すみません。
6月上旬。
先月の無人機IS襲撃事件については箝口令が敷かれた。
各国から大事な生徒を預かっている学園の責任問題を問われる可能性があるためだ。
とはいえ何も対策しないというわけにはいかず、警備を強化した。
学園の警備員と防犯カメラを増やし、アリーナのシールドも強化した。
シルバーキングスの技術、例えばGNフィールドを応用すればより強固になるのだが学園に対して企業が介入し過ぎれば王我に学園を乗っ取られる恐れがあると政府で意見があり却下された。
王我としてはラボがあるだけで十分なのだが。
「今日は転校生を紹介する」
朝のホームルームでヴィレッタが言った。
「また?」
「1組もだって、しかも2人」
クラスメイト達がひそひそと喋りだす。
「静かに。…入れ」
「はい」
教室に入ってきたのは黒髪ショートカットで真っ直ぐな眼、何より目を引くのが制服を押し上げるフェイトに匹敵するその大きな胸だった。
「自己紹介しろ」
「桐ヶ谷直葉です。中学で剣道部に所属していました。あと専用機持ちです」
そう言う彼女の首元には妖精の羽のネックレスがぶら下がっていた。
「専用機!?」
「すごっ!」
「っていうことはうちのクラス、専用機持ちが6人もいるってこと!?」
「マジ無敵じゃん!」
「静かにしてください!」
盛り上がるクラスメイト達を千鶴が注意する。
「桐ヶ谷、君の席は一番後ろだ。座れ」
「はい」
ヴィレッタに促された直葉は自分の席に移動していく。
途中、王我と目が合うと嬉しそうな顔をしたがすぐに席に着いた。
ちなみに1組からも「きゃああぁぁぁぁ!!!!」と黄色い悲鳴が上がっていた。
◇◇◇
ホームルームが終わると直葉はすぐにクラスメイトに囲まれて質問責めにあった。
ある程度終わると1組の転校生を見るために去っていったので直葉は席を立って王我のところへ近づいた。
「久しぶり、王我さん」
「ああ、去年の秋以来だから…8ヶ月ぶりか」
顎に手を当てながら思い出すように言う王我。
「はい」
「ここに来れたということは俺の出した条件をクリアしたようだな」
「はい!シグナムさんのお墨付きをもらってきました!」
グッと拳を握ってアピールする直葉。
「今、シグナムって言った?」
「もしかして剣道の世界チャンピオンの…」
「いやまさか…」
「でも王我様のお知り合いならあり得る…」
教室に残っているクラスメイト達がひそひそと噂話を始める。
「ねえ!1組の転校生、1人は男だって!しかも守ってあげたい系の!」
「えぇ!?」
「それにもう1人の女子はお人形さんみたいで可愛いの!」
「マジ!?見る見る!」
残っていた2組のクラスメイト達も足早に教室を去っていき、残っているのは王我、愛莉、ノクト、フェイト、はやて、直葉、千鶴の7人だけ。
「(男?俺達と同じ年齢の男の適性検査はとっくに終わっているはず…適合者は0だった。スザクは…まだだし年も違う…誰だ?)…もっていかれたな」
王我が考えた後、直葉を茶化す。
「この方が疲れなくて気楽だからいいよ」
直葉が苦笑いしていると何やら廊下の方がさらに騒がしくなった。
騒ぎの中、2組の教室に入ってきたのは銀髪で小柄、左目に黒の眼帯をつけた少女だった。
「失礼。ここに天道王我という男はいるか?」
「俺だ」
王我は席に座ったまま答えた。
銀髪の少女は軍人のような歩き方で王我に近づく。
廊下では教室内を遠巻きに観察している生徒達が溢れている。
「ラウラ·ボーデヴィッヒ少佐だ。ドイツからこちらに転校してきた」
ラウラが敬礼して自己紹介した。
「ドイツ…ああ、見た顔だな」
「知り合い?」
直葉が訊く。
「話したことはないがドイツのパーティーに出た時に見たことがある」
「直接会って話してみたかった。日本航空自衛隊空将、天道王我」
ラウラがそう呼ぶと、
「自衛隊…」
「空将って…」
「ええぇぇぇ!?」と廊下で驚きの声が響いた。
自衛隊には陸·海·空の3つに分類され、それぞれ階級があり、空将とはその最高幹部にあたる。
つまり総理大臣や防衛大臣を除けば軍のトップになるわけである。
そこに15歳の高校生の王我が座しているとなればたしかに驚愕して当然だろう。
「いいんですか?バレてしまって」
愛莉が耳打ちしてくる。
「構わん。隠していたわけじゃないし学園長とヴィレッタ先生も知っている」
王我は自身の正体が知られたことに全く動じていない。
「それより一時間目の授業は第二グラウンドで1組と合同でIS模擬戦闘ですよ。急がないと」
「そうだったな」
王我は席を立って教室を出ようとする。
「1つ伝言を預かっている。ドズル中将から」
王我の背中にラウラが声をかけた。
「何だ?」
「たまには顔を出せ、とのことです」
「…あの子煩悩が」
王我はそれだけ言って教室を歩き去った。
ちなみに1組の一夏と転校生の男子は女子に捕まらないために走って更衣室に行ったが、王我は歩いて余裕で間に合った。
むしろ女子の方から道を開けてくれた。
どかない奴は少し撫でてやっただけでハート目で気絶した。
◇◇◇
第二アリーナ更衣室。
「お前、よく無事だったな」
汗一つかかずに到着した王我に一夏が驚いていた。
「何のことだ?」
王我は全く気にしていなかった。
彼が注目されるのは当然のことだからである。
「で、そっちが…」
「あ、シャルル·デュノアです。よろしく」
貴公子のような金髪の美少年が自己紹介した。
「デュノア?」
その名を聞いた王我が目を細める。
「そうだけどそれがどうかしたの?」
「…いや何でもない」
王我は何か訊こうとしたが止めた。
「それより早く着替えないとヤバいぜ。千冬姉に殺される!」
一夏が制服を脱ぎ始める。
「わあっ!?」
シャルルが突然、慌てた声を上げた。
「?荷物でも忘れたのか?ってなんで着替えないんだ?早く着替えないと遅れるぞ」
「お前の体が汚くて驚いただけだろ」
「汚くねぇ!毎日洗ってるわ!」
そう言う一夏を無視して王我はバサッとまるで龍が如くのように制服を脱ぎ捨てて上裸になった。
その鍛え抜かれた肉体はまさにPerfect body。
「わあぁっ!?」
シャルルは一夏が脱いだ時よりさらに大きい声を上げた。
「シャルル、マジで着替えないとヤバいぞ!」
「う、うん…き、着替えるよ?でも、その…あっち向いてて…ね?」
「?…いやまあ、別に着替えをジロジロ見る気はないが…ってシャルルはジロジロ見てるな」
「み、見てない!別に見てないよ!///」
シャルルは両手で顔を隠しながらも指の隙間から王我の身体を覗いていた。
「まあ、本当に急げよ。初日から遅刻とかシャレにならない…というかあの人はシャレにしてくれんぞ」
一夏が着替えていると視線を感じた。
「シャルル」
「な、何かな!?」
気になってシャルルは既にISのジッパーを上げていた。
「うわ、着替えるの超早いな。なんかコツでもあんのか?」
「い、いや別に…って一夏まだ着てないの?」
「早くしろ。ノロムラ」
「織斑だ!ってお前も早っ!」
おかしなあだ名をつけられてバッと振り返ると王我も着替えを終えていた。
「いくぞ」
王我はシャルルに促す。
「う、うん…一夏、先行ってるね」
シャルルは王我を追いかけていった。
「ちょ、まっ…待ってくれぇ!」
一夏の叫びは哀しく消えていくのだった。
◇◇◇
「遅い!」
バシンッ!
結果、一夏は遅刻して千冬に叩かれた。
王我とシャルルは既にそれぞれのクラスに整列している。
「なに?アンタ、またなんかやったの?」
前列が1組で後列が2組なのだが一夏がその後方の鈴音に絡まれていた。
「こちらの一夏さん、今日来た転校生の女子にはたかれましたの」
一夏の隣のセシリアが話に入ってくる。
叩いた転校生とは恐らくラウラのことだろう。
「はあ!?一夏、アンタなんでそうバカなの?」
「…安心しろ。バカは私の目の前にも2名いる」
と騒いでいれば当然バレないはずもなく、千冬の出席簿によってセシリアと鈴音の頭がバシンッ!とはたかれた。
◇◇◇
「では本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する。今日は戦闘を実演してもらおう。凰!オルコット!」
「な、なぜわたくしまで!」
「専用機持ちはすぐに始められるからだ。いいから前に出ろ」
「だからってどうしてわたくしが…」
「一夏のせいなのになんであたしが…」
文句を言う2人。
「お前ら、少しはやる気を出せ。…いいところを見せるチャンスだぞ」
千冬は小声で2人に何かを囁いた。
「やはりここはイギリス代表候補生、セシリア·オルコットの出番ですわね!」
「まあ、実力の違いを見せるいい機会よね!専用機持ちの!」
2人が急にやる気になった。
「それで相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」
「ふふん、こっちのセリフ。返り討ちよ」
バチバチと視線が交錯する2人。
「慌てるなバカ共。対戦相手は…」
「ああああぁっ!ど、どいてください~!」
空から何かが飛来してくる音と女性の悲鳴が聞こえてきた。
「…はぁ」
王我はため息をついて、一瞬でストライクフリーダムを装着すると飛翔して落下物を空中でキャッチした。
飛来してきたのはISを装着した真耶だった。
当然ISスーツも着ているのだがフェイトや直葉を超えるくらいの爆乳が強調されている。
「大丈夫ですか?」
先生相手なので敬語で接する王我。
「え、あっはい…大丈夫です…ってこの体勢はまさか!」
真耶は今さらながら自身の状態に気づく。
彼女は今、王我にお姫様抱っこされており、彼女のスイカ並の爆乳はストライクフリーダムのボディに当たってムニュッと潰れている。
「~~~っ!///」
途端、真耶の顔が真っ赤になった。
地上からも「きゃあああっ!」と女子の黄色い悲鳴が上がっている。
王我は静かに地上に降り立ってから真耶を下ろしISを解除した。
「あ、ありがとうございます…///」
真耶は乙女のように真っ赤な顔を俯かせて一歩下がる。
「さて小娘共、いつまで惚けている。さっさと始めるぞ」
鈴音は急展開に固まって、セシリアは王我にお姫様抱っこされていた真耶を羨ましそうな目で見ていたところを千冬が仕切り直した。
「え、あの2対1で?」
「いや、さすがにそれは…」
申し訳なさそうな態度を取る2人。
「安心しろ。山田先生はああ見えて元代表候補生だからな。今のお前達ならすぐ負ける」
「む、昔のことですよ。それに候補生止まりでしたし…」
頬に手を当てて恥ずかしがる真耶。
王我の方は見ようとしないが。
「「むっ」」
負けると言われてセシリアと鈴音の目に闘志が宿った。
「では…はじめ!」
号令と同時にセシリアと鈴音が、遅れて真耶が飛翔した。
「手加減はしませんわ!」
「すぐに終わらせてやるわ!」
「い、いきます!」
先制攻撃したのはセシリアと鈴音だが真耶が簡単に回避した。
「さて、今の間に…そうだな…ちょうどいい。デュノア、山田先生が使用しているISの解説をしてみろ」
「あっはい」
指名されてシャルルは空中の戦闘を見ながら説明を始める。
「山田先生が使用されているISはデュノア社製『ラファール·リヴァイヴ』です。第二世代開発最後期の機体ですがそのスペックは初期第三世代型にも劣らないもので安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴の機体です。特筆すべきはその操縦の簡易性でそれによって操縦者を選ばないことと多様性役割切り替えを両立しています。装備によって格闘、射撃、防御といった全タイプに切り替えが可能で参加サードパーティーが多いことで知られています」
「ああ、いったんそこまででいい…終わるぞ」
千冬がシャルルの説明を止める。
ちなみにラファール·リヴァイヴの量産性は世界3位に相当するはずだったが『シルバーキングス』のせいでその順位はかなり下の方である。
さらに余談だが以前、千鶴が王我戦で使用していたのもこの機体である。
戦闘に意識を戻すと真耶の射撃がセシリアを誘導して、鈴音とぶつかったところでグレネードを投擲し爆発。
爆煙から二つの影が地面に落下した。
「くっ…うぅ…まさかこのわたくしが…」
「あ、あんたねぇ…なに面白いように回避先読まれてんのよ…」
「り、鈴さんこそ!無駄にバカスカと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」
「こっちのセリフよ!なんですぐビット出すのよ!しかもエネルギー切れるの早いし!」
「ぐぐぐぐ…」
「ぎぎぎぎ…」
睨み会う2人。
「はぁ…では実習に…」
「織斑先生」
千冬が次に移ろうとしたその時、ずっと静観していたヴィレッタが口を挟んだ。
「ヴィレッタ先生、どうぞ」
「こちらからも指名してもよろしいでしょうか?」
「構いませんが…」
「では…天道王我!ノクト·リーフレット!」
「「はい」」
王我とノクトが同時に返事する。
「山田先生もよろしいですか?」
「はい。エネルギーもそれほど減っていないので…」
「「くっ…」」
真耶の一言に悔しがるセシリアと鈴音。
セシリアも成長したと思ったがまだまだのようだ。
王我とノクトがストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを装着して飛翔して、真耶も再度飛翔する。
「では…はじめ!」
今度はヴィレッタの号令で始まった。
三者のビームライフルが撃ち合いと回避で一進一退の攻防を繰り広げる。
真耶がセシリアにした時と同様に王我を誘導しようとするが王我は誘導されたふりをして逆に誘導するという高度な戦闘技術を披露する。
このまま戦闘を長引かせても授業に遅れが生じるので王我から仕掛けた。
スーパードラグーンを射出して真耶を包囲し、真耶がそれを躱していたところをノクトがビームブーメランを投擲してビームの網の隙間から真耶を狙う。
さすがの真耶もこれは躱せないのでビームサーベルで受けて後方へ飛ばされた。
「ぐっ…天道君は…上!」
いつの間にか王我の姿がなかったので上を見ると王我が太陽をバックに回転しながら急降下してきた。
視界が遮られて真耶は思わず日光を腕でガードする。
王我は急停止してから腰のレール砲を発射した。
真耶は後方へ下がって最小限のダメージに抑える。
だが、目の前にノクトが迫っていた。
「はっ!」
驚く真耶に対してノクトは蹴りを入れる。
「ぐっ!」
もろに受けた真耶は豊満な胸を揺らしながらさらに後方へ吹っ飛ばされる。
さらに上からビームサーベルを手に王我が迫っていた。
「そこまで」
その剣先が真耶に届く直前、ヴィレッタの制止の言葉が響いた。
3人は同時に地上に降り立つ。
「いやぁ、さすが隙のない連携でした」
真耶は参ったような顔をしている。
「いえ、量産型であれだけ闘えた山田先生もさすがです」
「ありがとうございます」
ヴィレッタの賞賛を真耶は素直に受け取る。
「天道、リーフレット…お前達はどうやって連携を取っている?」
「「愛ですね」」
2人は真顔で(顔は見えないが)即答した。
「聞いた私がバカだった」
観戦している生徒のために質問した千冬だったが予想外の答えに呆れた声を漏らした。
「さて、専用機持ちは10人だな。6人グループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな?分かれろ」
千冬が言い終わると王我とシャルルと一夏に女子が殺到した。
「織斑君、一緒に頑張ろう!」
「デュノア君の操縦技術を見たいなぁ」
「ね、ね、私もいいよね?同じグループに入れて!」
「ガオガオ~分かんないところ教えてぇ」
一夏とシャルルはどうしていいか分からず立ち尽くしていたが、王我は1人1人見ていた。
「このバカ共が…出席番号順に1人ずつ各グループに入れ!順番はさっき言った通り。次にもたつくようなら今日はISを背負ってグラウンド100周させるからな!」
千冬が面倒くさそうに額を指で押さえながら低い声で告げると、女子達は散らばってすぐに整列した。
「最初からそうしろ。バカ共が」
「ええと、いいですかみなさん。これから訓練機を一班一班、取りに来てください。打鉄が6機、リヴァイヴが4機です。好きな方を班で決めてくださいね。あ、早い者勝ちですよぉ!」
真耶が大声で指示を出す。
「はぁ…兄さんの班ですか」
愛莉が王我の背中でため息をつく。
同じ名字なので班が同じになるのも当然の結果だった。
「不満か?」
「セクハラされたくないのでノクトの班に入りたかったんです」
ジト目で見上げる愛莉。
「ここではしないさ」
「(ここでは?)」と同じ班の女子達が心の中で思った。
王我は班の女子を相手にしながら直葉に視線を移す。
「桐ヶ谷さんのIS、カッコいい!」
「ありがとう」
褒められて直葉は笑顔でお礼を返す。
直葉の専用機はZGMF-X42S『デスティニー』
赤と青を基調としたガンダムシリーズで、背中には赤いウイング、そのウェポンパックに二つに折り畳んだ対艦刀『MMI-714 アロンダイト ビームソード』と『M2000GX 高エネルギー長射程ビーム砲』が収納してある。
直葉の班には千鶴もいる。
それを見た王我は、
「にのみく…」
「何ですか兄さん?」
「いや別に…」
王我が何か呟いたので愛莉が訊ねたが、王我は気を取り直して訓練に集中した。
《各班長は訓練機の装着を手伝ってあげてください。全員にやってもらうので設定でフィッティングとパーソナライズは切ってあります。とりあえず午前中は動かすところまでやってくださいね》
真耶がオープン·チャネルで連絡してくる。
「それじゃ始めるか」
「はいはい~!1番は私だよ~」
手を挙げたのは1組の本音、最近やたら接してくる。
「ISはしゃがませてあるから背中からゆっくり入れ」
「は~い」
間延びした声で返事した本音は言う通りにする。
「起動してみろ」
本音がラファール·リヴァイヴの内部に収まると起動シークエンスを始めて装甲を閉じて起動した。
「そのまま歩行して、ゆっくりな」
理論はみんな頭の中に入っているので動作も問題なかった。
「よし、交代だ」
「ガオガオ~何かご褒美が欲しいな~」
「ご褒美か~」
考える王我を愛莉がジト目で睨む。
キスとかエッチなやつは絶対にやめろという目だ。
「そうだな。いい子にはこれぐらいがいいだろう」
そう言って王我は本音の頭をナデナデした。
とはいえストライクフリーダムのアーム越しだが。
「ふわぁ…これ結構いいかも~」
気持ち良さそうな顔をする本音。
このまま眠ってしまいそうなくらい顔が緩んでいる。
「あ~ずるいずるい!次、あたし!」
「その次、あたし!」
すると、同じグループの女子が急かし始めた。
「安心しろ。ちゃんと出来たらしてやる」
「「「やった~!」」」
王我グループは盛り上がっていた。
一夏グループはISをしゃがませるのを忘れていたようで一夏が女子を抱えて装着させていてなぜか終わった人がしゃがませず次も抱える羽目になっている。
フェイトやはやてのグループは教え方が丁寧で優しく、シャルルのグループはキャッキャ楽しそうにやっていた。
1人ずつ終わって愛莉の番となる。
「私は自分で出来ますので兄さんは手を出さないでください」
愛莉はムスッとした顔でISを装着し起動して歩行も完璧にこなした。
「フッ…」
得意気な顔をする愛莉の頭を王我は一番気持ちを込めてナデナデした。
「ちょ、私は撫でなくていいんです!///」
「よしよし、愛莉は偉いな~」
「やめてください!みんなの前で恥ずかしいです!///」
「ほぉ?2人きりならいいと?」
ニヤリと笑みを浮かべる王我。
「揚げ足を取らないでください!」
愛莉は顔を真っ赤にして叫んだ。
なお一部始終を王我グループの女子達は微笑ましそうに眺めていた。
桐ヶ谷直葉
原作:ソードアート・オンライン
クラス:1年2組