※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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すれ違う想い

 5月。

クラス対抗戦が近づいてきたこの頃、校内もどこかピリピリした空気が流れていた。

 王我、愛莉、ノクトが廊下を歩いていると何やら騒がしい声が聞こえてきた。

 

「いってなぁ!この野郎!」

 

「なんなのよアンタ!」

 

廊下の曲がり角で2人の女子が言い争っていた。

 

「何があったんでしょう?」

 

「ただの小型犬の喧嘩だ」

 

愛莉の疑問に王我はそう答えて近づいていく。

言い争っていたのは鈴音と薄いピンクの髪を2つのお団子頭にまとめた小柄な少女だった。

後ろには赤毛で褐色肌の気の弱そうな少女がアワアワと仲裁しようとして慌てている。

 

「前見て歩けコラ!」

 

「アンタこそ前見なさいよ!」

 

どうやら曲がり角でぶつかって揉めているようだ。

 

「チュチュさん…喧嘩は…」

 

「邪魔すんな、スレッタ!」

 

「ひいっ!」

 

仲裁しようとした少女、スレッタは怒鳴られて引っ込んでしまった。

 

「騒がしいぞ。チビッコンビ」

 

「誰がチビッ子だ!」「誰がチビッ子よ!」

 

喧嘩に割り込んだ王我に対して2人が怒鳴り返した。

 

「引っ込んでろ、王我!」

 

そう言われた王我はお団子頭の少女の頭を掴んで押さえつけた。

 

「てめぇ…離せ!この…」

 

王我を殴ったり蹴ったりしようとするが体格差がありすぎて届かない。

 

「相変わらずだな、チュチュ」

 

王我がその名を呼ぶ。

彼女の名はチュアチュリー・パンランチ、愛称はチュチュ。

 

「あんたの知り合い?」

 

「まあな。スレッタも久しぶりだな」

 

「は、はい!お、おお、お久しぶりです!」

 

赤毛の少女、スレッタ·マーキュリーはテンパりながら挨拶する。

彼女は他人とのコミュニケーションが苦手なのであるが、こう見えて専用機持ちである。

 

「あんたの知り合いならちゃんと言いつけておいてよね」

 

「おい!あ~しはガキでもペットでもねぇぞ!てめぇ…」

 

チュチュが今にも掴みかかりそうになったその時、

 

「なにやってるの、チュチュ!」

 

「げっ!ニカ姉…」

 

現れたのは黒髪に青のインナーカラーが入った女子で、人柄の良さそうな印象があり、腰に手を当てている。

その様子はまるで子供を叱る母親のようである。

 

「また問題起こしてたの?」

 

「いや…だってあいつが…」

 

「言い訳しない。すみません。うちのチュチュが」

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

ニカ姉と呼ばれた少女がチュチュを、王我が鈴音の頭を下げさせた。

その光景はまるで子供の粗相を謝罪する保護者のようだ。

 彼女の名はニカ・ナナウラ、メカニック科を受けている。

 ちなみにIS学園ではパイロット科とメカニック科の2つのコースがあり、受けるコースによって授業内容が違う。

 

「ってあんたはあたしの保護者じゃないでしょ!」

 

鈴音が王我の手を振り払った。

王我もジョークでやっていたので特に気にしていない。

 

「3人とも4組だったな」

 

「はい。ほらチュチュ、もう行くよ」

 

「ちょっ、掴むな!てめぇ、代表戦で当たったら覚えてろよ!」

 

「はいはい。闘うのはチュチュじゃなくてスレッタでしょ」

 

ニカがチュチュの後ろ襟首を掴んで連行していく。

スレッタは無言でお辞儀をしてから立ち去った。

 

「ふんっ」

 

鈴音も喧嘩相手がいなくなると鼻を鳴らして立ち去った。

 

 

◇◇◇

 

 

 数日後。

 

「謝りなさいよ!」

 

王我が第三アリーナの近くを散歩していると中から外まで怒鳴り声が聞こえてきた。

暇潰しに観客席に入ってみるとステージで一夏、箒、セシリア、鈴音がいて一夏と鈴音が言い争っていた。

 

「だからなんでだよ!約束覚えてただろうが!」

 

「あっきれた。まだそんな寝言言ってんの?約束の意味が違うのよ!意味が!ああ、もう!あったまきた!どうあっても謝らないっていうわけね!」

 

「だから説明してくれりゃ謝るっつ~の!」

 

「せ、説明したくないからこうして来てるんでしょうが!」

 

2人の喧嘩はヒートアップしていく。

 

「これがお前の答えか」

 

どうやら先日、王我の話を聞いた鈴音の答えが現在に至っているようだ。

 

「じゃあ、こうしましょう!来週のクラス対抗戦、そこで勝った方が負けた方に何でも1つ言うことを聞かせられるってことで言いわね!」

 

場合によっては薄い本的な展開になりそうな発言だった。

 

「おう、いいぜ。俺が勝ったら説明してもらうからな!」

 

「せ、説明は…その…///」

 

一夏を指差した体勢のまま顔を赤くして固まる鈴音。

 

「なんだ?やめるならやめてもいいぞ?」

 

「誰がやめるのよ!あんたこそ、あたしに謝る練習しておきなさいよ!」

 

「なんでだよ馬鹿」

 

「馬鹿とはなによ馬鹿とは!この朴念仁!間抜け!アホ!馬鹿はあんたよ!」

 

罵倒の嵐に一夏も腹が立った。

 

「うるさい。貧乳」

 

ドガァァンッ!!!

 

爆音が響いた。

鈴音の右腕は部分展開されていた。

 

「い、言ったわね…言ってはならないことを…言ったわね!」

 

ビリビリっとISの装甲に紫電が走る。

 

「い、いや…悪い!今の俺が悪かった!すまん!」

 

「今の()?今の()よ!」いつだってあんたが悪いのよ!」

 

鈴音の目がクワッとして一夏を睨み付ける。

 

「ちょっとは手加減してあげようと思ったけど…どうやら死にたいらしいわね。いいわよ…希望通りにしてあげる。…全力で!叩きのめしてあげる!」

 

言葉通り一夏を殺すような視線を送ってから鈴音はその場を去った。

 

「あ、王我さん!」

 

セシリアがようやく王我に気づいた。

 

「なあ…王我、鈴と同じクラスならお前からも言っといてくれねぇか?」

 

一夏が王我に口添えを頼む。

 

「てめぇの問題だろ。てめぇで解決しろ」

 

「ぐっ…そうだよな。どっちにしろさっきのことは謝らねぇと…」

 

一夏は先程、鈴音を貧乳と呼んだことを反省する。

 

「お前が巨乳好きだってこともバレてるだろうな」

 

「はぁっ!?いや俺は別に…」

 

そこで一夏は箒を見てしまった。

 

「見るな!」

 

箒に拳で顔を殴られ、

 

「変態!」

 

反対側からセシリアにビンタされた。

 

「お、王我…お前のせいで…っていねぇ!」

 

観客席の方を見ると既に王我はいなかった。




スレッタ·マーキュリー
原作:機動戦士ガンダム 水星の魔女
クラス:1年4組

チュアチュリー・パンランチ
原作:機動戦士ガンダム 水星の魔女
クラス:1年4組

ニカ・ナナウラ
原作:機動戦士ガンダム 水星の魔女
クラス:1年4組
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