夜の川神院。
静寂に包まれた空間で、淫らな水音が響く。
ここは日本の最終兵器と称される武の聖地であるのだが、そんな常識は熱に頭をやられた獣達には通用しない。男根を貪り食らう雌と化した彼女達は、淫らに腰を振り乱して喘ぎ散らす。
甲高い囀りが上がり、床板へと愛液が飛び散る。
豊満な乳房が揺れ動き、肉厚な尻肉が波打つ。
本来の職務、立場、使命といった、あらゆるモラルを忘却の彼方へと追いやり、性の快楽に陶酔した。
笑い鳴き散らすのは、美女、美女、美女……。一生に一度お目にかかれるかどうかの極上の美貌の持ち主達が、一心不乱に腰を振り続ける。
彼女等が欲望から解放されたのは、それから暫くしてからのことだった。
四つん這いになった赤髪の美女が、涎を撒き散らして絶頂する。蜜壺の中で夥しい量の精液が爆ぜると、女は断末魔にも似た絶叫をあげた。
彼女だけではない。床に広がる幾重もの水溜りの中に横たわる女全員が、全身を痙攣させつつ愉悦に悶えている。
計八人———それがたった一人の男によって昇天させられた。その惨状を生み出した彼は、一仕事を終えた達成感と共に大きく息を吐き出した。
肉棒は未だ萎えず。この一本で、いったい何人分の女に己の遺伝子を植え付けたことであろうか。
我ながら驚嘆に値する。
かつては恨みさえ感じていた自身の短所が、今では自慢の真剣となっているのだから。人生とはわからないものだ。
しみじみと感情に浸る水城ユウが見据える先。果てた女達の残骸の一角に横たわる少女、葉桜清楚が意識を取り戻す様子が窺えた。
「ユウ……くん……」
「起きたか清楚……。いや、潰れたのは項羽だから、代わりに表に出て来たって感じか」
虚ろな瞳で見上げてくる文学美少女。
そんな彼女に、ユウは激しい行為の最中とは打って変わった優しい表情で微笑みかける。
対照的に清楚は、その表情に不安げな影を落としていた。構わず、ユウは続ける。
「いつの間にかすげぇことになっちまったな。正体を探して欲しいって頼まれたの、いつだったか?」
確か、約一ヶ月ぐらい前か。
たった一月でこの有様だ。
ここに倒れているのは、ライバルだった女、友達だった女、後輩だった女、教師だった女……。みんな、一ヶ月前はこんな関係になるなんて思いもよらなかっただろう。
その原因となったのが……。
「ユウくん、私……」
「謝るなよ」
震える清楚の言葉を、ユウは遮った。
何を言おうとしているのか、手に取るように理解できる。今、彼女の思考を支配しているのは、自身が招いたこの惨状への罪悪感であろう。
「やろうと思えば、項羽を制御できた。だがお前はそれをしなかった。そうだろ?」
「うん……。」
頷き、肯定する。
葉桜清楚という人格は、本来ならば暴走した項羽を抑制する為の存在だった。しかし、清楚は役割よりも目先の快楽を選んだ。
清楚が葉桜清楚としてこの世に生を受けてから、ずっと溜め込んできた欲望。それが、水城ユウとのセックスによって爆発してしまったのだ。
女としての悦びに酔っていたのもある。しかし同時に、九鬼に対する不満の現れでもあった。
言いなりになるのが嫌だった。勝手な思惑で生み出され、勝手な方針を突きつけられ、勝手な使命を背負わされる。
そんな不自由な人生が嫌で、自分の思い通りに生きている水城ユウが、あまりにも眩しく思えたから。
だから……。
「私も、他人に縛られない生き方をしたかったの……」
「ンな我儘で他人の人生縛っていい理由にはならねーよ」
「はい、おっしゃる通りです」
容赦なく叩きつけられた正論に、肯定する他ない。しおらしく首を垂れる。
真実が知りたいから頼んだ。
また九鬼に縛られたくないから、嘘をついた。
九鬼からの貰い物ではない、初めて心から欲した彼を手放したくなかった。
これまで起きた惨劇は、項羽の暴走によって引き起こされただけではない。葉桜清楚の我欲も、きっかけの一つであった。
そのせいで、多くのものをめちゃくちゃにした。
犠牲者筆頭の水城ユウを基、この場で倒れている女達。ただちょっと、親の目を離れて悪いことをしてやろう……。小さな反抗期が、きっかけだった。
ことは取り返しのつかないところまで来てしまったと言うのに、彼は———謝るな。そう言ったのだ。
「俺だって、正体探しを手伝わなきゃこんなことにはならなかった。だからお互いさ……」
「お互い様じゃない!私が、全部私のせいで……!」
「いいや、清楚。これだけは譲らない。きっかけは、俺達二人だ」
その口調は、決して彼女を責めるものではなかった。寧ろ……優しさがあった。
誰よりも清楚を糾弾すべき加害者である筈が……。そんな彼の態度に戸惑う清楚へ向けて、続ける。
「これは俺とお前二人のやらかし、二人とも悪い子だ。言ったろ?中途半端はしない」
どんな事情があれ、これだけの女を犯したのだ。そして、後輩の初恋まで踏み躙ってしまった。
事はもう、葉桜清楚一人に罪を押し付ける次元を超えている。だからこれは、自分と清楚による共犯であると水城ユウは結論づけた。
だからこの罪は一緒に背負う、ユウはそう腹を括った。一寸のブレもない覚悟を目の当たりにした清楚は……もう何も言えなかった。
そう、水城ユウはこう言う男なのだ。
一度足を踏み入れれば、中途半端はしない。
その先にどのような結果が待っていようと、最後までやり遂げる。十年以上も武神に挑み続けて来た男だ、そのあり方はもう筋金入りと言う他ない。
だから……。だからこそ清楚は、ここにいる女達は彼に惹かれたのだろう。
「……いいの?この先、もっと地獄になるよ?」
「一度の踏み込んだら途中でやめたりしねぇよ。俺は」
「それじゃあ、原因の私もそうしなきゃね」
二人はどちらからともなく顔を近づけると、唇を重ね合わせた。罪も罰も、身も心も全てを分かち合う様に。それはまるで誓いのキスのようで……。窓から差し込む月明かりが、二人の新たな関係を祝福すべく照らし出す。
彼の体温に包まれながら、彼女は思う。
もう後戻りできない。ならばいっそ、地獄の果てまでついて行こうと……。
「ユウくん、私を君の色に染め上げて」
「ああ、全部注ぎ込んでやる」
赤黒い剛直に血管が浮き上がり、カリ首が大きく張り出す。先端からは先走り汁が垂れ落ちており、飢えた獣の如き迫力があった。
清楚は、その余りにも淫猥な光景に生唾を飲むと、ゆっくりと股を開いた。
そして……。二人の男女の影が、月明かりの下で一つとなる。
深く口づけを交わしながら、互いを求め合いながら、差し出された陰唇へ突き上げられた。
挿れるというよりかは、打ち込むような一撃。
怒張が女を貫く。天井に向けて屹立した棍棒状のイチモツが、入口をこじ開けて膣内へ侵入する。
その衝撃に、清楚は舌を突き出し、華奢な身体と豊満な乳房を大きく仰け反らせた。
入れただけで絶頂に達したようだ。しかし、これはまだほんの挨拶程度に過ぎない。
染める、染め上げる。清楚も、項羽も……。この女のありとあらゆる全てを、水城ユウの色へと。
本番はここからだと言わんばかりに、ユウはゆっくりと腰を動かし始める。抽送が開始されるや、接合部からは愛液が飛び散り、淫靡な音色を奏で出す。
清純さの中にも確かな女としての色香がある清楚の嬌声も合わさり、奏者である彼の腰使いは激しさを増す。
「んッッ……❤️」
今日一番の刺激に意識が飛びかけるも、ユウの身体にしがみついて堪える。その逞しい胸板から香る彼の匂いを鼻腔いっぱいに吸い込んで、深呼吸をする。
「すぅぅぅ❤️はぁ……ぁ❤️」
大きく息を吐くごとに胸いっぱいの幸福感が身体に染み渡り、安らぎを与えてくれる快楽に身体が順応していく。
大量分泌される脳内麻薬が全身を蝕み、痛みも苦しみも全て帳消しにしてくれるようだ。
パンッ!パンッ!肉同士が打ち合う卑猥音が寝室に響く。女体を労る素振りなど微塵もない、一方的なピストン運動。一突きで膣壁が抉られ、引き抜けばカリ首に襞の一つ一つをこそぎ落とされる。
その度に清楚は絶頂し、潮を吹き散らかした。
「はぁぁ……❤️あ、あぁ……❤あん……ッ⁉︎」
絶え間ない抽送の中、乱れる女体を押し潰すように、男は覆い被さる。
その体重は女一人分など優に越えている。だがそれでも、上からのし掛かられても、清楚は微塵も苦に感じていなかった。
寧ろ、その重みが心地良い。彼の肉体の逞しさと力強さを肌で感じることができるから……。
ユウもまた、自身の胸板で押し潰される豊満な乳房の感触を堪能していた。
一糸纏わぬ生肌同士が密着する。マシュマロのように柔らかくも弾力があり、それでいて押し返してくるような張りもある。
まさに至高の乳。極上の肉を堪能しながら、まぐわう二人の興奮は高るばかり。
蹂躙される膣壁は、まるで意思を持つかのように男根を締め付けてくる。名器と呼ぶに相応しい代物は、射精欲を促しちんぽを膨張させる。
吐精の予感。今にも爆発しそうな亀頭を、子宮口へ押し付けた。内臓ごと押し上げる衝撃に、清楚は悦び悶える。
これまで不本意ながら、何度も身体を重ねて来た。だから分かる、女の弱点を知り尽くした動きで責め立てると、膣全体が痙攣を始めるのが。
同時に彼女も限界を迎えたようだ。背中へ腕を回して抱きつき、脚で腰を挟んでくる。全身を使って精一杯媚びてくる女を目掛け……男は重く大量の一撃を見舞う。
「あ、あぁぁ……❤️❤️」
胎内で熱い滾りが弾ける。子宮口に押し付けられた亀頭から放たれたザーメンが、子宮内へ直接注がれる。
止めどない奔流に脳髄が達した。清楚は喘ぎながら、愛する男からの精を受け止めていた。あっという間に中を満たされ、膨らんでいくのを感じる。
腰をくねらせるも、ユウの体重を押し返すことなどできるはずもなく、ただ子宮へ精液が流し込まれることを甘んじて受け入れるしかない。
それがなんと、甘美なことか。愛する男に、自分の全てを染め上げられる。その喜びに、葉桜清楚は至福を噛み締め続けた……。
セックスは終わらない。何度も何度も射精しても、到底収まることのない性欲。それは清楚も同じで……。先程までの乱れ狂う動きと違って、緩慢な抽送を開始する。ゆっくりと肌を愛撫し、存在を認識し合う。
まだまだ夜は長い。朝まで……いや、この先もずっと二人まぐわいは続くだろう。確信に至り、再び深く口づけを交わした。