※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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黄金のIS

 太陽の光に照らされて輝く黄金の機体。

まるで『銀の福音』の対となるような色をしている。

 

「王我…お前、何でここに…」

 

この場に王我がいることに一夏は驚きを隠せなかった。

 

 

◇◇◇

 

 

 およそ30分前。

一夏達が準備をしている頃、王我も動きを始めていた。

目の前に着陸した輸送機のハッチが開く。

 

「うわぁ!なになに!」

 

そこへ箒の紅椿の調整が終わった束が駆け込んできた。

 

「そっちの用は済んだのか?」

 

「バッチシ!」

 

Vサインで応える束。

 

「それより何が入ってのかな?かな?」

 

束が輸送機の内部を覗き込むが、照明が点いていなくて真っ暗で何も見えない。

 

「これだ」

 

王我がレバーを上げて照明を点ける。

パッと明るくなると、

 

「ほわぁっ!目が…目があぁぁぁ!」

 

束がわざとらしいリアクションを取る。

輸送機の格納庫で中心で光輝く黄金のIS。

その機体の名前はアカツキ。

ORB-01 アカツキ(シラヌイ)。

ガンダムシリーズの機体で、なんといっても特徴的なのが眩しいほどの黄金の装甲。

武装はビームサーベル、ビームライフル、頭部の機関砲、実体シールド、そしてドラグーン。

 

「これって沖縄の基地にある機体だよね?わざわざ持ってこさせたの?」

 

「ああ、キサカにな」

 

王我がそう言うと操縦席から現れたのは褐色の肌に大柄な体をした軍服の男だった。

 

「待たせたな」

 

「いや、時間通りだ」

 

男の名はレドニル·キサカ。

出身は北アフリカだが、現在は日本に国籍を変えて沖縄の陸上自衛隊に所属している1等陸佐である。

 

「でも何でアカツキを?」

 

「ただのレンタルだ」

 

はやての問いに王我が答える。

 

「アカツキの調整が終わり次第、発進する。キサカは輸送機で東京湾の基地に行って待機していてくれ」

 

「了解した。準備をしておく」

 

キサカはそう応えて操縦席に戻った。

王我はアカツキにコードを繋いで空間ウインドウを展開して調整を始める。

 

「ほうほう…」

 

束が興味津々でデータを覗き込む。

 

「王我君はどう思う?…『銀の福音』」

 

「暴走…というのも怪しいな。それを口実に日本の領空に侵入した可能性もある」

 

アカツキの調整をしながら会話する王我。

 

「じゃあ…」

 

「だが低い」

 

フェイトの言葉を遮る王我。

 

「アメリカの仕業やないってこと?」

 

「さすがにそこまで短慮ではないだろう。一番可能性が高いのはアメリカの研究チームに『亡国機業』のスパイが潜入してプログラムを弄ったことだ」

 

「『亡国機業』…」

 

フェイトがその名を呟く。

直接交戦したことはないが話は王我や愛莉から聞いている。

 

「何でそう思うん?」

 

「タイミングだ。ベルリンでの戦いから日も浅いし、俺達の臨海学校に合わせているかのような偶然。アメリカとイスラエルのデメリット。それらを考えると『亡国機業』の陰謀という仮説に辿り着く」

 

「ベルリンの借りを返しに来たってことか…」

 

はやてが唇を噛み締める。

 

「だが何より気に食わないのはこの状況だ。アメリカとイスラエルにしろ…密漁船にしろ、この国の縄張りに我が物顔で入ってきやがる」

 

それは王我の静かな怒りだった。

 

「暴走してそっち行ったから止めてくれ?ふざけるな。制御できない力を持とうとしてんじゃねぇ。てめぇのケツくらいてめぇで拭け」

 

動かしている指に苛立ちが乗っている王我。

 

「ほんま、暴走とか領空侵犯とか『白騎士事件』みたいやなぁ」

 

はやてが呟く。

 

「…その『白騎士事件』だけど…束」

 

「何かな?」

 

「あれの犯人、お前だろ」

 

王我は指を動かし続けながら、まるで雑談しているかのように言った。

 

「どうしてそう思うのかな?」

 

「タイミングが良すぎる。お前がISを発表して、認められなくて、その後すぐに事件が起きてISが世界に認められた。誰が一番得するのか考えれば分かることだ。パイロットは知り合いの少ないお前からして織斑先生あたりだろう」

 

「…それで?王我はそれを知ってどうするのかな?」

 

束は否定しなかった。

 

「別に。やり方は確かに強引だったかもしれないが今更タラレバの話をしても無意味だ。それにお前はもう俺のモノだろ」

 

「キュンッ!」

 

束は胸を押さえてときめいた。

 

「うちに合格すればな」

 

「もちろん。任せて!」

 

束は自信満々で答えた。

その目はキラキラしている。

 

「…よし。調整は終わった。出るぞ」

 

アカツキの調整が終わり、前側の装甲が開くと王我はその中に入る。

 

「ノクトはポイントで待機しろ。その他はここにいろ」

 

「Yes、旦那様」

 

「「了解」」

 

王我の指示にノクト、フェイト、はやてが応える。

装甲が閉じて2つの眼が光り、アカツキが歩いて輸送機の格納庫が出る。

 

「密漁船は?海上保安庁には連絡したんか?」

 

「ああ。ただし、戦闘に巻き込まれないように少し離れた海域で待機するように言ってある。確保は戦闘が終了した後だ。…どいつもこいつも…ここが日本の庭であることを思い知らせてやる」

 

王我は地上から飛翔し、戦闘区域に向かった。

 

 

◇◇◇

 

 

 そして、現在に至る。

アカツキのドラグーンがビームバリアを展開して密漁船を包囲し続けている。

しかし、これによって王我の武器はビームライフルとビームサーベルと頭部の機関砲、左手の実体シールドのみとなってしまった。

 

「王我、お前…」

 

一夏が続きの言葉を言おうとしたその時、『銀の福音』が光のエネルギー弾丸を放ってきた。

王我は動かない。

 

「あぶねぇ!」

 

一夏が叫ぶがその心配は杞憂だった。

弾丸がアカツキの装甲に直撃する寸前で弾かれ、海に着弾して爆発した。

 

「ビームを…弾いた!?」

 

目の前で行われる現象に一夏は驚愕した。

アカツキには対ビーム防御・反射システム『ヤタノカガミ』が搭載されており、ビームを弾いたり反射したりすることが可能である。

ビーム以外は通常の防御力で、生産コストは高いが『沖縄の盾』とも呼ばれるほどの機体である。

『銀の福音』が弾丸を連射するがアカツキは無傷。

それどころか弾丸を反射して『銀の福音』に跳ね返した。

『銀の福音』は躱して一度距離を取る。

 

「俺がやる!」

 

すると、一夏がエネルギー切れが近いにも関わらず前に出た。

 

「どけぇ!」

 

「おっと」

 

一夏は王我を押しのけて『銀の福音』に斬りかかる。

王我は機体を少しずらして一夏の突進を軽く流す。

 

「うおおおぉぉぉ!!!」

 

雄叫びを上げながら『雪片弐型』を上段構えで振り下ろそうとする。

しかし、その途中でエネルギーが切れて、キュゥゥゥンと音を立てて『雪片弐型』の光の刃が消えていく。

 

「はっ!」

 

「っ!一夏!」

 

それに気づく一夏と箒。

その隙を『銀の福音』が見逃す筈はなかった。

放たれた光のエネルギー弾丸が一夏に降り注ぎ着弾して爆発を起こす。

エネルギーシールドで相殺し切れないほどの衝撃が何十発と続き、アーマーが破壊され激痛が走る。

 

「ぐああああっ!」

 

「一夏…一夏…一夏ぁっ!」

 

海に墜落していく一夏へ箒が悲鳴を上げながら急降下していく。

『銀の福音』は背中ががら空きの箒を狙うが、王我がビームライフルで牽制する。

 

「やれやれ、敵から目を逸らすとはな。子守りも大変だな…」

 

呆れた口調の王我。

大きな水飛沫と共に海に落ちた一夏。

その海に飛び込む箒。

 

「さて…これで仕事がやりやすくなったな」

 

そう呟く王我。

『銀の福音』も攻撃してこない。

ビームが効かないことを学習したのだろう。

『銀の福音』に実弾兵器がない。

金と銀の一騎討ち。

と思ったが『銀の福音』は状況的に不利と判断したのかその場から離脱しようとアカツキの横を通りすぎる。

アカツキのスペックでは『銀の福音』に追い付くことは不可能。

 

「この俺から逃げられると思うなよ」

 

 王我はビームライフルを三連射した。

『銀の福音』は背中を向けたまま、1発目を躱し、その先の2発目も機体を捻って躱した。

だが、3発目は『銀の福音』に直撃してよろめいた。

王我はただ3発撃っただけでなく、『銀の福音』の行動を先読みして三手で当てたのだ。

 王我はビームサーベルに切り替えて、『銀の福音』に袈裟がけで斬りかかる。

『銀の福音』は翼のスラスターを噴射して躱すと、王我の背後に回り込んで格闘戦を仕掛けようとする。

 だが、王我はビームサーベルを逆手に持ち替えて、背後を振り返らずに『銀の福音』を斬った。

スペックの『銀の福音』とテクニックの王我、ハイレベルな2人の戦いが繰り広げられる。

 『銀の福音』が距離を取って後退すると動きが止まる。

拳を構えてファイティングポーズを取る。

 

「あん?」

 

『銀の福音』の雰囲気が変わったことに眉をひそめる。

次の瞬間、『銀の福音』がスペックをフル稼働させて間合いを詰めてきた。

 

「っ!」

 

王我は実体シールドでパンチを防ぐ。

重い衝撃が実体シールドから伝わってくる。

『銀の福音』はもう片方の拳で実体シールドを弾くと、アカツキの腹に蹴りを叩き込む。

後ろへ吹っ飛ばされた王我はその体勢のまま、ビームライフルを撃つ。

『銀の福音』はビームを躱しながら前進して再度パンチを繰り出す。

王我もビームサーベルで迎え撃つ。

拳と剣が激突してスパークが発生する。

お互いに弾き合い、『銀の福音』がパンチを繰り出す前に王我が実体シールドでタックルする。

よろめいた『銀の福音』は後退して距離を取る。

 

「(なんだ?さっきから感じるこのプレッシャーは…このパイロットじゃない。もっと巨大で冷たい…っ!)」

 

その時、王我は感じた。

彼は別にニュータイプではない。

だが、感じた。

会ったことはない。

しかし、分かる。

何故かその名が自然と出た。

 

「ハマーン·カーン…」

 

《初めまして…と言っておこうか。天道王我》

 

『銀の福音』から音声が聞こえる。

機体を中継して通信しているのだろう。

敵は『銀の福音』ではなく『女帝』だった。




レドニル・キサカ
原作:機動戦士ガンダム SEED FREEDOM
年齢:32
国籍:日本(出身は北アフリカ)
階級:陸上自衛隊 1等陸佐

ハマーン·カーン
原作:機動戦士ガンダムZZ
年齢:22
所属:『亡国機業』幹部
専用機:キュベレイ
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