※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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決闘 VS千鶴戦

 放課後

王我が第二アリーナに向かう途中で男女一組に会った。

1人は黒髪ポニーテールの巨乳で目付きが悪い、もう1人は男でボケーっとした顔をしている。

 

「あ、もしかしてお前がもう1人の男性操縦者か?」

 

男の方がいきなり馴れ馴れしく声をかけてきた。

 

「織斑一夏だ。よろしくな」

 

そう言って手を差し出してきた。

だが王我が握手に応じることはなかった。

 

「気持ち悪いアホ面だな」

 

「なっ!」

 

「ぶふっ!」

 

「笑うなよ箒!」

 

王我の一言に一夏が驚き、横のポニーテールが顔を背けて吹き出した。

 

「天道王我だ」

 

「天道愛莉です」

 

「ノクト·リーフレットです」

 

王我達は簡潔な自己紹介だけした。

 

「でそっちが…」

 

「篠ノ之箒だ」

 

「そうか…」

 

「何だ?」

 

「いや別に」

 

箒の名前を聞いて王我が何やら考え込んだので箒が訊ねるが王我は特に答えなかった。

 

「それじゃ準備があるから失礼するよ」

 

「ああ、見学させてもらう」

 

王我達はその場から離れてアリーナに向かった。

後ろから「何だよあいつ、ムカつく奴だな!」と一夏の声が聞こえたが気にするほどのことでもなかった。

 

「…篠ノ之と織斑か。あの様子だと自分達が今日まで生きている理由を知らないだろうな」

 

「Yes、彼らは普通の中学校に通っていたようです」

 

王我の言葉にノクトが答える。

箒はISを開発した篠ノ之束の妹で、一夏は織斑千冬の弟である。

そんなビッグネームの親族が狙われるはずもなく、一夏は3、4年前に一度誘拐されたことがありその時は無傷で救出された。

箒には秘密裏に監視と護衛がついていた。

(一夏にもついていたが何故か誘拐された)

もちろん対象者本人達が知ることはない。

箒と一夏が今日まで生きていられたのは日本国家によって守られていたからなのである。

 

 

◇◇◇

 

 

 第二アリーナ。 

ピット搬入口で王我はISを装着して待機していた。

 

「本当にそれで闘うんですか?」

 

「ああ」

 

「はぁ…」

 

王我の返答に愛莉はため息を吐いた。

 

「兄さんの馬鹿さ加減にも慣れたと思っていましたが…」

 

愛莉は目の前のISを改めて見る。

 緑色のボディ、オレンジ色のスラスター、ピンクの一つ目、フルオートのアサルトライフル。実体剣が一振り。

シルバーキングス製は全て全身装甲なのでこちらも同じ。

YMF-01B プロトタイプジン。

ジンが製造される前のそのモデルとなった機体。

連射性は高いものの機動性の低さと装甲の薄さが問題で実戦では使われていないいわば欠陥機体である。

 王我はこの機体で闘おうというのだ。

 

「このくらいのハンデがちょうどいい」

 

「そうですか。兄さんが負けたら思いっきり笑ってあげますよ」

 

「その期待には応えてあげられなさそうだ」

 

ゲートが開き、王我は前に前進してアリーナのステージに入場した。

ステージの直径は200メートル、それなりに広い。

王我の数十メートル先ではISを装着した千鶴が待っていた。

千鶴の機体はラファール·リヴァイヴ。

フランスのデュノア社が製造した第二世代後期の量産機。

武装はビームサーベルとビームライフル。

 

「何ですか?その機体は」

 

千鶴はプロトタイプジンを訝しげな目で見る。

この機体は公開されていない機体なので千鶴が知るはずもない。

 

「プロトタイプジン、まあ簡単に言えばジンの試作機だ」

 

「バカにしているんですか」

 

専用機ではなく量産…しかも試作機で相手されることに腹が立つ千鶴。

 

「闘ってみればすぐに分かるさ」

 

「…そうですね。負けた時にあなたがどんな言い訳をするのか楽しみです」

 

試合開始のブザーが鳴る。

千鶴がビームライフルで先制攻撃を仕掛ける。

王我は最低限の動きで躱して、アサルトライフルを連射して応戦する。

その連射速度は従来のものは上回るものだ。

 

「くっ…」

 

千鶴は距離を取りながらビームライフルで牽制する。

千鶴の戦法は相手が近づいてきたら後退、離れたら接近という教科書通りのものだ。

 

「フッ」

 

王我は不敵な笑みを浮かべてアサルトライフルを連射する。

ISには武器を量子化してデータとして保存できそれを呼び出すことが出来るのでマガジンを呼び出して手慣れた動作で交換する。

それもビームを躱しながらである。

試合開始からここまで1分しか経っていない。

 

「遊んでますね」

 

愛莉とノクトは観客席の最前列で見ていた。

隣にはフェイトとはやてもいる。

 

「Yes、おそらく榊さんの実力を測っているのかと」

 

「5分で終わるって言ってたけど」

 

「まあ、できるやろな」

 

ノクト、フェイト、はやても続く。

4人には既に結果が見えていた。

 

「このっ!」

 

千鶴がビームライフルを発射する。

 

「もう十分だな」

 

王我はビームを背面飛行で躱すと逆さのままアサルトライフルを連射する。

ラファールのシールドエネルギーが削られ動きがやや止まる。

その隙を突いて王我は距離を詰めて、実体剣を抜いて近距離戦を仕掛ける。

 

「そんな剣!」

 

千鶴もビームサーベルを持って、王我の実体剣とぶつかる。

だが、プロトタイプジンの実体剣にはビームコーティングがされていないためビームの熱で切断されていく。

 

「獲った!」

 

勝利を確信した千鶴。

 

「甘いな」

 

だが、王我は機体を左に傾けて避けると空振りになったラファールの左腕を関節技で絞める。

 

「なっ!」

 

まさかの行動に驚く千鶴。

王我はそのままスラスターを上向きに噴射して千鶴ごと一回転した後にその腹にかかと落としを叩きつける。

 

「があっ!」

 

千鶴はそのまま地面に落下した。

 

「ぐぅ…こんな…」

 

起き上がろうとする千鶴だがその腹を王我が踏みつけた。

 

「カハッ!」

 

もう一度地面に倒される千鶴の上から王我はアサルトライフルの銃口を突きつけた。

 

「くっ…」

 

「さて…このまま撃たれるのと降参するのどっちがいい?」

 

王我は二択になっていない二択を問いかけた。

千鶴に選択肢はなかった。

 

「…参りました」

 

《試合終了。勝者 天道王我》

 

試合終了のブザーが鳴り、王我の勝利が決まった。

王我は千鶴の腹から足をどけてゲートに戻りながら、

 

「基本は出来ている。だが応用力が欠けている」

 

千鶴が痛感していることを王我ははっきり言う。

 

「俺の言うことが聞けないなら先生に聞けばいい。この学校には実力のある先生がいるんだからな」

 

王我は関係者席で観戦していた千冬に視線を向ける。

 

「…いえ、自分の未熟さは自分が一番分かっています」

 

千鶴は意外にも素直に聞いた。

 

「そうか。ならば励むがいい」

 

王我は相変わらず上から目線で告げてステージから退場した。

 

 

◇◇◇

 

 

 試合を見ていた一夏はムカついていた。

 

「あいつ、偉そうに!しかも女の子の腹を蹴るなんて許せねぇ!」

 

王我の戦い方と振る舞いに腹が立っている一夏だが、反対に箒の反応は冷めていた。

 

「(一切無駄のない戦い方、剣を囮に関節技をかける潔さ、見事と言わざるを得ない)」

 

ISというより戦士としての見方をする箒。

男女がどうのこうの言う一夏。

どちらにしてもISに関してはまだまだの2人だった。

一方、セシリアは余裕の笑みを浮かべていた。

 

「(まあまあの実力ですけどあの程度の機体なら楽勝ですわね)」

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