※リッカの高校入学時期を2068年→2069年に修正。
ヨシノさんが帰還してからの顛末を語ろうと思う。
フォーゲルヴァイデ氏の協力のもと、無事にセーフハウスが用意できたことでヨシノさんは部屋を出て行った。今後は外部居住区で名を変えて変装したうえでまっとうに働いて生きていくことになる。カラダを使わない生き方だってやはり大変だろうが、それでもヨシノさんは晴れ晴れとした顔をしていた。
後日、案の定シックザール支部長に呼び出されたが、キグルミ関連のことをチクリと刺されただけで終わった。やっぱ、ばれてーら。ただ、帰り際に言われた「ラケル博士が君に会いたがっていたよ。今度訪れるときはちゃんと挨拶したいそうだ」という言葉は怖かった。挨拶ってなんの隠語だっけ??はやくデータベースで調べなきゃ。
それ以外は特にトラブルもなく。
恋人を二人並べて3Pしたり、アンジェリカも加えて4Pしたりしていた。ジーナとヨシノさんの邂逅はやっぱりヨシノさんが気後れしていたけど、3Pしたら仲良くなったっぽい。やっぱりおちんぽさまには勝てなかったよ……という言葉が印象的だった。酒池肉林、さいこーにたのしかったです。
取り戻した幸福を噛み締めながら日々を楽しんでいれば、時は瞬く間に過ぎていって。
2068年。
エリック・デア=フォーゲルヴァイデがフェンリル極東支部にゴッドイーターとして配属された。
エリックはもともと欧州のどこかの支部で配属する予定だったらしいけれど、エリナや僕たちがいるから、とわざわざ極東支部に移り住んできた。新人用の部屋に案内されては「なんという狭さだ……」と嘆いていたり、「トイレの使い方がわからないよ」とお坊ちゃまムーブを全開にしていた。
やらかす度に僕やソーマが呼ばれて事後処理に走ることになったのでイラっとしたが、それでも安穏な御曹司人生を投げ捨ててゴッドイーターになったのは立派な志だと感心している。感心したので、心を鬼にして”教育”をがんばっている。神機使いの先輩として一切の容赦なく指導を徹底するつもりだ。……マスク・ド・なんちゃらなんていらない、そうだろう?
……でも、調子に乗って上半身全体にタトゥー入れたのにはちょっと笑った。似合っているけどエリパパは激おこぷんぷんだったし。
エリックの配属決定、それと僕の第七部隊所属を門出として(実際にはソーマも配属されているが公になることは無い)、4人で軽くお祝いの会を開いたりした。なぜか僕の部屋で。リッカもなんだかんだバイトみたいな条件で整備班で働いているわけだし、全員フェンリル職員なんだからそろそろフェンリルの施設を使っても怒られないと思うんだけどなぁ……。まあいいか。
配給チケットをここぞとばかりに放出して確保したジュースやお菓子を机いっぱいに並べ、かんぱーい、とグラスをぶつけ合った。
「まさかエリックがブラストとはね」
「華麗なボクには相応しい神機だろう、ホムラ」
僕より適合率が高いのはちょっと納得がいかない。なんならここ最近の新人では、適合率ほぼ100%のソーマを除けば一番高いまである。2人とも、その適合率ちょっとよこせ。
「適合率が高いうえに、ブラスト型神機に適合したのならエリックは才能があるんだね。神機使いの才能。やったじゃん」
「……才能がある、ってのはリスクと隣り合わせだ。油断しないように気をつけろよ」
「ふふっ、まあ見ていたまえよ諸君。すぐにホムラやソーマと同じレベルまで上り詰めてやるとも、華麗にね」
それならトイレも華麗に使おうな。
しょっちゅう詰まらせるのが貴族のやり方か?
「フェンリルで使われている再生紙は、肌に合わなくてね」
ふぁさっ、と髪をかき上げるエリック。それで誤魔化せると思っているんだろうか、ノーハンド射精(予定)がよぉ……。
「……それはそうと、ホムラはいつになったらフォーゲルヴァイデの婿になるつもりなんだい?分家としてデア=フライシュッツ家を用意するつもりなんだが……引退後の予定はまだ決まっていないんだろう?どうかな、ホムラ・デア=フライシュッツ・笹木も悪くないと思うよ」
エリックはそんな言葉をのたまった。
たしかに響きはかっこいいけどさ……いや、あの、なんで僕が華麗なる一族に加わることになっているんですかね……??
「君は休みの度にエリナのところに顔を出しているだろう。アーカイブでの暇つぶしを教えたり、フェンリルでの生活を面白おかしく話してくれるおかげで、昔と比べればエリナはずいぶん明るくなった。兄として感謝してはいるんだが……君のいないところでは、エリナは君の話ばかりしていてね」
ちょっと妬けてしまうくらいだよ、ははは。とエリックは笑う。
……それがどうして婿とか分家の話になるのかな。
「フォーゲルヴァイデ財閥は今、跡取りがいないからね。ホムラが婿養子として一族に加わってくれれば安泰だと思わないかい?エリナもまんざらではなさそうだし、父も乗り気だ」
「跡取りがいないのはエリックがゴッドイーターになったからでは?」
「そうとも言える」
そうでしかないじゃないか。
「えっ、ホムはエリナちゃんと結婚するんだ?」
「いや、しないよ」
そもそもエリナはまだ8歳くらいだ。それに僕には恋人が2人いるうえに、いろんな子に手を出すようなクズ野郎である。とても華麗なる一族には向いていないし、僕の人生設計にその選択肢はない。
「そうだよね。あー、びっくりしたー」
僕もびっくりした。まさかそんな話になるとは思いもしなかった。
「うーん、君と結婚することになったらエリナも今よりずっと元気になると思ったんだけどな。それに身内のひいき目だけど、あの子は美人になると思うよ」
だからとりあえず形だけ、婚約だけでもどうかな。
……なんだろう、この押しの強さ。エリナが美人になるのはわかっているけど……兄の友達として純真に慕ってくれる女の子に、僕のような爛れた人間はさすがになぁ。ある程度大人になって、ゴッドイーターの実情を知ったら「不潔!」と罵られそうだ。うん、ないな。
「エリナを本妻にするなら妾は許容する、という話だ。この際、ボクも目をつぶろう。そういう選択肢もあるってことは頭に入れておいて欲しいな」
……なるほど、その手できたか。
たしかに、ジーナとヨシノさんを抱えている今の僕には響く言葉だ。
デア=フライシュッツ、という家を立ててその当主として妾を囲い、フォーゲルヴァイデ財閥の力で不都合をどうにかしていく、というのもたしかにひとつの手だろう。エリック、ひいてはフォーゲルヴァイデ氏はそういう交渉を仕掛けてきている。本気で僕を囲いに来ている、という意思表示だろう。ただ、これがあちらからのある種の厚意であることは間違いない。フォーゲルヴァイデ財閥には実質的に何の益もないのだから。さすがに娘可愛さ、妹可愛さだけでこんな提案をしてくるはずもないし。……ないよな?エリックのことだから本当にただただ妹のためにそういう提案をしている可能性がある、というのが恐ろしい。
まあ、いずれにせよこの話は断るしかない。
「そんな不誠実な真似はできないよ。この関係がどんな形になるにせよ、それは僕らの選択であり、僕が負うべき責務だ。フォーゲルヴァイデに丸投げしないし、エリナを利用する気もない」
だから、この話はここで終わりだ。
「そうかい、残念だなぁ。まあ、気が変わったらいつでも教えてくれたまえ」
「……エリック。お前、急に御曹司出してくるなよ」
ソーマも若干引いた顔をしている。
そうだな、エリックが御曹司っぽいことをするのは違和感があるが、もともとはフェンリル傘下のフォーゲルヴァイデ財閥の跡取りとしてあちこち連れまわされて英才教育を施されてきた身だ。むしろ、そちらのほうがエリックにとって普通だったりするのかもしれない。
ただ、それを言い出したらソーマなんかフェンリル支部の支部長の息子だし、本人自身ゴッドイーターの祖という立場。リッカだっていずれリンクサポートデバイスを始めとした革新的な機器を生み出すことになる、榊博士と同類の天才と呼ぶべき人種だし。そのうえ僕は自称現役最強ゴッドイーター()だったりするわけで……あれ、このメンツの水準高くない?だけど僕だけ引退したらすごく悲しいことにならない?
「話が終わったなら、今日はお開きにしようよ。そろそろいい時間だしさ。あ、ホム、明日仕事が早いからシャワー借りるね」
話を締めたのは、いつのまにか僕のベッドで寝転がってポップコーンを貪っていたリッカだった。エリックも明日だって訓練だし、いい時間か。
ということでお開きにしてもいいが……なんで僕の部屋で平然とシャワーを浴びだすんだ。自分が年頃の女の子で、僕が男だという認識がないのだろうか。
「ボクも帰るとするよ。また明日、ホムラ。……できれば訓練の方も手心を加えてくれるとありがたいな」
エリックにとっては残念なことだけど、手は抜けない。
背後の殺気に即座に反応できるようになるまで”鬼ごっこ”を続ける予定だ。
「……上だ、エリック……上なんだよエリック……鉄の雨、鉄の雨が空から……」
死んだ魚のような目になったエリックは、とぼとぼと部屋を出て行った。
「おい」
ソーマに肩を叩かれる。
「わかっているとは思うが……リッカのこと、もう少し気にかけてやれ」
……?
男として見られていないらしいのはわかっているつもりだし、友達に手を出すつもりはないけど。それともなにか見落としていただろうか?
「……お前もか」
呆れたように天を仰ぐソーマ。そして苦々しい顔で言う。
「いくら幼馴染でも、男のベッドでくつろいだり、部屋でシャワーなんか浴びると思うか?」
そりゃ、異性扱いではなく昔からの友達扱いならそういうこともあるんでは?
「……それでもたぶん、俺の部屋やエリックの部屋では同じことをしないだろうな。そういうことだ」
それってつまり……そういうこと?
だとしても、リッカからそういう感情を向けられたことはない。なぜだろうか。
「その理由は、俺じゃなくリッカに聞け」
はぁ、とため息交じりに、ソーマは帰っていった。
プチパーティーが終わると、賑やかさの薄れた部屋にはシャワーの水音がやけに大きく響いた。
これまでもリッカが部屋でシャワーを浴びていったことはある。だが、それを意識したのは初めてだった。
あえて聞かないようにとベランダに出る。
夜風が涼しく吹いていて、火照った頭に冷静さを取り戻させてくれる気がした。
しばらく夜の街を眺めて、それから部屋に戻るとリッカがベッドですやすやと寝ていた。
……その日は、仕方なくソファで寝た。
エリックの訓練はかなり厳しめに行った。
内容は訓練用のダミーを狩りながら、僕の装飾弾による狙撃から逃げ回る鬼ごっこ。
新人最高の適合率を誇ったエリックは神機の取り扱い、OPの許容上限といった点でたしかに才能豊富だった。特にオラクルリザーブといった技術を応用しての瞬間火力は確かなもので、一線級と言える。しかしOPの充填中、ダミーへの攻撃中、目標の達成直後……エリックはともかく油断しがちだった。GE2のエミールのように何度アラガミに吹っ飛ばされても問題なく戦闘が行えるほど身体が頑丈であればまた違ったのだろうけど、エリックはわりと貧弱で、なおかつ盾をあまり使わないスタイルで火力を重視していた。そのせいで致命的な一撃に弱く、その点を補うための訓練が必要だった。
積極的に盾を使うか、もしくは常に危険察知して回避に特化するか……エリックは後者を望み、実戦の指導教官となった僕は回避を重点的に訓練した。特に、脳天を直撃する軌道の狙撃にかなりリソースを割いた。むろん、回避に失敗したりダミーの撃破に失敗すれば、即座に軍隊式の罰ゲーム+訓練をやり直しである。徐々に難易度を上げていくスタイルの訓練にエリックは涙目ではあったが、エリナを引き合いに出せばへこたれることもなく、その甲斐あってめきめきと実力を向上させていった。
やがてエリックが使い物になり、新人として破格の才覚を示すようになったころ。
2069年。
楠リッカは黒松高等学校に入学した。
リッカの高校入学はリンクサポートデバイスの開発への行き詰まりを感じてのことだった。
やはり開発は難航を続けており、オラクル関連技術の専門知識だけではダメだと思ったのか、幅広い知識の獲得とフェンリルへの正式な配属のために学歴を得よう、ということで高校に通うことにしたそうだ。学費はフェンリル側から奨学支援を受けることになっている。
リッカは技術部でバイトとして中学生の年ごろから働いていたことで、その技能と才能を見出された形でもある。高校入学に合わせ、正式にフェンリル職員として採用されることになった。なので生活費はそこから捻出するつもりのようだ
……学費や生活費くらい出すよ、と僕も打診してみたのだけど断られてしまった。ホムに頼り切りなのはよくないから、と自立を目指すことにしたのだとか。大変な道ではあるけど、本人は慣れっこだから、とむしろ楽しみを見出しているようだ。立派だなぁ、と思う。奨学金でダラダラ生活していたダメ人間だった者として、なんというか、清浄な輝きを感じてしまう。だからこそ、純粋な気持ちで応援してあげたかったのだけど……でも足長おじさんもちょっとやってみたかったんだよなぁ。
リッカがフェンリル極東支部の神機整備士として技術班に正式採用されたのは、どうも他に引き抜かれないよう、青田買いで囲ってしまうことにしたらしい。異例の対応ではあったが、既に技術班の一員として主力になっていたため、その対応に不満を示す者は1人もいなかった。
リッカが栄進とも呼べる正式配属を果たしたそんなころ、ある人は引退の時期を迎えていた。
「お前と任務に出るのも、今日で最後だな……」
我らが第一部隊隊長、雨宮ツバキさんである。
2059年に極東支部に入隊、以後十年間戦い続けてきた彼女にもついに限界が訪れていた。ただ、それは決して悪いことではない。限界まで生き残る人は、ゴッドイーターの中では稀だ。彼女は生きて神機使いの役目を終え、その後は教官および現場指揮としてのキャリアが約束されている。ツバキさんのこれまでの努力が報われた形と言ってもいい。
これからは命を危険に晒すことなく、高給をとり、安全な場所で働くことができる。それは余儀なくゴッドイーターとなった全ての人にとって、引退後のモデルケースとなるような生き方を示すことでもある。素直に喜んでいいはずなのに、しかしツバキさんはどこか寂し気で、憂いを帯びていた。
「……そうですね。それにしても、2人でよかったんですか?」
最後の任務としてツバキさんが望んだのは、大型アラガミ:ヴァジュラ1体の討伐だった。
オトモとして指名されたのは、リンドウでもサクヤさんでもなく僕だった。
「ああ。そして、今日はホムラには手を出さないでいて欲しい。私が戦闘継続が不可能になるまでは、な。……頼めるか?」
「構いませんが」
つまり、ヴァジュラを1人で狩りたい、というオーダーに僕の付き添い……見届けを所望だった。
「今日だけは、後顧の憂いなく思うがままに挑戦できるからな。すでにヴァジュラは世界でも普遍的なアラガミとなり、討伐報告も数多く上がっている。しかし、単独で討ち取った者は未だに少ない。百田ゲン、お前、そして愚弟にも先を越されたが……雨宮ツバキ、現役最後の花道だ」
そう言って煙草の吸殻を投げ捨てると、贖罪の街へ降りていく。
──もちろん、ツバキさんは完勝した。
ツバキさんの引退には多くの人が集まり、お別れ会というか祝賀会が開かれた。
リンドウとサクヤさんから花束が、そしてフェンリル側からも花束が贈られ、満面の笑みで受け取っていた。
その後は宴会となり、ツバキさんも珍しく酔っぱらっていたように思う。
飲み比べなんかもしていて、ジョッキを一気飲みして勝ちまくっていた。僕も酒を勧められたが、さすがに遠慮しておいた。まだ16歳だからね、今世は酒カスにはならないようにがんばりたい所存。酒を断られたツバキさんがなぜか、すん、となっていたのは印象的だった。そんなに一緒に飲みたかったんだろうか?
フェンリルでの宴会名物である大乱交も起きず、賑やかな雰囲気で宴は何事もなく進んでいたと思う。満腹になって和やかになり、少人数のグループに分かれて会話をして、ひとりまたひとりと帰っていって。
……ツバキさんの門出だから、最後まで付き合おうと眠気をこらえていたあたりまでは、どうにか覚えている。
気が付いたら、うす暗い部屋に拘束されていた。
手を動かそうとしたら動かず、鎖でベッドに括り付けられていた。……暴れるゴッドイーターを拘束するためのガチ仕様じゃん。衣服は脱ぎ捨てられて裸で、しかし体を痛めつけられた様子はない。いったい誰がこんなことを……と考えてみたけど、支部長の政敵とか榊博士をライバル視する研究者とか、フェンリル傘下の利害関係者とか絡んできたDQN連中とか、いろいろありすぎた。前々から機会を伺っていて、宴の席で一服盛られたのかもしれない。
さてどうしたものかなと打開策を練っていると、扉を開けて女がひとり入ってきた。
手には何も持っていない。なんなら裸だった。
鴉の濡羽のような色合いの長く美しい黒髪。
規律のように伸びた背筋。上気した白い肌。色気の強い唇に印象的なほくろ。ダウナー気味の嫣然とした流し目。
「……………………」
そこにいたのはツバキさんだった。
……これは、あれかな。プレイの一環としてツバキさんの部屋に連れられて縛られた的な?
僕が拘束されているベッドに上がり、ツバキさんはゆっくりと下半身にしな垂れかかってきた。
まず足の甲にキスをされ、親指を口に含み、丁寧にしゃぶられる。次は人差し指、それから小指までじっくりと。それが終わると滑らかな舌が足先から脛を通って膝、太ももの内側を伝い、鼠径部へと到達する。チン先に恭しくキスされ、肉棒がゆっくりと脈動して怒張していく。睾丸を口に含まれ、舌先で丁寧に揉み解される。丹念な性感マッサージに精巣は精子の増産を開始して、これから始まるだろう子作りに備え始めた。ドクン、ドクンと陰嚢が欲求するかのように強く拍動する。
「──今日、私はヴァジュラを狩った」
今まで無言だったツバキさんが唐突に口を開いた。
そして、僕が揉みしだいた結果原作よりも一回り、二回りほど大きくなったデカ乳で熱々に強直した陰茎を包んだ。
──つまり、パイズリだった。
「お前には三秒で終わるような児戯だっただろう。お前は私よりも遥かに強く、それゆえに私を女にしてくれる。”神機使い”雨宮ツバキでなくいられるのは、肉親である愚弟と、ホムラの前だけだ」
マシュマロよりも柔らかく、ともすればこの世のなによりも柔らかいんじゃないかと思えるおっぱいに包まれ、至上の満足感を得る。水まんじゅうのように蕩ける柔乳が肉棒を包み、覆い隠し、そして上下に揺れ動いて快感を与えられていく。フェラや性交のような直接的な快楽がない分、刺激は弱く、だからこそゆっくりと極楽へと昇りつめていく感覚がある。それは性感マッサージのように、ゆるく鈍い快楽の連続が蓄積して頭を満たしていく。
ズリズリ♡ズリズリ♡
にじみ出たカウパーが乳に染み、ツバキさん自身の汗と混ざってトロトロの天然ローションとなってパイズリを潤滑にしていく。たぷたぷ♡たぱたぱ♡と見飽きない動きでチンポを翻弄するツバキさんの雌乳は熟練の娼婦の技のように悦楽へと導いていく。ズリキチになっちゃいそうだ。
ぷっくりとした乳輪が自己主張して触られたがっているものの、今の僕には弄ることさえ許されない。勝手に手は動いてしまうが、鎖に阻まれて手は届かなかった。もどかしさに気が狂いそうになる。快感を与えられるだけ、それを感じ続けるだけとは、どんな拷問だろうか。
「──しかし、ホムラにとって私は特別だろうか」
その一言で、一瞬我に返った。
違う、そう反論したかったけど、状況からして何も説得力がなかった。ツバキさんとは長い関係だ。しかし、恋人ではない。恋人だとしても、たった一人ではない。ツバキさんにとって僕はたった一人の男なのに。その非対称性は、あまりに理不尽だった。
「私もそろそろいい年だ、結婚してもおかしくはない。実のところ、引退を機にと、方々から縁談が舞い込んできている。どれも益荒男ぶりのないどうしようもない男ばかりだが、たしかに求められている」
僕の独占欲を煽るような言葉を投げかけながらも、淫技は止まらなかった。デカ乳が躍るように、あるいは火おこしのすりこぎ棒を擦るように行ったり来たり肉棒を刺激し、上下左右に揺れ動く。たまらず腰を動かそうにも足首も拘束されていて快感の逃げ場がなく、法悦の快楽を強制的に味わう。デカ乳がたっぱたっぱと丹念に叩きつけられていく。スイカ並みの重量は、鼠径部全体に重い快楽を蓄積させていく。
陰嚢から迸る衝動に腰を浮かしそうになったその瞬間、パイズリが止まる。
絶頂寸前だった陰茎の先端からぷっくりと透明なカウパーだけが迸り、雄汁の匂いを漂わせた。
……まさかの射精禁止だった。
「ホムラは、私が他の男に娶られたら嫌か?」
……嫌だ。射精を抑制させられた茹だった本能が即答する。自分勝手で申し訳ないが、ツバキさんを他の男に奪われるなんて嫌だ。でも、ジーナやヨシノさんと別れたくない。呆れたくなるほど自分勝手な欲望だった。
「つまり私に3人目の恋人になれ、と?」
……YES。ツバキさんが欲しい。
きゅーっと陰茎が締め付けられていく。圧迫感に射精しそうな、でも精液がせき止められているような感覚があった。射精と射精直前をループしているような甘い快楽と緊張感が焦りのような切迫感を生み出した。頭が茹で上がっていく。射精することだけしか考えられなくなる。激しく腰を振りたいのに手も足も押さえつけられびくともしない。
今や状況はツバキさんの手のひらの上で転がされ、ご飯を目の前に待てを食らった犬のように、わんわんとしか言えなくなる。そういう自分を自覚できていたけど、それはどこか遠い感覚であり我慢なんてできようもなかった。
「……結婚するつもりがないのに、か?」
結婚したい気持ちがないとは言わない。
状況的に結婚はできないかもしれない。でも、それでも、ツバキさんを離したくはない。というか、できるなら結婚して自分だけのものにしたい。
「──では、もしも。もしも可能だったら私も妻にしたいと、そう思っているか?」
「──もちろん。それができるなら」
「それが聞きたかった」
たぱん!と、ツバキさんは渾身の力で乳を叩きつけた。
瞬間、圧迫感から解放された陰茎から精液が迸り、ビュルビュルビュルビュル!!♡とツバキさんの白い肌を、黄ばんだ精液が汚していく。
かつて感じたこともない解放感に精液はとどまることなく溢れ続け、ツバキさんを白濁に染め上げていった。やがて射精が収まると、ツバキさんは放出された精液を愛おしそうな顔でちゅるちゅると啜っていく。
そして、抱きしめられる。素肌にツバキさんの柔肌が触れて、心地よい感覚に満たされていく。いつのまにか彼女よりも大きくなった図体は、ツバキさんが抱きしめても余るほどの体格になっていた。その成長を少し愛しく思う。
子どものころのように優しく頭を撫でられ、それから錠を外される。
拘束から解放された腕をさすり、異常がないことを確かめる。……うん、問題なし。射精したことで頭の中もクリアだ。
「……んっ♡」
いつの間にか精液のあとを完全に掃除していたツバキさんを改めて抱きしめる。
僕がツバキさんを好きなのは今更だけど、それを確かな言葉で形にしたのは初めてだった。ツバキさんのほうも、そうだ。
「ツバキさん。僕の恋人になって欲しい」
「……ああ。今日から私はお前の恋人だ。……すっかり堕とされてしまったな」
まるで初めての告白が成功した男女のように強く互いを抱きしめて。
それから、彼女を抱きかかえて横抱きにする。そのままベッドに運び、まるでお姫様にそうするように恭しく丁寧にツバキさんを横たえさせると、彼女はとろんとしたうるんだ瞳で僕を見上げた。
「目を閉じて」
ツバキさんは従順に瞼を閉ざした。
上に覆いかぶさり、その唇にキスを落とす………………フリをして、彼女の手首をそれまで自分が繋がれていた神機使い用の拘束具に、かちゃんと嵌める。
「──は?」
異音に目を開けたツバキさんが状況に気付いたのはすぐだった。目を見開いて、それからわなわなと震えた。その隙に足の方もちゃっかり拘束させてもらった。
「ツバキさんのことは好きだよ。恋人になってくれてとても嬉しい。でも──それはそれとして、やられた分はやり返そうかなって」
射精禁止パイズリ自体は非常に良かった。拘束されて逃げられない状態で快楽責めなんてなかなかない趣向で、新たな扉を開いた感はあった。
でも食事に薬を盛るのはアウトだし、誘拐・監禁はもっとアウト。
その無法に対するお仕置きはしっかりしないとね?
「あぁっ♡♡ホムラのチンポが挿入ってくるっ♡♡」
──その後、いけないツバキさんを全力で抱き潰したことは言うまでもない。
翌朝。
早朝に目が覚めた僕は二度寝する気にもなれず、ベランダにて、拝借したツバキさんの煙草を吸うことにした。リンドウが神機使いとなった16歳にもなったので、これを機に解禁することにした。
最期に吸った記憶からは……どれくらいぶりだ?『GOD EATER』関連以外の前世の記憶はもはや曖昧だった。神機使いとなってからの日々が濃密すぎたせいかな、と思う。……いや、酒カス・ヤニカス・パチンカスの三拍子揃った学生生活をしていた前世がスカスカすぎるだけだな……。『GOD EATER』関連のことしか残ってない人生ってどういうことだよ……。
細く白い包み紙の先をライターで炙って灯す。
白い肺を侵すようにしみ込んだ紫煙は女性が吸うとは思えないほど重たく、そして格別に美味かった。すぱー、と吐き出し、また吸って肺の奥底まで行き渡らせて香りを堪能する。
それはツバキさんとのキスの味を想起させた。……悪くないね。
「いつから煙草を吸いだした?」
振り返ると、シャツ一枚だけを羽織ったツバキさんがコーヒーを両手にベランダに出たところだった。
「いま、久しぶりに初めて吸ったよ」
「まるで長年吸っていたかのような自然さだった……初めてにしては随分と堂に入った所作だったから、ついな。こんな仕事だ、咎めるつもりはない」
「いや、ほんとに初めてなんだよ。夢ではよく吸っていたけど。……堂に入っているのはあれかな、空気よりもヤニばかり吸ってる人たちが身近にいたせいかな」
「……大人としては恥じ入るばかりだな、面目ない」
こんな仕事だ、咎めるつもりはない。いや、どんな仕事だろうと同じだ。煙草を吸わなければ耐えられない瞬間は、きっと誰にでもあるから。
煙草に逃げることしかできない弱さ、それでも耐えてがんばっていこうとする強さ。
青みがかった煙が昇る、五分に満たない瞬きに、生きていこうとする人の姿がある。
だからこそ僕は煙草を愛しているのだろう。
ほら、とカップを手渡され、ベランダにふたり並んでコーヒーを啜る。
「……私にも吸わせろ」
と、所望されたので素直に渡す。すぅ、と一息で残りの煙草を吸い切ったツバキさんが、ふぅ、と天に向かって吐いて。
「……いつか彼氏が出来たら、こうやって一本の煙草を共有してみたかった」
ヤニ臭い乙女だな、と思った。
「──私はもう、神機使いじゃないんだな」
まるで、今になって初めてその現実に気付いたようだった。
彼女は今後神機に触れることも、アラガミと対峙して命を削る必要もない。不純で不埒な彼氏とパコパコして、コーヒーと酒を飲んで毎日を過ごせばいい。それはきっと、外部居住区にいる人からすれば天国のような生活だ。この時代を生きる多くの人がごく普通の平穏もままならない環境にいる。けれど、彼女はそんな人々を守るために命をかけて戦い抜いてきた。その働きに相応しい報酬が返ってきた、それだけのことなのに。
「………………」
それでもツバキさんは納得していない様子だった。
極東の空を遠く眺めて、
「決めた」
はっきりとして声で、言った。
昨夜、盛大にイキ散らかしていた人と同一人物とは思えないほどツヤツヤした顔だった。
「私はこれから極東支部の支部長を目指す」
とはいえクーデターなど起こすつもりはない、と丁寧に述べたうえで、
「せっかく生き残ったのだ。これからは人々のために生きよう、そう思ってな。……ついでにフェンリルに特別法でも提起して重婚できるようにしてしまおうか」
そんな風に冗談めかして笑った。
いっさい険のない、まっすぐで柔らかな大輪の花のような美しい笑みだった。
でも……もしかすると、後者の方が本音だったのかもしれない。
それはそれでツバキさんらしい切り替え方で、前向きさだった。
雨宮ツバキはこうして神機使いを引退した。
2025/9/24:誤字修正。報告していただいた方々に感謝。
2026/9/20:リッカの高校入学時期を修正。合わせていろいろ微修正。
長らく音信不通でご迷惑をおかけしました。
彼岸ですし時期的にも頃合いかな、とぼちぼち再開していきます。
文章的にはまだ初期ほどのエロバカ成分が戻っていませんが、プロット的には問題ないので調子が戻ると信じてGE編の終了まで書き続けていこうと思います。不定期更新にはなるかもしれません。合わせて感想返しも過去の分から少しずつやっていこうと思います。
今回のR18シーンに関しては2月時点でリクエストを頂いていた『ツバキさんのパイズリ』がメインでした。まだ本調子ではないようなので、いずれGE編の本編終了後に閑話で再度描けたらと思います。リクエストいただいたのに遅くなってしまって申し訳ないです。
今後の予定はGE編本編前、最後の過去編として2070年を書いたら本編開始です。
ようやくアリサを書ける……。
最後に、更新停止中にも関わらず評価・ブクマをして頂いた方々、なにより活動報告や感想で温かい言葉を頂いた皆様に深くお礼を申し上げます。大変な時期もありましたが、待っていてくれている方がいるという事実にとても励まされ、途中で諦めずに続けていこう、と乗り切ることが出来ました。この感謝の気持ちは作品を通して返していこうと思っています。
どうぞ、今後とも『ちょっと風紀のゆるいアナグラ』をよろしくお願い申し上げます。