【俺の女は】ハイスクールハックアンドスラッシュの世界に転生したけど、なんか質問ある?【俺のもの】 作:笛吹き用
授業終了後、呼び止められる前にマッハであやかとエリカの手を掴んで教室を飛び出した俺はそのまま購買でも食堂でもダンジョンでもなく俺が借りているコンテナ倉庫の中へと二人を連れ込んだ。
入口すぐにあるスイッチで天井からぶら下がった剥き出しの丸電灯をつけるとコンテナの中の様子が露わになる。本来内部は奥に深い四畳半ほどのスペースなのだが、壁、机、棚、床のいたるところに雑然と武器やドロップアイテムが置いてあり、足場を探すのに苦労するほど。少なくても人間三人分が床や椅子に座れる場所などないそんな空間だった。片付ける間もなかったからね……、特にここ数日。
「ほら、二人とも入って。扉閉めたいから早く」
「お邪魔します……。すごい……こんなにいっぱい色々……」
「おっじゃまー! うわ、すっご! 何これ何これ、でも狭くね? で、達郎ち今日はここですんの? 流石に狭くね?」
「しません。ちょっと待ってね、机の上開けるからそこに座って」
まずは急いでギィといってきしむ扉を閉める。こうすることで倉庫内の簡易結界が再稼働し極薄くではあるが内部が
とはいえ棚と棚の間に三人が立つのでは会話もままならない。まず俺は机の上に散らばったドロップアイテムを一旦床においてあった箱の中に無造作に放り込み、まずは二人をそこに座らせた。
今日、ダンジョンに潜る前にここに彼女らを連れてきたのは二人に事前に渡すものがあったからだ。まずはあやかから。
「どこだっけか……? お、あったあった」
棚を探ってお目当ての箱を取り出す。それはカードゲーマーならお馴染みのカードデッキボックスと呼ばれる手のひらサイズの箱。上部が開閉式になっており俺はそれを開いて中身を取り出し、合計一四枚あったカードの絵柄を見せないようにしてあやかの前に差し出した。それが何か知らずに興味津々で見るエリカと、対して既にその存在について知っていたのか驚きを隠せずにいるあやかの反応が対照的だった。
「何これ何これ? トランプ? なになに達郎ち、今から手品でもすんの?」
「これが、【モンスターカード】……。授業で言ってた通りならとんでもない貴重品のはずなのに……。すごい、それがこんなにたくさん……」
ーー【モンスターカード】。戦闘能力に乏しい【
なお、新入生が最初に買うことになる武器と防具と必需品のセットである通称【初心者】セットの価格が八万銭。学内でも需要が高いのに存在自体が希少な刀の最低ラインである購買の刀の値段が八十万銭。それに対して『モンスターカード』は最低ランクのゴブリンやコボルトのものでさえ一枚百万銭前後で取引されると言えばいかに高額なのかわかりやすいと思う。
まぁ、個人的には少なくても武器に【
それはさておき、そんな貴重な【モンスターカード】がなぜこんなにもあるかといえば一重に【幸運】スキルのドロップ率アップ効果と俺のダンジョンダイブにおける徹底した雑魚狩りスタイルにおける試行回数の暴力が合わさった結果としかいえない。
今まであまり話す機会がなかったので今話すが、俺は『ダンジョンで極力冒険しないタイプのダンジョン攻略者』である。元々持っていた生前の原作とゲームから得た知識、学園の図書館のデータ、そして実家が蓄積し俺に渡されたさまざまなデータ。それらを基に俺はダンジョン攻略解禁前に【豊葦原学園ダンジョン攻略チャートver.1.00】と名付けたノートを作成しており、それに従ってとにかく俺は最初の二週間、大量の格下を効率よく狩り続けることによってここまでレベルを上げ続けたのだ。
原作小説内のとあるキャラがとある場面で、時に死に戻りを覚悟して死線を乗り越えたことでしか得られない経験を積んだからこそ圧倒的な格上に肉薄できていると描写されているシーンがあるのだが、俺はそれを現実になったこの世界でやろうとは思わない。それが避けられない場面があるのは理解しているが、前世のゲーム時代を通じて俺は極力避けられるリスクは避けるべきであるというのが持論である。格上狩りでしか得られない経験があるのは認めるがそれは一握りの強者の発想であり、弱者である俺たちは常に情報を集め、備え、可能な限りリスクを減らしながら力を蓄えるしかない。
だって強いやつ一匹倒して100の経験値も、弱い奴を一匹ずつ、合計100匹倒して100の経験値も同じ100の経験値。RPGにおいて単純なレベル上げをするなら全滅の恐れのないところで雑魚狩りするのが基本なのだから。
そもそも原作主人公パーティだって主人公のチートな強さがなければ、少なくてもパーティーメンバーはなすすべなくダンジョン第三階層既知外領域の高レベルゴブリンたちにすり潰されていたわけで。それを途中まで気づかず、気づいてからも最初から最後まで既知外領域をダンジョン第弐十階層【
というわけで多少リアルラックによる上振れもあったと思うが、この一四枚の『モンスターカード』は俺の最初の二週間の頑張りの成果と言える。何千体のモンスターを屠ってきたと思っているのか。プラス高確率でレアアイテムを落とす【
そうして集めた【モンスターカード】の絵柄をわざわざ伏せているのは別に意地悪したいからじゃない。絵柄が見えないようにして【
【モンスターカード】とそれを使役する【
「あやか、まずは一枚選んでくれ。実際に触れてそしてこの中であやかが一番心惹かれた一枚を選ぶんだ」
俺がそう促すとあやかは俺の意図自体は何もわからないまま震えた指で何かを確かめるように全てのカードに触れていったのだが、そのうちの二枚に特に強い反応を示した。随分と悩んでいたあやかだったが、やがてその中でも触れた時に一際強い反応を示した一枚のカードを何度も何度も確かめるようにしてから選びとった。
そうしてあやかが選び取ったその一枚をおもむろに裏返すと、その【モンスターカード】には、精悍で勇敢な顔つきをした一匹の巨大なオオカミの姿が描かれていた。
名称 【ー】
種族 【ブラックダイアウルフリーダー】
属性 【ー】
存在強度 ★☆☆
「古代を駆けた黒い毛皮持つ魁偉なる狼。その遠吠えは獲物を震えさせる。群れを率い巨獣をも捕食した勇敢な狩人の群れの長であり、既に絶滅せし牙獣が残した残影」
○ーーーーーーーーーー○
「うおおお! 女は度胸! ギャルは根性! 痛くない痛くない。行くぞ行くぞ行くぞぉ! ウチをなめんなぁ、コラァ!」
第一階層既知内領域外縁部。中心部からはだいぶ外れたその場所にいる俺の目の前では、全身を防具でガチガチに固めたエリカが十を超える無数のゴブリンに向かって突貫し囲まれながらも右手に持った俺の手によるマチェットを振り回してゴブリンどもを鏖殺していた。太刀筋も何もない本当にデタラメかつやぶれかぶれなエリカによる攻撃だったが、それでもその一撃は当たったゴブリン全てを触れた瞬間悉く死体に変えていく。
ーー王級
俺が純魔玉鋼(仮)を使って作った二振り目の武器であり、先日エリカが振っていた購買のマチェットのバランスを参考に俺の持てる技術をふんだんに盛り込んだ【
そんな確実に第一階層のレベル1ゴブリン相手に使うには明らかにオーバーキルな武器を振るってさえエリカは死に物狂いの形相で必死に戦っていた。
無理もない。彼女は今まで魔物の正面に立って一人で戦ったことなんてないんだから。こういう初体験はもう少し段階を踏んであげたかったけれど本人が『厳しくスパルタでおk!』と言ったもんだから仕方ない。
だから俺は心を鬼にして傍観を貫き、同時に彼女に万が一がないか見ながら後方腕組み中であった。
お前、やけに落ち着いてるな? 余裕こいてるけど彼女に危険はないのかって?
そんなものはない(断言)。
元々エリカのレベルは俺のパートナーになる前から多少とはいえ上がっていたし、その時点で常人以下の力しかなくほとんど武器も持たないレベル1のゴブリンに早々傷一つつけられるものではなく、さらに彼女が動きやすさすら無視してガチガチに身につけている防具は俺の予備の防具で、その性能は『
「うぇっ! ゲホ、ゲェ! コンニャロ! ウチは負けねぇし! ゼッテー負けねぇし! ウチは戦える女になるんだ! ウチは! 戦うんだ! ウチは、もう、これ以上、何かを、誰かのせいにしねぇんだし!」
だがそれでもエリカは必死な顔で大声を上げ嘔吐を堪えながら目に涙を浮かべて自分で自分を鼓舞しながら戦っていた。その必死さに俺は彼女の真意はやはりこちらにあったかと心の中で納得し、今まで彼女の中に精を放った回数を指折り数えた。初めて彼女とダンジョンでヤった時に二回。さらに今朝の二回。合わせて四回か。ということは余裕を持って
痛々しいまでに精神的に自分を追い込みながら戦うエリカを見て心が痛くはなるが、所詮俺は女の弱みに漬け込んでエロいことを楽しむようなクズ人間である。そんなもので今更揺れたりはしない。
そもそも今彼女がやっているのは彼女が望みそれに応じて俺が出した課題なのだ。
ーーこの先本当に近接戦闘職で頑張りたいのなら、俺の手助けなしに第一階層のゴブリンを100匹殺すこと。
これが今回俺が彼女に課した課題の内容である。原作小説内の設定が書かれた中に、基本『レベル1のゴブリンを100匹倒せばクラスチェンジ可能なレベル10になる』という一文があるのだが、俺はこれは体感的にこの世界でも有効なのだと思っている。そしてこれがやれるかやれないかが近接向きの
これは俺の考えだが、新入生はまず全員ゴブリン合計100体を倒すべきである。別に俺のように最初から全部ソロで100体倒す必要はないし、本来なら最初はパーティでの協力前提でタコ殴りから始めるべきだが、それでもまず新入生は本来これから始めるべきなのだ。
ていうか俺が学園教師で、もし自由にカリキュラムを組むことが許されるのであれば万全のバックアップの下に最初に新入生全員にこれをやらせることでまず全生徒を前衛後衛の篩にかける。そしてどうしてもこれを完遂できない人間は、【
何故なら学園生徒が最初にぶち当たる大きな壁の一つが『現代社会を生きた人間はその倫理観のせいでなかなか生き物を殺せない』という心理的障壁であり、これを超えるためにも比較的安全マージンを取った上でこれを行うことで嫌な言い方になるが『殺傷』に慣れ、学園へと適応する最初の一歩にすべきだと考えている。完遂できずに失敗しても途中で殺した経験と経験値は無駄にはならないしな。
そんな近接職と非近接職を分ける篩のようなこの試練をエリカに課しているのにはもう一つの理由がある。
これはゲームの話になるが、転職システムのマスクデータの部分に『行動加算点』という項目があり、特定の行動を取ることで本来自由に転職先を選べないプレイヤー側が転職する先をコントロールできるという要素が存在した。この要素は原作小説でも悪い意味で存在しており、性的に自分の言いなりになる【
俺がやっているのはその逆。仮にエリカの元々の才能が【
何故なら、もしそうでないのなら俺の最初のクラスチェンジで【
それを覆したのは初日、二日目のダンジョンダイブで俺が狂ったようにモンスターを狩りまくったせいだと俺は確信していた。だって俺、二日で最低でも合計四百匹は狩ったからな、ゴブリンとコボルト。
そこまでやれば俺のどう考えてもぶっちぎりの【刀匠】への適正値ですら、直前の狂ったような経験の蓄積の前では覆ったのだ。いわんやエリカの【遊び人】系への多少高い程度の適正値など何の問題にもならない。いやそもそもこれは俺の読みだが、本来の彼女の適正職は元々近接職であり、多分何もせずにとどめを刺させるレベリングでも普通にクラスチェンジ先の職業は【遊び人】系ではないなと踏んでいたのだが、こういうなのは本人の納得が一番であり俺は余裕がある今ならエリカの意志を尊重したかった。どっちみち近接やるなら殺し慣れる経験は無駄にはならないしな。
そしてこれだけやってもしエリカが【
なので俺は基本不測の事態が無いか見てるだけである。とはいえ第一階層とはいえこの辺りまで来れば稀に【
「あやか、怖がらずに。声に出してちゃんと命令して」
「はっ、はい! 達郎さま。……ッ、クロ! コボちゃん! お願い! 絵梨花ちゃんの邪魔にならないように後ろからをあのゴブリンに攻撃して!」
「ウォン!」
「アン!」
俺が促し、あやかが指を指して命令すると、彼女が使役する【
倉庫内でまず【
ちなみにこれがコボちゃんの詳細である。
名称 【アルセーヌ・コボ・ルパン】
種族 【ハイコボルト】
属性 【土】
装備 【盗賊のナイフ(仮)】
存在強度 ☆☆
「手先が器用で慎重な土の妖精。その名は無垢な精神に一つの可能性を指し示す」
わかる、ツッコミたい気持ちはよーくわかる。正直この名前に関しては俺が悪い。
最初あやかがこのカードを選んだ時に俺が口を出したのがきっかけなんだが、俺はせっかくあやかが【コボルト】、しかも【ハイコボルト】の【モンスターカード】を選んでくれたので、どうせならそれを最大限に活かす方向で育成したいと思い、「できれば怪盗っぽい名前にして欲しいなぁ」と俺がお願いしたんだけど、そうしたらあやかはしばらく悩んだ後、「じゃあこの子の名前はアルセーヌ・コボ・ルパンにします!」と言ったので俺が慌ててカードを確認したらもう名前が決まっていた。
とりあえず今後、あやかに名前を決めてもらうのはできるだけやめとこうと俺が決めた瞬間である。
そんなコボちゃんには俺からまずは最初のプレゼントを渡してある。ファイナル●ァンタジーシリーズでお馴染みの【盗賊のナイフ】の姿をしたナイフであり、ただでさえ短剣を与えると【
そんな既に【盗賊】系への転職が決まってしまったコボちゃんの主人であるあやか。彼女は今腰のベルトに俺が渡した白木の短刀である【御守】を差しているんだが、これがよくよく確認してみたら思った以上の代物だった。
ーー神刀【御守】
まさかの神刀だった。この世界におけるマジックアイテムの刀の階位は【神刀】>【王刀】>【霊刀】なのだが、本当にまさかの神刀だった。これが完成した理由は使った材料が純魔玉鋼(仮)だったことと、おそらく余計なモンスターの素材などを使うことがなかったために純粋さを保ったままの
そして【御守】の肝心の能力は『所有者の周辺に所有者のSPを使って被攻撃時に自動で対物理・対魔法能力を有するバリアを張る』こと。何がやばいってコイツ自動で【
その瞬間、正直バリアの中であんぐり口を開けて呆然としたわ。
そのぐらいには俺は【
それらの結果を見た上にあくまで現状の俺の推測だが、このバリアを解除するには、レベル【10】のあやかのSP量でさえ、レベル【60】の俺が本気でやって最低十分はかかるという試算が出た(奥の手は除く)。間違いなく低階層のモンスターにどうにかできる代物じゃない。一撃の威力であれば第仇階層以下でも有数の存在である【
さらに使用者が認めた人間やモンスターであればそのバリアの中に逃げ込むことすら可能という有様でこのことにより完全にあやかは動くシェルターと化した。
全部確認した上で冷や汗が出た。我ながらえげつないもの作ったなって。
その後、三秒でまぁ両方強いしヨシッ! と自分で自分を納得させた。
そうして現実逃避の思考から抜け出した俺は、その後も二人と二匹と第一階層をひたすら歩き回り、途中でレベルが上がったエリカの精力を落ち着かせるために二回ほどダンジョンセックスに興じた時間以外はひたすらゴブリンとコボルトの群れを見つけ次第突貫し続けた。
ーー心の中であと残り四回と指を折りながら。
そうしてダンジョンからの強制排出時間を迎える頃、エリカは無事この日クラスチェンジ可能なレベル10まで到達したのだった。
さぁて、この後どうするかなと俺は前世からの付き合いであるやや癖の強い黒髪をかきあげた。
ーーほんまどないしよ。気ぃ重たなるわ。
そう思いながら。
○ーーーーーーーーーー○
流石にドロップ率が低いレベル1モンスターとはいえ、あれだけ倒せばそれなりに色々手に入るもので、流石にそれらを背負ったままいくわけにもいかず、ダンジョンを出た俺たちはまずはアイテムの精算を済ませた。というかその上がりは全額エリカに持たせた。流石に今日のあの頑張りを見たら原則通り三等分なんてとても俺にはいえず、あやかもそれに賛同してくれた。そんな間違いなく今日のMVPであるエリカはダンジョンを出た後、もはやお決まりの過剰経験値状態によりまともに歩くこともできずに俺に背負われたまま夢うつつで俺とあやかの決定を受け入れ、この時期の一年生が一日に稼ぐにしてはかなりの金額を手にしていた。
おんぶしての移動の最中も俺の背中と自分の胸が擦れるたびに小さく喘ぎ声を上げるエリカ。その度に俺の耳に彼女の吐息がかかり耳がゾクゾクし全身を快感が走ったが我慢我慢。
その後、目的地である
隣であやかが心配そうな顔でエリカが入っていった聖堂を見つめ呟く。
「達郎さま、絵梨花ちゃん大丈夫でしょうか……?」
「大丈夫だよ、あやかが心配してるようなことにはならないと思うよ」
あやかがこの時に考えていたのは『絵梨花ちゃんは望み通り近接戦闘職になれるだろうか?』ということだったと思う。そんなあやかの肩を抱き寄せて髪を撫でて安心させながら俺の考えていたことは、今後のエリカの転職先の結果による自分の行動をどうするか? についてだった。
まず最悪の場合だが、これは【
同じく可能性は極めて低いが最悪の上の最悪のケースとして考えられるのが、SSR罠職といわれ性行為に特化したクラス群へのスキップ転職だ。【
そしてそれ以外の穏当な選択肢だった場合は……、俺は彼女の希望を叶えてやりたいと思っていた。
俺は、初めてのことで勢いのままに隷属させてしまったあやかに悪いことをしたと思っていた。だって誰だって自分のことは自分で決めたいだろ? そもそも誰が好き好んでこんな地獄に飛び込んでくるんだよ。だから既にこの学園に入学させられた以上選択肢は限られてしまっている。
そしてあやかの場合、その限られた選択肢を半ば同意の上とはいえ俺が奪ったことには変わりなかった。女を勢いのまま手篭めにして性奴隷にしちまうようなサルでクズでもサルでクズなりに一応反省はするのである。同時に今さら隷属しきったあやかに『俺から自由になれ』なんて言って手放してもそれが彼女にとって絶望でしかないのはわかっている。だからあやかに関しては俺が最後まで責任を取ると決めていた。
だが、エリカはまだ間に合う。そして彼女自身の意思もおそらくは……。
俺の思考はそこで断ち切られた。
底抜けに明るいエリカの声が俺の耳へと届いたから。
「イェエエエエエイ!! やったぜ! 達郎ち! あやち! ウチ、【
そう言って今までで最高の笑顔で俺に抱きついて何度も何度もキスを繰り返すエリカのクラスは、やはり【
ほんま、どうしよかなと思いながら最高に上機嫌なエリカとそれを見てニコニコ笑顔のあやかを連れてひとまず腹ごしらえをするために食堂へと向かう俺の足は正直重かった。
達郎 レベル60(第三段階職) SR【戦闘鍛治師】/サブクラス SR【刀匠】
あやか レベル10(第一段階職) N【文官】
→クロ レベル3 【黒色古代狼長】
→コボ レベル4 【ハイコボルト】
エリカ レベル10(第一段階職) R【女山賊】
独自設定およびアイテム
王級
達郎が二つ目に作った純魔玉鋼(仮)で作ったマジックアイテムのマチェット。ランクは王級であり原作沙姫のメインウェポンである【水虎王刀】と同格であるが、【霊刀】よりの【王刀】である【水虎王刀】とは違い、【
鉈の破壊力とカミソリの鋭さを兼ね備えた蛤刃のマチェットであり、それ以外にも随所に達郎の刀鍛冶としての工夫が詰め込まれている。そして当然のようにマジックアイテムとしての【覚醒】の効果も破格のものである。
※ 【水虎王刀】が【霊刀】よりの【王刀】というのは私の独自設定かつ解釈ですが、原作内において【水虎王刀】の作成時、元々は【水霊刀】になるはずが持ち込んだ剣牙王虎の素材の力で【水虎王刀】になってしまった(意訳)という描写があり、これが【霊刀】寄りの【王刀】の根拠となっています。対して基本神級素材である純魔玉鋼(仮)に加えるものとして第一〜第五階層の素材を使っているために【破壊を撒く女王】は神級からランク落ちしており、結果【神級】寄りの【王級】と表現しています。
神刀【御守】
達郎が最初に鍛えた純魔玉鋼の短刀。その覚醒能力は『敵の攻撃に対し自動で持ち主のSPを使い対物・対魔法バリアを張る』というものでこのバリアの防御力は破格である。さらに持ち主が認めた人間及びモンスターをバリアの中に匿うことができる特性をも持つ移動するシェルターを作り出す神刀というランクに恥じないマジックアイテムである。
【ブラックダイアウルフリーダー】
約30〜1万年前まで存在していた大型のオオカミで、既知の犬科の生き物では最大だったと考えられている。
元々は達郎が倒した第四階層の【界門守護者】の一体。
【ハイコボルト】
BLACK KNIGHT に名前のみ登場。ただ「マップの外周領域だと、通常のモンスターだけではなく上位種も出てくる」とあるだけの為、その他は全て私の捏造。
【盗賊のナイフ(仮)】
FFシリーズに登場する盗賊のナイフの外観だけ似せたナイフ。
正確には達郎のスキルにより強引に見た目だけ変化させられたFF11の盗賊のナイフと同じ見た目をした【ゴブリンナイフ】。
※ コボルトにナイフを持たせると【盗賊】系になるやすくなるというのは【ハイスクール転生アンド巻き込まれ】様の設定をお借りしています。今回その他もいくつか設定をお借りしております。この場をお借りして感謝申し上げます。
【女山賊】
【盗賊】系R職に分類される【山賊】のバリエーションの一つ。【戦士】よりの【盗賊】のような【山賊】よりはパラメータが【盗賊】よりのクラスで、頭に女とあるように女性限定のクラス。【山賊】と比べると力に劣り、スピードに優れる。原作にありそうで怖いのがたまに傷。