※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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ジオンのモデルがドイツという噂を聞いたので取り入れました。
次男のデータがなさすぎる。


白いザビ家

 翌日。

フランスのホテルから出発し、列車に乗ってドイツのベルリンへ向かった。

迎賓館に近づくと近くに全長300mは超えるであろう巨大な艦が停泊しているのが見えた。

 

「あれは何?」

 

シャルが疑問を口にする。

 

「ミネルバ。全長約350m、日本の自衛隊の戦艦だ」

 

「今日から3日間は日本とドイツの合同演習があるからな」

 

王我の説明をラウラが補足した。

 

 

◇◇◇

 

 

 ミネルバ艦内。

 

「ねぇねぇお姉ちゃん、今王我さんがドイツに来てるらしいよ」

 

髪を下ろし大人びた赤髪の少女、メイリン·ホークが話しかけた。

 

「へぇ…別にどうでもいいけど」

 

少女の姉で赤いショートヘアの少女、ルナマリア·ホークが興味なさそうに答える。

彼女のスタイルは軍服(下はスカート)を着ていても引き締まった筋肉と押し上げる胸元が主張している。

この姉妹は『ミネルバ』に所属していてルナマリアはパイロット、メイリンはオペレーターとして働いている。

 

「そんなこと言っちゃって嬉しいくせに」

 

「バッ!///全然あんな奴に会えるからって嬉しくないわよ!///」

 

ルナマリアは頬を赤くしてそっぽを向く。

 

「フフッ…」

 

そんな姉の可愛らしいリアクションに笑うメイリン。

彼女も王我と会うのが楽しみなのである。

 

 

◇◇◇

 

 

 ベルリン中央駅。

駅に到着した王我達が改札口を出ると1台の車が停車して待っていた。

 

「お待ちしておりました」

 

運転席から出てきて王我達に敬礼したのはドイツの軍服(ジオンの軍服と同じデザイン)の若い男性士官だった。

ラウラは謹慎中のような扱いだが今日は王我の付き添いということで同行しているので一応敬礼で返す。

車はリムジンで王我達6人を乗せても充分余裕がある。

十数分、車で移動して到着したのは迎賓館前。

車を降りると迎賓館の方から大柄な男が出迎えてきた。

 

「王我!待っていたぞ!」

 

「…相変わらずでけぇ声だな」

 

鬱陶しそうに耳の穴に指を入れる王我。

 

「全く全然顔を見せないではないか!」

 

「うるせぇな。そんなでけぇ声で言わなくても聞こえてるよ」

 

「ああ、すまん。久しぶりに会うもんでつい嬉しくてな」

 

そう言って後頭部をかいたのはザビ家の三男、ドズル中将だった。

 

「あんな毎日メール送っといてよく言うぜ」

 

「メール?」

 

シャルが疑問を口にする。

 

「俺と王我はメル友でな」

 

「「「えぇ!」」」

 

直葉、シャル、ラウラの3人が驚いている。

 

「毎日ミネバの写真とか動画を送ってくんだよ」

 

王我が携帯を操作してメールを見せる。

そこには生後数ヶ月のミネバがずりばいしたり、離乳食を食べたり、寝たりしている写真や動画付きのメールが大量にあった。

 

「「「可愛い!」」」

 

赤ちゃんのミネバを見てときめく3人。

 

「毎日毎日送ってこなくていいんだよ。親戚か俺は」

 

王我がジト目をドズルに向ける。

こう見えてドズルはかなりの親バカでミネバを溺愛している。

 

「その割には以前に会った時に随分懐かれていたようだがな」

 

そう言って現れたのは赤髪をマダムのようにお団子にまとめたザビ家の長女、キシリア·ザビ少将だった。

キシリアはIS適性は無いものの優れた指揮能力を持った軍人である。

ちなみに今は戦闘中ではないのでハイネックのマスクはつけていない素顔を晒している。

 

「Yes、旦那様は女と子供に好かれやすいですから」

 

キシリアの言葉にノクトが掩護射撃する。

 

「それに出産祝いも送ってくれたらしいじゃないか」

 

さらにキシリアが追い打ちをかける。

 

「…」

 

王我は無言。

こう見えて付き合いは大切にしている男なのである。

 

「この前もお前の顔をテレビで見たミネバが「ガー!ガー!」って指差していたぞ」

 

「名前覚えられて良かったですね」

 

ドズルの話に愛莉がクスッと笑う。

そこへ、

 

「全くいつまで立ち話をしているんだね」

 

現れたのは三白眼の美男子でザビ家の四男、ガルマ·ザビ大佐だった。

その容姿端麗さに国民の人気も高い。

 

「ガルマ…そうだな。そろそろ中へ入ろう」

 

ガルマの注意にドズルが王我達を先導する。

迎賓館の中へ案内されると、内部は豪華で見事なものだった。

 

「パーティーは今夜行う。まずは茶でも飲もう」

 

来賓用のゲストルームへ案内されると部屋の中央には円卓があった。

 

「ドイツで円卓とはな」

 

まず王我、愛莉、ノクト、直葉、シャルが座った。

ラウラは上官の前で座るのは気が引けたので後ろで立っている。

続いてドズル、キシリア、ガルマが座った。

席はまだ4つ空いていた。

 

「まだ誰か来るのか?」

 

「ああ、そろそろ…来たか」

 

王我の問いにキシリアが答えようとしたところで、タイミングよくノックの音がした。

 

「入れ」

 

キシリアが指示をすると、若い士官がドアを開けて来客を招いた。

入ってきた来客は3人。

1人は金褐色の髪で、白い軍服(自衛隊の軍服はオーブと同じデザイン)を着た美女。

1人は緑色の髪で少し頼りなさそうな青年。

最後の1人は王我の顔を見るなり一瞬だけムスッとした顔をしたルナマリアである。

どうやら3人もこの会に招かれたようだ。

 

「ようこそ。ドイツへ。キシリア·ザビです」

 

キシリアが立ち上がって手を差し出す。

 

「『ミネルバ』艦長、タリア·グラディスです」

 

金褐色の髪の美女、タリアが握手に応じる。

 

「副艦長のアーサー·トラインです!」

 

緊張しているのかうわずった声でアーサーが自己紹介する。

 

「ああ、よろしく」

 

キシリアはそこは触れなかった。

ルナマリアはラウラと同じように後方で待機している。

 

「おかけください」

 

「ええ、ありがとう」

 

キシリアに促されてタリアとアーサーが円卓の椅子に座る。

残る席はあと2つ。

その時、ドアが開いて2人の男が入ってきた。

1人はドズルに似た体格で仏頂面の男、ザビ家次男のサスロ·ザビ。

ドイツの官僚であり政治面で頭が切れる。

そして、もう1人は身長190㎝くらいの長身で、王我と並ぶ支配者の風格を持つ男、ドイツ首相にして軍の総帥、ザビ家長男のギレン·ザビである。

首相になったのは約3年前、ちょうど王我がシルバーキングスの社長になった後からである。

つまりシルバーキングスとドイツは、イギリス同様ズブズブの関係なのである。

ちなみにIQ240の天才。

余談だがラウラの出生と手術に関してはギレンが首相になる前の首相、デギン・ソド・ザビによるものなのでギレンは一切関与していない。

なおデギンは謎の死をとげている。

 

「ようこそ我らがドイツへ」

 

ギレンは王我達に対して歓迎のポーズを取った。

これで現存のザビ家の直系はミネバ以外揃った。

彼らはそれぞれ野心を抱いているものの王我の前世の知識で知るザビ家と違って比較的仲が良い。

原作の方が黒ザビなら、こちらは白ザビと言えるだろう。

 

「自分で招いておいてよく言う」

 

そんなギレンに対等に喋りかけたのが王我だった。

ドイツ首相に対しての言葉遣いとは思えないがギレンは全く気にしていない。

 

「俺達をここに呼んだのは何もお茶するためじゃないんだろ?」

 

「…相変わらず察しがいいな」

 

ギレンはフッと笑って円卓の椅子に座り、サスロもそれに続く。

 

「まずVTシステム事件のことだが改めて礼を言っておこう」

 

その話題にラウラの表情が一瞬曇る。

 

「調査した結果、犯人はあるテロ組織の一員だということが判明した」

 

サスロが手元の資料を読み上げる。

 

「あるテロ組織?」

 

タリアがひっかかった単語を復唱する。

 

亡国機業(ファントム·タスク)という名前を知っているか?」

 

ギレンが訊く。

 

「噂程度なら…」

 

王我が答える。

 

「最近、世界中で暗躍しているテロ組織だ。VTシステム事件も無人機ISによる襲撃事件も奴らの仕業でしょう」

 

サスロが言った一言に王我はひっかかった。

 

「(無人機ISの事件は箝口令が敷かれているはず。ラウラは転校する前だから知るはずもない。生徒がSNSに上げたなんて話はないし、そもそもリスクが高すぎる。…ということは…)」

 

王我はそこで結論を見出だした。

 

「生徒の中に情報収集専門のスパイがいて情報を送っていたか」

 

王我の推理にギレンの眉が動く。

 

「恐らく2人いる。1人は情報収集担当、もう1人はそいつの監視役だろう。裏切らないように…もちろん監視されてる方は知らされていない。使うなら日系ドイツ人を日本人と偽って入学させている。IS学園は日本にあるから日本人ならそれほど目立たない。それと専用機持ちでもないな…目立つからな」

 

「…そこまで…」

 

王我の読みに戦慄するガルマ。

 

「顔の使い分けが出来ているならよく訓練されている。どっかのなんちゃってスパイとは大違いだな」

 

「うぐっ!」

 

王我がフッと笑うと、シャルが痛いところを突かれたような顔をする。

彼女の場合、フランスから来たフランス人です!男です!デュノアです!、と怪しさ満点で暴いてくれと言っているようなものだ。

 

「…それで?それを知ってどうするつもりだ?」

 

ギレンが王我の真意を探る。

 

「何も。情報収集くらいでいちいち目くじら立てるものでもないしな。…にしても2つの事件は同一犯か…外がダメなら内からってか」

 

改めてIS学園がいかに安全とは言えないか気づく王我。

 

「気をつけろ。亡国機業のメンバーにはあのハマーン·カーンの存在も確認されている」

 

「「「「っ!」」」」

 

王我、タリア、キシリア、ドズルの顔が厳しいものに変わる。

 

「たしか彼女は…」

 

タリアが口を開く。

 

「ああ…奴は元々ドイツ軍に所属していたが2年前にキュベレイを持ち去って軍を脱走した」

 

ギレンが軍の汚点を自ら口にした。

本来ならあり得ないがここにいる人間を信用した上での判断だ。

 

「キュベレイ…ドイツが開発した機体ですね」

 

「ああ、強力な専用機だ」

 

「…殺すさ」

 

王我が口を開いた。

その場の全員が彼を見た。

 

「あれは生きているだけで災厄を振り撒くだけの存在だ。必ず殺す」

 

「兄さん…」

 

王我が拳を握りしめると愛莉がその手に自分の手を重ねる。

 

「愛莉……悪い。続けてくれ」

 

王我は愛莉の気遣いに怒りを抑えて続きを促す。

 

「とりあえず今は情報が足りない。諜報活動は継続して警戒するしかない。ヨーロッパ各国にも情報共有をしておく」

 

ギレンは今出来る最善策を提示した。

 

「こっちでも探ってみる」

 

王我はそう言って立ち上がる。

 

「感謝する」

 

ギレンもそう言って立ち上がってミーティングはお開きとなった。

 

「パーティーは夜だ。それまでは好きにするがいい」

 

そう言ってギレンはサスロと共に退室した。

 

「俺は…ちょっとそこら辺散歩してくる」

 

「1人は危険ではないか?篠ノ之博士と同じISコアを開発できる王我は狙われるのではないか?」

 

ラウラが王我を心配する。

 

「それはないだろう。この国で彼に敵対するということは兄上も敵に回すということだからな」

 

キシリアが口を出す。

 

「心配するな。ノクト、愛莉を頼んだぞ」

 

「Yes、旦那様」

 

王我はラウラの頭にポンと手を置いて、ノクトに指示を出した後、迎賓館を出てベルリンの街に出たのだった。




ルナマリア·ホーク
原作:機動戦士ガンダム SEED FREEDOM
年齢:18
国籍:日本
階級:航空自衛隊 2等空尉
専用機:インパルス Spec Ⅱ

メイリン·ホーク
原作:機動戦士ガンダム SEED FREEDOM
年齢:16
国籍:日本
役職:航空自衛隊 3等空尉 『ミネルバ』オペレーター

タリア·グラディス
原作:機動戦士ガンダムSEED DESTINY
年齢:30
国籍:日本
役職:航空自衛隊 『ミネルバ』艦長
補足:11歳の息子ウィリアム·グラディスを持つ未亡人

ギレン·ザビ
原作:機動戦士ガンダム
年齢:35
国籍:ドイツ
役職:首相及び軍の総帥

キシリア·ザビ
原作:機動戦士ガンダム
年齢:24
国籍:ドイツ
階級:少将

ガルマ·ザビ
原作:機動戦士ガンダム
年齢:20
国籍:ドイツ
階級:大佐

サスロ·ザビ
原作:機動戦士ガンダム
国籍:ドイツ
役職:官僚
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