闇に蠢く悪鬼羅刹・魑魅魍魎が跋扈する近未来の日本。魔界との門が開いたことによって生じた魔族の流入と治安の悪化、そしてそれと戦う同じく魔の血を宿した『対魔忍』、最新技術で抗う組織『米連』。彼ら・彼女らの戦いが、日の当たらない場所で繰り広げられていた。
そのような時代の中でも一際、闇に生きるものたちが集う場所がある。
その名は東京キングダム。東京湾に存在する人工島はかつて政府によって第二の都心となるべく巨額の資金が投下された。しかし、この夢の島は企業の誘致の失敗や工事の遅れなどの原因により失敗に終わった。捨てられた場所となった。今ではそこに巣食うのは魔界や闇社会から来た曰く付きの者ばかり。悪人の天国と化した、この地獄の島では今日も眩いネオン看板の下、性的魅力を分かりやすく露出させた娼婦が男に声をかけ、どこかから銃声が聞こえ、薬物中毒者たちが不気味な笑い声をあげている。それがこの場所の日常であった。
そんな島の某所。かつての開発時代の名残を残す廃ビルの一室に、一人の男と両手両足を縛られた女がいた。強姦などこの地では然程珍しいものではない。しかしこれから行われようとしていた凌辱は、男も女もそんなありふれたものからは離れた者たちであった。
「ちょっと!これを外しなさい!今なら半殺しで許してあげるわ!」
紫の対魔忍スーツを身にまとい、左目を隠す金色の髪を太腿まで伸ばした女、鉄華院カヲルは威圧的な声を飛ばす。しかし固く縛られた縄が解れる様子はない。足も同様に束縛されており逃げることもできない。無様な芋虫のような状態を晒していた。
「ふぅー、ふぅー……!」
一方で2メートルを超える身の丈を持つ男、緑色の皮膚をした魔族。オークの中でも巨体な彼は荒い息を吐き、肩を激しく上下させている。
彼を特徴付けるのはその大きさだけではない。その左目は欄々と黄色に輝き、正常に赤い右目と相まって不気味さを醸し出す。さらに右ひじから銀色のものが伸び、二回ほど腕に巻き付いて掌の手前まで伸びていた。蛇である、銀色の蛇の像がオークの太い腕に噛みついたまま、ピクリともせずにいるのだった。
その者の名はサマエル。楽園にてアダムとイブを誑かした蛇の名を冠する男は記憶を失い、気が付けばこの姿となっていた。彼が目覚めた時、自身に与えられた名前と僅かばかりの記憶、そして元々は人間であったという意識しかなかった。
それでもカヲルとの戦いの末、なんとか勝利を収める。しかし、そこで魔族由来のものか頭痛を伴う異常な性欲が生じ、彼女を拘束したのだ。
そんな彼は今、目の前の獲物を前に荒ぶる獣欲をなんとか抑えていたのであった。ここから、オークによる凌辱劇が幕を開けようとしていた。
「聞いているのかしら。オークごときにここまで譲歩してあげているのよ」
非捕食者であるカヲルは、それでも意地を崩さない。両手両足を縛られた状態であっても、気高いままであった。
「ふぅー……ずいぶんな言いようじゃねえか。そのオークにやられたから、こうなっちまってるってのによ」
サマエルも態度を崩さない。あくまでも手綱を握るのは自分だと、態度で示す。
「ちっ、外道が……」
吐き捨てるようにカヲルが返す。しかし、その反抗的な態度はサマエルを楽しませるだけであった。
「さて、じゃそろそろ始めるか。たっぷり楽しませてもらうぜ」
下種な視線で舐めるようにカヲルの全身を視姦したサマエルは、不意に右手を彼女の乳房へと伸ばした。
「ひゃん!」
急な刺激に素っ頓狂な声を上げるカヲル。サマエルの手には柔らかい反発が押し寄せた。
「たまらねぇ体だな、男が放っておかなかっただろ?」
獣欲に満ちた目でカヲルを見つめながら乳房への愛撫を繰り返す。すぐに左手も加え、カヲルの果実をまんべんなく味わう。
「え、ええ。貴方なんかとは比べ物にならないほどのいい男にね」
不躾な男の態度にカヲルは快楽を堪えながら軽口で答える。
「そりゃそうだろうな。だが」
サマエルは両の乳頭に狙いを定め、
「これからは全部、俺のものだ」
無骨な指でぎゅうと潰した。
「ひぎぃぃい!ち、乳首……いやぁ!」
「何がいや、だよ。こんなに乳首固くしやがって」
潰した蕾をコリコリと執拗に扱くように指で擦り上げる。
「ひゃぁぁん!それ、やめなさい!」
カヲルはたまらず声を荒げるがそれを聞くサマエルではない。反応が良いと見るや指の動きを更に加速させる。乳頭からカヲルの全身へと快感が伝わり、息が荒くなっていく。
「いや……!こんなの……ひゃああああぁ!」
カヲルが快楽に歪み、嬌声を上げる。それでもオークの太い指が乳頭を抓み、緩急のついた刺激を与え続ける。
(こいつ……!オークの癖になんでこんなにうまいのよ!)
乱暴に性欲の限りを尽くすのではなく、女体を開発するような丁寧な動き。オークの見た目と性技との乖離に、カヲルは戸惑っていた。
「ここ、こうされるのがたまらねぇだろ」
対してサマエルは冷静であった。頭痛を興奮で打ち消し、カヲルの反応を丁寧に見極める。
「ん……、くぅ……!」
小さな声と共に遂にカヲルが絶頂を迎える。股間には愛液が染み、あたりに淫靡な匂いを漂わせた。カヲルはびくびくと体を震わせ、男の欲望を搔き立てる。
「ようやくイッたか。気持ちよかっただろ」
「……殺してやる」
息を震わせながらも殺意を剥き出しにしてサマエルを睨む。
だがサマエルはまるで気にしない。敵意に満ちたこの顔を、淫欲の限りを尽くして雌のそれへと変えていく、想像しただけでも陰茎がはち切れんばかりに屹立する。
「おお怖い怖い、だがいつまで持つかね」
サマエルは次の一手に向けて動き始める。カヲルの対魔スーツ、濡れた股の部分に手をかけると勢いよく引き裂いた。
「きゃあ!」
カヲルがかわいらしい悲鳴を上げ、髪で隠れていない右目が驚愕に見開く。
整えられた陰毛に愛液が絡まり、金木犀の香がする女陰がその姿を現した。先ほどの刺激のおかげか、熱を帯びている。
「おいおい、ぐちょぐちょに濡らして準備万端じゃねえか。そんな欲しかったのか?」
「くっ……さんざん弄んでおいて、よく言うわ」
「まあ良い。一緒に楽しもうじゃねえか」
馳走を前に舌なめずりをしたサマエルが、己の下着へと手にかける。これから来る快楽に胸と陰茎が自然と昂っている。
その一方。
(これなら、殺れる)
カヲルは反撃の機会を窺っていた。
両手を縛られているとはいえ、忍法が使えない状況ではない。鋼の如き硬さへ変化するサマエルと言えど、忍法であれば若干のタイムラグが存在する。男が油断しきった今であれば、反応する前に届く。
(近づいてきなさい。その租チンを千切ってやるわ)
カヲルはズボンを下ろす男を冷ややかな視線で観察した。性欲に忠実な行動にカヲルは心の中でほくそ笑む。
そして男のパンツが降ろされた。
「……え?」
出てきた男根はカヲルの想像を大きく超えていた。
30センチを優に超える長さに、彼の腕ほどの太さ、あまりにも人間離れしたサイズにカヲルの思考が停滞する。
男は先走りに濡れたペニスでぺちぺちとカヲルの臍を叩くと、巨根を女陰へと向けた。
「待っ」
言い終わる前に肉棒が挿入された。一拍おいてカヲルの全身へ衝撃が駆け回る。
「あっひいぃぃぃぃぃいいい!!!」
全身をビクンビクンと震わせ、絶頂の波がカヲルに襲い掛かった。
(そんな、まだ入れられただけなのにぃ!)
現実を受け入れられないカヲルは、無様に叫び声を上げ、口をぱくぱくとさせることしかできない。
「おいおい、まだ挿れただけだぞ」
その様子を見て呆れたようにサマエルが答える。
だがカヲルにその声は届かない。唇を噛みしめ、目を瞑ることで快楽を抑えるのに必死だ。
そんな姿を見てサマエルの中である欲望が沸き上がる。目の前の澄ました女を快楽で染め上げ、三つ指ついて忠誠を誓う姿を想起する。すると挿入した陰茎は更に肥大化した。
「んぅ……!」
ギチギチとチンコを締めるカヲルの膣は更に広げられ、女は思わず声を漏らしてしまう。
「動くぞ」
サマエルが陰茎を少しずつ突き出す。膣は押し広げられながらも柔らかく包み込み、巨大な侵入者を受け入れている。
「くぅ……や、う、動くなぁ……!」
「膣は吸いついてくるぞ、本当は嬉しいんじゃないか!」
「だ、黙れ!」
サマエルの言う通り、カヲルの開発された膣は彼の巨大な一物に対応しつつあった。僅かな抵抗はあれど、最奥へとなんなく辿り着く。そこに違和感を覚えた。
「お前、調教されたことあるだろ」
ピストンを止め、サマエルが問う。
「……だったら何よ。」
カヲルが冷たい眼で見つめながら返す。
「生娘がお望みだったかしら?残念だったわね。こんな女で」
返事を吐き捨て、カヲルが自嘲気味に笑う。
「いや、それなら俺色に染め直すだけだ」
「は……?なに言っ……ひぎぃ!」
それまでの遠慮は何だったのか。サマエルは勢いよく腰を突き出した。子宮の入り口へ当たり、カヲルが嬌声を上げる。
「あぁん!いきなり何す、ん、んぅ!」
続く言葉をサマエルは口付けで塞き止めた。逃げるカヲルの舌へ自らのそれを押し込み、絡みつかせる。
「んちゅ、ちゅる、じゅ、ぷはぁ……何よ、もう」
「言っただろう。俺のものにすると」
「ふざけないで。オークのくせに!……んんぅ!」
騒ぎ立てる口をサマエルは再び凌辱する。舌と舌を絡ませ、唾液を塗りたくり、口内を味わう。全てを味わいつくさんと、今度はたっぷりと。
「んんっ!んぅンーーッ!」
楽しむのは口だけではない。繋がったままの腰も再び動かし、子宮の入り口を叩きつける。愛液が溢れ、ピストンに合わせてぶしゅ、ぶしゅ、と音を立てる。
「出すぞ!このまま奥で受け取れ!」
「ぷはぁ!いやぁ!ああっ!ああん!出しちゃ、ゃん、ダメぇ!」
カヲルの叫びは届かない。ピストンは徐々に勢いを増し、膣を広げていく。
「やめてぇ!大きくなってるぅ!……オークの、チンポがぁ……いゃあああ!」
限界まで怒張したサマエルのペニスが勢いよく子宮口を叩くと、貯めに貯めた精を放出した。
「イクッ、イ゙ッグゥゥゥウウううう!」
ピン、と足が伸ばされる。ミステリアスな美貌は、だらしなく伸びた舌と白目によって見るも場末の娼婦のようなそれとなっていた。
サマエルがペニスを抜くと開きっぱなしの口から「お゙♡」と声が漏れる。蓋をしていた肉棒がなくなるや、ドロォと粘り気のある精液が溢れた。
「あひぃ……やあん、出てりゅぅ……あばれてりゅぅ……」
力なくうわ言のような言葉には、昼間に見た冷酷さは微塵も無かった。
オークの精液には媚薬の成分が含まれている。膣で、子宮でそれを受け止めたカヲルは、今まさに思考を快楽に奪われている所であった。
それでも僅かに残った理性が安堵した。これで終わりだと。
「ふぃー、出した出した。じゃ、次は後ろの穴いくか」
「ふえ……?」
だが、それは容易に壊される。サマエルが射精をしたのに未だ衰えぬペニスを握り、再び近づいてくる。
カヲルの頭に疑問が駆け回る。
一度射精したのになぜ、またすぐに動ける?
というか、このオークは今何と言った?後ろの穴?
だが、そのどれもが蕩けた頭から口へ向かうことはなかった。
サマエルがカヲルを裏返すと再び、びりり、と対魔スーツを破く。ぶるんと仕舞われた尻肉が外気に触れた。
「ひぎぃぃいい!」
メリメリと肉を引き裂かんとする音がカヲルにだけ聞こえていた。拡張もされていない排泄の穴が無理矢理開かれる。
「いだいぃ!!!と、どめ゙でぇ!」
本来、肛門は異物の挿入を想定した器官ではない。仮に肛門を性的に消費する場合であっても時間をかけた慣らしが必要であり、人によって向き不向きのある行為だ。
そのため、いかに対魔忍といえども未開発のアナルでの性交は耐え難い痛みを伴う。手も足も出ないカヲルは痛みに苦しみ、叫び声を上げる。
「いい締まりじゃねえか。こっちの方の才能もたっぷりありそうだ、な!」
「ほぎゅぅぅうう!!」
バチイイイン!と尻を叩いた音を響かせる。尻の痛みに再びカヲルが悲鳴を上げた。
「止まってぇ!お願いよ!」
痛みのあまり恥を捨てて懇願するカヲル。だがサマエルはその顔に満足そうな笑みを浮かべて、告げた。
「よし、それじゃ動くぞ」
そう言うと半分ほど埋まったペニスを今度は引っ張りはじめる。
「ひぎゅぅう!」
カヲルが素っ頓狂な声を上げる。肛門が拡げられ排出する感覚は、排泄に似た快感を与えた。腸液を浴びヌラヌラとしているペニスが先端まで引き抜かれた。
あと少しで抜ける、そう思った瞬間。
ぶちゅ!
勢いよく挿入された。
「ほぎぃいいいいい!!!」
今度は痛みよりも快感が強かった。無理矢理とはいえ広げられたアナルは再来した異物を欲していたのか、再びきゅうきゅうと締め付ける。
「どうしてぇ……お尻、おかしくなってるのぉ!!広げられて、初めてなのに!痛いのにぃい!!」
もはや意志に反して動く肛門に困惑するカヲル。実は先ほど膣で出した精液がペニスに残り、肛門挿入の際に触れたために感度が上昇しているのだが、二人ともそこまで考えが到っていない。。
「はは!すぐに慣れてきたじゃねえか!やっぱりケツの才能が濃いみたいだな!」
「いやあああぁあ!そんなの嫌ぁ、あっ、ああッ!」
興奮したサマエルは止まらない。先ほどのように入れては抜くの動作を繰り返し、カヲルに二種類の肛悦を叩きこむ。何度も何度も繰り返して尻は性器であることを教え込んだ。
カヲルはただそれを甘受することしかできない。最初は苦痛でしかなかったアナルセックスが徐々に熱を帯び、少しずつだが快楽が蓄積されているのが分かった。腸壁の動きを通じて快感はサマエルにも通じ、それに合わせて攻めが加速する。
そしてもはやセックスと同じぐらいのピストン運動へと化した。
「いぁ、んんぅ!あッ!ああッ!!お尻、感じちゃうぅ!」
「こっちも限界だ、そろそろ出すぞ!」
「だめぇ!お尻だしちゃだめぇ!おかしくなっちゃぅうう!」
口では嫌がりつつも女性器は愛液が止まらず、尻穴も搾り取らんと締め付ける。抵抗の言葉など守られることもなく、ペニスのほとんどを肛門にめり込ませて限界を迎えた。
「ああッ、あッ、いく、イぐぅぅううう!!」
カヲルが肛門によって絶頂を迎える。快感に目が見開かれ、触れられていない女性器は物欲しそうにひく、ひくと痙攣を繰り返した。
サマエルがペニスを抜くと「お゙お……」とうなり声を上げて、カヲルがぶるりと震える。
ぽっかりと穴が開いた尻穴が収縮と拡張を繰り返し、ぷぴ、ぷぴっと、無様な屁が放たれる。逆流した精液は粘り気の橋を作ると、地面まで時間をかけて垂れていった。
「はへぇ……ひょぉお……」
カヲルは荒い息継ぎを繰り返し、意識の瀬戸際か言葉にならない声にしかならない。オークの精液を今度は腸に浴びた彼女は、更なる媚薬の回りに溺れかけていた。数時間前の彼女の姿はそこになく、今の彼女は潰れた蛙のような無様さを見せていた。
自分がここまで堕としたのだと実感するやサマエルは自身の竿が再び熱を帯びるのを感じた。これほどの雌がまな板の上に載せられている。ならば骨の髄まで食らいつきたい。休んでいる暇などない。味わいつくさなくては。
「ふぇ……?」
尻肉を掴むサマエルに気づいたのか、振り向いたカヲルが力の抜けた声を上げる。
だがペニスはそんな彼女に構うことなく、未だ精液が垂れるアナルへ再び照準を定めた。
「ふぎゅうううぅう!」
押しつぶすように圧し掛かりながらの挿入は、朦朧としたカヲルに快楽の電流を与えた。
夜が明けるには、まだ時間がかかりそうだ。
瞼が重い。何やら現実感のない夢を見ていた気がする。
「じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ……」
ばおっとした意識の中で下半身に重みと心地よさを感じる。ちゅぱちゅぱっと水音が聞こえてくる。
「はあぁ、おいしい…」
女の声が聞こえたと思うと水音が激しさを増す。じゅぶじゅぶっと激しい音を響かせる。多幸感に包まれつつ自身の陰茎が屹立していくのを感じる。
「れろぉ~、じゅろっ、ぢゅるるるぅ~」
やがて女の攻めが苛烈なものへと変わっていく。舌を絡め、より深く味わうように吸いつく。吸い上げるような口淫を味わい、ついに限界を迎える。
「んんんぅ~!!……精液あついのぉ、おぼれちゃう……」
女は出された精液をできるだけ多く取り込もうとじゅずっじゅずっと絞るような舌と喉で精液を味わう。
「随分と楽しそうだな」
ビクッと女が震えたのが分かった。どうやらまだ彼が寝ていると思い込んだまま良い思いをしていたらしい。
射精を味わったサマエルは一つ息をつくと、目を開けた。想定した通りそこでは昨夜、快楽の味を教え込んだ鉄華院カヲルが昨日の格好のまま、彼の陰茎から口を離した所であった。カヲルはとろりと精液の糸が彼女の口から伸びているのを見て、ばつが悪そうな顔をしながら口を拭った。
「い、いつから起きていたの」
鋭い視線を宿しながらカヲルが尋ねる。
「お前が俺のチンコをおいしそうに咥え始めたあたりだ」
責めるような口調でカヲルが問いかけるその姿になんだかおかしく感じたサマエルは冗談を交えながら答える。
「ひどい人」
「まあそういうなよ、お前だって欲しかったんだろ。こいつが」
起き上がると一発出したばかりだというのに、未だ上を向く剛直をトントンと叩く。
「っ!」
一瞬、カヲルの目が見開いたと思ったら、頬に赤みがさし視線をそらしながら両の腕を抱いて、もじもじとしだした。
「そっちも途中で終わっちまったら満足できないだろ?……な!」
背後へ回り込むと尻を叩いてやる。バチンと良い音がして白い尻肌に赤い手形がついた。
「ひゃん!!」
カヲルが甲高い声で答える。
「おいおい!こんなんで感じんのかよ!」
「や、やめなさい!」
語気に対して体をくねらせるだけであり、強い抵抗はされない。気をよくした男は更に尻の奥、肛悦の穴へと指を進める。
「んん……!ちょっと、それ以上は…!だめぇ!」
言葉とは裏腹に肛門は腸液でぬるぬるになっている。湿り気を借りて男の太い指の先っぽがアヌスへとぐちょりと入り込んだ。
「はあ、ああああぁぁっ……指、入ったぁ……」
一夜ぶりの肛悦にカヲルの目はとろんと蕩け、口を半開きにし、だらしなく舌をだし、発情した雌犬のように発情した姿をしていた。
身をくねらせるカヲル、しかしそれに反してサマエルはそれ以上に指を動かさない。求めていた刺激が来ず、熟れた肉体に物足りなさが蓄積される。
「ちょ、ちょっと……」
「ん?どうした」
我関せず、何事もなかったかのようにサマエルが答える。分かりやすいカヲルの要望にあえて耳を傾けない。
「お願いがあるなら自分で言ってみたらどうだ」
「な、そん……ひゃぁあ!」
カヲルの抗議の声はそのまま嬌声へと変わった。返事をする前に軽く指を前後させただけであったが、それだけでも彼女にとっては甘い毒であった。
「くっくっく……面白いぞ、カヲル」
「ちょっといい加減にして……」
「言えばいいだけじゃねぇか、さあ、もう抜いてしまうぞ」
横暴なサマエルの態度であるが、弱点を抑えられている以上、カヲルは続きを求めてしまう。すこし逡巡した後、覚悟を決めた。
「わ、わたしの、おし、お尻に、あなたの…」
「いつまで待てばいいのかしら」
その時、サマエルでもカヲルでもない第三の声。場の空気は一瞬で凍り付いた。二人は声の方を向く。
そこにいたのは一人の女。肉厚な胸とすらりとした体格、紐のような衣服だけをつけた露出度の高い恰好からは、性を商売とする女の雰囲気が漂っている。だが黒い肌と尖った耳、そして彼女自身が纏う風格が、ただの娼婦ではないと予見させた。
「……バレンティア」
カヲルが苦虫を嚙み潰したような表情で、来訪者の名を告げるのであった。