※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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ハンマー持ちの機体が1種類しか見つからなかった。
機体説明が伝わっているか難しい。


鉄槌の騎士と烈火の将、月光のワルキューレ

 7月上旬、金曜日。

今日はいよいよ日本に帰国するためにドイツから出発する日。

行きはプライベートジェットで来た王我達だったが、帰りはせっかくなので『ミネルバ』に乗せてもらって長崎の佐世保基地に帰り、シルバーキングスの本社で1泊してから翌日、IS学園に帰ることにした。

なのでフランスの空港に停めてあるプライベートジェットは帰らせることにした。

 そして、今『ミネルバ』の前でザビ家の面々と別れの挨拶を行っているところだ。

ちなみにサスロは政務でいない。

加えて今日はドズルの妻のゼナと娘のミネバも見送りに来ている。

 

「「「可愛い!」」」

 

直葉、シャル、ラウラが生ミネバを見て喜ぶ。

 

「王我さん、最後にミネバを抱っこしてもらってもいいかしら?」

 

「ガー!ガー!」

 

ゼナの腕の中からミネバが王我に手を伸ばしている。

 

「…しょうがねぇな」

 

王我はゼナからミネバを受け取り、手慣れた持ち方で抱っこしている。

ミネバは王我の顔を小さな手でペタペタと触っている。

王我の背後で女性陣がクスクス笑っているのが聞こえる。

 

「あう…あぁ…」

 

王我は特に気にすることなく、

 

「世話になったな」

 

ギレンと話す。

 

「それはこちらのセリフだ。お前にはいつも助けられている」

 

「そうか」

 

「日本に帰国したら色々問題は残るだろうが頑張れ」

 

キシリアが労いの言葉をかける。

 

「まあ、問題ないだろう」

 

「…お前ならそう言うだろうと思っていた」

 

「天道、次に会うときは私も出世しているから見ていろよ」

 

ガルマが自信満々に言った。

 

「期待しないで待ってるよ…で、お前らは何やってんだ?」

 

王我は群がる女性陣に呆れた目を向けた。

 

「何ってミネバちゃんと触れ合ってるだけですよ」

 

「ミネバちゃん~こっち向いて~」

 

「うむ…可愛い」

 

直葉、シャル、ラウラが王我の腕の中のミネバを可愛がっている。

愛莉とノクトも加わっている。

 

「可愛い…」

 

ステラがミネバに人差し指を伸ばすと、ミネバの小さな手に握られた。

 

「あっ…力強い…」

 

赤ちゃんの意外な握力に驚くステラ。

 

「帰るぞ」

 

「っておい!ミネバを連れていくな!」

 

踵を返す王我にツッコミを入れるドズル。

 

「おっと…ほらよ」

 

王我はミネバをゼナに返す。

 

「ガー!ガー!」

 

ミネバは手を伸ばして王我との別れを嫌がる。

 

「まあまあ…本当に王我さんのことが好きなのね」

 

「…またな」

 

王我は踵を返すと背中を向けながらミネバに手を振った。

 

「ガー…」

 

ミネバは残念そうにしながらも再会できることを分かっているのかそれ以上騒がなかった。

 

「また会えるって」

 

「ガー!」

 

ゼナが声をかけると、ミネバは元気よく手を振った。

 

「行くぞ」

 

愛莉達に声をかけながら『ミネルバ』に乗り込む王我。

ステラもテクテクついていっている。

 

「では皆様、いずれまた」

 

愛莉が丁寧に挨拶をして、ノクトが無言でお辞儀。

 

「ミネバちゃん、またね~!」

 

「じゃあね!」

 

直葉とシャルはすっかりミネバにメロメロだっと。

 

「では行って参ります」

 

ラウラは上官に対して敬礼した。

ドズル達も敬礼で返すと、ラウラは『ミネルバ』に乗り込んでいってハッチが閉じる。

これで『ミネルバ』の発進準備が完了した。

ギレン達は安全のために下がる。

 

「ミネルバ、発進!」

 

タリアが号令を上げて、『ミネルバ』が離陸してベルリンから飛び立った。

 

「さて、我々は仕事に戻るとしよう」

 

ギレンの言葉に弟と妹達が頷いた。

 

 

◇◇◇

 

 

「わぁ…」

 

『ミネルバ』の展望デッキの窓から見下ろす光景にステラは目をキラキラさせていた。

その隣で王我は微笑ましそうに見守っていた。

その目はまるで娘を見る父親のように。

 

「オウガ!すごいすごい!」

 

キラキラした目で振り返る王我。

 

「ああ…よく見えてるよ」

 

王我は優しい目でステラの頭を撫でた。

 

「えへへ…」

 

ステラはお日さまのような笑顔を向けた。

 

 

◇◇◇

 

 

 シャルとラウラは空いていた部屋を使わせてもらっている。

そこで2人は考えていた。

先日のベルリンでの戦闘。

2人は亡国機業相手に手も足も出なかった。

 

「IS学園に入った時、私は己を強者と驕っていた。だが今となってはそれがとても恥ずかしい」

 

ラウラが膝の上で拳を握り締める。

 

「…ラウラ」

 

シャルが声をかける。

ラウラが顔を上げるとシャルは涙を流していた。

 

「強く…なりたいね」

 

「…ああ」

 

2人はもっと強くなると誓い合った。

 

 

◇◇◇

 

 

 ヨーロッパからインド洋を通り、ようやく長崎の佐世保基地に到着した。

『ミネルバ』から降りると横にもう1隻、『ミネルバ』より大きい戦艦が停まっていた。

『ミネルバ』の設計を基に発展させた戦艦『ミレニアム』である。

その『ミレニアム』から3人の女性がこちらに向かってくる。

 

「空将~!」

 

その内の1人、赤髪で先端はピンクのツインテールの少女が王我に駆け寄ってきて腕に抱きついた。

下はミニスカートでちょっと激しく動いたらパンツが見えるんじゃないかと思うほど短い。

反対側の腕に抱きついているステラがビクッと震える。

 

「アグネス、抱きつくな」

 

「いいじゃないですか~それより誰ですこの子?」

 

アグネス・ギーベンラートは猫撫で声で甘える。

 

「ステラだ」

 

「あぁ…この子が…」

 

何やら納得した顔をするアグネス。

 

「アグネス、空将殿に迷惑をかけるな」

 

「シグナム隊長、ちょっとくらいいいじゃいですか~」

 

シグナムの注意にアグネスは駄々をこねる。

 

「いいから離れろ」

 

「きゃっ!」

 

そのアグネスの首根っこを掴んで引き離したのは赤髪で三つ編み、背丈はラウラや鈴音より小柄なつり目の少女。

纏う軍服が何ともアンバランスである。

小柄な体格とは裏腹にものすごい力でアグネスを引っ張っている。

 

「…子供?」

 

シャルが思わず呟いてしまった。

それが耳に入ってしまったつり目の少女の目付きがさらに鋭くなる。

 

「誰が子供だ!」

 

「職業体験に来た小学生だ」

 

王我がジョークを挟む。

 

「てめぇ…」

 

つり目の少女の肩が怒りで震える。

すると、ポケットからカードのようなものを取り出してバンッと見せた。

 

「あたしは日本航空自衛隊3等空尉、八神ヴィータだ!歳は20歳!お前らより歳上だ!覚えておけ!」

 

身分証を見せて名乗るヴィータ。

 

「「20歳!?」」

 

シャルとラウラが同時に驚く。

そこでもう一つ引っかかった。

 

「八神?」

 

「お2人ははやてさんのご家族です」

 

愛莉がシグナムとヴィータを紹介した。

 

「ヴィータさんは先程おっしゃった通り3等空尉で面倒見がよくて頼れる方です。シグナムさんは2等空尉で剣道の世界大会で優勝されています、はやてさんのお父様がこちらのお二人ともう1人を養子としてお引き取りしました。ちなみにはやてさんとフェイトさんも自衛隊所属ではやてさんが2等空佐、フェイトさんが1等空尉です」

 

「2人も自衛隊だったの!?」

 

驚愕の事実に驚くシャル。

 

「はい。それとそちらの方がアグネス・ギーベンラート2等空尉です」

 

「あ、知ってます。たしか『月光のワルキューレ』ですよね」

 

「ええ、そうよ。1、2年前に雑誌の取材を受けたらそういう異名をつけられたの」

 

アグネスはいつの間にかヴィータの手からするりと抜けてまた王我の左腕に抱きついた。

シャルとラウラも慣れたのだろう。

「(あ、この人も王我の女だ)」と。

 

「離れなさい、アグネス」

 

すると、アグネスを引き剥がしたのはルナマリアだった。

 

「ルナマリア…邪魔しないでよ」

 

「仕事中にイチャつくな」

 

「なに?妬いてんの?」

 

ルナマリアを煽るアグネス。

 

「誰が!あんたもさっさと用事を済ませなさいよ!」

 

王我に八つ当たりするルナマリア。

 

「そうだな。立ち話も疲れたし、そろそろ行くか。ステラ」

 

「うん」

 

ステラは王我の腕に強く抱きつく。

 

「シャマルは病院か?」

 

「はい。空将殿」

 

「その呼び方はよせ。俺は軍務で来ているわけじゃない」

 

「…分かった」

 

「じゃあ、俺とステラは病院へ行ってくる。お前らは…」

 

どうしたものかと愛莉達に視線を向ける王我。

 

「私が基地を案内しよう」

 

「いいんですか?」

 

シャルが問う。

シャルとラウラは他国の代表候補生だ。

『ミネルバ』に乗せてもらっただけでも異常なのに基地の内部まで見せてよいのだろうか。

 

「構わない。許可はもらってある」

 

「許可って…」

 

「この基地の最高指揮官からだ」

 

シグナムの視線が出口へ歩く王我に向けられる。

 

「兄さん?」

 

愛莉のジト目が王我の背中に向けられる。

 

「ステラ、逃げるぞ」

 

王我はステラを連れて走り出した。

 

「あっ、こら!結局、軍務してるじゃないですか!」

 

休日中にこっそり公人の仕事をしていた王我に怒鳴る愛莉だったが、その叫びを王我は無視して走り去った。

 

「ハハ…王我さん、子供みたい」

 

苦笑いする直葉。

 

「直葉、元気そうだな」

 

挨拶するタイミングを逃していたシグナムが声をかける。

 

「はい!お久しぶり…というほどでもないですね」

 

「そうだな。まだ1ヶ月くらいか…短いようで長いようだ。だが、以前と違うのは分かる。覚悟の決まった眼だ」

 

直葉を見たシグナムはそう口にした。

 

「はい。王我さんは私に『翼』をくれました。だから私は王我さんの『剣』になります。あの人に背中を任せられるような『剣』に」

 

「…お互い厄介な男に惚れてしまったな」

 

「だからこそ頑張りがいがあります」

 

2人はまるで師弟のように言葉を交わし合い笑う。

そんな雰囲気を壊すように基地中にアラートが鳴り出した。

 

「またか。今日は2回目だな」

 

「行くぞ。アグネス!」

 

「了解!」

 

3人の表情が引き締まって『ミレニアム』の格納庫へ走り出す。

置いてけぼりになった一同。

 

「なにが…」

 

「スクランブルよ。領空侵犯されかけてるの」

 

シャルの疑問にルナマリアが答えた。

 

「相手は韓国ね。毎度毎度しつこい奴ら」

 

ルナマリアが面倒そうに吐き捨てる。

シャルが視線を水平線に向ける。

佐世保基地から海の向こうには韓国の陸地がうっすらと見える。

ここと韓国はまさに目と鼻の先なのだ。

 

「案内するわ。見た方が早いでしょ」

 

そうしてルナマリアに案内されたのは基地のロビー。

そこにはモニターがあり、空の様子が映し出されていた。

 

「これってもしかしてリアルタイムですか?」

 

シャルがルナマリアに訊く。

 

「そう。ドローンを飛ばして撮影しているの。問題が起きた時の証拠にもなるし」

 

「まるでIS学園の試合のようだな」

 

「王我が提案したのよ。一種のエンターテイメントにしてね」

 

ルナマリアはそう言ってフンッと鼻を鳴らしたのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

 『ミレニアム』のカタパルト船体上部左右の露天構造となっている。

まず右にアグネス、左にヴィータ。

アグネスの専用機は、

ZGMF-2027/A ギャンシュトローム。

頭部は壺型でカラーリングは白とシアン、左手には円形のシールドが装備されており円周にビームカッター型のビームサーベルを出すことが可能である。

左腰にはビームサーベル、腰背部にはビームアックス、右腰にはビームライフルが収納してあり、左右両手首には超弾性鋼製の鞭『スレイヤーウィップ』が装備してある。

量産型だが眼とシールドにはピンクのワンポイントでアグネスらしい可愛らしさを入れている。

 

《射出システムのエンゲージを確認、カタパルト推力正常、進路クリア。ギャン、発進どうぞ》

 

「アグネス・ギーベンラート、ギャン出ます!」

 

アグネスのギャンが発進する。

次はヴィータの専用機、グシオン改。

ガンダムシリーズだがそのフォルムは超重装甲でヴィータの体格とは真逆だった。

カラーリングは赤、装甲の他に目立つのが身の丈を超える巨大なハンマーで前面にはドリル、背面にはロケットブースターがついている。

異名は『鉄槌の騎士』。

 

《グシオン、発進どうぞ》

 

「八神ヴィータ、グシオンいくぜ!」

 

ヴィータのグシオン改が発進した。

次はシグナムの専用機、騎士ガンダム改。

ガンダムシリーズの機体で西洋風の白い兜と鎧、赤いマント、左腰の鞘には実体剣が納められている。

異名は『烈火の将』。

 

《騎士ガンダム、発進どうぞ》

 

「八神シグナム、騎士ガンダム出る!」

 

シグナムの騎士ガンダムがマントを風で靡かせながら発進した。

前2人がアグネスとヴィータ、後ろがシグナムで三角形のフォーメーションを組んで飛行している。

 

「敵はIS6機か」

 

敵は隊列を組んで飛行している。

全身装甲で顔は見えないが、韓国の国旗マークがついていることから韓国兵であることは間違いない。

 

「珍しいですね。いつもは戦闘機なのに」

 

「やることは変わらねぇ。いつも通り追い返すだけだ」

 

シグナム、アグネス、ヴィータがそれぞれ会話を交わす。

 

「落ち着け。まずは警告が先だ」

 

シグナムは敵に対してオープン·チャネルで通信をつなぐ。

 

「こちらは日本航空自衛隊。警告する。日本領空に接近しているため、速やかに転進せよ」

 

翻訳機能まで使って警告するシグナム。

しかし、相手からの返答はない。

 

「繰り返す。速やかに転進せよ」

 

再び警告するがやはり返答はなかった。

 

「仕方ない。ボディカメラの録画とマップデータの記録を」

 

「「了解!」」

 

シグナムの指示に2人は従った。

 

「警告射撃開始!」

 

まずアグネスがビームライフルで牽制。

敵は散開して避けた。

ちょうどそれぞれ1対2の構図となった。

 

「食らいやがれ!アイゼン!」

 

ヴィータが大型ハンマー『グラーフアイゼン』の先端を敵に向ける。

このハンマーは原作と違って改造が施されている。

ドリルとロケットブースターの間の先端には4連装ミサイルポッドが装備されている。

4連装ミサイルポッドから誘導ミサイルが4発発射される。

敵2人はミサイルから逃げるように飛んでいく。

だが、これはヴィータの必勝パターンの1つだった。

装甲の一部が開くとその穴から手のひらサイズの鉄球が4個射出されてヴィータの周りで浮遊し始めた。

 

「フンッ!」

 

ヴィータはその鉄球2個をハンマーで殴り付けた。

鉄球は誘導ミサイルで逃げた先の敵に直撃してよろけさせた。

ヴィータは『グラーフアイゼン』のロケットブースターの火を噴かせてまず1人へ突進。

 

「てめぇらの国まで吹っ飛びやがれ!」

 

ヴィータは鉄球でよろけた敵にドリルハンマーで殴る。

その攻撃はなんとエネルギーシールドを貫通し本体に直撃。

『絶対防御』が発動して敵のシールドエネルギーが大幅に削られる。

ヴィータがハンマーを振り抜くと敵は韓国の方へ(もちろん届いてはいないが)吹っ飛ばされた。

もう1人は吹っ飛ばされた仲間を回収して撤退した。

このまま戦闘を続けても帰りのエネルギーが足りなくなってしまう仲間を助けるためだ。

 

「チッ…アグネス!そっちは終わったか?」

 

ヴィータがアグネスの加勢に向かおうと視線を向けると、

ちょうど決着がつきそうなところだった。

敵の攻撃を盾で的確に防御、ビームライフルで敵の動きを誘導しビームアックスで二撃、2機を撤退に追い込んだ。

 

「終わりました」

 

「ん…シグナムは…問題ねぇか」

 

ヴィータはシグナムへの加勢には行かなかった。

むしろこの3人の中で最も強い彼女と戦う相手に同情するくらいだ。

シグナムの武装は一振りの剣『レヴァンティン』のみ。

まず連結刃になっており鞭のようにしならせて攻撃ができる。

敵は近づくことができず距離を取ってビームライフルで射撃。

だが、シグナムは『レヴァンティン』を振ってビームを弾いた。

攻撃と防御を同時に行うシグナムに敵の動揺を感じる。

シグナムが『レヴァンティン』と鞘を合体させて弓の形にして構えるとビームの矢が現れる。

シグナムが弓を引く。

 

「翔けよ、隼!」

 

ビームの矢が放たれる。

避けきれない判断した敵が実体シールドで防御したその瞬間、爆裂。

もう1人の敵も巻き込まれた。

爆煙が晴れると敵2人は生きていた。

しかし、機体はボロボロで戦闘続行は不可能。

おとなしく転進して韓国へ引き返していった。

 

「戦闘終了。これより帰投する」

 

「「了解」」

 

こうして3人は任務を終えて基地へ戻っていった。

 

 

◇◇◇

 

 

「すごい…」

 

佐世保基地のモニターで見ていたシャルは思わず言葉を漏らした。

 

「昨年までの自衛隊のスクランブル発進回数は年間700回以上でした」

 

ルナマリアが説明を始める。

 

「700!?」

 

シャルが驚く。

単純計算で1日2回はスクランブル発進している。

 

「しかし、この佐世保基地と沖縄の基地の戦力強化を行ってからは回数が減っています。たびたび領空に接近していたのは韓国と中国ですが、現在の中国は月に1回で領空付近を旋回している程度です。韓国は変わりませんが」

 

なお中国の干渉が減っているのは外交官の王留美が日本を刺激(主に王我のこと)することの危険性を説いたおかげだった。

月に1回というのも見回り程度の意味しかない。

 

「そして、この基地のすぐ隣には『シルバーキングス』の会社があります」

 

ルナマリアが窓の外を指差すとその先には『シルバーキングス』の本社のビルが建っていた。

スクランブル発進の減少に王我が関わっていることはこの場の誰もが分かることだった。

 

 

◇◇◇

 

 

 『シルバーキングス』の本社は佐世保基地から徒歩1分のところにあった。

 

「(終わったか)」

 

王我はインカムで聞いていたスクランブル発進の通信を切って『シルバーキングス』の本社…ではなくその隣の病院にステラと一緒に向かった。

その入り口で白衣を着た1人の美女が待っていた。

八神シャマル。

はやての家族の内の1人であり、この病院の院長でもある。

 

「お久しぶりです、理事長。それから初めましてステラちゃん」

 

シャマルはステラにニッコリと微笑む。

 

「はじめまして…」

 

モニター越しで話したことがあるとはいえ初対面の相手には緊張しているステラ。

 

「大丈夫。あなたの身体は私が必ず治すから」

 

「ほんとう?」

 

「ええ…私、失敗しないから」

 

その言葉を聞いたステラは初めて王我の腕から離れて、

 

「よろしく…おねがいします」

 

勇気を振り絞りその一言を口にした。

 

「ええ。では理事長、この子を預からせていただきます」

 

「ああ、頼む。ステラ」

 

「オウガ」

 

名前を呼ばれて呼び返す。

 

「ここで一旦お別れだ」

 

「うん…」

 

寂しそうな顔をするステラ。

 

「この前も言ったが定期的に会いに来る。だから治療を頑張れ」

 

そう言ってステラの頭にポンと手を置く。

 

「うん…ステラ、がんばる」

 

両手の拳を胸の前でギュッと握るステラ。

 

「じゃあな」

 

そう言って立ち去ろうとする王我。

 

「あ、理事長」

 

シャマルに呼び止められた。

シャマルは王我の耳元に口を寄せると、

 

「今夜、部屋でお待ちしています。シグナムとヴィータと一緒に」

 

小声でそう囁いた。

 

「…分かった」

 

「楽しみにしています。さあ、ステラちゃん…行きましょう」

 

「うん!」

 

シャマルとステラは病院に入っていった。

王我はステラの背中を一度見た後、踵を返して歩いたのだった。




八神ヴィータ
原作:魔法少女リリカルなのはシリーズ
年齢:20
国籍:日本
階級:『ミレニアム』所属航空自衛隊 3等空尉
専用機:グシオン改(赤)

アグネス・ギーベンラート
原作:機動戦士ガンダム SEED FREEDOM
年齢:18
国籍:日本
階級:『ミレニアム』所属 航空自衛隊 2等空尉
専用機:ギャンシュトローム

八神シグナム(捕捉)
階級:『ミレニアム』所属 航空自衛隊 2等空尉
専用機:騎士ガンダム改
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