付与』を利用して、ベルシリカを一方的に撃破してしまったので、魔王軍の恐ろしさを理解していなかった。しかし、それを知っているフブキからすれば、疑問でしかない。かくいうユウマ本人も、今になって自分の冷静さに疑問を持つ。ユウマはしばらく考えて……原因を突き止めた。
「何かあるなら、教えてほしいんです。あなたは、何者なんですか?」
「あぁ、わかった。死んだと思ったらいきなり蘇ったから、感覚麻痺しちゃってるんだな」
「えっ?」
フブキは、ユウマの言ったことの意味がわからなかった。この世界でも、一度死んだ者を生者として甦らせる方法は存在しない。それなのに目の前の男は、平然と自分が蘇生したことを言ってみせた。困惑して当然だろう。ユウマも言ってしまったあとに、自分の言ったことに気づく。自分の世界でもそんなことは有り得ないが、この世界でも有り得ないということに。
「い……いや、違うんです!! 冗談ですよ!! 自分でもよくわからなくて、言い訳を考えてたら……変なことを言っちゃいました!!」
「言い訳……そんな苦しい言い訳を言っちゃうなんて、変な人」
「すみません、寒い冗談ばかり言ってしまって……あはははは」
どうにか誤魔化したユウマだったが、ユウマは心の中で反省していた。この世界でも、自分の身に起こったことは怪奇極まりないことだ。これからは言わないようにすることを、ユウマは決意した。
「まぁ、わからないならしょうがないですね……あっ、それともう一つ!!」
「僕に答えられることなら……」
「その力は一体? 魔法や妖術にしては、威力が強いし……」
そう言われて、ユウマは言うより見せた方が早いと判断して、『説明書』を取り出した。
「それに関してもよくわからないんですが、詳細はここに書いてありました」
「えっ、説明書……? 『ベクトル付与』って……えっ、そんなこともできるの!?」
「実際できたので、本当だと思います」
ユウマは今度こそ事実を口にする。しかし、フブキはユウマに関しての疑問がますます膨らんだようだ。
「よくわからないですけど……とにかく、ありがとうございました!! おかげで助かりました!!」
「助かったようで何よりです。それでは……うぐっ」
「あぁっ!? 大丈夫ですか!? やっぱりどこかに怪我をして……」
──グゥゥゥゥ。
フブキの心配を他所に、ユウマの腹の虫が鳴く。そこで座り込んだユウマが、下を向きながら言った。
「……腹減ったぁぁ」
場所は変わって、ファミリーレストランにて。ユウマは、注文したミックスグリルセットとポテトフライを、胃に詰め込んでいた。フォークで突き刺されたソーセージがユウマの歯に噛み砕かれて、詰まっていた肉汁を口の中で爆発させる。
「いや、まさか奢ってくれるなんて思ってもみませんでした。助かりましたよ、あのままだったら野垂れ死にしてたかも」
「いえいえ、命を救ってもらったんですから……遠慮しないでください。それにしても、まさか同じ学園の生徒だったなんて……」
「白上さんも、ホロライブ学園の生徒だったんですね。世界って意外と狭いや」
そう言いつつ、ユウマは食べ進める手を緩めない。超空腹なユウマにとって、人の奢りだろうと遠慮してなどいられないのだ。そこでフブキは、落ち着いて思い出したことを少し赤くなりながら口にする。
「そ、そういえば……ベルシリカに言ってた、白上を助けてくれた理由って……」
「あぁ、アレですか。もちろん本心ですよ、可愛い子がいなくなるのは世界の損失で、それを殺すなら見逃せない。あと、みんなのためにあいつに立ち向かった、あなたの優しさへの称賛。全部僕が思ってることです」
「そ、そうなんだ、白上が可愛いから……」
フブキは、正直満更でもない気分だった。命の恩人に自分の可愛さと、優しさを褒められているのは。照れるフブキを見ているユウマは、とても眼福であった。
「……ごちそうさまでした!!」
「あっ、食べ終わったんですね」
「ありがとうございました、白上さん」
ユウマは改めて、フブキにお礼を言った。
「本当にいいんです、助けてもらいましたし。お会計は済ませておきますので、あとは任せてください」
「次は僕に是非奢らせてくださいね」
「ふふふ、楽しみにしてますね」
しばらく談笑した後、二人はそれぞれの帰路についた。ユウマは暗い道を帰りながら、これからのことを考えている……
「……この世界には、俺の常識が通用しない部分が山のようにある。さっきのファミレスでも、ドラゴンの爪を香辛料にしてるとか、ミノタウロスの肉のステーキだとか書いてあったし……」
獣人がいること、魔王軍がいること。ユウマは全てにおいて、全く常識がなかった。バイトもしなければならないが……まず、ユウマに必要なのは。
「勉強しないとな」
そう思ってユウマは、家に帰ってネットの無料動画で勉強をし始めた。
『この世界の種族はそれぞれ、人間、魔族、獣人、妖精、天使、鬼人、機人、竜人がいます』
「多いなぁ……そんなにいるのか」
『種族間によって得意なことも異なります。たとえば、獣人は獣特有の素早さや察知能力を持っており、魔族や天使は基本的に魔法が得意です』
しばらく種族についての勉強をした後、次は基本的な歴史についてを勉強し始める。
『旧暦20XX年、時空の歪みによる『次元融合』が発生しました。それにより、あらゆる次元で大災害が発生。全ての種族が大打撃を受けました。これを『多次元大厄災』といいます』
「なるほどな……」
『しばらくして、全ての次元の代表が話し合いを行い、『多次元講和条約』を結びました。それと同時に専門家達が次元の歪みを観測して、できる限りの対処をする『次元管理局』が設立されました。ここからが『新暦』となります』
その前は、普通の世界だったのだろう。そう考えて、ユウマは現代に近いこの現状に納得した。
「他の世界だと、他の世界の文化があるんだろうな……白上さんは、どこの世界から来たのかな」
『しかし、しばらくしてそれに反抗する者達が、魔界に集結。『魔王軍』を名乗り、大規模なテロ行為を始めました。これを『第一次人魔戦争』といいます』
「魔王軍? ということは、奴らが出てきたのは二度目なのか」
ユウマは魔王軍について、真剣に耳を傾ける。当然だ、さっき戦ったばかりなのだから。
『多数の犠牲者を出しましたが、最終的に一人の勇気ある人間が、仲間を集めて魔王軍を打倒しました。彼らは勇者と呼ばれ、とても慕われました』
「勇者か……それなら、次の勇者は俺なのか?」
『しかし、それからも魔王の模倣犯は後を断ちませんでした。時には、魔王を甦らせようとする者すらいます』
ユウマはそこで理解した。『魔王軍』が、初代魔王の後追いテロリストであることを。それからしばらく勉強して、ある程度の知識を身につけたユウマは、勉強を取りやめる。
「とりあえず、これで常識的な会話ができるだろう……もうこんな時間か。そろそろ寝よう」
そう言ってユウマは、風呂に入って歯を磨き、布団に入った。
「さて、明日からまたバイト探そう……」
ユウマは明日のことを考えながら、眠りに落ちた。
次の日からユウマは、またバイトを探し始め……辿り着いたのは、昼飯が出るタイプの工事現場の仕事。これなら、ご飯も食べられるからだ。しかし……肉体労働が楽なはずもない。
「おい、新人!! 遅いぞ!!」
「も、申し訳ありません……」
「新人くん、こっち手伝ってくれー」
「はーい!!」
そう簡単に金が稼げるわけもなく、ユウマはかなり疲れていた。そんな時、ユウマはひとついいことを思いつく。
「……『ベクトル付与』、使えないかな」
これから運ぶことになる鉄骨に、ユウマが上への軽いベクトルを与える。するとユウマが思った通り、鉄骨が軽くなっていた。あとはそれを肩に乗せて、規定の場所に運んでいくだけだ。
「これなら楽だな……」
「よいしょ、よいしょ……」
「ついでだ。あの人のやつも……」
仕事仲間が運んでいる物にも、軽い上へのベクトルを与えた。すると、仕事仲間の足取りが軽くなる。
「おぉっ、なんだ!? 荷物が軽く……」
「お待たせしました、主任」
「少しは慣れてきたか? いい足取りになってきたな」
本当は能力を使っているのだが、そこは秘密だ。ユウマはそれから夜まで、時間いっぱい働いた。
「お疲れさん。今日の給料だ、取っとけ」
「ありがとうございました!!」
「いい働きぶりだったよ、明日もよろしく」
近くのベンチに座って、お金を数えるユウマ。かなり入っている……
「これだけあれば、食っていけそうだな……」
ユウマは笑ってそう言ってみせる。足腰も鍛えられるし、一石二鳥だ。
「さて……ご飯の材料買って帰るか」
そう言ってユウマは、帰りにスーパーマーケットで材料を買ってから帰った。
「ふぅ。そういえば、白上さんは元気にしてるかな」
ご飯を食べ終わったユウマが、ふと呟く。それから、学校の説明を見た。
「学校が始まるまであと28日か……バイトがない日に、どう過ごすかだな」
しばらく考えて……ユウマは方針を決めた。
「よし、余った時間は勉強しよう。学校っていうくらいだからな。学業はつまり勉強だ、強さだけじゃ渡ってはいけんだろう」
そう呟いてユウマは、また無料のネット動画で勉強を始めた。バイトをしながら、勉強をして過ごす。そして学校に行く一日前……
「さて……中々逞しくなれたな、ベクトル与えて軽くはしていても、持って歩くことまではどうにもならん」
ユウマは腕も足も、ある程度筋肉がついていた。そして、この世界の知識も。
「あとは、俺の力がどの程度通用するかだな」
『ベクトル付与』のポテンシャルを、ユウマは未だに理解できていなかった。なので、今日だけは能力の理解に費やすことにしていたのだ。まずはどこまでの物なら動かせるのか。家にあった車を見て、ベクトルを与えてみる。
「……浮け」
──フワァァ……
ユウマがそう言って、浮くベクトルを与えた。すると本当にプカプカと自動車が浮く。
「どうやら、重さとかには制限がないらしいな……」
──ガコン。
車を戻して、次の実験。ユウマは、自分を手鏡で見てみた。そして……自分自身に、上方へのベクトルを与える。
「浮けるか?」
そう呟くと……ユウマは、本当に空に浮き上がった。
「おお、いけるんだな……よし、学園の下見だ。前へのベクトルを……」
手鏡で自分を見ながら、ユウマは自分の体に前方へのベクトルを与えてみる。すると、ユウマはすごいスピードで前方に飛んでいった。しかし……
──ブァァァァァッ!!!
「むぉわあぁがががっ!?」
ユウマは風圧で顔がすごいことになっていた。ユウマは急いで、目の前の空気に逸れていくベクトルを与える。
「ふぅ……風圧のことは考えてなかったな。ここが学校だな?」
ベクトルを解除し、下へのベクトルでゆっくりと降り立つ。ユウマの学園への第一印象は……
「……デカい」
ユウマの想像の1.5倍ほど大きい。恐らくは『バトルロワイヤル』のフィールドにもなるからなのだろうが、それにしても大きかった。
「それにしても……空気もいけるんだな、この能力」
新しい発見をしながら、ユウマはスーパーに立ち寄る。明日のための『武器』をひとつ買うためだ。それは水である。
「あの時、ベルシリカには相当効いてたしな。効果なしってことはないだろう」
それから、武器屋にも立ち寄る。買ったのはシンプルに、盾と銃と短剣の三つだ。
「とりあえずこれで行ってみよう。無理そうなら、また考える」
ユウマはそう言って、それを鞄に詰めたあと……予め衝撃を受け流すベクトルを与えてから、飛んで帰った。
「……よし。あとは明日に備えて休もう」
そう言って、ユウマは家に入ってテレビをつけた。すると……
『怪奇! ホロシティに謎の飛行物体!?』
「……人通りの少ないところを通るべきだったか」
考え無しに飛んでみたことを、少しだけ後悔したユウマであった。そして次の日、ユウマは反省して飛ばずに歩いて登校した。
「さてと、間に合ったな。相変わらずデカい学園だ」
ユウマはそう言いながら、学園内に入っていく。そして自分のクラスを見つけ、そこに入った。
「1-2か……こういう表記は変わらないんだな」
「……あれ!? もしかして、上村さんですか!?」
「ん? あっ、白上さん。こんにちは、元気そうでなにより」
ユウマの席は幸いにも、フブキの隣だった。ユウマはフブキの隣に座って笑う。
「そちらこそ!! あの後お変わりないですか?」
「いえ、全く。白上さんに恐れをなしたんでしょうか」
「いやいや、恐れをなすなら上村さんですよ!! だってベルシリカを倒したんですから!!」
そう聞こえたクラスの全員がザワつき始める。
「まさか、あいつがそうなのか……?」
「ウソだろ、とてもそんな奴に見えねぇぞ」
「でも、あいつはともかく……あの人が嘘つくようには見えないぞ」
ベルシリカが何者かに撃破されたことは、全国的に報道されていた。しかし、それをやったのが何者なのかは誰も分からない状態だったのだ。
「あ、言ったらまずかったかな……」
「別に悪いこと言ったわけじゃないですし、いいですよ。隠してたわけでもないし」
「だけどよ、そんな奴が普通に入学してくるか……?」
ユウマは信じてもらえても、信じてもらえなくても、どちらでも構わなかった。貪欲に人気を求めているわけでもないが、必死に隠してまで平凡な暮らしを求めているわけでもない。しかしそこで、一人の男子生徒が声を上げた。
「そんなわけねぇだろ、俺は信じねぇぞ!!」
「あ、高杉くんに目つけられた……」
「おいお前、上村だったかァ?」
高杉と呼ばれた男が、ユウマに突っかかっていく。
「なんでしょう」
「お前、適当なホラ吹いて人気になろうって魂胆だろ? みみっちいんだよ!!」
「申し訳ありません」
高杉はユウマにいちゃもんをつけているが、ユウマは相手にせず、適当に流している。これでも社会人なので、受け流し方はわかっているのだ。高杉はそれを聞いて気分を良くしたのか、嫌な笑みでユウマを見下した。
「ヘッ……案外理解が早いなぁ、褒めてやるよ!!」
「ちょっと、やめてください!! 白上の言ってることは嘘じゃありません!!」
「白上さん。いいですよ、僕のことは」
ユウマはそう言って、フブキを諭したが……フブキは命の恩人を馬鹿にされた上、真実の功績すら否定され、一方的に笑われているのだ。まだ受け流し方を理解していないフブキは、耐えることができなかった。
「おい、白上ィ。俺が誰だかわかってんのか? 俺様はなぁ、高杉コーポの一人息子だぜ? それに歯向かうのがどういうことか、わかるよなァ?」
「いいえ、わかりません!! 私の命の恩人を、あなたにそんな風に言われたくない!!」
「チッ……温情かけてやってんのに、随分生意気だな。ただの獣人の癖に……」
高杉の気分が急転直下し、一気に奈落の底に落ちた。青筋を浮かべながら、口でへの字を作っている。
「あなただって、お金持ちなだけのただの人間じゃないですか!!」
「さっきから言わせておけば……!! 一回痛い目見ないとわかんねぇみたいだな!!!」
「きゃあぁぁぁぁ!!」
怒った高杉に恐怖した生徒が、一目散に逃げてゆく。だが、当のフブキは全く引く様子がない。高杉はそれに怒りを募らせて、拳に魔力の光を宿らせた。
「喰らえ、パワーストライク!!」
「……そこまでだ」
「なに!? 俺の拳が……うぉぉぉ!?」
ユウマは腕にベクトルを付与し、腕一本で高杉の拳を逸らしてみせた。受け流された拳の勢いのまま、高杉は地面に仰向けに倒れ込む。
「俺のことなら構わんが、可愛い子にそんなことをするのはいただけないな」
「テメェ、調子に乗るなよ……!?」
「こっちの台詞だ。親の功績だけで、自分が偉いと思うなよ」
高杉は更に怒りを募らせ、もう一撃振りかぶる。
「このクソッタレがぁぁ!! ……ん!?」
「二度目は撃たせない。予備動作が大きすぎるんだよ」
「は、離せ!! このクソッタレ!!」
掴まれた腕を解放しようと高杉が腕を振り回したが、ユウマは高杉の腕を握る手に圧力をかけているので、絶対に離れない。
「離さない。お前が殴るのをやめるまではな」
「くっ、くそぉぉ……!! 畜生ッ!! わかったよ、やめればいいんだろ!?」
「それでいい」
ユウマが手を離す。高杉の握られていた腕の部分に、くっきりと手の跡がついていた。負け惜しみを言いながら、高杉が席に戻った。
「覚えとけよ、畜生……!!」
「バトロワでは期待しとくぞ」
「……ごめんなさい、上村さん。余計なお世話でしたね」
フブキは、自分の感情的な行いを恥じた。フブキは、自分だけなら殴られても、別によかった。しかし結果として、ユウマの手を煩わせることとなっていた。
「まぁ、歯に衣着せぬ言い方をするなら……そうですね。ああいう時は、適当に気分良くさせて放っておくのがいいんですよ」
「はい……ごめんなさい。白上は、やっぱりダメなやつだ」
「だけど……その、仲間を思う気持ちはいいと思いますよ。だから、そんなに自分を責めないでください」
ユウマはそう言って、フブキのフォローをする。フブキは下を向き、震えた声で言った。
「ありがとう……ございます」
「あと、ユウマでいいですよ。上村さんなんて、なんか堅苦しくていけない」
「……じゃあ、私もフブキでいいです」
二人は一悶着ありながらも、友情を築いたのだった。
「それじゃよろしくな、フブキ」
「はい、ユウマくん……!!」
「みんないるな? よし、まずは挨拶だ」
そこで先生が来て、クラス全員がそちらに向き直る。ユウマの学園生活が、ここから始まる。
学園生活、スタートです。
面白かったら、是非感想や評価をお願いします。作者のモチベーションが上がります。