お茶会が終わり夜7時半を回った頃、キャサリンが唐突に口を開いた。
「ノクト~ISで勝負しよぉ?今度は負けないし」
「Yes、私は構いませんが…」
ノクトが王我の意思を伺う。
「相手してやれ」
「Yes、やりましょう」
「よし!」
キャサリンがガッツポーズを取る。
「なら私も」
「私も参加しよう」
アーニャとコーネリアも参戦しようとする。
「Yes、いつもと同じでよろしいでしょうか?」
「いつもと同じとは?」
セシリアが隣の王我に訊く。
「ノクトと3人の1対3」
「え?」
セシリアはタッグバトルかバトルロイヤルと思っていたが、まさかの組み合わせに驚いた。
「あのコーネリア様って確か…」
「他国から『イギリスの魔女』って異名がつけられているぐらい実力があるな。アーニャもナイトの称号を持ってるし。キャサリンも強いぞ」
「そんな方達相手を3人相手にするのですか?」
「オルコット、ノクトは俺の右腕だ。弱いわけがないだろ」
王我に言われてセシリアはハッとした。
王我の実力は既に体感している。
その王我は全幅の信頼を寄せるノクトの実力はそれに並ぶか次ぐくらいの実力はあるだろう。
ノクトの強さがついにこの目で見れるのだ。
「で、どこでやる?」
王我が3人に聞く。
「いい場所があるよぉ」
キャサリンに言われて連れてこられたのは宮殿の地下。
明かりを点けるとそこは地下アリーナだった。
「ポケモンスタジアムか。ここは」
王我が呆れた声を出す。
「何ですかそれ?」
「気にするな」
愛莉の問いを王我は流す。
ステージにはノクトとコーネリア、アーニャ、キャサリンが向かい合って立っている。
ISスーツはノクトは白と黒の二色に緑のカラーライン、コーネリアは赤、アーニャは薄いピンク、キャサリンはピンクとなっている。
「いくぞ!」
「勝つ」
「今日こそ!」
3人が一斉にISを装着する。
コーネリアの機体は『クインローゼスZ型』。
紫のボディに銀の甲冑にマントをはためかせ、紫の2本の角、左手に盾を右手にランスを装備されている。
アーニャの機体は『モルドレッド』。
赤紫のボディ、両肩に二対の四連ハドロン砲が装備されていて砲撃性能と防御力が優れている。
キャサリンの機体は『クインクラカ』。
ピンクのボディ、華奢なフォルムでドレスのようなものを纏っていて、両手にはナイフ付きの四連ハンドガンが装備されている。
全員全身装甲である。
「では私も」
最後にノクトがISを装着した。
機体は『ZGMF-X19A インフィニットジャスティス』。
全身赤の機体で騎士をイメージさせるデザイン、背中にはIS支援空中機動飛翔体「ファトゥム-01」が装備されている。
「あれがノクトさんのIS…」
「インフィニットジャスティス。フリーダムの兄弟機として製造された機体だ」
「インフィニット…ISの正式名もインフィニット·ストラトスですけど関係が?」
「ない」
観戦エリアで話すセシリアと王我。
セシリアは兄弟機というワードに心がざわついた。
決して越えられない壁がそこにあった。
「始まりますよ」
愛莉が声をかける。
「お姉様、頑張って!」
ユーフェミアが声援を送る。
シスコンのコーネリアはサムズアップで応えた。
モニターにカウントが表示されて0になった瞬間、ブザーが鳴り試合が始まる。
開幕の一撃はアーニャのモルドレッドの全身から小型ミサイルの『オールレンジボマー』が弾幕のように放たれる。
その軌道はまるでビームのようだった。
ノクトは『ビームキャリーシールド』を構えて防御しながら後退する。
頭部の『2連装近接防御機関砲』を連射して迎撃することも忘れない。
爆煙で視界が狭まるところを連射された銃弾が襲う。
ノクトはビームサーベルを連結させて風車のように回して弾く。
そこへキャサリンが接近しナイフで斬りかかってきた。
ノクトはビームサーベルでキャサリンと斬り結ぶ。
キャサリンが弾きながら退いたところでコーネリアのクインローゼスZ型のランスの突進攻撃が迫ってきた。
ノクトはビームサーベルで弾きつつ上に飛び、ストライクフリーダムと同じ『高エネルギービームライフル』でコーネリアを撃つ。
コーネリアはマントでビームを弾いた。
ノクトの横方向からキャサリンがハンドガンを連射する。
それを『ビームキャリーシールド』で防御していると、アーニャのモルドレッドの『四連ハドロン砲』が連結して巨大なビーム砲をチャージしていた。
ノクトは『ビームキャリーシールド』に取り付けられている『シャイニングエッジ ビームブーメラン』を取り出してまずキャサリンに投擲した。
キャサリンは舌打ちして射撃を中断してナイフでガードする。
その直後に『四連ハドロン砲』から赤黒い巨大なビームが放たれたのでノクトは『ビームキャリーシールド』でガードした。
ビームとシールドがぶつかり合いやがて爆発を起こした。
ここまで見事な連携攻撃である。
「すごい…」
セシリアのその言葉は3人に向けたものかノクトに向けたものか、いずれにせよ一流の闘いを目の当たりした彼女は自分の未熟さを改めて思い知った。
エリートだと自慢していた頃の自分が恥ずかしい。
「上手くいったねぇ。散々練習したもんね、この連携」
「うん…」
「油断するな。勝負はまだついていない」
コーネリアが2人を注意して気を引き締めさせる。
「分かってますよぉ。これで終わるなら何度も負けてないし!」
キャサリンがそう言っていると爆煙が晴れていく。
ノクトのインフィニットジャスティスは左腕の装甲がビームで焼けているものの未だ健在だった。
「ノクトさん、大丈夫でしょうか?」
セシリアが心配する。
「問題ない。というか柄にもなく楽しんでいるな」
「え?」
セシリアがその真意を確かめようとしたがそんな余裕はなかった。
「それでこそノクトだよね!」
「もう一度いくぞ!連続攻撃!」
「「了解!」」
コーネリアの指示に2人が応える。
キャサリンがハンドガンを連射しながら接近する。
その時、ノクトの体の奥底で何かが弾ける音がする。
『ビームキャリーシールド』を構えながら迎え撃つ。
近距離に迫ったところでキャサリンがナイフに切り替えるとノクトはシールドで攻撃を受け流した。
キャサリンの体勢が崩れたところを脚に装備されている『グリフォン ビームブレイド』でクインクラカの腕の装甲を切断する。
「はぁっ!?」
キャサリンが驚くのも束の間、ノクトは背中の『ファトゥム-01』を射出してクインクラカにぶつける。
「ぐっ!」
キャサリンは『ファトゥム-01』に押されて壁に叩きつけられる。
「キャサリン!」
アーニャが叫んでいる隙にモルドレッドの脚に有線射出式クロー『グラップルスティンガー』のワイヤーを巻きつけて重量級のモルドレッドをクインクラカに向かって投げる。
「きゃっ!」
壁に叩きつけられているキャサリンへ追い討ちのようにモルドレッドが叩きつけられる。
「がはっ!…ちょ、重い…」
モルドレッドの機体が邪魔で抜け出せないキャサリン。
アーニャも重い機体を動かすのに手間取ってしまう。
「アーニャ!キャサリン!」
コーネリアがとどめをさせまいと接近するがノクトは『2連装近接防御機関砲』とビームライフルで牽制する。
「くっ!」
コーネリアはマントでガードするものの近づくことが出来ない。
ノクトは既に戻ってきていた『ファトゥム-01』の『ハイパーフォルティス ビーム砲』を撃ってアーニャとキャサリンのシールドエネルギーを0にして撃破した。
「やられた...」
「マジぃ…」
アーニャとキャサリンが悔しがる。
だがまだコーネリアが残っている。
「これで決める!」
コーネリアがランスを片手に迫る。
ノクトはビームサーベルを連結させて回転しながら斬りかかる。
双方の攻撃が交差する。
直後、クインローゼスZ型の両腕の装甲が爆発を起こして切断された。
「…フッ、私の負けだな」
コーネリアの敗北宣言によりノクトの勝利が決まった。
◇◇◇
「あ~またノクトの勝ちか~」
試合が終わり、廊下を歩く一同。
キャサリンが伸びをしながら感想を口にする。
大きな胸がブルンッと揺れる。
「今回は勝てると思ったのに…」
「我々もまだまだということだ」
負けた3人は悔しさを露にしながらも諦めた様子はない。
「汗かいたしお風呂入ろ~」
「汗だく」
「そうだな。ユフィもどうだ?」
「はい。入りたいです」
「では私は部屋で待機しています」
スザクは一礼して去った。
さすがに女風呂についていくわけにはいかない。
「俺達は部屋に行くぞ」
王我はそう言って愛莉とノクトを連れていく。
「ではわたくしも」
「あなたはこちらですわ」
セシリアもついていこうとしたがダージリンに腕を取られた。
「え?」
「せっかくですから一緒に入りましょう。お話したいこともありますし」
ダージリンはそう言ってセシリアを大浴場へ連れていった。
「えぇぇぇぇぇ!!!!!」
セシリアは訳が分からず奇声を上げていたのだった。
◇◇◇
宮殿 大浴場。
セシリアは大浴場の湯船に浸かっていた。
一緒にアーニャとダージリンも浸かっている。
キャサリンはまだ脱衣所で、コーネリアとユーフェミアは後から来るようだ。
みんな裸ということもあってつい見てしまう。
アーニャは幼児体型だが、ダージリンはスタイルが良くマシュマロのように柔らかそうな胸はセシリアより二回りくらい大きいだろう。
「みんなはや~い」
間延びした声で現れたのはキャサリンだった。
セシリアはぎょっとした目になる。
無理もない。
ダージリンを超えるキャサリンの大きな胸はまさに凶器だった。
男なら全員見てしまうであろう。
「体洗ってくる~」
そう言って歩き出すキャサリン。
セシリアは自分の胸を見下ろす。
決して小さくはないがあれを見てしまった後だと切なくなる。
「それは贅沢というもの」
正面にいるアーニャが呟いた。
「え、いえ別にわたくしは…」
「気を遣わなくていい。王我は今の私が好きだって言ってくれた。満足してる」
「王我さんが…え、でも王我さんには…」
「待たせたな」
セシリアがアーニャに何か言おうとしたその時、それを遮る声が響いた。
振り向くとそこにはバスタオルを巻いたコーネリアとユーフェミアが立っていた。
ユーフェミアは胸がセシリアよりも大きく、デスクワークが多いのかお腹がやや出ているような気がする。
コーネリアの方は抜群のスタイルで引き締まった筋肉、女性なら誰もが憧れるようなPerfect Bodyだった。
セシリアは圧倒されて声も出なかった。
全員体を洗い終わって今は湯船に浸かっている。
「やはりノクトは強いな」
「今回は勝てると思ってたのに」
「マジ化け物だよねぇ」
ノクトと闘った3人が好き勝手言っている。
「あの…」
「ん?」
セシリアが声をかけたのでコーネリアが反応する。
「あ、いえ…」
「構わん。ここは風呂場だ。身分も年齢も関係ない」
ドンと構えるコーネリア。
「その…正直コーネリア様が1対3で闘うとは思っていなくて…」
「そうだな。私は軍人でノクトとは20も歳が離れている大人だ。普通なら大人げないだろう。だがそれでも私は勝ちたい。ノクトにはそれ程の強さがある」
コーネリアは素直にノクトを評価した。
「あれずるいよねぇ。『SEED』」
「SEED?」
「王我が言うには人類の進化の可能性らしい。一種のゾーン状態のようになり思考と視界がクリアになり運動神経と反射神経の向上するそうだ」
「発現できる者を『SEEDを持つ者』と呼ぶらしいです」
コーネリアとユーフェミアが説明する。
「そんなことが…」
突拍子が無さすぎてついていけないセシリア。
「信じられないのも無理はない。私も王我から話を聞いた時は同じようなものだった。だが王我やノクトを見ていると納得できた」
「チートよ。チート」
キャサリンがブーブー文句を言っている。
「発現する可能性は誰にでもあるかもしれないしないかもしれない。もしかしたらお前にもあるのかもしれないな」
「わたくしにも…」
セシリアは考える。
もし自分にそんな才能があったなら今よりもっと強くなれるのかもしれない。
しかし、そんな曖昧な可能性に頼るのもどうかと思う。
「そんなに深く考える必要はない。ただの可能性の話だ」
コーネリアはそこで話を切った。
「王我は強いから好き~」
キャサリンが突然口走った。
「私も好き」
アーニャも同調する。
そこでセシリアはずっと心に引っかかっていたことを訊ねる。
「ですが王我さんにはノクトさんという婚約者が…」
そう王我には婚約者がいる。
どれだけ彼に好意を持っていてもそこで二の足を踏んでしまうのだ。
「そうか。君も…」
コーネリアがセシリアを見る。
「いえ…わたくしは…」
自分の気持ちを隠そうとするセシリアだが誰がどう見ても(よほど鈍感でない限り)分かる。
「君は知らないのだな。ちょうどいい…ついてこい」
「そうだね~もう始めてる頃だろうし」
「私も行く」
コーネリアが湯船から立ち上がりキャサリンとアーニャも続く。
「わたくしもいきますわ。ユーフェミア様は戻られた方がよろしいかと」
「そ、そうですね…///」
ダージリンも立ち上がり、ユーフェミアは何故か顔を赤らめている。風呂のせいではないだろう。
セシリアは結局風呂から上がりコーネリアに連行される。
辿り着いたのは、
「ここって王我さんが泊まっている部屋…あれ?ドアが少し開いていますわ」
「静かにな。覗いてみるがいい」
王我の寝室の前でコーネリアはセシリアに囁く。
言われたセシリアがドアの隙間から部屋を覗く。
「っ!」
そこには驚きの光景があった。
ノクトのISスーツは原作と同じです。
戦闘描写は武器などが間違っていたら独自設定ということにでもしておいてください。
次回はようやくエロ回です。