ベクトル付与で異世界最強~ホロメンハーレムしながら学生性活 作:とも667
そろそろR18入ります。
ユウマの目の前がまたしても光に包まれ、気が付くとユウマはベッドに寝かされていた。ここがどこなのかわからず、ユウマは立ち上がってきょろきょろとあたりを見回している。
「ここはどこだ……?」
「全然疲れてないのね。あの激戦を無傷で制するなんて、ホント何者なのかしら」
「わっ、胸大きいな……じゃなくて。すみません、ここはどこですか?」
それを聞いた、露出多めの服を着た角の生えた金髪の女性……癒月ちょこが、手を口に当てて笑う。
「あらあら、いきなり大胆ね。でも、そういうことはあんまり初対面の人に言っちゃダメよ?」
「も、申し訳ない。つい口から出ちゃいまして」
「うふふ、私も自覚してるしいいわよ。自己紹介してなかったわね、私は癒月ちょこ。悪魔で、ここの保険医よ」
そう言って、ユウマに笑いかけるちょこ先生。ユウマも気を取り直して、自己紹介する。
「ご丁寧にどうも。僕は上村ユウマ、ここの新入生です」
「もちろん知ってるわ。それにしても、彼女たちを相手に無傷だなんて……もしかして、見た目に似合わずかなりの熟練者?」
「いえ、そんなことは……よくわからないんですが、生まれつき不思議な超能力が使えるようで」
真実を言っても信じてもらえないと悟ったユウマは、『生まれつきの能力』で通すことにした。ちょこ先生はそれに納得して、頷いている。
「そうなの……それにしても、便利よね。空も飛べるし、攻撃を防げるし、その辺にあるものを武器にできちゃうし」
「僕もそう思います。あっ、そういえばフブキは?」
「フブキ様なら、あっちで寝てるわ。疲れたんでしょうね」
ユウマが指さされた方向を覗き込むと、フブキが安らかな顔で眠っていた。
「頑張ってましたもんね」
「えぇ、本当に。恋する乙女のパワーってやつかしら」
「恋する乙女?」
ユウマはちょこ先生の突拍子もない発言に、疑問符を浮かべた。
「あら、気づいてないの? 鈍感ね、それじゃ女の子に嫌われちゃうわよ?」
「も、申し訳ない。この歳になるまで未経験なもので……」
「じゃあ、これが二人の初恋同士? うふふ、ますますお似合いね」
ユウマはそう言われて、嫌でもフブキを気にする。こんなにも可愛らしい子が、自分のことを? ユウマが思わず、顔を赤くする。
「フブキ、お前……」
「ん、うぅん……?」
「そろそろ起きそうね。それじゃ私は、若い二人に任せて退散しようかしら。ごゆっくり」
ちょこ先生は、そう言って部屋を出て行ってしまった。ユウマが引き留めようとしたときには、もう遅い。
「あぁっ、ちょっ……行っちゃったよ」
「うぅん……ユウマ、くん?」
「あ、フブキ……おっ、おはようございます」
緊張しすぎて、ユウマは口調がおかしくなっていた。フブキはそんなユウマを、少し訝しんでいる。
「おはよう、見ててくれてたんだね。でも、口調変じゃない?」
「そ、そんなことないぞ⁉ 俺はいつも通りの俺でぇっ‼ 舌嚙んだッ‼」
「変なユウマくん……でも白上達、やったんだね‼ 優勝したんだよね‼」
ユウマはそう言われて、我に返る。そうだ、自分たちが優勝者なのだと。
「あぁ、そうだよ。俺たちが一番強いんだ‼」
「ホントに、そうなんだ……ユウマくんの、おかげだよ」
「フブキだって頑張ったさ。自信持てよ」
ユウマはそう言って、フブキを励ます。フブキはそれを聞いて、花が咲いたように笑顔になった。
「うんっ‼」
「もう日が暮れてきてるな。そろそろ帰るか?」
「うん、一緒に帰ろう?」
二人は荷物を取って、談笑しながら帰路についた。その途中で、戦った相手と出くわす。
「あ、あれ上村くんじゃない?」
「おーい、上村くーん‼」
「天音先輩にAZKi先輩。さっきはどうも、勉強になる戦いでした」
そう言ってユウマは、二人に礼儀正しく頭を下げた。
「こちらこそどうも。完敗だよ、上村くん」
「でも次は負けないよ、もっともっと強くなるから!!」
「こっちだって負けませんよ。フブキもいるし……だろ?」
ユウマがそう言ってフブキを見ると、フブキは自信満々な様子だ。
「うん!! ユウマくんに相応しいくらいに、今よりずっと強くなってみせます!!」
「……あれっ、そういえば湊さんは? 帰ったのかな」
「いや、多分彼女は……」
全員が言いにくそうな顔をする。ユウマがそれに疑問を持っていると、違う教室からあくあが出てきた。キャップを深く被って、顔を隠している。
「あっ、湊さん!!」
「は、はい!?」
「さっきはありがとうございました、いい戦いでした!!」
ユウマがそう言うと、湊あくあもユウマを見て頭を下げた。
「あのっ、その……ありがとう!! またねっ!!」
「……なんだったんだ?」
「彼女、強いんだけど……とんでもなくコミュ障なんだ」
それを聞いて、ユウマは納得した。コミュ障も得意なこと話してる時は、すごく話せたりするもんな……と。
「あぁっ、もうこんな時間!! またね、上村くん!!」
「また明後日会おうねー!!」
「はい、それではまた明後日に」
バトルロワイヤルの後は、全員疲れているので一日休みが挟まれる。ユウマもパンフレットで見たので、知っていた。
「それじゃフブキも、また明後日だな」
「ま、待って!! 明日、その……よかったら、一緒に出かけない?」
「えっ!?」
それはつまり、デートということではないのか。そう思ったユウマの顔の熱が再燃する。フブキも相当勇気を出しているのか、顔が赤い。
「もちろん、ユウマくんが暇なら……だけど」
「い、いや!! 大丈夫、もちろん暇だから!!」
「本当!? よかった!! それじゃ明日の12時、近くの駅前でね!!」
そう言ってフブキは、嬉しそうに尻尾を揺らしながら、走り去っていった。
「……どうしよう」
ユウマは彼女いない歴=年齢の男である。つまり、デート経験など欠片もないのだ。こういう時は男がエスコートする物だと聞いていたユウマは、内心八方塞がりであった。
「しかし行くと言ったからには、やるしかないよな……本買って帰れば、なにか変わるかな」
そう思ったユウマは、恋愛の本を買って帰ることにした。しかし。
「全くわからんっ!!」
ユウマはそう言って、本を閉じてしまった。恋愛経験ゼロのユウマには、恋愛本のことなどわかるはずもない。
「くそぉ、これで本当に大丈夫なのか?」
もしもフブキに愛想を尽かされたらと思うと、ユウマはとても怖くなった。ユウマはそこで、自分の気持ちを誤魔化した。
「い、いや。あれもちょこ先生の憶測だろう、きっとそうだ。変なこと考えずに、普通に遊びに行こう」
ユウマは気持ちを誤魔化したまま、ベッドに入った。
「……眠れない」
深夜まで、ユウマは眠れなかった。そして、そのような気持ちなのはフブキも同様である。
「あぁぁぁぁ、どうしよう!! 勢いであんなこと言っちゃったけど、何にも考えてないよぉ!!」
「お前なぁ、もう少し考えて行動しろよ。いつも突発的すぎるんだよ」
「うぅっ、返す言葉もございません……」
自分の同居人、黒上フブキにそう言われて押し黙るフブキ。その様子を見かねた黒上は、ため息を吐きながら尋ねた。
「はぁ……それで? そいつはどんな奴なんだ?」
「その、強くて……かっこよくて、優しくて、可愛い子が大好きで……い、いい人だよ!!」
「可愛い子が大好き、ね……だったら、そのままでいいんじゃねぇの?」
黒上は、ぶっきらぼうにそう言った。フブキはそれに、素っ頓狂な声を上げる。
「えっ、でもデートだし……」
「そいつはいつものお前を見て、可愛いって思ってるんだろ? それなら、特に気遣いとかしなくてもいいだろ」
「そっか……そうだよね!! ありがとう黒ちゃん、白上頑張るよ!!」
気合を入れたフブキが、黒上に笑いかけた。
「さっさと寝とけ、綺麗な肌が台無しになるぞ」
「はーいっ!!」
「ったく、あいつもそんな時期か……変な男じゃねぇといいがな」
椅子の背もたれにもたれながら、黒上は一人で愛しい同居人のことを考えていた。
次の日。フブキが駅に来ると、ユウマは既に駅前に立っていた。
「こんにちは、ユウマくん!! 待った?」
「いや、今来たところだよ」
「そっか、それじゃ行こう? 行きつけのゲームセンターがあるんだ!!」
フブキはユウマを引っ張って、ゲームセンターへと走っていく。ユウマはフブキに引っ張られながらも、笑っている。
「わかったわかった、行くからそんなに引っ張るなって!!」
「今日は新しいゲームが来る日なの!! 絶対一緒に遊ぶんだ!!」
「なるほど、そりゃ急がないとな……!!」
しばらく走って、二人はゲームセンターに辿り着いた。
「……あれか?」
「うん!! 一緒に遊ぼう?」
「誰か座ってるな。ちょっと待とうか」
ユウマはそう言って、二人で立って待つことにした。しかし、いつまで経ってもゲームの席は開かない。隣の人と、延々とプレイを続けている。
「オラ、喰らえ!!」
「まだまだぁ!!」
「畜生ッ、負けたぁ!! もう一回だ!!」
そう言って、男二人は後ろのユウマとフブキに気付かずに、対戦を続ける。そこでフブキが、二人に声をかけた。
「あ、あの……!! 待っているので、そのゲームが終わったら譲り……」
「うるせぇ、黙ってろ!! 集中できねぇだろ!!」
「そ、そんな……!!」
ゲームセンターのマナーを守らず、ゲームを続ける男達。ユウマも耐えかねて、声をかけた。
「あそこにも書いてありますよ、後ろに人がいるなら譲るようにと。店のルールは守るべきでは?」
「うるせぇ、素人は黙ってやがれ!!」
「オラオラ、くたばれぇぇ!!」
それを見たフブキが、苦笑しながらユウマに言った。
「いいよ、ユウマくん。違うゲーム遊ぼう?」
「……いや。俺に任せておけ」
「えっ? 何するの?」
ユウマはフブキの疑問の声を聴きながら、男が次のコインを入れた瞬間……ベクトルを与えて、コインを返却させる。ゲームが止まり、下からコインが出てきた。
「あぁっ!? ゲームが!?」
「テメェ、何しやが……うわぁっ!?」
「な、なんだ!? 椅子が勝手に……」
ユウマは続けて、座っていた椅子とコインにベクトルを与え、店の外へと走らせる。店のドアが開き、店の外で椅子が急停止。その勢いで、男は跳ね飛ばされた。
「ぬわぁぁぁぁぁ!?」
「ぎゃあぁぁぁぁ!?」
「またのお越しを、ってね」
ユウマは椅子を元の場所に戻らせ、フブキの方に向き直る。
「さぁ、遊ぼうぜ? やるからには負けねぇぞ、フブキ」
「う、うん!! 白上だって、君だからって容赦しないよ!!」
「よし、やろうぜ?」
ユウマとフブキが座って、ゲームを始める。結果としては……ユウマの完敗であった。
「やったぁぁ!! 白上の勝ち!!」
「流石経験者だ、強いなぁ。見事に負けちまったよ、次は何をやる?」
「じゃあ、次はアレやろう? 白上が教えてあげる!!」
ユウマはそう言われて、違うゲームに座る。今度は一人用のゲームだが、フブキはユウマの背中にくっついて、手取り足取り教えている。
「そこはこうして、こう!! そうそう、いい感じ!!」
「あ、ボスが出てきた」
「あぁ、避けて避けて!!」
ユウマとフブキは必死でレバーを動かして、ゲームをプレイしている。そして、その努力の甲斐あって……ゲームクリアの画面が表示された。
「おぉ、倒した!!」
「やったぁぁぁぁ!! すごいよ、初回クリアしちゃった!!」
「フブキのおかげさ。ありがとう」
ユウマは椅子から立ち上がって、フブキに感謝した。フブキもそれに笑って返したが……ユウマが先に、違和感に気付く。
「どういたしまして!! ……ユウマくん、どうしたの?」
「いや、みんなの視線がな……」
「ひゅーひゅー!!」
みんなが、二人に対して生暖かい目線を向けている。それもそのはず、二人はずっと密着してイチャイチャしながら、ゲームをしていた。どこからどう見ても、恋人同士だ。
「熱いねー、お二人さん!!」
「かっこよかったぞ、彼氏さん!!」
「もっとくっつけよー、彼女さん!!」
二人はそう言われて、見つめ合い……全く同時に真っ赤になった。
「ちゃ、茶化さないでくださいっ!!」
「そんなんじゃないですから!!」
「嘘言うなよ、あんなにくっついてたのに!!」
二人は更に真っ赤になって、逃げるようにゲームセンターを後にした。
「ま、全く!! あの人たちは何を言っているんでしょうね!! 時間も時間ですし、ご飯食べに行きましょうか!!」
「そ……そうだな!! なんか食べに行こうぜ!!」
「待てよ、お前ら……」
そこにいたのは、さっきユウマが吹っ飛ばした二人の男だった。
「まだいたんですね」
「よくもやってくれたなぁ、おニューの服が台無しだよ」
「すみませんでした、クリーニング代は出しますので」
そう言ってユウマが、財布を取り出そうとしたが……男達はそれを拒否した。
「んなもんいらねぇよ、男はどいてな」
「そこの獣人さん、可愛いなぁ……お前も同罪なんだし、償ってもらわないとなぁ?」
「ちょ、ちょっと……やめてください!!」
男二人が、ユウマを乗り越えてフブキの腕を掴んだ。
「お詫びだよ、俺たちの服のな!! ほら、行くぞ!!」
「や、やめてっ、痛っ……!!」
「待て。やりすぎだろう、警察を呼ぶぞ」
ユウマがそう言ったが、男は下衆た笑みで言う。
「呼んでみろよ。俺たちはお前にぶっ飛ばされてる、それを言ったらどうなるかな?」
「そういうことだから、一緒に来てもらおうかぁ?」
「ユ、ユウマくん!! 助けてっ!!」
フブキが、ユウマに助けを求めて手を伸ばす。ユウマはそれを掴んで、自分を手鏡で見ながら……一言言った。
「手を離すなよ」
「う、うんっ!!」
「あぁ? 何するつもり……うぉぉぉ!?」
ユウマは上へのベクトルをかけて、空中に浮き上がった。二人はいきなりの浮遊についていけず、振り落とされる。
「ぐぁっ、テメェらぁ……!!」
「じゃあな。この子を連れていくのは、間違ってもお前らじゃない」
「と、飛んでいきやがった……!!」
前へのベクトルをかけて、前へと飛んでいく。ユウマはフブキを抱き寄せて、振り落とされるようなことがないようにしている。もう、すっかり日が暮れてしまっていた。
「見てみろフブキ、綺麗だぞ」
「えっ? ……わぁっ!!」
「空の旅も悪くないもんだな」
高所を飛んでいるので、綺麗な赤い空がビルに阻まれずに見える。フブキは、それに目を輝かせていた。
「……そろそろ降りるか」
「ありがとう、ユウマくん。助けられてばっかりだね、白上……」
「フブキの力になれてるなら、嬉しい」
降り立ったのは、人気のない公園。さっきまでは飯を食べるつもりだった二人だったが、二人ともそれをすっかり忘れていた。静かに、二人でベンチに座る。
「ユウマくんは、いつも助けてくれる。ベルシリカの時も、バトロワの時も。今日は二回も助けてもらった」
「褒められるようなことはしてない。俺はただ、フブキが可愛いから助けてるだけだ。別に、誰もを助ける善人じゃないよ」
「それでもいいの、白上はユウマくんに助けてもらってる。ユウマくんは、間違いなく白上のヒーローだよ」
フブキはもう、自分の言いたいことに気づいていた。ユウマもそうだ。あとは、どちらかが言い出すだけ。
「……ユウマくん!!」
「……フブキ!!」
「白上は、ユウマくんのことが……!!」
「俺は、君のことが……!!」
二人が同時に勇気を出して、言った。
「好きです!! 付き合ってください!!」
「好きです!! 付き合ってください……って、あれ?」
「タイミング、被っちゃったね……ふふっ、あはははは!!」
「はっはっはっは、どうやら俺たちはどこまでも気が合うらしい!!」
二人で笑いあって、フブキがユウマにキスをする。フブキにできる、最大の好意の証明。
「ユウマくん、大好き……」
「うん、俺も」
「すっかり、暗くなっちゃったね」
二人が愛を確かめあっている間に、もう月が顔を出していた。ユウマは立ち上がって言う。
「コンビニあるし、何かしら買って食おうぜ」
「うん!!」
「フブキ、お前は何が食べたい?」
食べるものを考えながら、コンビニに入って……二人は、二人分の夜ご飯を買った。しかし……
「ここ、店内に食べるスペースないのか……弱ったな。ベンチまで戻るか?」
「……白上、ユウマくんの家に行きたいな」
「えっ!? そ、それは……」
白上はユウマの腕にしがみついて、離そうとしない。引き剥がすことは、今のユウマにはできなかった。
「ダメ、かな……?」
「……わかった。行こう」
「先に外、出てて? 買いたいものがあるの」
そう言われて、言われるがままにユウマは店を出る。フブキはすぐ店を出てきた。
「お待たせ。行こう?」
「あ、あぁ……」
「……えへへ」
ユウマは、このあと何が起こるのか……なんとなく察していた。フブキはもう、そのための準備をしている。二人はぴったりくっついたまま、夜の道を歩いていった。
次回、えっち回です。
面白かったら、是非感想や評価をお願いします。作者のモチベーションが上がります。