それから暫く時を経て、ようやく発作が収まった。
腹の虫が大人しくなると、何があそこまで可笑しかったのか本当に謎だ。
至近距離で妻とお互いを見つめ合い、最後に小さく笑い交わした。
「ああ……笑った笑った。そんじゃ、そろそろこれ解いてくれ」
靭やかな尻尾が巻き付いた両手を差し出し、拘束を解くように頼む。
痛みこそ無いものの流石に少々煩わしく感じる。
まあすっかり忘れておりましたとか言って、きっと妻も即座に解いてくれるだろう。
そう楽観視していた俺の考えは、淫魔の体液よりも甘かった。
妻はずっと無言で、何かを思考している。
訝しみながら返事を待っていると、やはり何も言わないままにこりと微笑んだ。
何だ……?
猛烈に嫌な予感がする。
「解いて差し上げるのも吝かではありませんが、言い方というものがございましょう」
「な、なんだ、何て言やいいんだよ」
「そうですね……。『生意気にも腰を使い、愛する妻を2度も絶頂させてしまって申し訳ありませんでした。これからは大人しく貴女に貪られ、貴女が望んだ時に好きなだけ子胤を召し上げると誓います』これです。これでいきましょう」
「はあ!? 言えるかよ!! そんなマゾみたいな軟弱なことを!!」
「あなたがそれで良いなら私は構いませんよ。この誓いをされないのなら、あなたはこの先ずっと、愛する妻に縛られたままになるというだけですから」
「冗談だろ……?」
「さあ、どうでしょうか」
涼しい顔をして惚ける妻。
いつの間にか戻っていたお得意の無表情からは、何の感情も読み取れない。
くそ……こういう時にポーカーフェイスは便利だな。
本心で言ってんのか、ジョークなのか、よく分かんねえ……。
あの屈辱的なセリフを本当に言うしかないのか……?
「さあさあ疾く疾く。これ以上待たせると、もっと屈辱的な言葉に変更しますよ」
「例えばどんな……?」
「『非力な妻にのし掛かられて動けなくなるような、弱々しい種雄の身でありながら……』」
「もういい分かった! 言うよ! 言うからそれは止めてくれ!」
妻は、覚悟を決めて俯く俺に馬乗りになったまま、わくわくとした雰囲気を纏って見つめる。
いかにして夫が敗北宣言をするのか、楽しみで仕方ないようだ。
いつも俺にいいように哭かされているから、たまにはやり返したくなったんだろうな。
だが、俺を甘くみるなよ。
こっちには秘策があるんだ。
自分だけが強者だと思っていたら大間違いだからな……!
「くっ……覚えてろよ……。『な、なまいきにもこしをつかい……』」
「心が籠もっておりません。もう一度初めからどうぞ」
「『生意気にも腰を使い、愛する妻を2度も絶頂させてしまって申し訳ありませんでしたぁ!!』」
「……っ! あなたが……あなたがっ……そんな情けないことを私に仰るなんて……! ああっ……何たる至福……!」
くそっ……何たる屈辱……。
覚えてろよ、絶対倍にして返してやるからな……!
怒りに震える俺を尻目に、頬が緩み恍惚感に全身を震わせる妻。
もっと間近で聴きたいという欲望が抑えられなくなったのか、俺を組み敷く顔がずいと身体ごと近づく。
ちゅぽんと音を立てて、肉壺に収められていた陰茎が抜き取られた。
それに伴い、俺の太ももに掛けられていた体重も骨盤付近にまで遷移する。
もう少し接近させれば、足を上げることくらいはできるようになるだろう。
よし、まさか自分から罠にかかりに来てくれるとはな……!
願ったり叶ったりだ……!
「さあ、もっと。その弱々しい姿をもっと見せてくださいませ……!」
「『こ、これからは……』」
「これからは?」
「『これからは、大人しく貴女に貪られ……』」
「貪られ?」
「『………………誓います』」
「こら、聞こえませんでしたよ。もっと大きな声で」
ここは、わざと小さく言ってやる。
あえて焦らすのだ。
妻の期待と焦りを誘い、判断力を奪うために。
もっとも、ここまでの様子を見るとそんな必要が無いくらいに無警戒になってるみたいだが。
「『………………と誓います』」
「もう……最後の最後で恥ずかしくなられたのですか……? それならば私が耳を寄せますから、そっとお聞かせくださいませ……♡」
完全に夫を手玉に取ったと確信したのか、さらに妻の距離が詰まる。
息を荒くし、耳を寄せ、俺が反撃をする可能性など微塵も考えていないくらいに油断しきっている。
もう口付けすら出来そうな程の至近だ。
「『あ、貴女が望んだ時に……』」
「ふふふ……良いです……。恥辱に塗れたそのお顔……。さあ、あと少しですよ」
ついに、ぴとっと妻の身体が密着した。
柔らかな触感と全身から匂う香気が心地よく、思わず身震いする。
はぁと吐かれた呼気の中に、淫魔特有の甘い甘い薫が混ぜ込まれている。
その匂いに、妻の発情の気配を感じ取った。
よく見ると、妖艶な瞳が切なそうに垂れて、目尻にもうるうると水滴が滲んでいる。
早いな、もう復活したのか。
俺を苛めることで、愛おしさと嗜虐心が極限まで刺激されたせいかもしれない。
これなら、お仕置きという名目で心置きなく交合ができるな。
既に、俺の両足はほとんど自由に動かせるまで解放されていた。
「さあ♡ 疾く疾く♡ もう我慢できません♡」
「『好きなだけ……』」
「好きなだけ……♡」
無邪気に俺を辱める妻が、自分の発情にも気づかずに無防備な状態で目の前にいる。
試しにそろそろと右足を持ち上げてみるが、気にする様子は欠片もない。
反撃の準備は完璧に整った。
この時を、ずっと待っていたのだ。
よし、今だ!
「『お前を犯してやると誓います!!』」
妻の耳元で声を控えめに叫ぶ。
美麗なかんばせが驚愕に染まった隙をつき、膝を素早く持ち上げ、妻の"ある弱点"をまさぐった。
その狙いは尻の少し上、尻尾のつけ根が飛び出ている仙骨のあたり。
「あっ!? あなた、何を……!」
妻の制止を振り切り、硬い骨を皮膚越しにごりごりと刺激し、新たな箇所に性感を入れるためのスイッチを押してやる。
効果はすぐさま表れた。
「ああっ! そこはっ! そこはだめです……! そこを押されてしまうと、わたしの……わたしの……しっぽがぁ……♡」
妻の尻尾は、普段は触られても快感を感じることはない。
物を掴んだり運んだりと、ちょっと便利な第3の手として家事や雑事に上手く利用している。
だが、そのつけ根を強く刺激されると話は変わる。
それまで眠っていた尻尾全体の神経が一斉に目覚め、反動で非常に強い性感を得るようになってしまうのだ。
小さな子供くらいなら楽々ぶら下げられるくらいには頑丈なのに、スイッチ一つでこうなるんだからサキュバスという種族は不思議だ。
俺はよく、妻から主導権を奪いたい時にはここを苛めることにしている。
「ああん! ひどいですっ! わたし、しっぽが弱いって、ごぞんじのくせに、いじめるなんてぇ……♡」
「何が酷いだ! この駄キュバス妻め! よくもあんな屈辱的なセリフを言わせやがったな!」
「ああっ♡ だって……さっき……わたしばっかり、あんなに辱められたのが……くちおしくてぇ……」
「へえ、意趣返しのつもりだったのか、生意気なマネを。……ははっ、こうなってしまえばもはや形無しだな」
ぐりぐりと付け根を刺激するたび、俺の腕に巻き付いていた黒尻尾からどんどん力が抜けていく。
もはや、ほとんど抵抗力を感じられない。
離れちゃイヤ……と縋るかのように弱々しく絡みついているだけだ。
当然俺は、その願いを聞き入れてやるほど優しくはない。
両手を纏めて輪からくぐらせ、緊縛から抜け出す。
今までのお返しに、夫を拘束し続けていたお転婆な黒尻尾をぎゅっと掴み取った。
途端に妻がびくびくと痙攣し始める。
震えてまともに動けなくなった所をベッドの上にうつ伏せにして、お仕置きを開始する。
「どうだ? お前はここの先端の所が格別に弱いよなあ?」
「だめえ♡ くにゅくにゅ、しないでえ♡」
「次は根元まで滑らせてやるよ」
「だめです♡ 話しながら、つうーってするの、だめえ♡」
ハート型の先端部から尾のつけ根までをなぞるように刺激する。
その触り心地は上質なサテン生地のように滑らかで、とても快い。
日頃の手入れの成果もあって、つやつやと光沢を放つ表皮には傷一つない。
昔はその手入れも自分でやってたのになあ……今じゃすっかり、俺にやってもらうのが癖になっちまってるんだよな。
指圧するようにぐりぐりと押してやると、芯から押し返してくるような弾力がある。
指に力を込める度、妻の腰がきゅんきゅんと跳ね上がり、完全に開ききった膣穴が丸見えになる。
さっきまで散々使われていたその秘穴は、新たに押し寄せた快楽の波に耐えられず、新鮮な淫蜜を絶え間なく吐き出し続けていた。
雌臭い匂いが、ぷうんと香る。
「腰がどんどん上がってきてるぞ。そんなに気持ちイイのか?」
「ち、ちがいます♡ わたし、きもちよくなんて、なってないんですから♡」
「素直に言えばクンニしてやるぞ」
「……っ! そんな、の……ひどいです……」
「プライドか快楽か、好きな方を選べ」
身体と心の温度差に葛藤している妻へ、尻尾をくにくにと弄りながら最悪な二者択一を押し付ける。
ついさっきまで自分が攻めていたのに、いきなりこれだ。
脳が混乱してしまっても無理はない。
まあ、俺をからかった罰ということで受け入れてもらおう。
「ううう……き、きもち…………い……です」
「もっと大きな声で」
「……っ! よくない! きもちよくなんて、ないです!」
「なっ……! こいつ……」
きっ、と妻が可愛らしく睨んでくる。
その姿は、卑劣漢の狼藉に決して屈しない高貴な姫君のようにも見えた。
いや、元々高貴な生まれではあったな。
なんにせよ、まさかこの言葉責めに耐えるとは思わなかった。
快楽に弱いサキュバスが性衝動に耐えるのが難しいというのは、今夜の件で改めてよく分かったつもりだったが……。
正直、めちゃくちゃ褒めてやりたい。
よく欲望を我慢して自分を貫いたな、と頭を撫でて讃えてやりたい。
だから、その代わりにこうしてやろう。
俺はぴたりと尻尾を弄る手を止め、妻が軽く息を整えるまで、暫し待った。
「よしよし、よく我慢できたな。偉いぞ」
「ふうっ……ふうっ……あ、ありがとうございます……」
「だから、これはご褒美な」
「え……あ、あの……私ちゃんと拒否しましたよね……? どうして、そこにお口を近づけて……!?!?」
妻の女陰が、目の前で震える。
小柄な体躯に違わない慎ましさで、とても俺の肉棒を咥え込めるようには見えない。
なのに交わりの際は、いつも懸命に開いて頑張ってくれているのだ。
その礼として、存分に気持ち良くしてやらなくては。
まずは、花弁の周囲から責め立ててやる。
ちゅっと太ももに吸い付き、舌で触れそうなくらいに撫でてそっと離す。
時折ひらひらとした控えめなラヴィアにも、うっかりを装ってお裾分けをする。
しかしあくまで少しだけ、触れるか触れないか、微妙なくらいに留める。
敏感肌な妻が、この仕打ちに耐えられるわけがない。
もじもじと腰を微かに揺らし、少しでも良い所に誘導しようと必死に懇願している。
「欲しくなったら素直に言えよ、舐めてやるから」
「だ、だれが欲しいものですか、あなたの舌なんて……。ひぅ、ただぬるぬるしてて、おどろいただけですっ」
潤んだ瞳で否定してもまるで説得力がないぞ、妻よ。
それならもう少し責めを進めてやろう。
ただし、最も舌技に弱い肉芽は後回しだがな。
いよいよ、花弁の中心に舌を伸ばす。
妻の女陰には殆ど毛が生えていないため、恥ずかしい処が丸見えだ。
お陰でどこを攻めればいいのか迷わずに済む。
とろとろと淫蜜を垂れ流している秘穴に、そっと舌先を入れていく。
ぐちゅりと膣に侵入した瞬間、ひゃあと声を上げて妻が大きく仰け反る気配がした。
「ああんっ♡ いきなり、ナカに、したがあ♡」
甘い、ひたすらに甘い。
その花園の中心に口を付けて感じたのは、常軌を逸する甘味だった。
その源は、蜜穴から溢れ出てくる妻の愛液。
蜂蜜のように仄かな風味の唾液とは違い、こちらはひたすら濃縮した人工甘味料のような、害すらあるんじゃないかと思う程のどぎつい味わいがある。
過去に何度も啜ったことがあるにも拘らず、いくらでも欲しくなる。
もしかしたら、本当に中毒性があるのかもしれないな。
「ひゃあぅ♡ そこ、ちゅこちゅこしないで、くださいぃ♡」
「ぷはっ……我慢するなよ。もう存分に気持ち良くなっていいんだぞ」
「だめっ♡ さっき、できたんだから、こんども、がまんするんです♡」
「強情な奴め」
一旦言葉責めをやめて、ひたすら妻の秘園を舐めるのに集中する。
すっかり狭くなった膣道を掻き分け、中の蜜を全て吸い込む勢いで掻き回す。
ぐちゃ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡と盛大な水音を立てて、舌が前後する。
舐め取っても舐め取っても、その音と潤いが収まる気配はない。
「うう……ひどいです……。舌じゃ、おくまでとどかなくて、どんどん……ナカがせつなくっ……♡」
そのまま愛撫を続けていると、妻の肉壺の感触に変化が訪れる。
舌を挿し込む時に膣襞がきゅうっと締まり、逆に掻き出す時にはちゅうっと吸い付いてくるようになったのだ。
試しに、そのまま舌を引いて完全に抜き取る素振りを見せると、いやいやと哭きながら入り口を狭めて懸命に引き止めようとする。
この動きが、まぐわいの際に肉壺が行うものと同じと気づいた時、俺の昂ぶりはより一層増した。
おそらく妻の女陰は、秘裂に侵入してきたものを俺の肉棒だと勘違いしている。
だから潤滑が途切れぬようにとろとろな状態を保ち続け、ご褒美の白濁液をもらおうと健気に奉仕を続いているのだ。
実際はただの紛い物であるとも知らずに。
ああ何てかわいそうに。
妻の献身に昂奮しながら愛蜜を舐めていると、どんどん肉棒が膨らんでくる。
淫魔の体液は強力な催淫効果がある。
それを散々摂取したのだから、こうなるのも当然だろう。
まるで、早く肉棒を寄越せと催促しているかのようだ。
さすがは淫魔。
ただ嬲られているように見えても、その実は獰猛な捕食者ということか。
とっとと妻にトドメを差して、本番に行くとしよう。
ぎゅうっと抱き締める狭窄な膣口を振り切り、ちゅぽんっと舌を抜きとる。
「じゃあ、クリに行くからな」
「えっ……ま、待ってくださいませ。わたし、いま切なくなっていると、申しましたよね……? なのに、陰核をなめるなんてええぇ♡♡」
「ははっ、いい反応だ」
「やだっ♡ やだっ♡ ごしょうです、どうか、おやめくださいませ♡」
「そんなに哭かれると、ますます舐めてやりたくなるんだが」
「ばかあああ♡」
散々蜜壺を舐め回してぬるぬるになった舌で、そっと優しく肉芽に触れる。
舌の腹をぴたりとくっつけ、ぐっぐっと押し上げるように刺激してやる。
核を包む薄皮を剥ぎ取り、無防備になった肉芽を容赦なく弄る。
びくんと妻の腰が大きく跳ね、太ももが俺の頭を抱え込んだ。
「やっ♡ いやですっ♡ それいじょう、されるとっ……きを、やってしまいます♡」
「いいぞ、遠慮なくイけ」
背筋ごと首を仰け反らせ、狂い悶える妻。
そろそろ、とっておきを使う頃合いか。
妻が必死に腰を引こうとするのを押さえつけ、秘裂から掬った愛液を肉芽にたっぷりと塗りたくってやる。
その途端、肉芽がぴんと勃ちあがり、じくじくと熱を持ち始めた。
淫魔の体液に催淫作用があるのは広く知られているが、その効力は人間だけに及ばない。
自分が分泌した体液であっても、敏感な箇所に塗られると感度が大きく上がってしまうのだ。
たった今、目の前で悦楽に身を捩らせている妻のように。
「やあっ♡ おねがいです……♡ もう、いじわるしないでぇ♡ さきにいじめたのは、あやまるからあ……♡」
か細い声で必死に懺悔する妻だが、その願いを聞き入れてやるほど俺は聖人ではない。
愛液を舐め過ぎてふやけた舌で、ダメ押しのように肉芽を押し潰した。
もはや妻は声も出ない。
女陰全体がより一層ひくつく。
ぷしゃ、ぷしゃあと膣口から熱い蜜が噴き出した。
「やっ…………ああ……ぁぁっ♡♡♡」
がくんがくんと身体がひっきりなしに跳ね上がり続ける。
たっぷり数十秒はそうなった後、だらりと全身を弛緩させた。
妻の欲望の残滓が、どろどろと秘裂から溢れ出てくる。
一方的に妻をイかせてやった。
それを実感した俺の胸中は、嗜虐心も収まって微かな満足感に包まれている。
妻が落ち着いたら、このまま本番にいこうとぼんやり考えていた。
その時だ。
「ぐすっ……」
突然耳に飛び込んでくる嗚咽。
ぎょっとして急ぎ様子を確認すると、妻はなよやかな掌で顔を覆い、さめざめと涙を流していた。
さっきまでの充足感が一気に吹き飛ぶ。
「ひぐっ……ううっ……」
「す、すまん! 泣くほど嫌だったのか!?」
調子に乗って苛めすぎたかと、青くなって慌てて頭を下げる。
妻はふるふると小さく顔を振ると、潤んだ瞳で俺の方へと向き直る。
その奥には、一度達しただけでは消化できない程に醸成された情欲が、まざまざと浮かんでいた。
「取り乱してしまって、ごめんなさい……。本当にいやだったわけではないのです……。気持ち良く高みに至らせていただいて、とても嬉しく思います。ただ……」
「ただ……?」
「お腹をどんなにぎゅうっとしても、ナカが空虚なままで……いくら待っても、美味しい子胤をどくどくと注がれる感触が来なくて……それが、無性に辛くなってしまったんです……。心が弱い妻でごめんなさい……」
それだけ言うと、再び妻は顔を伏せて小さくしゃくり上げ始めた。
何ということだ。
女陰が勘違いするほど欲しがっていたのは分かっていたが、まさかここまで強い想いだったとは……。
寂しがりで欲しがり屋な妻の限界を計るのを、失敗してしまった。
やはり、少々苛めすぎていたのか。
すまない、すぐに続きをしてやるからな。
俺は、うつ伏せのまま肩を上下させる妻を抱きかかえた。
きゃっと小さく叫ぶのにも構わず、ころりと転がし優しく仰向けにする。
豊満な双丘が、勢いのままに大きく揺れ動いた。
混乱する妻にずいと身体を寄せ、両太ももを掴んでそっと開く。
さっきまで散々嬲られていたその中心の花弁はすっかり満開になっており、くぱぁと夫を誘いながら愛蜜を垂れ流していた。
「これは、たまらんな……」
「あ、あまり見ないでくださいませ。こんなにだらだらと漏らして、はしたないのに……」
今更な羞恥に真っ赤になる姿が、何よりも愛おしい。
もう、俺も我慢できん。
素早く、最大まで勃ち切って脈動する肉棒を取り出し、花弁にぴとりと押し付ける。
ただそれだけで、妻は歓喜でびくんと身体を震わせた。
「あっ……ああ……分かります……。わたしの入り口に、あなたの、硬くて大きいのがぁ……」
「散々焦らして悪かった。すぐに挿れてやるからな」
「は、はい。あなたも、わたしのナカでたくさん、気持ち良くなってくださいませ」
「ああ。約束しよう」
「う、嬉しいですっっ♡♡」
ずぷりと亀頭が秘裂に収まる。
妻の内部は沼地のごとく潤っており、微塵も抵抗感を感じない。
その感触は、ふわふわとした柔肉に腰を突き入れているかのようだった。
「ああっ……♡ あなた、もう焦らさないで♡ はやく、はやく奥まで……♡」
妻の言葉に促されるように亀頭を沈めかけた時、ある疑念がふと脳内を過ぎった。
んん……? 妙だな……。
こんなに焦らしたのだから、間違いなく妻の肉壺は子胤を求めているだろうに。
数え切れないほど身体を重ねた経験則からすると、もっとキツく締め付けている方が自然なはず。
しかし今、カリ首から感じる具合はそう強くはない……。
まあ……いいか。
微かな違和感はあったが、結局俺は取り越し苦労だと自分を納得させる。
少し妙な状況とはいえ、今が妻を責め立てる絶好の機会だというのは疑いようもない。
本人も早くして欲しいみたいだしな、と気を切り替えて、肉壺の半ばまでずぷりと一息に陰茎を突き入れた。
だが、これは妻が巧妙に仕組んだ罠だったのだ。
「なっ……! ぐあっ……!」
「ふふふ…………♡」
柔らかく迎え入れてくれたのは、ほんの入り口だけ。
少し腰を進めれば、急激に狭まった膣道に上下左右から容赦なく責め立てられた。
細長い無数の襞が、ぬりゅぬりゅと一斉に肉棒を這い回り、亀頭の先端をちゅうっと舐めしゃぶる。
慌てて逃れようと腰を引くも、既に膣口は先程の優しさを捨て去っていた。
肉棒を抜けば抜くほど、ぎゅうっと抱き締める力が強まっていき、無理に腰を引けば情けなく暴発してしまうのは間違いない。
撤退という手は封じられ、もはや俺はひたすら奥へと突き進む他に選択肢が無くなっていた。
やられた……!
たかが焦らされたくらいで、夜の女王たるサキュバスがいつまでもメソメソしているわけが無かった……!
浅い部分の刺激を弱くして、油断させたところを一気に仕留める作戦だったのだ……!
はっとして視線を向けると、妻は愉悦に満ちた様相で俺を見上げていた。
愛する夫を手玉に取る悦びに瞳を歪め、悪戯っぽい笑みを浮かべつつ、可愛らしい舌をぺろりと覗かせている。
「ふふふ……。散々苛められた肉壺の感触はいかがですか? いつまでも私がしおらしくしているとお思いでしたら、大間違いですよ」
「お、お前……やりやがったな……」
「それは私の台詞です。おちんちんを貰えないまま気を遣らせて、あんなに切なくさせておいて何を仰いますか」
「くっ……悪かったよ」
「いいえ、責めているわけではないのです、私が強情を張ったせいでもありますので。ただ、たっぷりと先程のお礼をして差し上げたいと、そう思っているだけでございます♡」
「……お手柔らかに頼む」
「それはあなた次第です♡」
俺は抵抗を諦めて、奥まで腰を進めていく。
全て受け入れれば妻の肉壺は極上の快楽を与えてくれるのだから、もう素直にそれに溺れた方がいい。
自業自得だが、俺だってここまで相当我慢していたのだ。
そろそろ、欲望を解放してもいい頃合いだろう。
「あっ♡ ああっ♡ いいですっ♡ ついさっき、達したばかりだというのにっ、またナカが切なくなってきて、しまいました……♡」
「今度は、しっかり食わせてやるからなっ……!」
ぷちゅんぷちゅんと抽送を繰り返す度、襞はますます嬉しそうに絡み付いてくる。
疾く子胤を食べさせてくださいませ♡と、食欲と情欲が混ざり合ったラブコールを送っているのだ。
なんと強烈な愛の告白だろうか。
そこから少しでも意識を逸らすため、妻の上半身に目を向ける。
「あっ、ふふっ……♡ この乳肉が気になりますか? そんなに血走った目で見つめられて……♡」
そこには股座から走る衝撃で、ふるふると小さく揺れる豊満な双丘があった。
両腕で抱え込めるくらいには豊かなのに、今は重力に負けてむにゅうと潰れて垂れ下がっている。
たしか96cmのHカップだったはず。
本人の性格のように控えめな乳輪の中心には、昂奮でぴんと勃った赤い花芽があった。
今日はずっと手を縛られてて弄る機会が無かったが、妻はここの肉も相当に敏感だ。
拘束も解けたことだし、手慰みにするには丁度いいな……!
俺は堪らず両掌を伸ばし、油断している妻の柔らかな乳房にそっと指を這わせた。
「ああっ……♡ 乳房も、いじっていただけるのですね……♡ だらしなく実った駄肉のかんしょくは、いかがです……♡?」
「何度触っても飽きない。こんなに揉みしだいても、全く反発しないなんて……。痛くないのか?」
「はうっ……♡ 気持ちイイです……♡ あなたに触っていただいて、いるんですもの♡ 痛みなんて、かんじるわけ、ないじゃないですか♡」
女性の乳房には弾力があるタイプと柔らかなタイプがあると聞くが、妻のものは間違いなく柔らかタイプだ。
普段は丸々としたフォルムだが、今のように仰向けになると楕円型に潰れ、俺が腰を突き上げる度にたわわに蓄えた脂肪をぷるぷると震わせている。
優しく指の力を上げていけば、むにゅうと自由に形を変えて掌がどこまでも沈み込んだ。
巨大なマシュマロを揉んでいるかのような感触に、途方もなく心が癒されていく。
……ん?
何だかいい匂いがするな……?
ふと気がつくと、いつの間にか周囲に穏やかなお香のような薫りが充満していた。
ふんふんと鼻を鳴らすと、森の中で緑に囲まれているみたいで安らぎを感じる。
いつまでも、いつまでもここに居たくなる、そんな安心感を煮詰めた空気が漂っている。
もっと浸っていたくなって胸一杯に吸い込むと、頭の中までもが芳醇な薫りに染まっていく。
だんだんと目の前がぼやけてきた……。
この薫りを吸えば吸うほど、難しいことが考えられなくなる気がする……。
ああ……おっぱい超やわらけえ……幸せだなあ……。
「おれは、ほんとに幸せものだなあ……」
「んっ♡ 乳を揉みながら、何をしみじみと仰っているのですかっ」
「このおっぱいと結婚するために、おれはあのとき色々がんばったんだなあ……」
「こらっ、なにを錯乱なさっているのですっ! いいかげんに、戻ってきなさい……!」
「ああ……おっぱいもみもみ……きもちええ……」
「はっ……! もしかして、淫魔の邪香に充てられてしまったのでは……! 乳房を刺激されると分泌してしまうのを、すっかり忘れておりました……!」
妻が何かごちゃごちゃ言っているが、何も分からない。
今頭の中にあるのは、生温かい穴に包まれている腰を振り、指の間にある柔らかな肉を揉みしだいて、妻の全てを愛でたいという欲望だけ。
ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん。
むにゅう、むにゅう、むにゅう。
「んぅ♡ た、たしか、邪香に犯されると、本能的な欲求しか考えられなくなるんでしたっけ……♡ なんて凶悪な効能……♡ うらみますよ、ごせんぞさまっ♡」
「ずっとあいしているぞ」
「っ……もうっ……! まぐわい中に胸を揉みながら、そんなことを耳元で囁かないでくださいっ……! 感じてしまいますからっ……♡」
「だいすきだぞ」
「あっ……だめっ♡ こんなの……♡ あなたに、本能から愛していることを、つたえられてっ……♡ 頭がどうにか、なりそうですっ……♡」
妻の肉穴に、ぎゅうっと抱きしめられる。
それはまるで、俺の言葉に応えてくれたみたいで。
愛おしさと狂おしさで頭がどうにかなりそうだ。
お返しに、俺も妻を強くかき抱く。
腰だけでなく全身がぴたりとくっつき、互いの距離がゼロになる。
もう……限界だ。
「でそうだ……!」
「はい……! わたしのナカに、いっぱいお出しください……♡ あなたの……本能のままに……♡」
「でるっ……!」
「はい……♡ あっ……うそっ♡ やだっ♡ わたしも……つられてっ……♡ あああっ♡♡♡」
どぴゅうどぴゅうどぴゅうどぴゅう。
ぴくぴくぴくと痙攣を繰り返す妻の肉穴。
そこに、俺の精液が注がれていく。
鉄砲水のように溢れる白濁が止まらない。
たっぷり数十秒もの間、俺は射精を続けていたのだろう。
「はああ……♡ なんたる甘露……♡ ご馳走様です♡ あなたの精をナカで受け取る瞬間は、いつ味わっても堪りませんね……♡」
◇◇◇
……吐精をする度に、ぼやけていた頭が少しずつ晴れてきた。
いつの間にか、目の前で放心状態になった妻が絶頂の余韻に身体を震わせている。
乳房を揉み出してからの記憶が曖昧で、途方もない幸福感と快楽を感じていたことしか覚えていないが……。
ちゅぽっ。
肉壺から陰茎を引き抜き、暫し考える。
もしかして、淫魔の邪香……?
そうだ。確かあれは、乳房を刺激されたサキュバスが無意識のうちに出す芳香で、嗅いだ者の理性を消し飛ばす効果があったはず。
だとするとマズい……!
どんなこっ恥ずかしいことを口走ったか、分からないぞ……!
「おや、その目は……正気に戻られたご様子ですね。おはようございます」
「……なあ。さっき俺、何か言ってたか?」
「ええ、もうそれはそれは。『このおっぱいと結婚する』だの『おっぱいもみもみ』だの。普段のあなたなら、鼻で笑いそうなことを仰っておりましたよ」
「はあ、何だそりゃ!? ガキか俺は!!」
「ある意味そうでしょうね。淫魔の邪香は、抑えられていた本能を剥き出しにする効能がありますから。乳房を揉みながら嗅ぐと、乳幼児に近い精神状態になってしまうのでしょう」
「クソ恥ずいんだが……」
「あまり気に病まないでくださいませ。私の香りのせいですから」
困ったように眉根を寄せる妻に、慰められた。
同い年とはいえ、一応年長者としてのプライドが粉々にされたのを感じる。
大体いつもこんな感じになるから、あまり交合中に妻の乳肉は弄りたくないんだよなあ……。
おっぱいおっぱい連呼しながら乳揉む男とか、完全に赤ちゃんじゃねえか……。
くにゅっ。
「うあっ!」
情けない姿を晒して自己嫌悪に陥っていた俺の脳が、電撃のように股間から走った快感に奇襲を受ける。
依然として勃起を続ける肉棒が、妻の足先にちょんと軽く啄かれたのだ。
じろりと軽く睨んでみると、妻はまだまだ食べ足りないという雰囲気を漂わせて、艶やかに笑っている。
俺の伴侶は、もっともっと精力をご所望のようだ。
「さあ、続きをお願いします。上の空で『好きだ』『愛してる』と囁かれるのもまた一興でしたが、やはり睦み言はお互いに交わしてこそですもの」
「さっきの俺、そんなことも言ってたのか……」
「そう恥じらわずとも良いじゃありませんか♡ 無意識下でもあなたに愛されていると分かって、私はとっても嬉しかったですよ♡」
「……そりゃどーも」
ぶっきらぼうに顔を逸らす俺に、にこにこと微笑む妻。
この場の主導権は、完全に妻に握られたと言っていいだろう。
夫婦の営みの際には受け攻めを巡って争うのが俺達の日常だが、こんな風にストレートに好意をぶつけ合う空気になるとどうも俺の分は悪い。
恥ずかしげもなく好きだの愛してるだの言えるのは、サキュバスという種族の面目躍如といったところか。
「あれだけ身体を重ねた後というのに……仕方ないお方ですね……♡ 照れ屋さんなんですから♡」
「俺は普通だよ。お前に恥じらいがないだけで」
「愛する伴侶へ想いを伝えることに、何を躊躇う必要がありましょうか♡」
「ううん……何というか……こそばゆいんだよ。ある程度気持ちが乗らないと、そういうことは言いづらくってな」
「でしたら、私の想いを分けてさしあげましょう♡」
そう言うと妻は瞳を閉じて、そっと顔を寄せる。
なよげに伏せられている長く繊細な睫毛や、ほっそりと通った秀麗な鼻筋がゆっくりと近づいてくるのが、ありありと見える。
その端正なかんばせは、なおも止まらず俺の視界を覆っていき……そして……。
ふにゅっと音を立てて唇が触れ合った。
仄かに熱を湛えた可憐な蕾の感触を味わう瞬間、心の臓がどくんと大きく跳ねる。
いつもの情事なら更に深くへ進んでいくのに、妻はそれをしない。
俺の口咥内に舌を入れることもなく、ならばとこちらが伸ばしてもやんわりと阻む。
情欲に身を任せない、淑やかな口付けが俺達の間で交わされていた。
「んっ……ふぅ……」
「んふ……ちゅっ……ふふ♡」
ずっとそのまま口付けを続けていると、俺の心境に変化が起こる。
いつもは幾重にも覆って胸の奥へと丁重に仕舞われている妻への想いが、後から後から湧き出てきたのだ。
なんだ……これ……!
ただ触れただけのキスなのに……舌を絡めてもいないのに……。
「んふふ……」
俺が混乱しているのを見て取ったのか、愉しげに目を細めた妻がようやく唇を離す。
ぷはあと口内で淀んだ息を吐き出し、はあはあと荒く呼吸を整える。
それでも、未だ胸の中の愛おしさは消えるどころか燃え上がっていた。
腕の中に抱きしめた妻が、可愛くて可愛くてしょうがない……。
「おまえ……何か……術とか……」
「んっ……ふふっ♡ 何もしておりませんよ♡ 今感じておられるのは、あなたのありのままの御心です♡」
ぺろりと舌を出したまま妖艶に微笑んだ妻はそっと身を倒し、華奢な細指を膣口に添える。
そのまま流れるような動作で、夫を迎え入れる準備が出来た秘裂をくぱあと開いた。
「さあ、これであなたの中に愛が溢れて止まらなくなったでしょう? その素直な心持ちを、上のお口と……こちらでお教えくださいませ♡」
もう我慢の限界だった。
ぎんぎんに腫れた剛直を濡れそぼった秘裂に押し付け、ちゅぽっと亀頭だけが飲み込まれた状態で、一度止まる。
ちらりと妻を見ると、愛欲と情欲に塗れた表情でその時を待ち望んでいた。
「お前が、好きだ……! これからもずっと、ずっと一緒にいてくれ!」
「ええ、私もです……。あなたの傍で、変わらず添い遂げると誓いましょう……」
さあどうぞ召し上がれ♡と、悪戯っぽく目を歪ませながら囁かれる。
その瞬間、理性のタガが吹き飛ぶ。
がしりと見事なウエストを掴み取り、ぬちぬちと一気に腰を進める。
ぱちゅん!と大きな音を立てながら、勢いよく肉棒が秘裂に押し入った。
「ああああ♡♡♡ すごいっ……♡ なんて……ごりっぱな……♡」
「うあっ!」
くちゅっくちゅっと水音を鳴らして、妻のナカが肉杭を撫で付けてくる。
ぬちゅぬちゅと粒々の柔襞に擦られる感触があまりに心地よく、思わず呻く。
間違いなく、今日の交合で一番具合が良い……!
精液を欲しがってキツく締め付けているわけでもなく、ふわとろな感触で柔らかく抱擁しているわけでもない。
ただ、ぴったりと肉棒に寄り添うように貼り付いてくる。
妻の膣肉が完全に俺のものと一致しているのだ。
「ふふふ……♡ わたしのナカが、あなたのカタチになっちゃってます……♡」
「すごいっ……どうしてこんな……」
「わたしは何もしておりませんよ♡ あなたのことが愛おしくて愛おしくて、ナカが勝手に合わせちゃってるんです♡」
ちゅうっと亀頭の先に子宮口が吸い付く。
まるで、こっちにも口付けをくださいませと誘われているかのようだ。
それにしっかりと応えたくて、妻の肉壺の奥にまで突き入れた状態で一旦動きを止める。
ぐっと肉竿をGスポットに擦りつけるのを意識し、下の口同士を触れ合わせる。
尿道から溢れてきたせっかちな先走りを子宮口に貢ぎながら、のの字を書くようにぐりぐりと腰を動かす。
そのまま責め続けていると、妻の腰がびくんびくんと大きく跳ねる。
「はうっ♡ ちゅってしながら、ぐりってしちゃだめっ♡ もっとです♡ もっとください♡」
余程気持ち良いのか、むっちりとした両脚がぎゅうと俺の腰をホールドする。
もっともっとと快楽を求めて離さない。
お望み通りにぐちゅぐちゅと肉棒を回してやると、ひゃあと悲鳴を上げて首を仰け反らせた。
「あああっ♡♡♡」
かん高い悦声が、寝室中に響いた。
それと同時に、ぷしゃあと女陰が愛液を噴き出し、きゅうっと膣肉が締め付ける。
もう達してしまったのか。
「すごい感度だな……」
「だ、誰のせいだとっ♡」
荒く息を吐きながらジト目で睨む妻に笑いかけ、ぱちゅんっと前後運動を再開する。
派手に絶頂を迎えたばかりの肉壺はぐちょぐちょに濡れそぼっており、殆ど摩擦が無くスムーズに動かせる。
ピストンをする度、蜜壺からどろどろに混ざり合った白濁液が掻き出されていった。
「やあっ♡♡ どうしましょう♡ たっしたばかりなのに、ナカの疼きが止まりません♡」
「我慢しなくていいからな……。思う存分イけ……!」
「はぁい……♡」
髪を振り乱しながら快楽に溺れる妖艶な妻を見ていると、腹の奥から熱いものが滾ってくるのを感じる。
きゅんきゅんと震える肉壺も、それを確実に待ち望んでいるようだ。
そろそろ、俺も限界だ……!
ラストスパートに入るべくぱんぱんと抽送していると、妻の瞳がじっと俺を見つめているのに気づく。
何か言いたいことがあるのだろうか、
少し経って、妻はゆったりと口を開いた。
「あなた……♡ わたし達が一緒になることを決めた時、何とお伝えしたか覚えていますか……?」
「ああ……!『果てるまで一緒にいてくれ。それさえあれば何も要らない』って言ってただろっ」
間髪入れずに答える。
覚えていらしたのですねと、嬉しそうに破顔する妻。
忘れるわけがないだろ。
俺達の一生を決めた瞬間なんだから。
その想いの強さを妻の身体に教えるため、更に蜜壺を掻き乱す。
「ああっ♡ でも、ごめんなさい♡ わたしは、強欲な淫魔なので……今になって、もう一つ欲しいものが、できてしまいました♡」
そう言うと、妻は可憐な両掌をそっと下腹部に添える。
快感に震える繊細な指先で、艶やかに光る肌をすりすりと撫で回した。
「ここに……あなたとの愛の結晶が欲しいのです♡ どうかあなたの手で、私を母にしてくださいませ♡」
初心な乙女のようにはにかみながら、自らを受胎させて欲しいと強請る妻。
それを認識した時、ぞわりと脳内に大きな性感が生まれる感触がした。
思わず腰を強く打ち付けてしまい、ぱあん!と一際大きな音が鳴る。
「やぁん♡ そんな、いきなり、つよくぅ♡」
「孕めるのか? 淫魔は受胎率が極端に悪いんだろ?」
そうだ。
サキュバスの受胎率は、他の生物と比較して極度に悪い。
いくら膣内射精しても、旺盛な食欲で全て体内に吸精してしまうからだ。
以前に、俺が感覚共有で妻の胎が膨れるくらい大量に中出しした時にも、数時間後にはすっきりとした元のウエストに戻っていた。
「難しいのは、分かってますけど……♡ おねがいします……♡ どうしても欲しいんです♡」
「何か方法は無いのか? 絶対孕むようになる魔術とか……」
「いいえ、そのような秘術はございません。ただ……」
「ただ?」
「お母さまからお聞きした話ですが……。お姉さま方や私を授かった時には、満腹になるまで行為を続けたあと、一晩子袋の中を子胤漬けになさったそうで……♡」
「なるほど……」
大食らいのサキュバスの子宮といえども、吸精の限界を迎えさせれば流石に白旗を上げてしまうというわけか。
決心を新たにし、弱めていたピストンを強くしていく。
ここは、義母殿の知恵を借りるとしよう……!
「つまりは、とにかくやりまくれって事だな。だったら話が早い!」
「あぁん♡ もう……♡ そんなに張り切らなくても良いでしょうに……♡」
膣肉を擦られる感覚に耐えられず、ひぃんと悲鳴をあげる妻。
さっきまで生娘のように淑やかだった顔が、あっさりと蕩けて淫猥な笑みを浮かべている。
半開きになった口からは、透明な唾液が筋を作って垂れている。
奥からは子宮口がちゅうっと吸い付き、精液を求めて先走り汁を吸い込んでいる。
「やああっ♡ わたし、もう……気をやってしまいそうですっ♡」
「俺も……イきそうだ……!」
「あ、あなたもですかっ? 嬉しいです♡ そのまま、お出しくださいませ……♡」
愛する夫の精を一滴たりとも逃すまいと、妻の両脚が俺の腰を抱え込む。
絶頂直前のきゅんきゅんとうねる蜜壺が、肉棒を絶え間なしに扱く。
その時、ちゅっと柔らかな何かが軽く唇に当たる。
それはごく僅かな間だけ触れ合い、すぐに離された。
はっとして朦朧とする視線を向けると、ふふふっと悪戯っぽく微笑みながら唇をぺろりと舐める妻。
それが最後の一押しになった。
もう……我慢できないっ!
「出すぞ……! 孕めっ! 孕んでくれっ!」
「はい♡ お願いします♡ いっぱい出してください♡ あなたの子胤で、わたしの胎を、みたしてくださいませ♡ ああっ♡ もう、わたしもぉ……♡」
「ぐっ……ああっ!!」
「ああああぁぁっ♡♡♡♡♡」
どぷっどぷっどぷっどぷっどぷっ……。
射精が止まらない……。
散々妻に煽られたせいか、尿道から迸る快感がいつまでも、いつまでも終わらない。
何も考えられないまま、ただただひたすらに流し込んでいく。
ひくひくと脈打ち続ける妻の肉壺。
どうやら向こうも同じらしい。
吐精の快楽に圧倒され、言語中枢が上手く働かない。
お互いに話ができるまで回復するには、もう少し時間がかかりそうだ……。
「ははっ」
「ふふっ……」
まあそれでも。
こうやって満ち足りた表情を浮かべているのを見ていると、妻がどう思っているかなんて一目瞭然で。
精力が回復して再び睦み合いを始めるまでの暫しの間、俺達は繋がったまま和やかに笑い合っていた。