※この作品はR-18です。

ベクトル付与で異世界最強~ホロメンハーレムしながら学生性活   作:とも667

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 次のヒロインはAZKiさんです、よろしくお願いします。


第六話 危険地帯? いや、無傷ですけど?

次の日。ユウマは眠い目を擦りながら目覚めた。今日は学校なので、起きなければならないのだ。ユウマはフブキを揺すって、起こす。

 

「フブキ、今日は学校だぞ……起きてくれ」

 

「むにゃむにゃ……そんなの、いいですよぉ……もうちょっと、一緒にいましょう?」

 

「魅力的な提案だが、サボると内申とかにも響くぞ。行こうぜ」

 

 ユウマは少し心苦しくなりながらも、フブキを揺すった。フブキは眠い目を擦りながら起き上がる。

 

「ふわぁぁ……おはようございます、ユウマくん」

 

「おはよう。昨日は色々悪かったな」

 

「いや、こちらこそ……その、ありがとうございました」

 

 フブキは顔を赤くしながら、尻尾をパタパタさせている。それを可愛らしいと思いつつ、ユウマは汚れた布団を見た。

 

「とんでもなく汚しちまったな。学校行く前に、コインランドリー入れるか」

 

「あ、白上も手伝います!!」

 

「とりあえず着替えて飯食おうぜ、仕事はそれからだ」

 

 ユウマとフブキは、二人で惣菜パンを咥えながら布団を袋に詰めていく。そしてコインランドリーに布団を入れて、一緒に登校した。時間は経って、昼休み。

 

「……それにしても、俺が童貞卒業できるなんてな」

 

 一生童貞だと思っていたユウマは、今の現実を見てそう呟いた。転生してからユウマは、味気ない人生とは無縁の生き方をしている。

 

「そういえば……転生したばっかりの俺って大分おかしかったな。フブキの反応が正しい」

 

 今頃になって、ユウマはそう呟いた。客観的に見ると、どこをどう見てもおかしな人間である。敵扱いされなかっただけ、ラッキーだったなとユウマは思った。ユウマが考えに浸っていると、すぐに昼休みが終わり……授業が終わって、帰りの挨拶。

 

「それでは、今日はこれで終わりだ。あと、ダンジョンが出現しているみたいだから、挑戦する者は気をつけてな」

 

「はーい」

 

「では、解散!!」

 

 全員が立ち上がって、帰っていく。そこでユウマは、フブキに声をかけられた。

 

「ユウマくん、今日もゲームして帰らない?」

 

「あぁ、いいよ。今日こそ勝つ」

 

「ふふふ、簡単に勝てると思わないがいいですよ?」

 

 ユウマとフブキは、また帰りにゲームをしてご飯を食べてから家に帰った。そして、その日の夜……ユウマは一人で教員が言っていたことを考えていた。

 

「そういえば、ダンジョンがどうとか言ってたな……どういう物なんだろう」

 

 ユウマはダンジョンに興味を持ち、ネットで調べてみた。

 

「空気中の四元素と、洞窟内の魔鉱石が反応することで生まれる洞窟……魔物が大量に湧いてて危険だけど、お宝や貴重な物が精製されてることがあるんだな」

 

 危険度と落ちている物のレア度は比例する、とも書いてある。ユウマは少し考えて、すぐに決めた。

 

「土曜日に行ってみるか。この力があれば、負けるってことはないだろう」

 

 ベルシリカを撃破し、そしてバトルロワイヤルを無傷で突破したことで、ユウマは完全にベクトル付与を信じきっていた。事実、この世界で今一番強いのはユウマだ。

 

「とはいえ、何があるかわからないし……警戒はしておくか」

 

 そう呟いてユウマは、その日はそのままベッドに入った。そして時は過ぎ、土曜日のお昼。腹ごしらえを済ませて、武器を購入したユウマが、ダンジョンのある場所まで歩いてきていた。

 

「よし、準備はOKだな……宝探しなんて、子供の頃以来だ」

 

 この日をかなり楽しみにしていたユウマは、柄にもなくワクワクしている。早速ユウマは、目の前に見えた洞窟に入ってみた。入った瞬間、ユウマの周囲の空気が変わる。

 

「……空気が違う感じがするな」

 

「キシャアァァァッ!!」

 

「いきなり敵か。喰らえ」

 

 ──ズドンッ!!

 

 ユウマは敵を認識すると、持ってきた水のボトルを開けた。少し水を出して、それを目の前の敵に弾丸として打ち込む。ユウマの目の前の鶏の魔物……コカトリスの首が一撃で吹き飛んで、倒れる。

 

「ピギャッ!!」

 

「評判通り、物騒な場所だな……」

 

「グォォォォッ!!」

 

 間伐入れずに、狼の魔物のキラーハウンドがユウマに飛びかかってくる。しかし、ユウマは水の弾丸で冷静に対処する。キラーハウンドが吹っ飛んで、地面に叩きつけられた。

 

「グゥ、ウ……」

 

「これで終わって……ないようだな」

 

「ギャウギャウギャウッ!!」

 

 夥しい量のキラーハウンドが、ユウマに牙を向けた。どうやら、一体のキラーハウンドは尖兵だったようだ。しかしユウマは顔色一つ変えない。

 

「うるさい犬だな」

 

「ウォォォォォォン!!!」

 

「『アクアスライサー』」

 

 ──ジュバババァァッ!!!

 

 ユウマがそう呟いて、水の刃をキラーハウンドの群れに飛ばした。それは一匹を切り裂いても止まらず、どんどんハウンド達を真っ二つにしていく。キラーハウンドは怯まずに、ユウマを噛み千切らんと向かってくる。

 

「グォォォォッ!!」

 

「……試してみるか。こいつの威力」

 

「ギャウンッ!?」

 

 目の前に来たキラーハウンドが、真っ二つにされた。ユウマが取り出したのは、円形の刃のついたフリスビーのような物体……所謂、チャクラムだ。それをユウマは、ハウンドの群れへとベクトルをかけて投げつけた。

 

「行け」

 

 ──ズシャアァッ!!

 

「ギャイィィンッ!!!」

 

「逃がさんぞ」

 

 ユウマはチャクラムに更にベクトルを与えることで、逃げようとしたハウンドを逃がさない。ハウンドの首がはねられて、地面に横たわった。ユウマが目で追える相手なら、絶対に逃がさない。全員を切り裂き終わったチャクラムに対して、ユウマは戻ってくるベクトルを与える。

 

「悪くない戦法だな」

 

 チャクラムについた血を拭き取り、入れ物にしまい込む。そして、ハウンドの死体の山を見て……気づいた。

 

「こいつらの牙、売れないかな……」

 

 ユウマはそう思って、持ってきておいたナイフで牙を切り離していく。バッグに鋭い牙が詰められて、歯の抜けたハウンドの死体だけが残った。

 

「悪く思うなよ」

 

 そう言って、ユウマは先に進んでいく。どんどん魔物をなぎ倒して進んでいると……宝箱を見つけた。大きくて、豪華な宝箱だ。

 

「開かない……鍵がかかってるのか?」

 

 残念ながら、鍵は開かなかった。普通なら諦めるところだがユウマは違う。チャクラムを取り出して、刃に高速回転するベクトルを与えた。

 

「……これでこじ開けてやる」

 

 ──ズギャギャギャギャッ!!!

 

 切れ目の部分にチャクラムを叩きつけて、無理やりこじ開けていく。しばらくすると蓋が取れて、中身が見える。そこには輝く宝石が沢山入っていた。

 

「おぉ、高値で売れそうだな……もらっていこう」

 

 ユウマはそう呟いて、宝石をバッグに詰め込んだ。どれだけ詰めても、上へのベクトルを付与しておけばとても軽い。

 

「もう少し探してみるか」

 

 ユウマはそれからも宝を探して、あちこちを回った。魔物を倒して素材を貰いながら、宝石や金などを詰めていく。そして一時間後。

 

「……これで全部か。大分集まったな」

 

 ユウマは鞄の中身がパンパンになったので、ダンジョンから出た。そして、近くにあった質屋に向かって鑑定を依頼する。

 

「こ、こんなにたくさん……!?」

 

「お願いします」

 

「あぁ、はい……あのキラーハウンドの牙がこんなにたくさん、一体何者だ……?」

 

 ユウマは瞬殺したので気づいていないが、キラーハウンドは強力な魔物だ。抜群のコンビネーションと鋭い牙で、熟練の戦士でも殺されてしまうことがあるほど。基本的に群れで行動するため、牙の採取は難しいのだが……大量の牙を見て、鑑定士は困惑している。

 

「どうでしょう?」

 

「はい。これ全部合わせて……1000万ジオです」

 

「えっ、そんなに!?」

 

 ユウマは驚いた。精々数十万だと思っていたので、ここまでだとは思っていなかった。

 

「貴重な物が多いので、これくらいになりますね」

 

「ありがとうございます……じゃあ、お願いします」

 

「それでは、口座の方にお振込をさせていただきますね」

 

 そう言われて、ユウマは店を出た。いきなり金持ちになってしまい、実感が湧かないユウマ。

 

「……とりあえず、もう一回行ってみるか」

 

 自身の力が通用することはわかったので、ユウマはもう一度行くことにした。だが、そこで事件が起きる。

 

「ん? あれは……」

 

「痛いっ、やめて……!!」

 

「大人しくしろ!!」

 

 ユウマはダンジョンの前で、見覚えのある女の子がおかしな服装の男たちに、連れ込まれそうになっているのを見た。ユウマには、可愛い女の子を放っておくという選択肢はない。

 

「待てよ、白昼堂々誘拐か?」

 

「えっ、上村くん……!?」

 

「上村!? まさか、貴様が上村ユウマか!?」

 

 自分のことを知っていることに、ユウマは少し驚いた。しかし男は、そのことを喜んでいるようだ。ユウマを殺せば、昇進できるから。

 

「そうだが。俺はそんなに有名なのか?」

 

「ベルシリカ様をやったのはお前か……!! ここでお前を殺せば、俺も昇進できる!!」

 

「ベルシリカ……お前も魔王軍か。その子を離せ。さもないと、死ぬぞ」

 

 ユウマは水のボトルを取り出したが、男はAZKiの頭に銃を当てて人質を取った。

 

「お前の戦法はわかってる!! それ以上やってみろ、こいつは死ぬぞ!?」

 

「私のことはいいから、上村くん……!!」

 

「うるさい、黙ってろッ!!」

 

「うっ……!!」

 

 首を絞められて、AZKiが苦痛の声を上げた。ユウマはそれに怒りを抱く。しかし、攻撃すれば撃たれてしまうだろう。そう思って、水のボトルをしまい込む。

 

「……これで満足か」

 

「よし、動くなよ? 今すぐ殺してやる!!」

 

「ダメ!! 早く、反撃して……!!」

 

 しかしユウマは、勝利手段を考えついていた。AZKiと目を合わせて、手を開くジェスチャーをする。AZKiは、手に剣を持っていた。

 

「外したら困るからな。もう少し近づいて……」

 

「……っ!!」

 

「ん? なんだ、剣を落としたのか。首を強く締めすぎたか? まぁ、どうでもいい」

 

 それが命取りとは知らず、剣を背に男が歩いてくる。そこでユウマは、ゆっくりと剣を浮き上がらせて……男の胸を狙う。そこで男が、銃口をユウマに向けた。

 

「死ね、上村ユウマ!!!」

 

「死ぬのはお前だ」

 

 ──ザシュアッ。

 

「ごっ、が……!?」

 

 男は血を吐いて、胸に刺さった剣を見る。意味がわからないまま、男はその場に倒れ込んだ。人を殺して、少し気分が悪くなったユウマだが……AZKiを見て、その感情も消える。

 

「大丈夫ですか? 先輩」

 

「う、うん。ありがとう……助かったよ」

 

「まさか魔王軍がここに来るとは……何かあったんですか?」

 

 そう尋ねると、AZKiは洞窟を指さして言った。

 

「魔王軍があの中にいるみたいで、それを偶然見ちゃってね……連れていかれそうになってたんだけど、あなたに助けてもらえたの。ありがとう」

 

「そうだったんですね……わかりました」

 

「えっ? なんで立って……まさか、戦うつもり!?」

 

 ユウマは頷いて、洞窟を見据えた。可愛い女の子を傷つけたのだから、ユウマは容赦するつもりはなかった。

 

「ダメだよ、殺されちゃう!! ここはまずい、おかしな雰囲気が漂ってる……!!」

 

「さっさと戻ってきますから、大丈夫ですよ」

 

「待って……あぁ、行っちゃった」

 

 ユウマは魔王軍の基地の中へ侵入した。そこに看板が置いてあり、嫌でも目に入る。

 

「『山の神』ね……随分と和風な名前だな」

 

 そう呟いて、ユウマが歩いていく。そこで……後ろから強い殺気を感じたユウマが、咄嗟に後ろ蹴りを繰り出す。何者かが舌打ちして、その場から消えた。

 

「……チッ」

 

「なんだ……? 黒いモヤ?」

 

「侵入者発見、直ちに排除する!!」

 

 下っ端達が出てきて、ユウマに武器を構えた。それに対してユウマは、チャクラムを投げて応戦する。チャクラムが次々に魔王軍の急所を貫いて、殺害していく。

 

「ぎゃあぁぁぁぁ!?」

 

「死ね!!」

 

「甘いな」

 

 ユウマはそう言って、撃ち込まれた銃弾を盾で弾き飛ばす。そこにはまたしても、黒いモヤがあった。

 

「くそっ!!」

 

「……ただの黒いモヤじゃないようだな。あれが『山の神』か」

 

「ば、化け物め……ぐはっ!!」

 

 魔王軍の下っ端達は喋っているうちに全滅し、チャクラムをユウマが回収する。そこでユウマは、手鏡を取り出した。

 

「念の為、浮いて行くか。感圧板とかを仕込んであるかもしれない」

 

 ユウマは浮き上がって、空中を歩いて進んでいく。そこで、ユウマは対策を思いついた。水のボトルを浮き上がらせて……蓋を開けておき、ほんの少し斜めにしたまま進む。

 

「……死ね!!」

 

「そこだ」

 

 ──ジャシュッ!!

 

「ぐはぁぁぁっ!?」

 

 『山の神』は、今度こそと毒の吹き矢をユウマに放った。しかしユウマは、それを盾で弾き……床に零れた水が、刃の形をとって『山の神』を後ろから貫いた。山の神の腹部から、血が溢れ出す。

 

「終わりだ」

 

「くそぉぉっ!!」

 

「……また消えたか」

 

 ユウマは水のボトルを回収した。水も有限だし、一度当てた技は当たらないと予想しての行動だ。

 

「さっき、明らかに人の形をしていた……少しずつ『見えて』きてるな」

 

 相対する度に、見えるようになってきている。ユウマはそれに気づいて、笑みを浮かべた。勝機はあるということを悟り、更に歩いていく。そこで、踏んでいないのに罠が作動する。壁から矢が怒涛の勢いで飛んできたが……ユウマは焦らず、水の壁を作った。

 

「……なりふり構わないってわけか」

 

「そこだァ!!」

 

「それは、こっちのセリフだ」

 

 後ろからナイフで突き殺そうとしてきた『山の神』。しかしユウマは……ナイフが体を掠るのを、敢えて許容した。ナイフがユウマの頬を抉り、血が吹き出す。そこでユウマは……浮いているナイフの根元を、ガッシリ掴んだ。

 

「なっ……!? き、貴様ァ!! 離せ、離さんか!!」

 

「当たったから気分良くなって、もう一回当てようとしたんだろ? それくらいはわかる」

 

「いかん、このままでは……くそぉぉッ!!!」

 

 振り払おうとして、『山の神』が銃を取り出した。そこで、ユウマはその銃にチャクラムを投げつける。無論、それは避けられた。しかし、それすらも想定内。

 

「甘い、死ね!!」

 

「甘いのはお前だよ」

 

 ──ズギャア!!

 

「なっ……!?」

 

 チャクラムにベクトルが付与され、銃の方に飛んでいく。銃が真っ二つになって、地面に落ちた。少し手が切れたのか、血が垂れている。そして、『山の神』の姿がどんどん鮮明になってきた。

 

「お前はやっぱり人間のようだな……」

 

「くっ、くそっ……!!」

 

「……またか」

 

 瞬間移動でユウマの後ろに回り、そこで消えたようだ。そろそろ見えるようになると、ユウマは悟っている。

 

「次は何の罠が来るだろうな……」

 

 ユウマは落とし穴などを警戒して、また浮き上がる。しばらく移動していると、扉のような物が見えた。

 

「奴はあそこだな……?」

 

 ユウマはそう呟いて、そこに向かっていく……しかし、そこで鉄の壁が目の前と退路を断つ。そして、そこに天井が降ってきた。

 

 ──ガシャンッッ!!!

 

「ハッハッハッハ、やったぞ……!! ざまぁみろ!!!」

 

 『山の神』は、勝ち誇ったような表情で部屋から出てきた。完全に勝ったと思って、笑っている。天井と壁を元に戻して、そこにはユウマの無惨な姿が……見えなかった。

 

「……は?」

 

 『山の神』は、薄ら寒い気分になった。逃げることは、できなかったはずだ。何故いないのかと、必死に老人の頭で考えている。そこで、腹部に強い衝撃を打ち込まれた。

 

「甘かったな」

 

「ごぉっはぁ!?」

 

「俺に勝てたと思ったのか? 笑わせるな」

 

 ユウマはそう言って、山の神を目視する。そこには、老いさらばえた老人が倒れていた。

 

「どうして、逃げられた……!?」

 

「俺の能力は『止まってるものを動かす』力だ。壁は降りてきて、床で止まった。だから、俺の力で『上げた』んだよ。後は自分を射出して、スライディングで抜けるって寸法だ」

 

「ば、馬鹿な……!!」

 

 『山の神』の力は、正体を知られた相手には二度と発揮できなくなる。つまり、こうなった時点で勝敗は決しているのだ。

 

「終わりだな」

 

「まっ、待て!! そうだ、私の知っていることを……」

 

 ──ズジャッ。

 

「迷惑な老害は、さっさとあの世に行け」

 

 ユウマはチャクラムで、『山の神』の首を跳ね飛ばしてそう言った。大きな扉を開けて、その中にあるものを物色する。

 

「資料がたくさんあるな。お宝もあるし……この量、ここだけじゃないな。色んなところから集めてきたらしい……宝と資料はもらっていくか。そうだ、あいつなにか持ってるかな」

 

 そう呟いたユウマが、『山の神』の死体を漁る。服の中から身分証や、魔王軍のカードキーが出てきた。

 

「これで全部だな。帰ろう」

 

 ユウマはそう言って、回復薬を飲みながら洞窟を後にした。外に出ると、外はすっかり夕方になっている。AZKiが、心配そうに駆け寄ってきた。

 

「あ、上村くん!! 大丈夫!? 怪我は……」

 

「ありません。壊滅させてきました」

 

「えっ……壊滅? 魔王軍を……?」

 

 AZKiはその発言が信じられず、困惑を表情に出している。しかし、紛れもない事実だ。

 

「とりあえず警察と騎士団呼ぶね、確認とかあると思うから」

 

「あぁ、はい。わかりました」

 

「……あっ、ユウマくん。改めて、助けてくれてありがとう」

 

「お安い御用ですよ。だって、可愛いですもん」

 

 それを聞いたAZKiが、明らかに顔を赤くした。

 

「か、可愛いってそんな……いきなり言われても……」

 

「可愛い子が死ぬのは世界の損失です。だから、助けました」

 

「そうなんだ……お礼は必ずするから、待っててね」

 

 そう言われて、ユウマは遠慮する。可愛い子を助けるだけでユウマは満足だからだ。

 

「いや、そんなことしなくてもいいですよ。可愛い子を助けられたんですから」

 

「そ、それは嬉しいけど……お礼させてよ、先輩として!!」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えます」

 

「任せといて!! あ、電話番号交換しとこうか」

 

 そう言われて、二人で電話番号を交換し合う。

 

「これで二人目だな……」

 

「明日までになにか考えとくから、待ってて!!」

 

「わかりました、楽しみにしてます」

 

 ユウマはその後、事情聴取や資料の引渡しを行い……『山の神』の説明をした後、解放されて家に帰った。

 

「明日か……何があるのかな。楽しみだ」

 

 ユウマはそう言いながら、その日は早めに眠りについた。





 次回、デート回です。
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