※この作品はR-18です。

ISの世界でMSを作る   作:kuroto xanadu

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沖縄防衛戦

 それは翌日の未明に起こった。

県庁にある脅迫状メールが届いたのだ。

内容はこうだ。

 

本日の午前5時までに篠ノ之束博士とマスドライバーの引き渡し、全武装の解除を要求する。

要求に応えなかった場合、武力をもって沖縄を制圧し博士とマスドライバーを奪う。 亡国機業より

 

 一見質の悪い悪戯メールに思えるがこれを無視できない問題がある。

沖縄の南側の領海近くに10隻以上の軍艦が確認されているのだ。

恐らくフィリピンの方向からだろう。

 県知事のウズミも夜中にも関わらず会議室でこの県庁幹部達と共に対策を考えていた。

もちろん防衛省には報告済だが夜明けまであと数時間で応援を呼ぶには時間が足りない。

返答は独自で対処せよとのこと。

戦闘になった場合、現状の戦力で対処するしかない。

本来なら知事に自衛隊への命令権はないが、佐世保基地と沖縄全基地の指揮権は王我が1年前に政府との交渉で持っており、沖縄の権限はウズミが代理で委譲されている。

小さな国の王みたいなものだ。

 

「どうします?知事」

 

幹部の1人が訊ねる。

 

「要求には…」

 

「もちろん拒否する。博士は大事な客人でこの国の民でもある。民を犠牲に助かろうなどとは思わん。マスドライバーも王我殿と我々の夢だ。奴らに渡す道理などない」

 

テロリストの要求に一度でも従えば奴らはつけあがり、日本なら何でも言うことを聞くと思ってしまう。

 

「しかし、県民が…」

 

「分かっている。…防衛線を展開!県民を地下シェルターへ避難!離島の島民にも船を向かわせろ。急げ、時間がない!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

ウズミの命令に幹部全員が応えて動き始める。

 

「カガリ」

 

「はい」

 

ウズミに呼ばれカガリが近づく。

 

「王我殿に連絡を。恐らく彼の力が必要になる」

 

「はい!」

 

カガリが応えて会議室を退室する。

 それから沖縄全島は大騒ぎだった。

まだ寝ている県民の家を自衛隊の戦車が一軒一軒回り、避難誘導する。

地下シェルターのない離島には自衛隊の船が向かい、本島まで送り避難させる。

沖縄本島の地下シェルターはあらゆるところにあり、県民全員が収容可能である。

病院の地下には重病·重傷者を素早く搬送するために地下シェルターが直結している。

これは第二次世界大戦での沖縄戦からの教訓であり、昔のガマとは違って地下シェルターは核ミサイルでも破壊されず放射能も通らないほどの防御力を誇っている。

だが、それでもかつての大戦を経験したことのある者はあの地獄の日々がフラッシュバックして精神異常を起こす者もいた。

 沖縄の南側領海には多数の自衛艦が集まっていた。

もちろん伏兵にも注意して他の方角の領海にもある程度の戦力を残している。

海上自衛隊の母艦『タケミカヅチ』の艦長であるトダカは遠方に見える敵の軍艦を睨んでいた。

 

「テロリスト共め。この国はやらせんぞ」

 

自衛官としてこの国を守る盾としてトダカの覚悟は決まっていた。

 

 

◇◇◇

 

 

 ラボ内。

 

「また私の近くはいつもいつも…」

 

束は自分が狙われていることに苛立ちを隠せない。

王我と共に人生の再スタートを切ったと思ったのにそれを邪魔する者がいる。

 

「博士…」

 

そんな束をエリカは心配するように声をかける。

 

「…ここで文句を言ったってしょうがない…エリカさん」

 

「ん?」

 

「私にも手伝わせて欲しい。この状況でただ見ているだけなんて出来ない」

 

「ありがとう。頼もしい助っ人だわ」

 

束の申し出をエリカは快く受け入れる。

このラボを仕切っているのは彼女だ。

誰も文句は言えない。

 

 

◇◇◇

 午前4時半、宮古島。

午前0時を回った頃にセックスを終えた王我とラクスは部屋に戻り一緒にベッドで眠っている。

王我は普段全裸で寝る派だが、子供達もいる施設内では王我もラクスもパジャマを着て寝ている。

そんな王我のスマホにカガリから着信が入ってきた。

起きた王我は眠そうな顔で通話ボタンを押す。

 

「何だ?」

 

《朝早くにすまない。実は…》

 

カガリは事情を全て説明した。

 

「…分かった。俺も行く」

 

《ありがとう》

 

「誰の庭で喧嘩を売っているのか分からせてやる」

 

《私は基地に向かう。それじゃあ…頼むぞ》

 

「ああ」

 

2人は通話を切る。

王我が着替えを始めると、

 

「王我」

 

振り返るとラクスが起きてベッドから降りていた。

 

「私も参ります」

 

「ラクス…」

 

「私も守りたいのです。あなたと共に」

 

揺るぎのないその真剣な眼差しを見た王我は、

 

「分かった。エターナルで出るぞ」

 

「はい」

 

王我はISスーツに、ラクスはミニ浴衣のような和装に着替えた。

部屋を出ると廊下にはバルトフェルド、アイシャ、ダコスタ、ヒルダが待っていた。

 

「僕達も行くよ」

 

「アンディが行くなら私も」

 

「エターナルを出すなら私達が必要でしょう」

 

「ラクス様、お供します」

 

バルトフェルドとダコスタは士官服、アイシャはいつも通りのドレス、ヒルダはISスーツに着替えている。

県庁の避難命令が宮古島に届いて事態を察したのだろう。

 

「皆さん…」

 

「いくぞ」

 

王我が走り出すと他の皆もそれに続く。

 

「王我さん」

 

そこへマルキオが現れた。

 

「マルキオさん、子供達を地下シェルターへ」

 

「分かりました。皆さん、お気をつけて」

 

「はい」

 

 ラクスがマルキオに言って彼がそれに従う。

子供達が「なに?」と眠気眼で部屋から出てきたのでマルキオが地下シェルターへ誘導していく。

 児童保護施設には隠し通路があり、それを通っていくとたどり着いたのは施設から少し離れた場所にある岩山。

実はその岩山の内部は改造されており格納庫となっていた。

そこにはあったのは全長300mの戦闘艦。

『エターナル』。

全体のカラーリングはローズレッド、艦橋上部に伸びる角状のパーツと艦体左右部に伸びる翼状のパーツは白。

そう、児童保護施設で働く5人にはもう一つの顔がある。

宮古島基地所属航空自衛隊独立部隊。

有事の際、独自に活動する部隊である。

王我が作った部隊であり、隊員は王我が自ら世界中に行ってスカウトした。

エターナルに搭乗すると艦内には整備員や艦橋スタッフなどがたくさんいた。

いつでも動けるように日々待機していたのだ。

王我とヒルダは艦内の格納庫へ、ラクス、アイシャ、ダコスタはブリッジに移動する。

岩山の崖の一部が上に開く。

 

「さて、いつでもいけますよ」

 

「エターナル、発進してください!」

 

普段の穏やかな声色とは違う凛とした芯のあるラクスの声でエターナルが発進した。

 

 

◇◇◇

 

 

 那覇基地。

そこから2隻の戦闘艦も発進準備に取りかかっていた。

1隻はアークエンジェル、もう1隻は『クサナギ』。

全長290m、カラーリングは白に近い青、アークエンジェルの原型とも言われておりその装備も共通点が多い。

主にM1アストレイを10機ほど搭載している。

艦長はキサカが務めている。

 

「主動力コンタクト、エンジン異常なし、アークエンジェル全システムオンライン…発進準備完了!」

 

アークエンジェルの操舵手のノイマン1等空尉が発進シークエンスを完了する。

 

「アークエンジェル、発進!」

 

艦長のマリューの号令でアークエンジェルが発進する。

横のクサナギもほぼ同じタイミングで発進した。

 

「総員、第一戦闘配備!本艦は最前線で攻撃に備える!」

 

敵は領海のすぐ近くまで迫っている。

海上自衛隊が何度も警告を出しているが未だに反応がなく後退する気配もない。

夜明けまであと数分を切った。

 

 

◇◇◇

 

 

 亡国機業側艦隊最後方の潜水艦。

その艦内でスコールは沖縄側の返答を読み上げていた。

 

「要求は不当なものであり従うことは出来ない」

 

彼女はフフッと笑った。

 

「さすがは『沖縄の獅子』、期待を裏切らなくて嬉しいわ。それによかった…ここまで連れてきた戦力が無駄になるところだったから」

 

これで力尽くで束とマスドライバーを奪える口実が出来たと喜ぶスコール。

そして、日は昇り時刻は午前5時を回った。

彼女が通信機を手に取る。

 

「攻撃開始」

 

全艦に指示が出され、ミサイルが放たれた。

 

 

◇◇◇

 

 

 那覇基地指令室。

 

「ミサイル来ます!40…いや50!」

 

「迎撃開始!」

 

カガリの指示が全艦に通信され、タケミカヅチを含めた自衛艦から対空ガトリング砲が連射されミサイルを次々と撃ち落としていく。

 

「IS隊、発進」

 

スコールがさらに指示を出し、軍艦からベルリンを襲撃したのと同型の無人機ISが続々と発進していく。

 

「こちらもIS隊、全機発進!」

 

クサナギの艦長のキサカが指示を出す。

 

「テロリストめ」

 

「絶対に」

 

「許さない」

 

三バカ…アサギ隊もM1アストレイで出撃した。

戦場に出ると目の前には300機を超える無人機ISの大群がまるで蝗害のように飛んでいた。

 

「何よこれ…」

 

「こんなの…」

 

「多すぎる…」

 

その数の多さはベルリン戦の3倍。

アサギ達は絶望しそうになる。

だが、守るべき国と民のために引くわけにはいかない。

 

「数だけいたって!」

 

アサギ達はビームライフルで攻撃を始める。

他のパイロットもそれに続く。

無人機ISは直撃を受けたり、躱したり、ビーム砲で反撃したりと反応は様々。

戦場のところどころでビームが飛び交い、爆発が起きる。

 

 

◇◇◇

 

 

 『アークエンジェル』格納庫。

 

《本当にいいの?あなたは…》

 

マリューが通信で声をかけるのは紅蓮特式を装着したカレンだった。

 

「もちろん。ここで黙って見てるなんて出来ません。本部にも現場判断の許可はいただいてます」

 

《そう。それじゃあ…お願い》

 

アークエンジェルにはISが搭載されていないためありがたい。

アークエンジェルのハッチが開く。

 

《ハッチ開放!射出システムのエンゲージを確認!カタパルト推力正常!進路クリア!紅蓮、発進どうぞ!》

 

オペレーターのミリアリアのアナウンスの後に発進OKのブザーが鳴り響く。

 

「紅月カレン、紅蓮いきます!」

 

紅蓮特式が出撃する。

エネルギーウイング『飛翔滑走翼改』を展開して敵の大群に突撃していく。

 

「消し飛べ!」

 

『輻射推進型自在可動有線式徹甲砲撃右腕部』から『輻射波動』がワイドレンジに放たれ、無人機ISを十数機焼き払っていく。

 

 

◇◇◇

 

 

 亡国機業側潜水艦。

スコールを乗せた最後方の母艦は海上に浮上していた。

その中の2機が発進しようとしていた。

 

「さてと…少しは骨のある奴がいればいいけどな」

 

「余計なことは考えるな。任務遂行が優先だ」

 

「分かってるよ。アルファが言ってた通りオカンだな」

 

「うるさい」

 

軽口を叩き合った後、潜水艦の上ハッチが開くと2人の顔つきが変わった。

 

「ベータ、ラファールブラック発進する」

 

「シグマ、ラファールブラックいくぜ!」

 

黒いラファールが2機、潜水艦から発進した。

 

 

◇◇◇

 

 

「もう一度食らえ!」

 

カレンが再度、『輻射波動』を放とうとしたその時、アラートが聞こえビームが飛んできた。

カレンは咄嗟に攻撃を中断して回避した。

 

「なに?」

 

視線を向けると黒いラファールが2機、こちらに向かってきていた。

さらにビームが放たれたので距離を取りながら『輻射波動』を放った。

すると、もう一方のラファールブラックが前に出てきた。

その両手の甲には盾が装備されている。

それを前に構えるとビームシールドが展開されて拡大して『輻射波動』の高周波を完全に受け止めた。

 

「防がれた!?」

 

「効かねぇよ!んな攻撃!」

 

シグマが吠える。

両手の甲の盾の裏側部分からビームブレードが伸びて、突撃していく。

 

「このっ!」

 

カレンもブレードを取り出して迎え撃つ。

ラファールブラックの2本のビームブレードと紅蓮特式の1本のブレードが弾き合ってはぶつかり合って繰り返していく。

距離を取って射撃や砲撃をしてもベータの狙撃で中断させられるかシグマの特殊ビームシールドによって防がれる。

1対2、それもシグマの近接攻撃とベータの遠距離攻撃のコンビネーションが厄介でカレンは一気に追い詰められる。

 

 

◇◇◇

 

 

 『エターナル』格納庫。

そこにはストライクフリーダムを装着した王我と赤いISを装着したヒルダが待機していた。

ヒルダの専用機『ゲルググメナース』。

ザクウォーリアの後継機でまだ製造数は少なく、頭部はザクに近い丸みを帯びたデザインで角が生えており、バックパックにはミサイルとレールガン、主武装はビームライフルと両端からビーム刃を展開する近接格闘戦用兵器『マグヌスグラディウス 特斬槍』。

 

《ミーティアはまだ調整中で使えない》

 

通信でバルトフェルドが報告している。

 

「分かりました。今の装備で充分です」

 

《王我》

 

ラクスが呼び掛けてくる。

 

《どうか…お気をつけて》

 

「ああ…必ず勝って戻る」

 

ラクスの言葉に王我はそう返す。

エターナルのハッチが開く。

 

《ゲルググ、発進どうぞ》

 

「ヒルダ·ハーケン、ゲルググいくよ!」

 

まずはヒルダが出撃する。

 

《続いてフリーダム、発進どうぞ》

 

「天道王我、フリーダム出る!」

 

続いて王我が出撃した。

 

 

◇◇◇

 

 

 その頃、敵の第二波の攻撃が始まろうとしていた。

 

「スコール様、ミサイルの発射準備が完了しました」

 

「ミサイル発射」

 

「了解!ミサイル発射!」

 

スコールの命令で敵の艦隊から第二波のミサイルが放たれた。

 

「第二波のミサイル、来ます!」

 

「迎撃!」

 

アークエンジェルのマリューが指示を飛ばし、75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』で迎撃し、他の艦もそれに続く。

しかし、全弾撃ち落とすことが出来ず撃ち漏らしが接近する。

 

「まずい!」

 

カレンが援護しようとするが、

 

「いかせるかよ!」

 

ベータとシグマによってそれは阻止される。

海上で戦闘中の自衛艦に直撃するかと思われたその時、戦闘空域に青い彗星…ストライクフリーダムが現れた。

王我はミサイルをマルチロックオンし、腰部レールガンと両手のビームライフルとスーパードラグーンからフルバーストを放ってミサイルを全弾撃ち落とした。

 

「ヒルダはエターナルを守れ。俺は前に出る」

 

「了解!」

 

ヒルダは王我の命令を聞いて、エターナルの護衛につく。

 

「さて…」

 

王我は続けて無人機ISをマルチロックオンして再度フルバーストを放ってコアを撃ち抜き撃墜する。

 

「次は…あっちか」

 

王我はカレンが苦戦している様子が目に入り加速する。

カレンに接近しようとするシグマにビームライフルを連射し下がらせる。

 

「王我!」

 

「まだいけるな?」

 

「もちろん!でも、あいつのシールド、厄介で攻撃が通らないわ。それに狙撃が邪魔で」

 

「なるほど」

 

カレンの報告を聞いた王我は大体の事情を察する。

 

「合わせていくぞ。出来るな?」

 

「誰に言ってるのよ!」

 

王我とカレンが突撃する。

 

「あんたが噂のフリーダムか!その実力、どれ程のものか確かめてやるよ!」

 

シグマも前に出る。

王我がビームライフルを撃つと、シグマは盾で防御する。

そこにカレンがスラッシュハーケン『複合融合飛燕爪牙』

を射出。

それをシグマは特殊ビームシールドで防御した。

 

「だから…効かねぇって…っ!」

 

シグマが防ぎ切ったと思ったその時、王我がビームサーベルで斬りつけてきた。

それも特殊ビームシールドで防ぐシグマ。

 

「言ってんだろうが!」

 

ビームサーベルを弾いた後にブレードで反撃する。

王我は後退してそれを避ける。

 

「こういうことか」

 

そう呟く。

彼はただ闇雲に攻撃した訳でない。

敵の防御力がどれ程のものなのかその目で確かめたのだ。

 

「…仕方ねぇ。あれでやるか」

 

そう口にしたその時、ベータからミサイルが4発放たれる。

王我はそれを頭部バルカンで全て撃ち落とした。

爆煙が舞う。

 

「カレン、もう一度だ」

 

「え、でも…」

 

「俺を信じろ」

 

「…分かったわよ」

 

カレンがもう一度『複合融合飛燕爪牙』を射出する。

 

「何度やろうが…」

 

シグマは特殊ビームシールドでそれを防ぐが、そこへ王我がスーパードラグーンで包囲射撃する。

 

「チッ!」

 

シグマは舌打ちして特殊ビームシールドを解除するとスーパードラグーンのビームを躱したり、ブレードで弾いたりして凌いだ。

 

「ベータ!」

 

「分かってる」

 

シグマの呼びかけにベータが応答する。

ベータが遠距離から王我を狙撃するが、王我はビームライフルを連結させて射撃して、それを相殺した。

 

「そこ!」

 

カレンが『輻射波動』を直線で放った。

 

「しつこいんだよ!」

 

シグマは特殊ビームシールドでそれを防御。

 

「…ハッ!フリーダムは?」

 

ベータは王我を見失っていた。

 

「…まさか!シグマ、下!」

 

「なに!?」

 

シグマが防御しながら下を見る。

すると、『輻射波動』をブラインドに王我が下から懐に潜り込んでいたのだ。

これでは間にシグマがいるのでベータの射線も通らない。

王我がビームサーベルで突きを放ってくる。

 

「(シールドを展開したままだ。通るわけ…っ!)」

 

その時、シグマの全身に寒気が走った。

何と王我のビームサーベルが特殊ビームシールドを貫通してきたのだ。

シグマは咄嗟に機体を上にずらして、『輻射波動』とビームサーベルを何とか回避する。

だが、王我の攻撃はまだ終わっていなかった。

下からさらに加速してもう1本のビームサーベルを抜いて斬りかかる。

 

「(やべ…避けらんねぇ!)」

 

シグマが再加速するより王我の追撃の方が速く、追い詰められる彼女。

誰もが王我の攻撃が決まるかと思ったその瞬間、フリーダムのアラートが鳴り響き別方向から紫色のビームが王我に向けて放たれた。

王我は急バックでそれを避けるが、ビームはまるで鞭のようにしなって王我を追いかけるので、王我はさらに急バックしていくとビームはやがて細くなって消えた。

王我はこちらに急接近してくる機体に向きを変える。

全体のカラーリングは黒、頭部には鶏冠をイメージさせる金色の多角。

 

「あれは…」

 

王我はその機体の名を知っている。

黒いガンダム…黒いユニコーンと言われたその機体の名を。

 

「ようやく会えたな…フリーダム!」

 

その機体のパイロット、リベルが叫ぶ。

その機体の名は…『バンシィ』。




エターナル、アークエンジェル、クサナギの装備はSEEDFreedomの時の最新式です。
メイリン、ミリアリア、ラクス…誰の声で出撃したいか迷う。
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