※この作品はR-18です。

愛妻サキュバスの疑似NTR   作:大鑑舟平

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③愛妻サキュバスの疑似NTR ※

 

「それで、今から何をするんだ」

 

「この状況から予想されることなど、1つしかないでしょう?」

 

「そりゃ……もちろん吝かじゃないが……この拘束は要らないだろ。早く解いてくれ」

 

「あら、もうお忘れですか? これはあなたのご性癖を矯正するための行為。いつものような甘々のまぐわいでは意味がないじゃありませんか」

 

「何だと?」

 

 

 口付けできそうなほどの距離で、甘い香りを放つ妻。

 すっと鼻筋が通った美しい相貌に、にへらと嫌な予感を感じさせる笑みが浮かぶ。

 その表情には、夫と睦み合えるのが嬉しくてたまらないという、何処までも純粋な好色がありありと滲んでいた。

 

 

「今からするのは、私の初体験の再現です。あなたは言葉でお伝えしても今一つ実感が湧かないようですので、どのような体位、どのような状況で私の操が喪われたのか、実際に体感していただくことにしたのです♡」

 

「はあ!?」

 

「絶対に性癖を治すと約束されたでしょう? 覚悟を決めて、私に身を任せてくださいませ」

 

「いやちょっとまっ…………!?」

 

 

 抗議の声を上げようと開いた口に、柔らかな蕾がちゅっと押し付けられる。

 ふにょんと容易く形を変えるそれは、微かに触れるだけで軽い電流のような性感を与える魔性の唇。

 しかも、それだけでは終わらなかった。

 

 俺が困惑している隙に妻の舌が口内に割って入り、互いに舌を絡ませようとする。

 にゅるにゅると細舌が這いまわる触感と、味蕾に擦りつけられた甘い甘い唾液の味が俺の思考力を奪う。

 妻が与えてくれる快楽に溺れながら、俺はいつまでもこの幸福な時間が続いてくれとしか考えられなくなっていた。

 

 永遠にも思える極楽のような間が途切れたのは、たっぷり数分は経過した頃だった。

 ちゅぽっ、と音を立てて妻の顔が離れる。

 既に触れ合いは解かれたにも拘らず、蜂蜜のように甘い淫魔の体液が未だ唇の表層に残っていた。

 それを夢中で舐めとる俺の浅ましい姿に、妻の口角が愉悦で益々上がっていくのが分かった。

 細長い舌をちょろりと滑らせ、唇に付いた夫の唾液を味わっていく。

 

 

「ふふ……おいしい……。ファーストキスですね……♡ "あの時"はこんなに甘露ではなかったですけど……♡」

 

「あの時……?」

 

「先程申したでしょう? 私のハジメテの時です」

 

「なっ……!」

 

「我慢しよう我慢しようと思っていても、もう身体の昂りが抑えられなくて……。不貞だと理解していても、目の前に供物が用意されるともう耐えられなくて……。気がついた時にはこうやって跨って、見知らぬ方の唇を貪っていたのです」

 

 

 ガツンと頭を殴られたような衝撃。

 まあ不味すぎたので噛み千切っちゃいましたけどね、と妻が続けて言ったジョークもまるで聞こえなかった。

 

 不貞を語る口ぶりがあまりに軽快だったせいで、俺は妻がムードも何もなくさっさと挿入してさっさと抜いたのだろうと、勝手に考えていた。

 だが違った。

 実際のところは、これ程までに粘着質で熱を孕んだ交合を俺以外の男と行っていたのだ。

 しかも、自ら望んで。

 その事実に気がついた時、俺の胸の中に点った焔が音を立てて激しく燃え盛った。

 

 いくら理性が失われていたとはいえ、こんなにも情熱的で愛情に塗れた口付けを、他の男と交わしていたというのか……。

 その情欲に満ちた瞳を、俺以外の男に向けていたのか……。

 悪戯っぽさを湛えた妖しげな微笑を、そいつに送っていたのか……。

 お前は……俺に隠れて……そんなことを……していたのか……。

 

 言葉だけでは侵されなかった妻の聖域が、今度こそ音を立てて崩れていくのが分かった。

 一方妻は、俺が言葉を失うほどに絶望しているのを見て取ると、ますます笑みを深める。

 もはや俺の情緒は、完全に妻の掌の上だった。

 

 

「良い表情になってきましたね。そうでなくてはいけません」

 

「お……おまえは……」

 

 

 するりと妻が動き、互いに性器を刺激できる体勢へと移行した。

 お互いの口で性器を刺激する、いわゆるシックスナインの体位。

 妻は、固くなった陰茎を手早くインナーから解放し、躊躇うことなく口に含んだ。

 

 

「ああ……悦い。悦いです。やはりおちんちんはあなたのでなくては……。咥えていると脳が蕩けそうで……苛めれば苛めるほど哭いてくださる……淫魔殺しのおちんちん……」

 

「ぐっ……があ……!」

 

「あっ……先走りのお汁までくださるなんて……。ふふっ……流石です……私が何を欲しがっているのか、あの方とは違ってよくご存じなのですね……」

 

 

 蛇のような舌が陰茎を這いずり回る度に、情けない声を上げてしまう。

 妻は長年の交わりで培った性技を、俺の肉棒に容赦なくぶつけていた。

 唇で包皮を優しく咥えて、素早く上下に扱く。

 肉厚的な舌でカリ首を舐め回すのも忘れない。

 淫魔の唾液に触れられた箇所が、炎を灯したかのように熱くなった。

 

 じゅぽっ♡じゅぽっ♡と下品な音を立てて妻の首が動く

 その度に押し寄せる途方もない快楽。

 いつもなら喜んで享受するのに、今日ばかりはそんな気持ちにはなれない。

 いちいち妻が、俺を例の男と比較し煽るからだ。

 

 お前は、間男のものもこうやって舐めたのか。

 まるで愛する夫にするかのように……。

 肉孔に迎え入れる準備をするために……。

 

 絶望と嫉妬で視野が狭まる。

 脳中が猜疑心に占められ、陰茎を伝う官能の他は何も感知できない。

 薄れかかった視界に、漆黒のショーツがじんわりと湿り気を帯びていくのが映った。

 

 

「そろそろですかね……」

 

 

 ちゅぽっと水音を立てて妻の口淫が中断される。

 肉棒を満たしていた温もりが突如離れたことで、俺はどうしようもない喪失感に迫られてしまう。

 

 

「ふう……。このくらいで宜しいでしょう。私もちょうど良い具合に濡れてきましたし、あなたの方は……ふふふ……確かめるまでもないですね」

 

 

 妻は体勢を変え、再び俺を組み敷いた。

 先程までと異なるのは、既に前戯を終えてしまったこと。

 その先に何が待ち受けているかなんて、言うまでもない。

 

 妻の秘裂が俺のものと重なる。

 下着越しであっても、そこが泥濘のように湿ってぬちゃぬちゃと粘着質な水音を立てていることはよく分かる。

 妻の秘所が、いつでも男根を飲み込んでしまえる状態になったのだ。

 騎乗位の姿勢のまま、妻は薄いショーツをそっとずらして最後の壁を取り払った。

 

 いよいよ、妻の初体験が始まってしまう。 

 

 

「事に及ぶ前に、あなたにお伝えしたいことがあります」

 

「……なんだ?」

 

「こんな事をしておいて何を白々しくと思われても仕方ありませんが、私は今も昔もあなただけを想い、あなただけをお慕いしているとここに誓います」

 

「……あいつのことはどう思ってるんだ」

 

「何も。あの方に求めたのは一時の代替ですし、既にその関係は完全に終わっていますから。これから先、私があなたを裏切る可能性は万に一つもあり得ません」

 

 

 妻はそう強く言うと、柔らかな笑みをふわりと浮かべた。

 情欲に揺れていた女の顔が、少しの間だけ元の貞淑さを取り戻す。

 その面容は、夫に黙って不貞を働く堕落した雌のものではなく、ただただ只管に夫を愛する一途な妻のものだった。

 しかし、それが形を保っていたのは、瞬きする間に消え失せそうなくらいに本当に僅かな間だけ。

 

 

「ただ……過去の私はそうでは無かったのです。あなたはそのまま、私の操が無残に奪われる様をご覧になっていてくださいませ♡」

 

 

 先程までの純粋な表情が、一瞬のうちに、まるで見間違いだったかのようにどす黒い淫欲で塗り潰された。

 その欲に従うかのように、ぶちゅりと音を立てて肉棒と秘裂が触れ合う。

 淫魔の本能に身を任せるままに、妻の腰がゆったりと下がっていく。

 

 

「ああ……先っぽがぁ♡ 心の準備は……よろしいですか……♡? ゆっくり、奥まで、入れちゃいますよ……♡?」

 

「うっ……がぁ……」

 

 

 亀頭を咥えこんだ妻のナカは、早く全てを喰わせろと貪欲に律動する。

 それに吸いこまれるように、肉棒は狭い蜜壺を少しずつ、少しずつ穿っていった。

 ぶちゅっ、ぶちゅっと淫音を上げながら、愛液に満たされた雌穴が押し広げられていく。

 きめ細やかな膣襞がぞりぞりと擦れる感触に、俺は身悶えした。

 

 

「はうっ……♡ あなたのおちんちんが……入ってきます……♡ みちみちと私のナカを……掻き分けて……♡」

 

「きっ……つい……!」

 

 

 妻の肉壺は万力のように締まりが強く、肉棒が押し潰されるのではと錯覚してしまう程。

 ぎゅうぎゅうと柔らかな肉襞に抱き締められる感覚は、唯一無二の至高だ。

 数え切れないほど使い込まれたというのに、その抱擁力は全く色褪せない。

 それどころか、むしろ場数を踏めば踏むだけ増していっている気がする。

 

 やはり、妻の肉壺はとんでもない名器だ。

 人間離れした魔性の沼地は、決して俺を萎えさせることはないだろう。

 

 

「……ああっ♡ 感じます♡ いまっ、子袋の口にこつんと……♡ ふふふっ……お待たせしました♡ ぜんぶ、入りましたよぉ♡」

 

 

 たっぷりと時間をかけて、亀頭が蜜壺の最奥まで到達する。

 妻の腰は、互いの恥骨が擦れ合うまでに降りきっていた。

 その密着が与えてくれる快感は、あれだけ愉しんだ口付けやフェラすら比べ物にならない。

 

 くうっ……何度味わっても慣れないな……。

 キツくて、ねちゃっこくて、じゅるじゅる啜られて……。 

 まさに、捕食されているって感じだ……。

 

 ほんのりと熱かな蜜壺は、動いてないのに蠕動を止めず、にゅるにゅると肉棒を這い回る。

 早く子胤をくださいな、と厭らしくおねだりを続けるその感触は、ただただ耐えるだけが精一杯。

 

 だが、いつまで待ってもそれ以上の刺激は来ない。

 ちらり、と妻に視線を送り深く納得する。

 この快楽に狂い悶えているのは、決して俺だけではなかったのだ。

 

 

「あっ……ああっ……♡ だめ……こんなの……♡ 3日ぶりのあなたのが……わたしのナカを押しひろげてぇ……♡」

 

 

 淫魔の性感は、人間とは格が違う。

 膣内の感覚器官も人より遥かに敏感で、Gスポットやポルチオ等に留まらずあらゆる箇所から快楽を得てしまう。

 愛する男を苛めれば苛めるほど、自分にもそれが跳ね返ってきてしまうのだ。

 

 現に妻も今すっかり蕩けきって、幸せそうな笑みを浮かべている。

 一度に消化できる快楽の限界値を超えてしまったせいで肉壺のひくつきが止まらず、腰が動かせなくなってしまったようだ。

 そういう所も、可愛くてたまらないな。

 

 

「ずいぶん気持ちよさそうだな。初めての時もそうだったのか?」

 

「ちがいます……♡ ぜんぜんちがいます……♡ あの時は、こんな、おくまで犯されてはいませんでした……♡ こんな、入れただけで、うごけなくなるような、ぶざまなすがたにはぁ……♡」

 

「へえ。それで本当に再現だって言えんのか?」

 

「うう……♡ まって……少しじかんをくださいませ……♡ これは、久しぶりで、ナカがびっくりしちゃってるせいで……♡ もうすこしたてば、きっと落ちついて……♡」

 

「ほぉん……」

 

 

 そりゃ良いこと聞いたな。

 組み敷かれてるせいで身体は大して動かせんが、今のうちにこっちから反撃してやるか。

 

 俺は腹に力を込めて、陰茎をぴくぴくと震わせる。

 それはほんの僅かな動きで、とても何か変化を生じるような影響があるとは思えなかったが……。

 膣内が鋭敏になっている妻にとっては違った。

 

 

「いやっ……! いやあっ……! おちんちん、ぴくぴくさせないでぇ! ナカのお肉が、こだねをもらえると、かんちがいして、よろこんじゃいますからぁ♡」

 

「好きなだけ悦んだらいいじゃねえか……。ほら、イッちまえって……!」

 

「ああんっ! こんな、こんなのでイかされるなんて、やだっ……♡ やだぁ……♡!」

 

 

 いやいやと、しきりに頭を振って乱れる妻。

 もう、身体中を走る悦楽に完全に支配されているようだ。

 か細い両手が、俺の胸板へと縋り付くように伸ばされる。

 少しでも快楽から遠ざかるため、頼りなく揺れる腕で身体を支え、必死に陰茎を抜こうとしているようだ。

 しかし肉棒を覆う熱にはまるで変化がなく、往生際が悪い足掻きにしかなってないのは明らかで。

 

 可愛い抵抗しやがって。

 全部無駄なんだよ、さっさとイッちまいな……!

 

 

「もっ……あっ♡ ああっ♡♡ ああああああっ♡♡♡」

 

 

 ぷしゃあ、と繋がったままの秘所から淫液が噴出された。

 妻は固く目を瞑り、快楽に跳ねる身体を必死に抑えようとしている。

 絶頂の瞬間、膣内がぎゅうっぎゅうっと強く律動して精液を搾り取ろうとするが、辛うじて耐えることができた。

 本当の初体験だったら、情けなく暴発してしまっていたに違いないな……。

 

 再現とは思えないほど派手に達した妻は、はぁはぁと荒い息づかいで体内の悦楽を吐き出している。

 反動によって全身の筋肉が弛緩してしまったらしく、ずるずると身体が倒れ込んできた。

 むにゅう、と潰れた柔らかな乳房の触覚がとても心地よい。

 

 今なら拘束された腕を振りほどけるかもと思いそっと腕力を強めるが、尻尾にまでは性感が到達していないようで、全く緩む気配はなかった。

 やはりこいつを解くには、隙を見て例の場所を刺激してやるしかないか……。

 

 俺が密かに打開策を練っているとは露ほども気づいていない妻は、暫く時間が経ってようやく固く閉じられた瞼を開いた。

 一方的にイかされてしまったのが余程悔しいのか、忌々しそうに眉根をひそめる。

 

 

「迂闊でした。入れただけで気を遣ってしまうとは、何たる屈辱……」

 

「やだっやだって嫌がってたの、超昂奮したから気にすんな。めちゃくちゃ可愛かったぞ」

 

「なっ……!」

 

 

 軽くからかうだけで羞恥に真っ赤になる妻。

 その初心な姿を見ていると、ついさっきまで心の中に巣食っていた醜い諸々の感情が、嘘のように消えていくのが分かった。

 

 なんか、もう寝取られなんてどうでもいいな。

 

 今日の交合は、妻が他の男に抱かれた初体験を再現するというのが趣旨だったはず。

 だが、妻が可愛らしく悶える姿を見ていると、すっかりどうでも良くなってしまった。

 挿入前に改めて、愛の告白を送ってくれたお陰もあるかもしれない。

 あれで、妻の想いに対しては疑いようも無くなったし。

 サキュバス達の『夫婦の悩みは交合で解決せよ』って掟は的確だったんだな。

 

 俺が内心満足しているのを敏感に察知したのか、妻は心外だと言わんばかりに唇を尖らせながら上体を起こす。

 繋がったままの秘所が、ぐちゅりと大きな水音を奏でた。

 

 

「何を勝ち誇ってらっしゃるのですか。まだ交合は続いているというのに」

 

「あんな派手にイッておいてよく吠えるじゃないか」

 

「あれは不可抗力。飢えて渇ききった淫口に極上の餌を挿し込まれて、不覚を取っただけのことです」

 

「酷い責任転嫁だな」

 

「何とでもおっしゃいませ。今度はあなたが私に悶える番ですので」

 

 

 そう強く言い放った妻はゆっくりと腰を浮かせる。

 魅惑の蜜壺が、ぬちゃあ……と糸を引きながら持ち上がっていく。

 妖しく蠢く膣襞に肉棒を苛められ、忘れかけていた官能がまた呼び起こされた。

 同時に、湯気が立ちそうなほどに熱い膣の圧覚が、少しずつ少しずつ失くなっていく。

 

 じりじりと続いた身を焦がすような感覚は、ある点まで来るとぴたりと止む。

 いつの間にか、妻に咥えられているのは亀頭の先っぽだけ。

 

 しまった。

 こいつ、一気にやる気だな……!

 

 妻はようやく自分の罠に気づいた夫を捉えて、にやりと笑う。

 心底愉しそうな様相で、腰を一気に振り下ろす。

 ぱあん、と大きな音が寝室に響いた。

 

 

「が、ぐううっ…………! ま……て…………!」

 

「一度達した淫魔の肉鉢のお味はいかがです? 美味しいですか? まだまだたくさん有りますから、遠慮しないで召し上がってくださいな」

 

 

 俺の制止を振り切って、妻は何度も何度も抽送を繰り返す。

 ぬちゅ!ぬちゅ!と先程とは桁違いの粘液音が、動作の度に起こる。

 射精しそうになるのを懸命に堪える俺の上で、妻は美しいかんばせをサディスティックに歪めながら猛然と腰を振り立てる。

 

 タチが悪いのは、妻の中の具合が明らかに変わっていること。

 一回戦の時はとにかくキツく搾り取るような感触で、夫を手早くイかせてやりたいという欲求が表れていた。

 しかし、今は逆に極限まで膣圧が緩み、激しく責め立てても長く愉しめるような状態になっているのだ。

 もちろん緩めだからといって、肉棒に与えられる性感が減っているわけでは決してない。

 ふわとろな膣肉に柔らかく抱き締められる感触は、激しい責めの中でも夫に心地よくなって欲しいという、妻の慈愛の精神が表れているように思えた。

 

 それがいつまでもいつまでも続いて、終わらない。

 これは、とんでもない極楽(じごく)だ。

 

 

「どうですか? 私を散々辱めた罰です。今から少しずつ圧を戻していきますから、笑い物になりたくなければ可能な限り耐えてくださいませ」

 

「くうう……!」

 

「おやおや、ナカでぴくぴくと脈動が始まりましたよ? もう果ててしまわれるのですか? ふふふ……この程度でお漏らしになるとは、我慢強さだけはあの方に軍配が上がりそうですね」

 

 

 他の男の影をちかつかせ、悪戯っぽく挑発する妻。

 へえ。

 なるほどなるほど。

 

 俺は妻の意図を察して、青筋を立てる。

 怒りによって、一時的にだが射精欲も収まった。

 あれだけ醜態を晒していながら、まだこいつは当初の目的である俺の性癖矯正を諦めてないのだ。

 

 よし。

 そっちがその気なら受けて立とうじゃないか。

 本当はもう気にしちゃいないが、このまま妻の煽りに屈したとあっては旦那としての沽券に関わる。

 何としても先にお前をイかせて、その減らず口を塞いでやらあ!

 

 気づいてないようだが、妻の策略には1つだけ大きな穴がある。

 激しく腰を上下させているということは、それだけ俺を組み敷く力が弱まる瞬間が増えるということなのだ。

 そのタイミングさえ見計らえば……。

 

 

「ふふふ……そろそろ限界なのでは? 良いのですよ? いつでも私のナカで達してくださっ……!?!?」

 

 

 妻の抽送が頂点に達する瞬間を狙い、一直線に腰を突き上げる。

 突然の衝撃に混乱する妻に、すかさず追撃を入れる。

 

 

「えっ……なに……いまの……したから……ずんって……ああっ♡♡」

 

 

 俺を長々と辱めるために、締まりを抑えていたのが仇になったな。

 これなら激しく動いても暫くは保つ。

 

 

「どうした? さっきはずいぶん愉しんでいたじゃないか」

 

「ど、どうして、うごいてえ♡ あっ♡だめです♡ いきなりつよくしたら、がまんができなく♡」

 

「くう……だんだん狭まってきたな」

 

 

 ふわとろだった妻の肉壺が、徐々に締めつけを強めていく。

 おそらく、前触れなく強い快楽を叩き込まれたせいで、身体が無意識のうちに精液を欲してしまったのだろう。

 今度こそ小胤をくださるまで離しませんよ、と吸い付く妻の肉壺に圧倒される。

 もっと堪えるつもりだったが、宛が外れたな……。

 

 俺もそろそろ限界だ。

 必死に堪えて妻の狭穴を穿ちながら、言葉責めに打って出る。

 

 

「どうだ? あの男のものとどっちが気持ちいいんだ?」

 

「あっ♡ ああっ♡ イイっ♡ イイですっ♡ あんなのとぜんぜんちがうっ♡ おっきくて♡ しなやかで♡ このおちんちんじゃないと私……わたしぃ♡」

 

「ここがいいんだろ?」

 

「あっ♡ だめですっ♡ 突き上げないで♡ あの時は、ただ私が、ひたすら動いてただけでぇ……♡ こんな風にっ、突かれることはっ、なかったんですからぁ♡」

 

「こんなイイ女を抱いておいてか? そいつインポか何かなんじゃないか?」

 

「やあっ♡ やだっ♡ もうずんずんしないで♡ ひゃうっ♡」

 

 

 『やだ』が出てきたってことはそろそろってことだな。

 無意識に出てくる妻の癖を読み取り、俺はラストスパートに移る。

 きゅううう、と胤を欲しがって哭く妻の肉壺にご褒美を与えるべく、奥に擦り付けるイメージで出し入れを繰り返した。

 

 

「うっ……うそ……♡ わたしまたっ……またイかされちゃ……♡」

 

「ぐぅ……俺も出るぞ……!」

 

「は、はいっ♡ ください……♡ 私のおくに、ぴったり押しつけて……♡ しんせんな、こだねを、いっぱい、くださいませ……♡ あっ♡ もう、イク♡ イッちゃいます……♡」

 

「っ……出る……!」

 

「……っ♡ ああああああ♡♡♡」

 

 

 どくっどくっどくっどくっどくっ。

 

 溜めに溜め込んだ精液が、妻の胎の中に次々と注ぎ込まれていく。

 脳内に溢れる凄まじいまでの多幸感。

 思う存分愛する妻に放出するこの瞬間は、他の何にも代えがたい至高の歓びだ。

 肉体的な充足感も当然最高だが、精力をたっぷりと補給して心から幸せそうに惚けている妻を見るのも、堪らない。

 

 

「はあ……はあ……」

 

「ふわぁ……♡ はうぅ……♡」

 

 

 甘美に満ちた絶頂と吐精が、少しずつ勢いを落としつつも治まる気配がない。

 それは、ひくんひくんと膣が顫動し続けている妻も同じらしかった。

 ぽおーっと放心しているその顔に、そっと問いかける。

 

 

「これで……終わったのか? お前の初体験は……」

 

「はひぃっ……♡ 確かに……♡」

 

 

 ふにゃふにゃになった妻が、息を切らしつつ一連の行為が終わったことを宣言する。

 もはや瞳の焦点も覚束ないが、その表情は喜悦に彩られていた。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「どうだ、落ち着いたか?」

 

「はい、なんとか……。あなた、ありがとうございます……ほんとに……ほんとに……幸せな時間でございました……」

 

「そりゃ良かった。ここ最近もの足りない思いをさせてたみたいだから、これで一安心だな」

 

「これほどの多幸感を感じられるのなら、あのじれったい経験も無為ではなかったと思えますよ……♡」

 

「そう言ってくれると助かる」

 

 

 俺と妻は、たっぷり数十分をかけて何とか落ち着きを取り戻した。

 今は妻にのし掛かられたまま密着し、ピロートークを楽しんでいるところだ。

 

 性器同士の結合こそ解いていないものの、夫婦の営みを再開しようというムードは未だに醸成されていない。

 おそらく、あまりに絶頂が激しかったからだろう。 

 現に今、互いの性器は役割を全うできる状態にない。

 

 全てを出し切った俺の陰茎はだらりと萎えており、温かく緩んだ妻の蜜道に包まれている。

 普段ならそんな危険地帯にいつまでもいると、無性にムラムラして抽送を始めずにはいられないだろう。

 しかしさっきの行為で色々と満たされてしまったためか、本能的な獣欲は一向に湧いてこなかった。

 

 一方で妻の方も、多量の精力を食べ切ったせいか膣内の感覚が大幅に鈍くなっており、夫の肉棒という大好物を咥えていても快楽を感じている様子はない。

 妻の身体は今、色気より食い気だと言わんばかりに精力を咀嚼するので手一杯なのだろう。

 ついさっきまであんなにお強請りしていたのに、現金なもんだ。

 そんなところも可愛いんだけど。

 

 

「それで、どうなのでしょうか。あなたのご性癖の方は解決なされたのですか……?」

 

 妻が、微かな不安を湛えた瞳でじっと見つめる。

 それに促されるように、お気に入りのAVを脳内で想像してみる。

 

 …………何も、感じないな。

 

 暫くそのまま再生していたが、今までのように背徳的な劣情を催すことはちらりとも無かった。

 ついに俺は、この難儀な性癖を矯正するのに成功したのだ。

 よしっと内心ガッツポーズする。

 

 でも、何でだ……?

 

 少し考えてみるも、理由は釈然としない。

 俺の嫉妬心や焦燥感を煽って、寝取られというジャンルで安心できなくさせる妻の作戦は、結局途中でいつも通りの夫婦の営みになったせいで失敗に終わったしな。

 

 強いて推測するなら、ここ最近で一番といえる甘々な性交のお陰で、純粋なイチャラブセックスで昂奮できる性癖に修正されたってことなのかもしれない。

 もっとも、元々夜の生活が滞っていたのが発端だったし、あるべき場所に戻っただけと見るべきか。

 まあ、何にせよ全部妻のお陰だ。

 

 

「そうだな……。ちょっと今想像してみたけど、もう微塵も昂奮しなくなった」

 

「まあ……! それは良かったです……!」

 

「お前が頑張ってくれたお陰だよ、ありがとな」

 

「いいえ、こちらこそ。私の業ごと受け入れてくださって、感謝の限りです」

 

「お前が意地汚ない上に悪食なのは、よく知ってるからな。今さら幻滅なんてしないさ」

 

「何てことを言うのですか、せっかくのいい雰囲気なのに」

 

 

 ぷくりと頬を膨れさせる妻がまるでフグのように滑稽で、思わず俺は噴き出す。

 ハハハと大きな笑い声が寝室にこだました。

 突如豪快に笑い出した夫を見兼ねたのか、妻はしょうのない方ですねといった風に肩を竦める。

 しかし、やがてその愉悦に充てられたかのようにクスクスと上品に口元を抑え始めた。

 

 暫しの間、そのまま2つの笑声のみが響く。

 何がそんなに可笑しいのか、もはや俺達にも分からない。

 まるで付き合いたての恋人のような、純粋で甘々な空気が2人の間を充満していた

 

 

 

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