※この作品はR-18です。

ちょっと風紀のゆるいアナグラ   作:弦弾

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今話についてですが、作業中の操作ミスで一度誤って投稿してしまいました。すぐ削除しましたが、読んでしまった方は混乱させて大変申し訳ありませんでした。内容に差異はないとは思いますが、記憶から消去していただけると助かります……。ご迷惑をおかけしました。


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「──なにはともあれ、これからよろしく。台場カノン新兵」

「ええと、ええと……よろしくお願いしますっ!」

 

 羞恥に染まった真っ赤な顔を隠しながら、彼女は頭を下げた。

 その瞬間、露出した下半身……雌穴から白濁した液体が、ぶぴっと間抜けな音を立てて零れ落ちた。

 

「ひぃっ」

 

 動揺のあまり震えあがったカノンが、おそるおそるといった様子で指の隙間からこちらをのぞき込んでいる。傍らには絞りつくされて干からびたミイラのように昇天している一般神機使い男性が転がっていた。

 

 どうしてこんなことになったんだろう。

 頭痛が痛い、そんな言葉を振り払うように天を仰いだ。極東の空は今日も青かった。

 

 ──話は、昨日に遡る。

 

 

「笹木ホムラ中尉、参りました」

「よく来てくれた、ホムラ」

 

 ツバキさんによって会議室へ呼び出されたのは、2070年のことだった。

 

 僕が前世の記憶に目覚めてからあっという間に時間は経って、原作開始まで一年を切っている。しかし、例の勝負の趨勢はもうほとんど定まっていた。……もちろんシックザール支部長の独走状態だ。

 

 今更やれることもなく、暇を持て余していた僕が呼びつけられたのは、ともかくそんな時期だった。

 

「うむ。今日呼び出したのは他でもない、例の新人の話は聞いているな?」

「台場カノン新兵のことでしょうか」

 

 今年になってついに噂の森ガールが入隊した。これで防衛班と呼ばれる『GOD EATER』古参の面子が集合したことになる。

 

 鳴り物入りで入隊した彼女は、良くも悪くも有名だった。

 

「ああ、そうだ。……カノンが入隊して一ヵ月が経過したが、あまりにも失態が続いていてな。司令部では第四部隊落ち……場合によっては配(・)置(・)換(・)え(・)も検討されている。しかし、神機使いとしての潜在能力は過去最高の数値を叩き出しているため、このまま放り出すのはあまりにも惜しい。そこでお前の出番というわけだ」

 

 台場カノンのプロフィールとこれまでの経過をまとめた資料を渡される。

 

 台場カノン、18歳。神機はブラスト。

 非常に高い偏食因子への適合率を示し、強い期待を寄せられながら極東支部へ入隊。しかし、演習・実戦いずれにおいても失態が続き期待はすぐさま失われた。実戦後についても問題が相次ぎ、異常性欲にかられて逆レイプなどが多発し、同行した神機使いからの評価は最悪。二度と組みたくないというクレームが続き、指導員が一ヵ月で5人替わるもどの人物にも匙を投げられた。

 

 ……あまりにもあんまりな評価だった。ここまで率直に悪い評価ばかりが並べられることって、そうそうない気がする。というか逆レってなんだよ。

 いちおう男性からのレイプは厳しく処罰されるけど、逆レはちんぽで負けた方が悪いから処罰までいかないっていう蛮族価値観……やっぱ風紀アナグラだわ。

 これでは神機使いの掃きだめと噂の第四部隊への配属は順当とも言えるし、この状況が続くようなら神機使いどころかプレイルーム要員に回されてもおかしくはない。

 

 神機使いの才能がある、それ以外の良点が見つからない資料にこめかみの疼痛を感じながらツバキさんに向き直る。

 

「彼女はこの一ヵ月で遠距離式神機の誤射率ワーストとなった。そのため、入隊以来誤射ゼロを誇るお前に出番が回ってきたというわけだ。それにお前はなんというか……才能はあるがアクの強い、ピーキーな人員の教育に定評があるだろう?誰とは言わんが」

 

 その辺はリンドウとは真逆だな、とこぼされる。

 ……ジーナは僕がいなくても活躍していただろうけど、エリックが期待の神機使いとして広く評価されているのは……たしかにそうかもしれない。当初は自信ばかりが空回りしていておぼっちゃんの道楽と思われていたエリックも、今ではブラストを使いこなしていて準英雄くらいの領域に足を踏み入れている。つまり、ツバキさんやリンドウ、ソーマのような単体で戦局を変える一騎当千ではないが、一般神機使いから頭一つ抜けた存在として一目置かれているくらいの実力だ。そのきっかけに僕との訓練があったのはたしかだろう。原作でエリックが活躍していた描写はなかったし。

 

 そう言われると、たしかにカノンの指導が僕に回ってくるのは適切な対応に思える。というかここで断ったら彼女は第四部隊行きは確定、プレイルーム落ちしてもおかしくはない。原作で特に活躍していた覚えはないけど、何が影響するかわからないしさすがに風俗堕ちなんて方向性の原作ブレイクは避けたい。

 

「わかりました」

「そうか、やってくれるか。……彼女の才能を野放しにしたくはない。よろしく頼んだ」 

 

 ほっと肩の荷が下りた感じのツバキさん。

 

「ああ、それからカノンの指導を受け持った場合に、と支部長から指示を受けている。『笹木ホムラ中尉は指導期間中、やむをえない状況下であるとして自衛が許可された場合を除いて、神機を用いてのいかなる戦闘行動であろうと禁止する』とのことだ。厳しい条件ではあるが、仕方のないことだと私も思う。細心の注意を払って指導に当たるようにしろ」

 

 ……そうきたか。

 当然と言えば当然の制限だ。……久しぶりに現場でやれると思ったんだけどなぁ。

 

「……不満なのはわかっている。が、今の状態ではこの指示もやむを得ん。それが耐用限界に達した者の宿命だ。それでも万が一のために現場に残ると決めたのはホムラ、お前だろう。その選択に見合った制限を受けるのは仕方ない、そうだな?」

 

 ツバキさんが優しく諭す。聞き分けのない子どもに言い聞かせるように。

 僕は頷きを返し、指令室を退出した。

 

 ──2069年末、僕は神機使いとしての耐用限界に到達した。

 

 一般的な神機使いは10年ほどが限界だとされている。

 神機を使えば使うほど、あるいはオラクル細胞に頼るほどに、人間としての身体は侵され置換されていく。それが腕輪によって制御できる閾値を超えた瞬間、神機使いはアラガミに変貌してしまう。

 

 アラガミ化した神機使いは、偏食因子のアップグレードを繰り返したことで多種多様な偏食因子を取り込むことになり、その作用によって通常の神機では傷一つ付けられないほど頑丈になってしまう。そのため、まったく同一の偏食因子を取り込んできた本人の神機以外では殺すことは非常に困難だ。ただ、適合しない神機を扱えば神機に捕食されることになるので、基本的に神機使い由来のアラガミは手が付けられない、ということになる。

 

 そして、アラガミ化した神機使いはそれまでにない新種となる場合があることも確認されている。つまり、神機使いとしての戦い方をアラガミの種として発現させてしまうということだ。よって耐用限界を迎えた神機使いはアラガミ化する前に腕輪を封印するか、……処分するかの二択になる。そしてその耐用限界という名の神機使いの寿命は、オラクル細胞を使うほどに短くなる。いわんや、ドーピングを繰り返せばリミットが早まるのは道理だった。

 

 ──さて、ここで問題。

 世界最強のスナイパーがアラガミ化したらどうなる?

 

 答えは明白、アラガミの悪夢がそっくりそのまま人類の悪夢に変わる。

 神機使いですら意識外から一撃で狙撃される、最悪のアラガミ種の誕生だ。

 

 僕がフェンリルの英雄となった頃からこの問題点は指摘されていたらしい。

 けれど、それまでアラガミにいいようにやられ続けてきた人類にとって、笹木ホムラという存在は大きかった。危険性を指摘する声が圧殺される程に、だ。

 

 ──8歳の少年が一夜で全てを失い、最強のゴッドイーターとしてアラガミに復讐を果たす。

 

 それまでの繁栄と幸福を破壊された人類の抱く復讐心の代弁者として、これほどまでに適した存在があるだろうか。笹木ホムラという神機使い、その物語は同じくアラガミによって大事な人を失った人々の胸に、強い共感と熱狂を生み出してしまったのである。

 

 それでも実在が疑われていたところに、ロシアでのフィクションのような超人技が公式映像と共に全世界にライブ映像で配信されたことで、一気に人気と知名度を獲得することになった。なにより誤射ゼロ、任務失敗ゼロ、討伐数は世界最高といった数字に裏打ちされて不敗神話の如く受け入れられてしまい、フェンリルの求心力の一翼、まさしく時代が求めた英雄像というべきポジションに収まった。

 

 僕がアラガミ化することの危険性を正しく理解して、事前の対処を訴えたものはたしかにいた。しかし、その声は英雄に対する誹謗中傷として……あるいはフェンリル側の政治的なリスクから……非難を浴びることになり、即座にかき消されてしまった。なにしろ上層部にもファンがいたほどだというのだから、笹木ホムラの政治的な安全は限りなく保障されていたと言ってもいい。僕自身フェンリル側に対して従順な姿勢を示してきたこともあり、またシックザール支部長の懐刀という一応の客観的な立場もあってその安全は保障され続け、そして現場での活躍は続いた。

 

 ──しかし、それも早すぎる耐用限界を迎えた途端、現実に直面することになった。

 

 これまで積み上げてきた活躍と実績が、そのままアラガミ化した際の被害とイコールで結びついてしまったのだ。なにより僕は死ねばそれで終わりだが、アラガミはそうもいかない。種として確立されれば実質的な不滅だ。

 

 フェンリル上層部、とくに本部は大いに割れたと聞く。

 

 笹木ホムラという英雄にはこれまでの功績があり、その求心力は衰え知らずであり、拙速に処分に踏み切るのはあまりにも非人道的だ、と。

 笹木ホムラという怪物が敵に回ったなら、地球上のどこにいても安全はない。アラガミとなれば不滅であり、終わらない悪夢の誕生となり、すなわち人類の終焉である、と。 

 

 ──つまり、僕のやらかし案件である。

 

 ホムくんが世界最強?んな馬鹿な。そんなのおへそでお茶が湧いちゃうわね~。とヨシノさんが風の噂で聞いて笑ってくれればいいと思った。なにより原作の打破のために有利になれば、と思い付きで始めたことだ。それがまさかこんな大事になるだなんて、誰が思うだろうか。

 

 ……あるいは、僕自身どこかで負ければよかったのかもしれない。笹木ホムラもあんな風にやらかすただの人だ、となれば少しはもう少し事態は軽かっただろう。

 

 でもそうはならなかった。

 ならなかったから、僕は負(・)け(・)る(・)こ(・)と(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)のである。

 

 フェンリル上層部が笹木ホムラ生存派と終了派であやうく深刻な対立が発生しそうになった頃、満を持して現れたのが、フェンリル極東支部支部長ヨハネス・フォン・シックザールだった。

 

 思えば彼は最初からこうなることを予測していたのだろう。それほどまでに適切なタイミングで現れ、最小限の手数で事態を治めて上層部に大きな影響力を発揮し、そして僕に恩を売りつけながら首輪を嵌めることに成功した。

 

 シックザール支部長の提案は、すなわちこういうことだった。

 

「笹木ホムラの腕輪に計測機を取り付けて常に数値を監視し、少しでもアラガミ化の兆候が見られたならアラガミにも有効な毒で即座に終了させる。アラガミ化するまでは非戦闘を条件として現場活動に留め、エイジス計画の完遂を以って彼を神機使いとして封印する」

 

 どの派閥にも配慮した的確な対処だと、誰もが納得した。

 僕としても原作の終わりまで現場にいることができなければ、これまでの苦労が全て水の泡である。拒否すれば強制的に封印ともなれば、従うしかなかった。むしろ、現場に残るという異例の選択肢を与えられただけで凄まじい温情であり、それはすなわち僕とシックザール支部長との取引でもあった。

 

 耐用限界を迎えた僕を現場に残し、僕が引き起こした政治的な紛争を解決する。その代わりに僕はシックザール支部長に尻尾を振る。そういう取引だ。彼は榊博士との勝負の盤面をひっくり返す可能性のある僕というジョーカーを、たった一手で自分の管理できる手駒にまで落とし込んだ、ということになる。

 

 かつて提案した榊博士とシックザール支部長との勝負は、実際のところ、盤面を理解しているという点で僕も含めた2対1の構図だった。いくら口先で公平に裁定を、と言ったところで秘密裏に協力したとなればその口約束は意味をなさない。だから彼は潜在的な榊博士側であった僕を封殺し、自分の管理下に置いたというわけで。結果、僕はこれまでのように自由に任務に出ることも秘密裏に準備することもできなくなった。いついかなるときも腕輪を通して監視されている。今となっては、あおーんと負け犬の遠吠えを発しながら鬱勃起に腰をへこへこさせることしかできないのだ。

 

 こうして僕は支部長の飼い犬となり、エリックの指導を始めとする後進の育成を中心にした半引退状態での活動を余儀なくされていた。

 

 今回の台場カノンに対する指導、並びに課せられた制限もその一環、というわけだ。

 

 

 ひとまず彼女の現状を確認したい、とアポイントを取ろうとしたところ、すでにアナグラを出立したあとだった。

 

 神機使いとしてそれなりの場数を踏んでいる先輩神機使い3人とチームを組んで、贖罪の街でのオウガテイル狩り。このメンツなら失敗することもないだろうゆるい任務だ。ただ、その先輩というのが典型的なゴッドイーター脳の男たちだった。おそらく指導員のいない状況のカノンをチャンスと捉え、新兵に手取り足取り腰取り、神機使いとしてのイロハを教えてやろうという心算なのだろう。どちらにとっても益のある、新人と先輩のよくある心温まる交流ではある。

 

 しかし……これまでのカノンの経過を見る限り、これまでの新兵と同様にはいかなさそうだ。

 少なくとも、これまでの新兵と同じようなつもりでカノンに手をつけようと近づいてきた先輩ゴッドイーターたちを、五回も逆レイプで撃退しトラウマを刻み付けているはずなのだから。

 

 どうなっていることやら、と『唯我』を担いでカノンたちの任務予定地を見渡せる位置に陣取る。動きのある方にスコープを向けると程なく彼らは見つかった。

 

 オウガテイルに囲まれたカノンたち。

 だが、熟練のゴッドイーターたちであればこの程度に負けることもないだろう。順当にオウガテイルに対処して数を減らしていく。

 

 これなら任務は順調だ……そう思った次の瞬間、異変は起こった。

 

 ………………………………。

 

 あ……ありのまま、今、起こったことを話すぜ!

 

 僕は、カノンがなにもしなくても勝てるとすら思っていた……。なのに奴は突然、放射バレットを撃ち放ち、オウガテイルを味方もろとも吹き飛ばした……!

 硬直した残り二人!あのオウガテイルすらきょとん顔で固まるッ!その隙を逃さず、奴はまとめて全方位を砲撃したッ!!

 当然残りの味方にも的中し、彼らは一撃でノックアウトされてしまった……。いちおうオウガテイルはすべて排除できたみてーだが……。

 

 な……何を言ってるのかわからねーと思うが、僕も何を見ていたのかわからなかった…………。頭がどうにかなりそうだった……。

 誤射だとか裏切りだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ……。

 もっとやべーもんの片鱗を味わったぜ……。 

 

 ………………………………あまりの惨劇に、つい、トイレの人を脳内に召喚してしまった。

 

 吹き飛ばされた神機使いたちが死屍累々の様相でピクピクとうごめいている。

 一人残ったカノンは、追い打ちするように倒れたアラガミに追撃を与え、死体蹴りをして口角を歪めていた。それによってコアが砕けたのか、オウガテイルたちが霧散していく。

 

 ……いちおう、これで任務は完了ということにはなりそうである。

 が、肝心のカノンはうっとりとした様子で頬を上気させていて……おもむろに神機を放り捨てた。

 そして倒れ伏した男の一人に近づくと、回復するでもなく、なんと服を脱がせ始めた。神機を使っていたからか、あるいは生存本能からか……盛大に勃起させた陰茎を露出させられたところで、カノンも服を脱いで跨り、そのまま挿入してしまった。

 

 ……頭が痛い。

 あまりにもあまりの事態で言葉を失う。……なるほど、これが逆レイプ……たしかに無理やり押し倒して『暴れんなよ……暴れんなよ……』をするよりもはるかに効率的だ。

 

 だが、思いついても普通やるか?

 頭ゴッドイーターでもこんな鬼畜の所業には手を出さないぞ?

 

 しかも、現在はいちおうまだ任務中であり、周辺の安全も確保されていない。 

 カノンがすべきことはまず同行者を回復させて復帰をはかり、その後周囲の安全を確保してから帰投準備、という流れのはずだ。しかし、性欲に支配された今の彼女はそのような基本も忘れ、ほとばしる欲望のままに腰を振り続けている。

 

 やがて男の射精と同時に絶頂し、背をのけ反らせた。

 

 そこでレイプが終わるかと思えば、彼女は腰を振るのを止めない。

 まるで僕がのぞき見をしているかのようだが、わりと異常事態のはずである。ただ、カノンがどこまでやるのかは気になる。彼女はいったいどの段階で我に返るのだろう。

 

 なにかあったら僕が対処すればいいや、と考え、彼女の観察を続行。

 ……そのままカノンは男たちから三発ずつ搾り取っていった。

 

 そして都合九発目を終えてそのまま男の体にもたれかかると、満足したようにうっとりした顔で表情をふにゃりとさせた。戦闘よりもセックスで大汗をかき、髪や衣服を汗で貼り付け、息を整えている。これで終わりか、と呆れながらも迎えに行く準備を始めると、彼女はふと体を起こした。嫌な予感がしてスコープの倍率を上げると、カノンは真剣な顔で悩んでいるようだった。その目線は男の鼠径部に向かっている。……まさかぁ。

 

 慌てて狙撃地点を出発し、そして惨事の現場に到着したのは、カノンが〆の一発を堪能している瞬間のことだった。ええ……(どん引き)。

 

 オルガズムに身を震わせ、目の前までやってきた僕に気付かない様子のカノンに声を掛けてみる。

 

「そろそろ終わりにしといたら?」

「──へ?」

 

 突然の闖入者に、カノンはようやく我に返った様子だった。

 

「満足した?」

「え!?ええと、はい……」

 

 よかった。ようやく話が通じそうな状態に戻っている。……ほんとうに話は通じているのか?僕も背中から撃たれて昏倒逆レされそうで怖いんだが……。どんな性欲バーサーカーだよ。

 

「このままだと危なくなりそうだから、ひとまず彼らを回復させよう。帰投申請はこっちでしておくから、後始末くらいはしておきなー」

「よ、よろしくお願いします……?」

 

 カノンは首を傾げながらも陰茎を放して立ち上がる。

 

「ああ、それから僕は笹木ホムラ。このたび、君の指導教官として着任した」

「え、ええええええ!?あの!?あの笹木ホムラ中尉ですか!?『極東の魔弾』!?え、本物ですか??……って、あ……」

 

 そこで初めて彼女は、自分が醜態を晒している状況に気付いたのか、

 

「み、見ないでください……!」

 

 と、なぜか股間ではなく顔を手で覆い隠した。

 ……なんの羞恥心だよ。こちとら、君の人生で一番恥ずかしいだろう場面を目撃してめちゃくちゃ気まずいんだぞ……。

 

 正直、頭ゴッドイーターでもなかなかないレベルの惨状だったと思う。まあ、指導教官としては、知るべき現状を明確に理解出来て何よりと言えるのかもしれない。

 

「──なにはともあれ、これからよろしく。台場カノン新兵」

「ええと、ええと……よろしくお願いしますっ!」

 

 羞恥に染まった真っ赤な顔を隠しながら、彼女は頭を下げた。

 その瞬間、露出した下半身……雌穴から白濁した液体が、ぶぴっと間抜けな音を立てて零れ落ちた。

 

「ひぃっ」

 

 動揺のあまり震えあがったカノンが、おそるおそるといった様子で指の隙間からこちらをのぞき込んでいる。傍らには絞りつくされて干からびたミイラのように昇天している一般神機使い男性が転がっていた。

 

 どうしてこんなことになったんだろう。

 頭痛が痛い、そんな言葉を振り払うように天を仰いだ。

 

 ──極東の空は今日も青かった。

 

 

 帰投中の車内は、それはそれは気まずい空気だった。

 

 誤射()でノックダウンされ逆レまでされてしまったカノンの同行者たちは、憤懣やるかたない様子だった。ギスギス、という音が耳に聞こえてきそうなほどだったけど、僕の存在が抑止になって怒るに怒れずなんとか踏みとどまっている。あとでカノンにクレームが入ること自体は確定しているだろうけど、流石にこの状態を放置しておくのは彼女の今後にも、そして同行者の彼らにもよくはなさそうだ。

 

 お詫びに一回分のプレイルームでの代金は僕の方で持つよ、とアナグラで解散する直前に言ってみると、一瞬で機嫌が回復したのはなかなかに彼らも頭ゴッドイーターらしかった。これで遺恨を残さないでいられるなら神機使いとして向いている方かもしれない。……恨みは残してもろくなことにはならない、こんな仕事ならなおさらに。

 

 さて、問題はカノンの方だ。

 

 なるべく早く面談に移り、実情を知って改善に動きたい。正直、草も生えないくらいだし。もしやすると、彼女はプレイルームのドS嬢になった方が良いまであると思っている。

 

 カノンに食後は空けておくようにと伝えると、なぜか興奮した様子だった。

 

 頭に疑問符を浮かべながら解散したあと、ゲートの受付で仕事中だったヒバリに会議室を予約してもらう。個人的な内容も含んだ会話になるのであれば、余人のない場所のほうがよいだろう、という配慮だった。

 

 予定の時間に現れたカノンは、予想外なことに男を誘うような露出の多いナイトドレスっぽい服でお洒落をしていて、甘い香水の匂いまで漂わせていた。

 

 ……いや、たしかに『身綺麗にして夜に二人きり。会議室で待ち合わせ』なんて言われたらお誘いっぽく感じるかもしれないけど、これ仕事だからね?

 

 まあ、僕の伝え方が悪かったんだろうな。

 カノンの勘違いを正して、それからようやく面談を始めることにした。

 

「さて、それじゃあ面談を始めようか。改めて、君の指導教官になる笹木ホムラだ、よろしく」

「よ、よろしくお願いしますっ……!憧れの笹木さんが教官になってもらえるなんて、私、感激です!」

 

 頭を下げた彼女は、日中に狂奔していたゴッドイーターと同一人物とはとても思えないような、普通の女性だった。

 

「まず聞いておきたいんだけど、君はどこまで自分の状況を把握している?」

「えっと……たしかに先輩方を巻き込んでしまったのは、私も悪かったのかなとは思うんですけど……でも、アラガミはちゃんと倒せたからオッケー!です、よね?」

 

 ……なるほど、彼女の中ではそういう認識なのか。

 誤射はしているがアラガミを倒して任務は完了しているから問題はない、そんな思考なんだろう。

 

「では、そのあとについては?倒れたアラガミのコアの摘出を行うことなく、必要のない追撃によってコアを損傷させ、あまつさえ救助すべき同行者を回復させずに同意なく性交……これもオッケー、ということなのかな」

「あ、あのときは戦闘直後で興奮してしまっていて……アラガミも倒れたくらいじゃまた起き上がるから、きちんと死んだか確認したくて……えっちも、戦場ならあれくらい普通だって聞いたので……」

 

 もちろん、レイプが起こりがちなのは事実だが、通信やビーコン反応によって状況をモニタリングしている以上、本当に悪質なものはフェンリルの軍法によってきちんと裁かれる。要救助者に対する回復も行わずに、体力を消耗させる性交を強いれば、場合によっては死んでもおかしくはないんだけどなぁ。

 

「つまり、君は悪くない、と?」

「だから、悪いところもたしかにちょっとあった、って言ってるじゃないですか。でも、こんな風に責められるようなほどのことはしてないと思います……みんなやってることじゃないですか?」

 

 ……なるほど。

 

「……そうだね、たしかにそれらは戦場で起こりがちな事態で、言うならば”普通”のことだ」

「そうですよね!」

 

 ただ、

 

「しかし、それが戦場に出たばかりの新人が毎度のごとく行っているとなれば話は違う。君は状況を正しく認識していないね。僕が君の教官になったというのは、フェンリル側からの最後通牒だよ。『笹木ホムラで駄目なら、厳正な処分を下して第四部隊に放逐するか、神機使いを引退させてプレイルームで働いてもらうか』……いずれにせよ、あまりまともな未来は待っていない。……そして僕も、君はプレイルームの嬢になった方がマシなんじゃないか、と考えている」

「──え……?」

「一言でいえば、君は『兵士』に向いていない。だから、戦闘と関わりのない平和な場所で生活する方がよほど向いている。君の責めをプレイの一環と捉えるなら、好む人も多いだろうからね」

「……そ、そんな……」

 

 憧れと呼ぶ僕の口からそんなことを言われて、カノンは手酷く裏切られたように顔を歪めた。そして落ち込んだように視線を落としてしまった。

 

 台場カノンの存在はどちらかと言えば悲劇である、と思う。

 

 確かに彼女には才能がある。神機使いとしての才能が。

 しかしそれは軍人としての才能ではなかった。

 

 神機への適合率が高ければ高いほど神機の力を引き出すことが出来る。理論上は適合率が高ければ、幼い少年少女にだって神機は扱える。……だがそんな子どもに、自らを殺し喰らいに来る怪物と戦えと言われて、「はい」と戦うことが出来るだろうか。

 

 それは荒事とは程遠い平和の中で生きていた人ほど難しいことだろう。殺し殺されの恐怖に立ち向かい、仲間と連携して、冷徹に任務を遂行する。通常の軍隊でさえ心を殺すような罵倒を訓練の最初に行う洗礼がある。それによって人ではなく軍人としての精神を再構成するというプロセスがあって、初めて軍人としてやっていけるのだから。

 

 カノンの肉体は戦闘に向いていた。しかしその心は違った。

 ごく普通の女の子である彼女には、戦場はあまりにも過酷だった。

 

 だから彼女は豹変する。

 

 戦場でアラガミという名の極度の恐怖に遭遇した時、まるで性格そのものが別人になったかのように加虐的になる。

 そして、目に映るすべてが敵だというように、味方だろうと構わず撃ち抜く過剰な攻撃性で、身の回りのものすべてを制圧する。加えて戦闘終了では収まらずにレイプのようなさらなる加虐行為に向かわせる。

 

 しかし、これは台場カノンの本性が攻撃的で淫奔な人物だという話ではない。むしろ、彼女は殺し殺されの日常にあまりにも向いていないからこそ、戦場で生き残るために豹変しているふしがある。つまり、心の防衛機構だ。

 

 別人格に切り替わるかのような変貌によって、普段の温厚で天然な性格が保たれている。……保たれすぎている。彼女の心は戦場で無意識に生み出した戦闘に適した自分と切り替わることで、か弱い心とのバランスを取ってしまっているのだろう。

 

 当然ながら、この豹変はカノンの心身に強い負荷をかけている。自らの行いに自覚がないのがその証拠だ。彼女は自身の加虐性を戦場での興奮と捉えることで目を逸らしている。つまり、自身の所業に対して自覚的であり、そこからさらなるストレスを得ていることは容易に推察できる。このままの状態が続けば、いつか彼女は壊れることになる。強すぎる攻撃性、荒淫、周囲との軋轢……それらが折り重なり、普段の彼女の体裁が保てなくなったら心の天秤は崩れる。そうなったとき、彼女がどのような行動に出るか予測がつかない。

 

 そうした悲劇的な末路を迎えてしまう前に、第四部隊所属になって簡単な仕事だけをこなすようにするか、処分という体で戦場から離れさせるか。つまり、フェンリルはそれなりに温厚な対処を図ろうとしている、という状況になる。……もとはといえばこれは、適合率の数値だけを見て実際の人物を見ていない採用方法によって起こる、フェンリルのミスが生み出した悲劇だからだ。

 

 少しでも面接を行ったなら、台場カノンが兵士に向いていないことなんてすぐにわかる。

 この時代にお菓子作りが趣味という、今にもハイキングに行きそうな平和な森ガールを戦場にぶち込もうだなんて、よほどのサイコパスでもなければ考えないだろう。……支部長のことじゃないからね、勘違いしないでくださいね??

 

 そして、数値だけを見た彼女への期待がさらに拍車をかけ、彼女を追い詰めた。おそらくこれはエリックの存在が大きかったのだと思う。同じく過去最高の適合率、ブラスト型神機と条件は似通っていた。既に華々しい活躍を上げているエリック以上の適合率ともなれば、さらなる活躍を期待してもおかしくはない。そして実際、彼女には才能があった。オラクルリザーブからの全方位放射で制圧なんて並外れた対処ができるほどの、神機使いとしての才能が。

 

 ──だから、彼女は選ばなくてはならない。

 

「台場カノン、君には選択肢がある。誤射だらけの固定砲台、お荷物として第二部隊で生きていくか。第四部隊で捨て駒要員として雑に扱われていくか。戦場を去るか」

 

 あるいは、

 

「その心を飼いならして、最強のゴッドイーターになるか」

 

 カノンはバッと顔を上げた。

 そして信じられない、と言いたげな顔でこちらを見つめている。まあ、ここまで酷評が続いたからね、疑うのも無理はないけど。

 

 でも、そもそも3つの選択の方であれば僕が呼ばれる必要はない。

 なぜこのタイミングで彼女の指導教官になったのか、そこにフェンリルとツバキさんの思惑がある。

 

 彼女は神機使いとしては高い才能を示しているが、戦闘に適性はない。

 だが、味方でさえ敵と認識してしまうような変性を管理し、仲間を適切に指揮してOPを貯蓄し、最大火力で確実に殺しきる……そんなスタイルが確立できれば、彼女は最高の現場指揮官になれる。……たぶん、一年くらいは。

 

「君の問題は心……メンタル面だけなんだ。まるで草食の小動物のように穏やかな心が危地に晒されることで、周囲すべてを敵とみなすような激しい攻撃性を生んでいる。だけどその精神を制御しきったときこそが、冷徹に敵だけを適切な火力で殺す最強のゴッドイーターの誕生でもある。そして限定的にではあるけれど君はそれをやれている。少なくとも、敵だけを確実に最短で無力化するか殺しきること……これだけは今日の時点で達成できていた。あとは、その戦闘センスに冷静さを加えて指揮能力を添えるだけで、神機使い台場カノンは完成する」 

 

 もちろん、その過程は非常に険しいものになるだろうけど。

 

「だから、選ぶのはカノンだ。現状維持も、衰退も、引退であっても、僕は尊重してそのように上に報告しよう。決して悪いようにはしないが、君との縁はここまでとなる。ただ──」

 

「──君が『英雄になる』というのであれば、僕はその心が挫ける日が来るまで、君を支えよう」

 

 もちろん『人類最強』という旗印を、誰かに引き継いでほしいという欲目もあるけどね。

 ……GE主人公?入隊三か月で原作のインフレした極東で最強になるのは、人類通り越してもはや怪物なんだよなぁ……人類史のバグポジションやぞ……。

 

 カノンの方からはぼーっとした表情で「それなんてプロポーズ……?」と小さく呟く声が聞こえた気がした。……聞かなかったことにしよう。させてくれ。

 

「……私、笹木さんに憧れて、神機使いになることにしたんです。お母さんと公共放送で活躍を見て、こんなすごい人がいるなら、極東は安心だねって笑って……フェンリルで適性検査が受かったとき、私も少しでもそんな風になれたらなぁって」

 

 ……エリックのせいでハードルが上がったのも含め、カノンが原作よりも悪い状況に陥ったのは、やっぱ僕のせいなのでは??

 

 いかん、僕の行動すべてがガバの素に思えてきた。誰か、原作救済のチャートを下さい…………よく考えたらチンポ快楽至上主義ゴッドイーター脳ではなにも救えない気がする。……じゃあ脳みそ入れ替えるのが先じゃんね?

 

「──だから、私、やります!私ならやれるって、そう期待してもらっているからこそ笹木さんが教官になってくださったんですよね?だったらやらない理由はないです!」

 

 それにもう、これ以上自分を誤魔化したくありませんから。

 悲壮的に笑みを作ったカノンは、今にも消え入りそうなくらい儚かった。

 

「……大丈夫。神機使いは見た目以上にタフだからね、あとで酒の一杯でもおごってやれば「しょうがねぇなぁ!」って許してくれるさ。だから、彼らが許したくなるくらい痛快な活躍をしてやろう」

 

 まずはそれを目標に、いつかは憧れに手が届くように。

 台場カノンの英雄譚をここから始めよう。

 

「よろしく、カノン」

 

 手を差し出す。

 一瞬で握られた手には、迷いなく。

 

「よろしくお願いします、先生」

 

 震える声を紡ぎだしたのは、ボロボロに泣いているような、安堵に笑みを浮かべているような……そんな表情で。

 

 ただたただ、強く手を握り返した。

 

 

 

 

 台場カノンの訓練初日。

 訓練所でダミーアラガミと向き合った彼女は、案の定豹変していた。

 

「避けるなオスブタッ!大人しくレイプさせろ!ドチャクソに犯してあげるからさぁ♡♡」

 

 貧弱な僕に当たったらまじで死ぬぞー、と声を掛けてみるも、「お前がパパになるんだよ!♡」と聞く耳を持たない。マジで死ぬぞ……??ええんか、それで……(どん引き)

 

「オスガキは視界に入るなって、私言わなかったっけ……?入ったからにはパコられても文句ないよねっ!?同意イチャラブ昏睡セックス万歳♡あは、あははははははッ♡」 

 

 ずがーん、ずがーんと続く放射バレットを紙一重で躱しながら弾切れを待つ。

 あと、そんなあたおかな注意喚起はなかったぞ。貞操逆転世界かな?ひとつ年上くらいでオスガキ扱いされてもなぁ……。

 

 カチッ、とトリガーの不発が聞こえた瞬間、反転して攻勢に移り、至近距離まで踏み込む。

 

 神機を支える左手の腱を狙い、確実に痺れるように重い一撃を拳で放つ。「チッ」と舌打ちを放ったカノンが神機を取り落とし、無防備になる。しかし彼女は解放された両腕を伸ばし、カウンター代わりにホールドを仕掛けてくる。それを躱し、無防備な背面から組み伏せ、彼女を拘束した。

 

「放して!レイプさせろ!パコらせろオスガキッ!こっちは脳みそまでムラついてるんだよ!」

 

 その言葉を証明するように彼女の陰部は洪水のように愛液でびちょびちょに濡れていた。溢れ出して止まらない……これがノヴァの泉かぁ。

 

 こちとら、ゲンさんから軍隊仕込みの戦闘術を習った身である。攻撃一辺倒のイノシシを倒すくらいはなんでもない。

 しばらくジタバタ藻掻いていたカノンだったが、こちらの拘束から逃れられないと悟ると一転して媚び始めた。

 

「ねぇねぇ♡ホムくん♡そこにツユだくの穴があるでしょ?そこにアツアツでカチカチの棒を、こう、ずぽずぽっとしてみて?♡先っぽだけ、先っぽだけでいいから、ね?♡」

 

 非常に下半身にグッと来るお誘いだけど、これは訓練、と自分を抑える。

 

 ……カノンの育成方針はシンプルだ。座学や戦闘訓練ではなく、心の鍛錬。

 アラガミに対峙しても極度の恐怖に駆られることなく、むしろその変貌を乗りこなすように制御すること。

 

 彼女の神機使いとしての才能はトップクラスだ。どうやって神機とオラクル細胞を身体の延長のように自由に扱うセンスを活かし、使いこなすか。

 

 そのためにまず豹変後の攻撃性を抑えること、そこがカノンのスタートラインになる。

 

 だから新兵や訓練兵のための訓練所で、アラガミを再現した訓練用のダミーアラガミに向かってもらったのだけど……結果はこの通り。ダミーを一撃でのして、ミスを装って僕に弾丸を狙い撃ってきた。予想通りといえば予想通りの行動を回避し、対人戦闘技術で対処した、というのが現状になる。

 

 発情したカノンは僕の下で尻を振り続け、僕の股間にすりすり♡すりすり♡とぬちゃぬちゃの陰部を押し当てて媚びてきている。もしも僕が挿入したなら、射精の瞬間などの油断したタイミングを狙って反撃し、自分好みのレイプに切り替えるつもりだろう。わかりやすいと言えばわかりやすく、それ故にやっかいでもある。

 なぜなら僕には彼女を平常時に戻す方法が思いつかなかったからだ。

 

 なにせカノンがこの状態になったのはすでに三度目。

 

 一度目は拘束状態で彼女が落ち着くのを待ったが、一向に血の気は引かずにエスカレートしていき、ついには勝手に失神してしまった。目覚めた彼女は訓練があったこと自体忘れてしまっていたが、これは彼女の豹変状態……仮に戦闘モードと呼称……が心身に負担を掛けているのだろう。アドレナリンの過剰分泌あたりだろうか、神経系に強い負荷を強いているだろうことは想像に難くない。それはある種、僕の集中状態の攻撃特化版と解釈してもよさそうだ。ただし僕がドーピングの積み重ねで達成していることを、彼女は強いストレスをトリガーにすることで自力で達成している。だからこそ制御が出来ず、身の回りのものすべてを敵とみなし、神機使い特有の発情による過剰性欲を逆レイプという形で解消し、平常に戻るという仕組みがあるのだと推測している。

 

 つまり、カノンの戦闘モードの解消にはセックスが不可欠で、そうしない場合彼女の内側はボロボロになっていく。そうなる前に彼女には冷静さを取り戻してほしいし、制御できるようになって欲しいところだが……。

 

 残念なことに二度目も、三度目も同じ結果になってしまった。しかし、カノンはそのことを自覚していない。どうにもこの問題を解決する糸口を見つからない、というのが現状だった。

 

 ……いっそ、手を出してみるのもありかもしれない。

 治療行為の一環として……いい加減こちらも下半身を煽られ続けて限界だ。

 

 ──女性上位の逆レしか知らない世間知らずのメスに、オスの怖さを思い知らせてやろう。

 

「んっ♡やっとその気になったの?♡……首絞めで落とす気?」

 

 残念、それは二回目にすでに試した。単なるチョークではカノンは気絶して暴走の記憶を失うだけで、なんの成長もない。

 

「んっ♡ふっ♡……はっ♡……はっ♡」

 

 頸動脈を圧迫し、脳に供給される酸素を低減させていく。

 感覚は浅くなり、処理できる情報が単調になり、次第に脳がふわふわとした快感を覚えていく。それが首絞めックスだ。

 

 自分よりもガタイの大きい男に組み伏せられ、身動きが取れない状態で発情しながら首を絞められ弱らされていく。それはきっと、カノンにとって未知の感覚だろう。

 

「それ、ダメ……♡……はっ♡……はっ♡パ、パコるのは私……男じゃない……!」

 

 相手を屈服させるコツは、「こいつにはなにをしても敵わない」と思わせること。

 不意打ち逆レイプで調子に乗った、思い上がりにのぼせた女に『所詮はちんぽに媚びるメス』であると教え込む。

 

「──っ!げほっげほっ……」

 

 すぅっと失神まで行きかけた直前で手を放し、首絞めから解放する。

 

「もう一回ね」

「──っ!い、いや……!」

 

 抵抗する素振りを見せるカノンを抑え込む。たとえ神機使いの膂力といえど、ガタイの差はどうしようもない。身長160cm程のカノンには、いつの間にか180cmまで伸びた僕のホールドから逃れることは困難だ。とはいえ暴れられても面倒なので宣言通り首を抑えに行き再度首絞めに移った。

 

 始めは野生の獣のように暴れて抵抗していたカノンだったが、二度三度と繰り返せば弱っていき……やがて両手の指じゃ足りないくらいの回数をこなすとぐったりとしてきた。

 頑丈だなぁ、と思いながらも首絞めは継続。うつ伏せのままワンピース型の衣服のスカート部分をめくり、レギンスの奥の大洪水を起こしている陰部に触れる。

 

「あっ……♡」

 

 ビクンと体が跳ねるも、特に反撃もない。汗と愛液で肌にぬちょぬちょと張り付いたレギンスを脱がせていき、ぷりんと実った白い桃尻を掴んだ。そのまま揉みしだき、軽く叩いておく。……それでも反応がなかったのでソフトに指を肉穴の内部に侵入させ、雌液を絡ませながらほぐしていく。ぞりぞりとした快楽的な感触が指に伝ってきた。……まるで膣内にぬめぬめしたウナギを大量に飼っているかのような、滑らかで官能的な触り心地……ミミズ千匹というやつだろうか。カノンの膣は名器の予感がした。

 

 期待に膨らむ衝動のままに指を動かす。

 

 トントントントン♡

 一定の速度でお腹側の上部、ざらざらのGスポットを丁寧に刺激し、さらなる愛液の分泌を促していく。

 

「んぁっ♡おっ♡おっ♡おっ♡おっ♡」

 

 ぷしっ♡ぷしっ♡

 と潮が軽めに噴き出し、カノンは身体をびくびくと震わせていく。……イッたかな。

 

 カノンの首を軽く抑えたまま、準備の出来た雌穴に男根を添え、ぬちゃりと挿入した。

 

「んぁあああああ♡♡」

「──ッ」

 

 ずるる、と飲み込まれるようにチンポが奥へと誘われていく。しかし、その快感は桁違いのものだった。挿入しながら思わず歯を食いしばる。

 まるで、男のイチモツを悦ばせるためだけに的確に開発されたオナホールのようにうねり刺激する構造。とろみを帯びて絡みつきながらも快感だけをダイレクトに伝えてくるぬめり。どれもが味わったことのない一級品の極上名器の感触だった。だが、それはカノンも同じようだった。

 

「ホ、ホムくんのチンポよすぎぃっ♡ガチガチでずるぅって長くて……挿入しただけでイっちゃったぁ♡」

 

 ビク♡ビク♡と小刻みにのけ反りながら感想を述べるカノン。

 20cmを越えた愚息は、カノンの奥底、雌の存在理由たる子宮の入り口にコツコツ♡と挨拶をかましている。

 

 ずろろ、とチンポを引き抜いていく。吸いついたマン襞が引っ張られて外に露わになった。

 マン襞粘膜が吸いつく限界まで腰を引き、そしてどちゅん♡と尻に陰茎を叩き込んだ。長さを活かし、子宮口をぶち壊す勢いでガツガツと亀頭でノックしまくる。

 

「いぎっ♡やばっ、ホムくんの♡オスガキチンポ♡くる♡ふわふわする♡かひゅっ♡」

 

 おっと、腰振りに夢中になってつい手に力を込めてしまった。

 右手の腕輪で滑らかな肌に傷をつけないように位置を調整、あらためて寝バック状態の下半身にパン♡パン♡と抽挿を再開する。

 

 カノンはよくお菓子を食べているからだろうか、尻にむっちりと肉がついていて、腰振りの度にムチムチの肉が波打ってピストンの衝撃を吸収してくれた。見た目にも、また叩きつける側としてもぷにゅぷにゅの感触が心地よく、遠慮なく腰を叩きつけられる。とても実用的な雌の下半身だった。名器の膣はうねうねとうごめきまくり、抽挿の度に締まったりとろとろになったりして精液を搾り取ろうとチンポに媚びてきた。それは激しい快感を生み、我慢強いほうだと自負のある下半身の睾丸からこみ上がるものが抑えられなくなっていく。

 

 ……流石にこれで射精するのは、負けた気になってしまう。

 少しクールダウンをと熱くたぎる肉棒を引き抜き、抵抗する様子もないカノンを転がしてあおむけにさせる。力ない様子でだらしなく股を開いた彼女の淫穴に覆いかぶさって挿入し直した。

 

「おんっ♡あっ♡あっ♡……首絞め、しないんですか……?♡」

 

 期待の眼差しで見上げるカノンの表情は雄を煽るように挑発的で、淫猥だった。

 ……もはや拘束の必要もない。そう判断して両手で彼女の首元を覆う。ゆっくりと力を込めて、まるでカノンを締め殺すように圧迫させていく。

 

「──ごめんね、本気で締めるけど才能あるゴッドイーターなんだし多分死なないでしょ……あ、僕は回復弾使えないから死ぬ気で耐えて?」

 

 射精本能のままに、あるいは雄の本能のままに。

 雌を精液をコキ出すためのオナホール扱いする。死ぬかもしれない行為を、快楽のために行い、使い潰す。

 

 カノンは、その宣言に怯えたように顔を引きつらせながら、…………無上の恍惚に笑っていた。

 

「──ぃひっ♡」

 

 パンッ♡パンッ♡パンッ♡パンッ♡

 首を固定するように握ったまま、相手の体のことなんて考えずに、ただ快楽を追い求めて激しく腰を振る。固い子宮口を掘削するように蹂躙すれば、ぷしっ♡ぷしっ♡と潮が吹きだして陰部を生暖かく染めていく。カノンは半分白目を剥いたようにアへ顔を晒し、首絞め快楽と情交の激しさに一瞬身を固くした。

 

 そして、

 

「かひゅ♡あっ、死、イギュッ!!♡♡」

 

 かすれたような甲高い声でそう言い放ち、彼女は大きく背をのけ反らせた。

 その瞬間ぱっと手を放し、代わりに腰を掴んで全力で腰を叩きつけた。

 

 どぴゅ♡どっぴゅどぴゅどぴゅ♡ぴゅぴゅ~♡♡

 

 暴力的な凌辱の激しい快感に、いつもの倍くらいあるおびただしい量の精液がカノンの子宮に注ぎ込まれていく。そのまま女体にもたれかかると、彼女はちょろちょろちょろちょろ、と黄金の雫を垂れ流し始めた。……やっべ。

 

「あへっ……♡ひゅー……♡あひっ……♡」

 

 心音に耳を傾けると、いちおう鼓動はあり、呼吸もしている様子だった。どうやら、首絞めックスの快楽にぶっ飛んでしまっただけらしい。

 

 ……後始末、どうすっかなぁ。

 

 

 仕方がないので掃除をしていると、数分後に何事もなく起き上がったカノンは慌てて身支度を整えた。汗を拭き、乱れた衣服を直す。しかし、情事の名残は健在で、むしろ直後よりもずっと色気に溢れていた。

 

「……ほんとに死んじゃうかと思いました」

 

 うん、申し訳ないけど僕も思った。でも生きてるからセーフってことで。

 カノンは白い首すじに残る、僕の指の形のあざをさすった。

 

「男の人にされるのって、こんな感じなんですね。いつもは我を忘れていて……気持ちいいことを求めてえっちなことに夢中なので、こんな風にちゃんとセックスをしたのは初めてな感じです」

 

 はー、気持ちよかったぁ、と伸びをするカノンはまるで一仕事を終えた後のようだった。耐久力高いなぁ。

 

 ……って、あれ?今、カノンは平常の状態に戻っているよな?

 セックスのときの記憶を、通常時のカノンが普通に覚えているってことは……もしや、訓練中の記憶もある?

 

「ホ、ホムくん先生!あれは戦闘中の私が言ったことですから忘れてください!ね?……ね?」

 

 羞恥心に顔を赤くしながら口止めを迫るカノン。

 どうやらオスガキだのとさんざんレイプしたがっていた記憶は健在のようだ。

 

 ……糸口、見つけちゃった?

 

 

 それからの訓練は非常に頭の悪い内容になったので、一部は報告書には記載していない。

 いちおう内容としては、訓練からのお仕置き屈服首絞めックスの繰り返しである。……そんなこと公式の報告書に書けるか。

 

 ただ、その行為はたしかにカノンを落ち着かせる効果があった。豹変したカノンにお仕置きックスをすると緩やかに落ち着いていき、平常時の彼女に戻っていく様子が見て取れた。なので最初はダミー相手に訓練、その後即パコ反省会という流れで進み、やがて戦闘モードのカノンが自分から首を差し出してくるようになった頃、ようやく実戦に投入した。

 

 単独で簡単な任務に臨み、帰投まで性欲を我慢する。それだけのことだが、我慢できずに他部隊員に手を出したりすれば首絞めックスは当然与えられない。首絞め屈服のドM快楽に目覚めてしまったカノンには、もはや単なるドS逆レイプは物足りない児戯になり果ててしまったのである。

 

 首絞めックスという至上の快楽を求めて任務と反省会セックスを周回しまくった彼女は、頭の痛いことにメキメキと実力を向上させていった。その一因に、無意識な戦闘モードの制御が含まれていたことはなんとも言葉にしがたい。しかし実際彼女はそれでなんとかなった。なってしまったのでカノンは第四部隊行きおよびプレイルーム落ちを回避し、急速に実績を積み上げ始めたエリックの次の若手エースと目されるようになっていった。

 

「ホムくん先生♡これからも、いーっぱいパコパコしましょうね♡」 

 

 結果、カノンは首絞めックスを定期的にねだるセックスモンスターになり果ててしまったのだった。

 

 ……とりあえず、今はセフレで。たぶん首絞めックスならVIPルーム辺りでやって貰えると思う。ぜひともプレイルームで相性のいい相手を探してほしい。こちとら彼女を3人も抱えて手一杯だし。……それでもカノンは嬉しそうにしていたのが、本当に謎だった。

 

 そんな感じで原作前の最後の一年は過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まもなく舞台の幕が上がる。

 

 人類を悲観するヨハネス・フォン・シックザールと、アラガミの可能性を夢想するペイラー・榊との、星の行く末を掛けた勝負の幕が。特異点と神機使いたちを巡る、神殺しの英雄譚の幕が。

 

 ──そのすべてをぶち壊しにしてやる。

 

 目指すはみんなで笑える無欠のハッピーエンド。

 そのために僕は────『月』を目指す。

 

 

 2071年が、始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──206X年、研究室。

 

「──本当に『アレ』を作る気なんだね?それをしたら、君は死ぬことになるかもしれない。……あるいは死ぬよりも酷い末路を迎えることになるかもしれない。…………それでもやるというんだね?」

「──はい。いざというときに、その『一発』が必要になるでしょうから」

 

 

 

 ──あるいは、誰かの私室で。

 

「だから、リンドウ。

 死ぬことになるかもしれない、けど、やってくれるか?

 

 ──より善い未来のために」

 

 

 

 ──2071年が、始まる。




26/09/21 誤字修正。報告していただいた方々に感謝。

今回で原作前の時間軸のお話は終了となります。次回からはGE本編。リザレクションまで書ききってから分割して投稿、という流れにするつもりですので少々お時間を頂く予定です。
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