コードギアスキャラがどんどん出ます。
イギリスに行くための公欠手続きを済ませて現在は羽田空港。
もちろん一般の航空機で行くはずもなく王我のプライベートジェットである。
フライト時間は半日。
すぐ帰るつもりなので荷物も最低限にしている。
機内はファーストクラスを超える広さと快適さ。
王我は席に座るなりすぐ眠った。
「え、もう?」
あまりの早さに驚くセシリア。
「寝かせてあげて下さい」
「あ、はい」
「兄さん、ISの開発でいつも睡眠時間が短いんです。止めてるんですけど聞かなくて…3、4時間とかで…酷い時は1時間か寝てないこともあります」
「それは…お身体が心配ですわね」
「だから今は休ませてあげて下さい」
「はい」
セシリアはそう答えて自分も席に座る。
横目で寝ている王我を見る。
「(寝顔、可愛い)」
普段とのギャップにまた惹かれていた。
さらにシートの心地よさにセシリアもだんだん眠気に襲われていったのだった。
◇◇◇
夢を見ていた。
それは前世の記憶だった。
天道王我には前世の記憶がある。
いわゆる転生者というやつだ。
前世の彼はロボットやSF好きのただの大学生だった。
だが横断歩道の前で信号待ちしている時に居眠り運転の車に轢かれて事故死した…まあよくあるやつである。
転生して物心がついたのが4歳くらいでその時に前世の記憶がよみがえった。
5歳の時に『白騎士事件』のニュースでISを知った。
前世にはなかったものだ。
リリカルなのはやコードギアスなどのキャラをこの目にした時には内心驚いたが不思議とすぐに順応できた。
13歳になり、『シルバーキングス』の代表取締役となった。
その経緯については今は割愛するとしよう。
前世の記憶を活かしてガンダムのMSやコードギアスのナイトメアをIS用に開発した。
そして、現在に至る。
◇◇◇
「旦那様」
声が聞こえた。
ノクトだ。
「着きました」
「…ああ」
王我が窓の外を見る。
ロンドン空港に着陸したようだ。
ロビーに着くと、
「お待ちしておりました。王我さん」
王我達を出迎えたのは青い軍服を着た金髪でスタイルのいい物腰の柔らかそうなお嬢様だった。
「お前か。ダージリン」
「お久しぶりですわね」
「(また女の人…)どちら様ですの?というか本名ですの?」
セシリアが王我に訊く。
「知らん。紅茶好きの金髪格言女だ。あとミートパイ好きだったか」
「相変わらずですわね」
「ったく、お前も聖グロメンバーも毎月紅茶を送りやがって」
「それで?一番好きなのはどれだったかしら?」
「…ダージリン」
「ですわよね」
王我とダージリンがそんな掛け合いをしていると、
「あの…そろそろ行きませんと」
「ああ、そうだったな。気が乗らんが」
「車を用意していますわ」
ダージリンに先導されて空港を出ると外に車…戦車が停車していた。
「何なんですの!これは~!」
一般道路で停車していることに驚くセシリア。
「チャーチル-Mk.VIIだな」
「はい」
「そういうことを言ってるのではありませんわ!」
車種を答える王我に対し大声を上げるセシリア。
「許可は取ってありますわ」
「一体どこの誰が許可したっていうのです!」
「王室です。わたくしを運転手兼案内人として指名させたのも王室ですわ」
そう言って微笑むダージリン。
「(わたくしがついてきた意味って…いえ…そもそもこれはわたくしが招いた問題…)」
自分の存在意義を見失いかけたセシリアは何とか持ち直す。
「で?誰が操縦するんだ?」
「わたくしです。王我さんは車長席に」
「ああ」
ダージリンに促され戦車に乗り込む一同。
空港にいる一般市民達は口をあんぐりと開けて絶句していた。
「ではいきますわよ」
ダージリンがチャーチル-Mk.VIIを走らせる。
普段の彼女は車長担当だが操縦も一流である。
「王我さんとダージリンさんはどのようなご関係ですの?」
「ダージリンは元々横浜の聖グロリアーナ女学院に在籍していた。今はイギリス陸軍の軍学校に留学している」
「ええ。王我さんと初めてお会いしたのも聖グロリアーナ女学院ですわ」
「戦車の搬入で俺も立ち会ってな」
「王我さんとはそれ以来何度かお会いして仲良くさせてもらっているわ」
そう言って頬を染めるダージリン。
その反応にセシリアは感づいた。
この女も自分と同じなのだと。
◇◇◇
空港から30分ほどして王宮…バッキンガム宮殿に到着した。
「…………」
代表候補生のセシリアは初めての王宮に緊張していた。
ダージリンは戦車を停めるために一旦別行動となった。
そうなるとこのままでは中に入れない。
すると、宮殿の方から長いピンクの髪を一つ結びにした小柄な女性が歩いてきた。
ピンク色のマントをはためかせて王我に近づく。
「(また女の人…)」
セシリアもさすがに慣れてきた。
「迎えにきた」
「リレーでもやってんのかお前らは」
次々と代わる案内人にうんざりする王我。
「殿下の命令」
彼女の口数は少ないようだ。
「…まあいい。連れていけ」
「ん…」
アーニャが前を歩いて王我達がついていく。
中に入ると豪華と言わざるを得ない。
大理石の床と壁、シャンデリア、女王の肖像画、銅像…
セシリアはあまりキョロキョロしないように視線を前に固定し貴族として恥ずかしくない振る舞いを心がける。
アーニャがある部屋の前に立ち止まり3回ノックする。
「入りたまえ」
中から男性の声が聞こえた。
部屋に入ると中にいたのは美男と美女が1人ずつ座っていた。
美男の方はシュナイゼル·エル·ブリタニアだった。
「ようこそ。イギリスへ」
手を広げて歓迎するシュナイゼルに対して王我は歩み寄る。
「ああ、来てやったぜ。という訳で…死ねぇ!」
王我がシュナイゼルの顔に左手でパンチを繰り出す。
「(本当に殴った!?)」
セシリアが驚く。
このまま国際問題…と思いきやその拳を止める者がいた。
「戯れもそこまでだ。王我」
止めたのはマゼンタの髪をした美女だった。
王我の拳を片手で止めている。
「コーネリア」
王我が拳を引いてその名を呼ぶ。
「相変わらずだな」
そう応える美女の名はコーネリア·リ·ブリタニア。
イギリスの第2王女で軍人でもある。
「お前が止めるとはな」
「君も彼女が止めると分かってて左手で殴ったんだろ?」
シュナイゼルが見透かしたように口を挟む。
「はぁ…もういい。さっさと話を終わらせる」
王我はフカフカのソファにドカッと座る。
セシリアはその横柄な態度にただただ圧倒されていた。
愛莉はソファに座り、メイドのノクトは弁えてその後ろで立っている。
「君も座りたまえ」
シュナイゼルがセシリアに声をかける。
「いえ!わたくしはここで!」
「命令だ」
「イエス、ユア·ハイネス!」
シュナイゼルの言葉を一度は遠慮するものの命令と言われて従う。
とはいえ居心地は悪そうだが。
シュナイゼルとコーネリアも座る。
すると、何故かアーニャが王我の膝の上に座った。
「どけ」
「いや」
「前見えねぇだろうが」
「いや」
「はぁ…もういい」
「どうぞ」
いつの間にいたのか、ダージリンが紅茶を淹れてきた。
「さて…」
シュナイゼルが話を切り出す。
「君とチェスをしたいところだが、君も私も時間はないだろう。用件はうちの代表候補生のセシリア·オルコットが君に対しての」
「前振りはいい」
「君へのお詫びにお茶会をさせてもらいたい。本当はパーティーを開きたいところだが税金でそんなことしては国民の顰蹙を買ってしまう。今回の件は国民には非公開にしてある」
「だろうな。知っていれば空港に着いた時点でオルコットは袋叩きだからな」
王我の言葉にセシリアはハッとした。
もし国民が知っていたら自分は空港から出ることも出来なかっただろう。
記者やメディア、暴力を振るってくる者もいたかもしれない。(ISを持つ彼女には無意味だが)
「なのでこうしてささやかなお茶会をして政府に納得してもらおうと思ってね」
「…まあ、仕方ねぇか」
現状を受け入れてお菓子に手を出す王我。
既にお茶会は始まっているようだ。
「よってセシリア·オルコット、君への処罰は一切ない」
「え…あの…しかし」
「気持ちに整理がつかないというならこれからは彼と友好な関係を築きたまえ。それが君への罰だ」
「イエス、ユア·ハイネス!」
セシリアがビシッと姿勢を正して返事する。
一段落したところでドアがバンッと開く。
「王我君が来ているとは本当ですか!」
部屋に入ってきたのはピンク色の髪をした美女だった。
「ユフィ、はしたないぞ」
「あ、ごめんなさいお姉様…」
恥ずかしそうに顔を赤くする美女の名は、
ユーフェミア·リ·ブリタニア。
第3王女でコーネリアの実の妹。
「ユーフェミア様、淑女としての振る舞いというものを…」
「分かりましたからそんなに言わないで下さい。スザクも」
ユーフェミアの後ろに控える青年も初めて見る人物だった。
正確には知っているが実際に会うのは初めてだ。
「あ、王我はまだお会いしたことがありませんでしたわね。スザク、自己紹介を」
「枢木スザクです。ユーフェミア様のナイトをしています」
そう名乗って一礼するスザク。
「枢木…ということは…」
愛莉が呟く。
「はい。父は日本内閣総理大臣の枢木ゲンブです」
「やはり…」
「スザクは日本人でありながら名誉イギリス人でもある」
シュナイゼルが補足する。
「ああ、3年前のユーフェミア誘拐事件で彼女を助けた青年がいたって話か」
「はい。その時に助けてくれたのがスザクです。その報奨として我がイギリスの名誉イギリス人としての地位を与えました」
「つまり二重国籍保持者になったってことか」
「はい!」
「ああ、それと織斑一夏や君のような男性操縦者に続く3人目を見つけようと世界中で15歳以下を対象に適性検査をしたが…」
「空振りだったんだろ」
「そうだね。それで今度は16歳以上を対象に検査することが国際IS委員会で決まった」
「スザクも来週に検査するんですよ!」
ユーフェミアが嬉しそうに話す。
「で、君に頼みがある。もしスザクが適性者だったら…」
「専用機を作って欲しいか?」
王我が面倒くさそうに問い返す。
「話が早くて助かるよ」
「作ってねぇよ」
「だがあるんだろ。設計データが」
「…1機だけな」
「さすがだね」
シュナイゼルが素直に賞賛する。
実を言うと王我もこの世界にコードギアスキャラがいることが分かってからスザクがいる可能性も考えた。
なので彼と言えばのあの機体も考えてある。
「王我様、私のためにそこまでしていただくわけには…」
スザクが思わず口を挟んでしまう。
本来なら王族を差し置いて不敬であるが非公式な場であるし咎める必要はないと皆思っている。
「いや、大したことはない。気にするな」
あの機体が原作でスザク専用とは言えないので言葉を濁す王我。
「スザク、王我もこう言ってることですし」
ユーフェミアもスザクを宥める。
「まあ、検査の結果が出るまでは保留だな」
「そうだね」
王我とシュナイゼルが話に区切りをつけると、バンッとまたドアが勢いよく開いた。
「王我が来てるってほんと~?」
部屋に入ってきたのはピンク色のツインテールに褐色の肌、何より目を引くのが歩く度に揺れるほどの大きな胸で横乳は丸見えである。
「…」
その大きさに絶句するセシリア。
彼女も貧相ではないがキャサリンと比べると自信を失うレベルだ。
「王我~」
気だるげな口調で王我に抱きつくキャサリン。
その胸を王我の横顔に押しつけている。
「暑苦しいんだよ」
文句を言いながらもどかさない王我。
「じゃあアーニャがどけば~?」
「いや」
バチバチと視線が交錯する2人。
「…そろそろお開きにしようか」
シュナイゼルが立ち上がる。
「面倒事を俺に押しつけようとしてるだろ?」
王我がジト目を向ける。
「まさか?言ったはずだよ、時間がないと。君は帰りたいようだが外を見たまえ」
シュナイゼルに言われて窓の外を見ると日が落ちていた。
「もう遅い時間だ。今日は泊まっていくといい。宮殿でね」
「…」
「それとも彼女達の相手をせずに帰るかい?それはそれで後が面倒になると思うが?」
シュナイゼルがアーニャとキャサリンを差す。
今、王我が帰ると知れば駄々をこねそうである。
「私も愛莉ともっとお話したいわ。同じ妹として」
「…そうですね。美人に囲まれて鼻の下を伸ばしている人は放っておきましょう」
「伸ばしてねぇよ」
王我が反論する。
「ではわたくしはこれで…」
セシリアがその場を離れようとする。
「いや君もここに泊まってくれ。これは命令だ」
シュナイゼルがセシリアに命令する。
「イエス、ユア·ハイネス」
答えるセシリアの声は力なかった。
彼女の受難はまだまだ続きそうだった。
ブリタニア一族を皇子、皇女ではなく王子、王女にしたのは帝国ではなく王国だからです。
ダージリン
原作:ガールズ&パンツァー
年齢:17歳
同じお嬢様キャラだがヒステリックなセシリアに対してこちらは落ち着いた印象。
アーニャ·アールストレイム
原作:コードギアスシリーズ
年齢:22歳
コーネリア·リ·ブリタニア
原作:コードギアスシリーズ
年齢:35歳
ユーフェミア·リ·ブリタニア
原作:コードギアスシリーズ
年齢:24歳
枢木スザク
原作:コードギアスシリーズ
年齢:25歳
キャサリン·サバスラ
原作:コードギアス 奪還のロゼ