【俺の女は】ハイスクールハックアンドスラッシュの世界に転生したけど、なんか質問ある?【俺のもの】 作:笛吹き用
6月27日(月)夜
「う〜ん、う〜ん」
「いっくん、大丈夫?」
「うん……。まだ駄目かなぁ……?」
「よしよし、がんばったねぇ。いっくん。……がんばりすぎだけど」
「ごめんよぉ、かのんぅ……」
「責めてないよ、いっくん。よしよし❤︎」
新しいパートナー兼パーティメンバーを選ぶ大仕事を終えた後、今現在俺はかのんの膝の上で癒しの時間の真っ最中だった。
何しろ今日行われたお見合い会という名の参加者全員水着祭りは俺の精神力をゴリゴリに削った。そりゃあもう削りに削りまくった。だってソファに座らされた目当ての男子めがけて肌露出面積98%以上の女子が集団で狩りに来るハッピーパラダイスな地獄の会場にて俺なんかのところに10人もの可愛い女の子たちが集まってくれたんだぜ? でその中から何人か選べとか今までのどんなダンジョンダイブよりも難関だったわ。まず打ち寄せる肌色の暴力がヤベェの。雑誌のグラビア写真やAVの水着企画ぐらいでしかあんな水着美女大集合なんて見たことがなかった俺には刺激が強すぎたんだ。それでもそんな肌色の誘惑の大波にも負けず俺は純くんからの依頼通り真面目でクールに仕事を遂行しようとがんばった。
まず俺は集まってくれたみんなに正直に包み隠さず今回のパートナー選びではいずれ攻略最前線で戦える将来のパーティメンバーとしてのパートナー選びを優先して選ぶって宣言した。それが嫌な女の子は悪いけど他のやつのとこに行ってくれって。事前の説明でおそらく純くんが根回ししてくれてるとは思っていたけど、ここは俺自身が言うことが集まってくれた彼女たちと純くんへの誠意だと感じたから言った。
本来ならこの条件は学園女子的には相当ハードルが高い条件なんだ。だって今回俺のパートナーになるってことは、単純に強い男子の庇護下に入るってことじゃなく、近い将来自分自身がダンジョン攻略最前線に立って戦うことになるってことだから。なので普通の学園女子ならこの条件はおそらく相当に嫌がるはず。彼女たちが強いパートナーを欲しがるのは安定して安全な学園生活を送るために守ってもらうためであって自分達が率先してダンジョンに挑むためじゃないからな。
結果、その場から離れていく女の子はいなかった。多少緊張してこわばっていた子こそいたけれど、むしろ目を輝かせてうんうんって話を聞く子ばっかりだったわ。怖え、みんな肚座ってるよぉ。
内心彼女たちの動じなさにビビりながら次にパーティ編成の都合上、優先すべきクラスがあるって伝えた。なお、これにも誰も動じず。それどころからこんなクラス差別みたいなこと言っても誰も文句ひとつ言わずに一生懸命俺のことを熱っぽい目で見てくれてたことに俺のケツの穴はキュッと締まっちまった。
ドキドキというよりも緊張で手が震え喉がカラカラになりながら、まずは純くんからも言われた通り、最優先事項の【
「この中で【
って言ったら「はいっ!」と上がった手は一人だけ。それが四ツ葉先輩だった。
その時、俺はその日初めてちゃんと彼女のことを見たんだけどマジ圧倒された。この前の引率ダンジョンダイブと同じ女の人かと疑ったぐらい。
170cmオーバーの美乳・美尻・美脚と三拍子揃った高身長モデルボディに身につけているのは白いマイクロビキニだけ。額を出したセミロングの髪が死ぬほど似合う知的で清楚な顔つきだからほんとモデルさんにしか見えない。
俺がAV大好きって話は何度もしたと思うんだけどさ、AV好きってパッケージ写真を死ぬほど見るのよ。ただでさえ未成年が成人商品を買うっていう高いリスクを払いつつ少ない小遣いで買った中身に後悔したくないからさ。
だから俺は女の子の顔にもスタイルにもめっちゃうるさい方なのよ。
その俺の目から見ても普通に超一流AVレーベルの
そんな美女が俺なんかのパートナーになりたいとか本当に信じられなかったけど、そんな美女が感極まったかのように目に涙を浮かべてプルプルと震えながら俺のことを見てんのよ。で、凄かったのはここから。それ以外の選ばれなかった9人が「おめでとう!」とか「がんばってね!」という拍手とともに祝福を始めたの。
ほんとはここから色々質問とかしようと思ってたんだよ? 志望動機とか、趣味とか、好きなタイプの男性とか、そういうよくあるやつよ。
でも今更そんなの聞ける空気じゃないじゃん? 完全に選ばれてよかったね! ていう絵が目の前でくり広がられてんのよ。さらに言えば純くんからも事前の話で「最低でも2人。最初はできれば【
「よ、よろしく……」
っていうしかなかった。そしたらスッと立ち上がった四ツ葉先輩がソファに座った俺に跪いて膝に手をつき潤んだ目で俺を見上げ泣き笑いの表情のまま「……ご主人様、あらためて私は二年丑組の四ツ葉と申します。精一杯お仕えしますのでこれからどうか末長くよろしくお願いいたします」って言ってそのまま上半身伸ばして俺にキスしてきた。
おおー!! と湧く歓声。
そしてそれが終わったら他の女の子の邪魔にならないようにかそのままサッと俺から離れ、ソファ近くの畳の上で自分の身体を抱くようにして泣き始めたのだ。しかも「やった……、やったぁ……」って呟きが聞こえたからどう考えても喜びの涙なのよ。
あれぇ? これって俺のパートナー選びだよね? と思ったのはこの辺りからだ。みんなあまりにもガチすぎると。達郎さんや純くん、そうじゃなくても京介くんや梅っちなんかのパートナー選びと勘違いしてるんじゃないかと疑ったんだ。俺なんてそんな大そうなもんじゃねーぞ! って。
でも残った9人を見るとやる気満々なわけですよ。で、全員が変わらず俺を見てくるの。
ここで本音を言うとこの時点で俺は今日はみんなありがとうございました! ってしたかったんだよ!
だっていきなり俺みたいな凡人代表にパートナーがこれ以上増えるとか精神的なキャパがやばいのよ! でもさ、その場の空気がそんなこと言えるような雰囲気じゃないのよ! 今までダンジョンで【
純くんと美雨先輩に言われた二人目は? それに開き直ったって言ってたじゃないか? って? ハーレム王はどうした、だと?
言われたからってそんなに簡単に人間変われんわ! あとそんなちっちゃい見栄、とうの昔に全部ぶっ飛んでるわい! これまでの短い人生でこんなにたくさんの可愛い・綺麗・素敵な女の子たちに囲まれたこともなければ、こんな熱い視線を向けられたこともない非モテの代表みたいな俺にどーしろって言うんだよ!
そうやって俺が内心パニクっててもみんなの視線は変わらず……、おかげで逃げきれずにそのまま口から言葉が出ちゃった。
「ちゅ、ちゅぎ! し、【
なっさけねぇことこの上なく噛み噛みでそう叫ぶとと今度は3人の手が上がった。
その場で向かって右のフリルがたくさんついた可愛らしいピンクのビキニ姿の美少女から順番に立ち上がって自己紹介始めたんだけど、これがパンチが効いてた。効きすぎてた。
「はい! 一年酉組、B90W57H90で【
「はい! 二年午組、B80W53H83で第二段階職【
「ハイ! 二年巽組、B95W58H101の元【
思春期の男子にスリーサイズはダメェ……。それはもはや凶器ぃぃ。しかも全員がアピールのためにポーズとるんだけどそれが3人ともマジで際どいのよ。
右から普通の中学なら間違いなく学年1の美少女なのに俺に向かって全力で愛嬌いっぱいに両手を振る奈々さん。
ショートボブで陸上部か水泳部のエースの先輩みたいなその雰囲気が女の子にモテモテ確定のイケメン女子で中でもそのスラリと伸びる脚線美が魅力であるスポーツ系美女の雫先輩。
最後にこれもAVのパッケージからそのまま飛び出してきたんじゃないの? っていうレベルの人懐っこそうなタレ目笑顔が可愛すぎる爆乳デカケツ白ギャルが黒マイクロビキニで乳寄せ強調ポーズ&肘曲げダブルピースのちょこ先輩の三連発。
ここで思考能力が停止。なんとか誤魔化すため、3人に、ちょっと待って少し考えさせてと言ってから悩むふりを始めた俺。目の前のトロピカルジュースを一気に飲み干し大きく息を吐く。
この時点で女の子の魅力の差で選ぶ自信がねぇ……。どれも余裕でドストライクなんだもん。差なんてねぇよ、どこの超一流レーベルの新人ラッシュだよ。ていうかこんな3人一気にデビューしたら間違いなくAVの専門掲示板が祭りになるわ。
ダメだ、一度考え方を変えようと頭を振ってから今度は本当に考えて悩み始めた。外なら学年1の美少女巨乳か体育会系イケメン先輩スレンダー美乳かギャルのデカケツ巨乳か……で迷ったわけじゃなく、俺がパーティリーダーとして【
【
それを踏まえてしばらく考えて俺がまず3人の中から最初に候補から外したのが【
で、残ったのが同じ【
順を追って話すと、まず奈々ちゃんには悪いけど彼女がクラスチェンジ直前という事実は、他の奴ならいざ知らず俺にとっては別にプラスの情報じゃなかった。俺と一緒ならその辺りは数回のダンジョンダイブで補える誤差の範囲。だから気にならなかったと言っていい。
で、次に彼女たちではなく俺自身のことを考えた。パーティリーダーとして俺に足りないものはなんだろうって? で一番に思いついたのがコミュ力。別に俺はコミュ障ってわけじゃないと思うけど、別にちょこ先輩のようにわかりやすいコミュ強でもない。次に奈々ちゃんや雫先輩がアピールポイントとしてクラスマウントを取ってきてたのにも関わらず、正直に今の自分の話をしてくれたちょこ先輩の正直さは買いだと感じた。そして俺のような一年
ということをテンション上がりすぎてもうどうにも止まらない司会から逃げてきた解説役の純くんを捕まえてソファを離れてコソコソ話すると、「さすが一平くん。いい判断だね、僕でもそうすると思うよ」という太鼓判をいただけたので席に戻った俺はゴホンと咳払いした後、
「奈々ちゃん、雫先輩、ごめんなさい! ちょこ先輩、よろしくお願いします!」
と結果を告げるとみんなからワッと歓声が上がり、同時にその場でワッと泣き出す3人。俺がどうしようとアワアワしている前で互いに、よかったね、ありがとう、がんばってくださいね、応援してるよ、ありがと二人とも〜という3人がなぐさめ励ましあう心洗われる光景が繰り広げられた後、さっきの四ツ葉先輩と同じ体勢で俺の前に跪いたちょこ先輩が泣いたことでギャルメイクが崩れたことを気にしながらも俺の目をしっかり見て、
「えっと……、いっペーさま。ちょこです。正直なんで選んでもらえたのかマジわかんないけどアタシ頑張るから! これからよろしくお願いします!」
というやいなや俺の唇を奪って舌を絡めてきた。
おおおー!! という周囲の声を聞きながらもしばしディープなキスを続けた俺たちだったが、やがて俺から離れたちょこ先輩は照れた可愛らしい顔を残して俺から離れ先ほどから離れた場所で俺たちのことを見ていた四ツ葉先輩のところへ行き、そして二人で抱き合った。
え? なんで? なんかミスユニバースとか何かに選ばれたみたいな雰囲気出てない? もしくは逆プロポーズ成功みたいな! 所詮はたかだか俺のパートナー選びなのに?
やばい、これ以上はゲロ吐く。美雨先輩からのノルマである二人も達成したしこれ以上はもう無理と緊張で真っ青になりながらお開きを宣言しようとすると誰かが俺の腕をつかんだ。その手の持ち主を見るとそこにはニヤリと笑いながら首を横に振る純くんの姿が。
無言のまま唇が動いた。
『ニ ガ サ ナ イ ヨ』って。
純くん。怖えよ、それはもはやホラーだよ。
それから俺の腕を掴んだまま純くんはまず俺を、それから女子みんなの方を見て今度は声に出して口を開いた。
「……ダメだよ? 一平くん。せっかく集まってくれたみんなの自己紹介くらいは聞いてあげなきゃね? ということで残りは6人かな? じゃあ一番右の
止める間もなくまずは指名された
「押忍! 二年辰組、拳士系第二段階職【
それを皮切りにどんどん自己紹介は続く。
「一年
「同じく一年
「二年
「二年寅組、【
「えっと、一年
最後の千帆ちゃんの自己紹介が終わり着席し全員分聞き終わった俺はポカンとした後その場で頭を抱えた。なんで全員レアクラスなんだよぉ!!
沙由里先輩の戦士系の派生である拳士系第二段階職【
説明! お願い! 純くん助けて! そういう目を彼に向けたのだが純くんは小さく首を振ってから指で手近にあったスピーカーのことを差した。すると。
『ガッピ……あー、一平くん聞こえる? 達郎だけど』
突然近くのスピーカーから達郎さんの声が聞こえてきたのだ。
「え? はい! 聞こえます聞こえます」
「……よかった。えっと、レアクラスばっかりで混乱してると思うんで説明するね。まず【
「えぇ! そんな責任重大な話、俺に!?」
『……うん、もし一平くんが彼女を選ぶなら、ね。じゃああとはよろしく〜』
衝撃の情報だけ残して達郎さんの声は聞こえなくなり途方に暮れる俺。そこに純くんの声がかかる。
「戦力面、パーティ編成面で見ればどの子もメリットと
「ちょっ! 純くん!」
「それぐらいみんな本気で君のパートナーになりたがってるってことさ。あとは一平くん、君の決断に任せるよ」
そう言って腕を組んで目を閉じる純くん。そんな急にいうべきことは全部言ったしもう何も言いませんってオーラ出さないで? あと捲し立てるようにそんな責任の重いこと言われても……。俺、君みたいにそんなに頭良くないし、そんなに割り切れないんで……。
まずは8人全員とか絶対無理。できればもうお腹いっぱいですってここでギブアップしたいけど、この空気でどうやってもうおしまいですって言えばいいのさ……。だからせめて1人は選ばないといけない。全員可愛いくて全員誰選んでもパーティ編成的には正解とかほんとどうしたらいいのさ。これならいっそ決めてくれたらいいのに! と考えてはいけないことすら考えてしまうが、それでも俺を囲んで熱い視線を向けてくれるみんなの想いになんとか答えるために悩みに悩んだ末、俺は震えながらなんとか1人の女の子を指差した。
○ーーーーーーーーーー○
「……いっくん。それにしても本当に昨日があの部屋での最後の夜になるなんて思わなかったよ。急転直下だったね。まさか昨日の今日であの部屋からお引っ越しすることになるなんてね」
「ほんとだよ、純くんどんだけ手回しいいんだよ。もはや怖えよ」
「それでも嬉しいね。まさか新築のお家をもらえるなんて!」
そう、俺とかのんが今いる場所はこれまでずっと2人で暮らしてきた茶鴨寮の俺たちの部屋ではなく、部室の敷地内に建てられた新築の三階建てだった。で、この家とにかく異常の一言。まず一階が1BK。何言ってんだ? Bって何だよって思うと思うんだけど、この家の一階ホントに1ベッドルームキッチンなんだよ。とにかく俺たちが今いる何人一緒に寝れるんだってくらいデカイベッドを中心に柱もほとんどないただだだっ広いだけの寝室が一階のほとんどで、残りは玄関と広いトイレ、あとは強化ガラス壁の向こうにあるこじんまりとしたキッチンスペースとそのリビングダイニング反対側にある洗面所とバカデケェ風呂だけなんだ。
対照的に二階と三階はそれぞれにトイレがある他は、6畳くらいの部屋がいっぱいある作りになっていて既にそれぞれに小さなベッド、タンス、机などが備え付けてあった。
あとは白を基調としたただただ綺麗な一軒家である。一階がイカれた造りなだけで。
つまりこの家はこう言ってるわけだ。
『この家はお前らみたいなハーレム野郎とそのパートナーどもが住む家だから分かりやすくセックス最優先で建ててやったぞ! まず一階にリビングもダイニングもいらねーだろ! だってどうせお前らセックスしかしねーんだから! だから一階はほとんど全部お前らが好きなだけセックスできるようにクソ広いベッドルームにしといた! あとどうせソープランドみたいなこととか全員で風呂入るとかお前ら絶対好きだろ! だから喜べ! 風呂もエアマットを置く洗い場もバカみたいにでかくしといたからな! で、一応キッチンは用意しといたけど基本飯は部室の母家で飯は食うようにな! あとプライバシーもたまには必要だろうから2階以降は一応個人のためのスペースだけど、どうせお前ら一階でエロいことしかしねーだろ? だから部屋は全部6畳で最低限の間取りでいいよな!』
って。
バッカじゃねぇの(建前)! ありがとうございます(本音)!
でも明らかにやりすぎなんだよなぁ! 誰だよ、この家設計した奴! 楓先輩か? あの人の頭の中どうなってんだよ!? 思い切り良すぎだろ!
そんなわけでこの家をもらったのはつい先ほどの話。お見合い会が終わって早々合流したかのんに3人が自己紹介をし終わったら純くんが現れていきなりこの家の前まで案内された。ポカンとする俺たちにいきなり鍵を渡しながら、
「【グループ】から新パートナーと新パーティ結成祝いのプレゼント。というわけでこの家どうぞ」
って言ったところから俺たちの急すぎる引っ越しは始まった。誰も予想にもしていなかった展開に嬉しいやら驚くやらだったが、まずは各自寮から荷物を運ぼうということでそれぞれの寮へと向かい少ない荷物を抱えて先ほど戻ってきたばかりなのだ。
で、そこで俺の精神的スタミナに限界がきた。疲れたんだよぉ。てか純くん、というわけでじゃねーよ。もう少し凡人に配慮してくれ! もう限界だったので荷物を放り出し備え付けてあったクソでかベッドの上でかのんに膝枕されてたわけだ。
だから当然この家には他にも俺の新しいパートナーたちも引っ越してきているわけで。
ドンドンドンというかなりうるさい階段を降りる音の後、まず姿を見せたのはオフショルダーの白いトップスにデニムのベリーショートパンツ姿が眩しい金髪ショートカットの巨乳デカケツ白ギャルのちょこ先輩。
「いっぺーさま! すごい! すごいよ! アタシ、まさかこの学園で一軒家に住めるなんて思わんかった! しかも自分の部屋まで! ホントにありがと! いっぺーさま、ホントやばすぎんか? 好き!」
そう言って満面の笑顔で寝てる俺の右足めがけてにダイブしてきた。そのまま好き好きいいながらズボン越しに俺の足へと頬擦りを始めるちょこ先輩。
続いて先ほどのちょこ先輩よりかなり控えめな階段を降りる足音の後に姿を見せたのはシンプルな白いワンピース姿の黒髪セミロングヘアの長身美女。ワンピースのスカートからのぞく美脚が艶かしいデコ出し美人の四ツ葉先輩。
「ご主人様……。これは夢、じゃないですよね? まさかこの学園でこんな日が来るなんて……。ありがとうございます、ありがとうございます……。あらためて四ツ葉はこれからご主人様に忠実にお仕えします。お慕いしています、ご主人様。不束者ですがどうぞよろしくお願いいたします」
ベッドに上がりそこで三つ指ついて俺に挨拶をした四ツ葉先輩はそのまま空いていた左足にその美脚を絡めるように抱きついてちょこ先輩と同じように頬擦りを始めた。
なんだ? この天国。
それからしばらくして最後の1人が階段を降りる足音がした。まだあまりの急展開に気持ちがついてきていないんだろう、そろりそろりと言った感じで恐る恐る下に降りてきたのはシンプルな白のブラウスにチェックのスカートという中学や高校の夏服の制服を思わせる服装の女の子。
彼女が俺が今日最後に選んだ新しいパートナーの女の子。
俺やかのんと同じ1年生でミディアムボブカットのタヌキ顔巨乳美少女。スキップクラスチェンジで一気に第二段階職に駆け上がったシンデレラガール。そして近年ほんの数例のみ存在が確認されていたらしい超レアクラスにクラスチェンジした【
「一平さま……。千帆、これからがんばります。ダンジョンもセックスも他にも全部全部。今日選ばれなかったみんなの分もいっぱいがんばります。だから千帆のこといっぱい可愛がってくださいね❤︎」
そう言って最後に開いた胴体に抱きついてきた千帆ちゃん。
そのまま3人に好きにさせながら彼女を選んだ理由を振り返る。
まず最初の2人が全員先週の木曜日の初心者引率ダンジョンダイブで俺が担当した女の子たちだったことに気づいたこと。流石に1人だけ仲間はずれは気が引けた。
次にクラス面。開いていた【
……で、最後の理由。彼女のクラスは【
……唐突だけどAVの
……俺は現役アイドルAVデビューだと思うんだよな。
うん、我ながら下衆極まりねぇ。でもさ、俺、最後の最後で自分の性癖には勝てなかったよ……。
この後? みんなで母家で飯食ってみんなで風呂入ってからみんなでベッドで寝たよ。詳しく話せって? やってねぇから今日は! 寝物語にお互いの話をずっとしながらちょっとイチャイチャして寝ただけだよ。
俺はさ、待ちに待ったゲームとか、待望の新作のAVとかを買った時もそうなんだけど手に入ると逆に一旦冷静になるタイプでさ。この日は昼からの精神的な疲れもあって今日は5人でこのまま寝ました。あとパートナーを迎えるにあたっては最初にやらないといけないことがあるからさぁ(下衆顔)
というわけで期末テストも近いこの夜から静かに俺の新しい
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もうすぐ夏だなと1人外に出て星空を見ながら純は思った。
先ほど報告を受けたが概ね今日のお見合い会は成功したと言って良い結果にホッと胸を撫で下ろす。ずっと懸案事項だった京介と大助の馬鹿2人にそれぞれ堕とした女の子たちに関して責任を取らせることに成功し、さらに今までパートナー作りに及び腰だった数人の男子たちも場の雰囲気に気を大きくしたことで女の子の求愛を受け入れて新規のカップルが数組成立しただけでなく、既にパートナーはいたが2人目3人目に二の足を踏んでいた数人の実力派の男子も何人かパートナーを増やしたという報告を受けている。これらのことで今朝段階で40人を超えていた【グループ】内のフリーの女子の数が一気に半分近くに減少したことは今後を考えると非常に大きなことだ。
中でも特に一平くんの件はうまくいったと言っていいだろう。偽悪的な面があるが本質的に面倒見の良く善良な彼のことだ。新しくパートナーとなった彼女たちの育成を通じてパーティーリーダーとして、また1人の戦士としての実力を積み重ねていけば、自分と達郎くんの望む【グループ】全体のメイン盾育成計画はさらに次の段階へと進むことができるだろう。
ただ惜しむらくは画竜点睛を欠いたことか。できればパーティ最後の一枠に【
言うまい。ただでさえ今回のことは美雨先輩の了解のもと彼とかのんさんの事情を利用して限界ギリギリを攻めたのだ。今回あれ以上の人数を彼に任せることは小市民的な感性を残す彼の限界を超えるだろう。
手に持っていたペットボトルの水で少し唇を湿らせ感傷を振り払う。現状で己の事前の予想と100%違わない結果に誘導できたのだ。それをまず喜ぶべきだろう。ゲームでも現実でも後もう少しという強欲こそ身を滅ぼす。慎むべきだと考え直したところで背後に感じ慣れた気配を感じた。
「だ〜〜〜れダ?」
「アキラ」
「せ〜〜かい❤︎ 純サマ、どうしたノ? こんなトコに1人デ」
「夕涼みかな。星を見てた」
「ふ〜ン、隣座ろット❤︎」
そういって男性の中でもかなり小柄な自分に寄りかかり甘え始めた自分より遥かに大柄な女性である自分の最初のパートナーの頭を撫でる。可愛いものだと本心から思った。戦士系第三段階レアクラス【
「ねー、純サマ。今回のことでいっぺいダッケ? アイツ、他のクソオスどもから嫉妬されないカナ? だっていきなり3人もパートナー増えたシ、家ももらったシ、おまけに達郎サマが装備用意してるんデショ? バカなクソオスども、絶対騒ぐと思うナァ。そしたらそのクソオス、アタシが潰してイイ?」
「ダ〜メ。まぁでもアキラがいうようにそういう子は確実に出てくるだろうね。どうせすぐいつものように三平くんがやらかして見せしめになってくれると思うから表面的な不満の表出は一旦収まると思うけど……」
「思うケド?」
小さくため息が出た。どうしてみんな短期的かつ短絡的な思考しか持てないのだろうか? と考えながらも続きを口にする。
「女の子たちのことも、家のことも、達郎くんからの装備のことだってこの先の一平くんの苦労に対する報酬の前払いに過ぎないのにね。そもそも今回一平くんが得たもの得るもの全部が僕らから押し付けられたもので本質的に彼が求めたものじゃないのに、どうして人間というのはくだらない嫉妬なんかするんだろう? と思ってね」
「それがクソオスと女ってイキモノなんじゃねぇノ?」
「……そうだね。アキラは賢いね」
会話の最中止めていた手を再び動かしながら純は思考を再開した。
そう、自分も含めて人間は賢い生き物ではない。だからこそ思考を止めることはできない。あの日の達郎くんとの取引によって既に自分の目的はこれ以上なく果たされたといっていい。引き換えに引き受けた達郎くんに代わって大貴くんの希望を叶えるため力を尽くすという難題は厄介ではあるがやりがいがあり、日々に達成感を与えるだけでなく、自分の中の知的探究心と学園上層部への復讐心をこの上なく満たしてくれている。
自然と口元に笑みが浮かぶ。この学園に来るまで数えきれないぐらいのゲームをやってきたがまさかMMORPGのギルドマスターを現実世界でやることになるとは思っても見なかった。それどころか現実世界の生身の人間に囲まれて生きることすら想像もしていなかったのに、今では自分も4人の女性をパートナーに持つハーレムの主だ。
人生何が起きるかわからないとはよくいったものだ。
ありきたりにそう思いながら、とりあえず明日すぐに修斗くんら既存のパーティメンバーと一平くんたちを呼び出して顔合わせをさせ、パーティ内での不満の芽を摘んでおく必要があるなと明日の予定を変更することを決め、純はそれに気づかせてくれた賢い自分のパートナーの髪を最後に一度すくように撫でててから、ぽんと彼女の背を叩いて立ち上がった。
「ご褒美終ワリ?」
「続きは家に帰ってからね」
そう返して自分達の愛の巣へと歩きだしながら【グループ】の頭脳である純の瞳は目の前の景色など何も見ておらず、この先自分達が生き残るための最善手を模索し続けていた。
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