マ?
という心境から、続き書きたいスイッチが一瞬でONになりました。
素直に嬉しいです。ありがとうございます。
やっぱりGEは最高だぜ。
僕の初陣から、さらに一月が経った。
特殊遠距離式試作神機狙撃型、正式名称『唯我』。
専用の機体であるこの神機を担いでアナグラと外を往復する毎日だ。
とはいえ特段語ることもない。ゲームでおなじみのフィールドに繰り出してアラガミを芋るか、フェンリル極東支部の外壁の上で芋るかくらいの違いしかなかった。
狙撃手という在り方が最近は染みついてきたように思う。こちとらスナイパーなんかゲームでしかやったことのない素人だったから、好調に進む日々そのものが、自分のやり方に間違いがないことの証左なのだろう。いちおう、訓練段階でゲンさんにお墨付きを頂いていたから大丈夫だとは理解していたけれど、ここはあのゴッドイーターの世界なのだから警戒して損はない。なにしろ僕は原作に登場することのなかったモブ、つまり原作に出るまでもなく消えた背景。すなわちのこじん要員でしかないのだから。世界の強制力、などが存在しないことを祈り、フラグを叩き潰すことに余念はない。コウタがいれば間違いなくフラグを粉砕できるんだけどな……。いや、GEの登場人物はだいたいフラグクラッシャーな気もするが。
ともかく。──今日もお仕事の時間だ。
「──目標、撃破」
特に必殺にこだわりはないが、弾丸であるOPは銃弾よりも貴重で消費が重い。あと、外した時の被害が怖いから、一撃で仕留めるように心がけている。
初陣とは違ってコアを撃ち抜くこともない。あんなヘマをやらかしたのは流石にあのときだけだ。今はドーナツ状にコアの周辺をくり抜く曲芸をするか、コアを破壊しない程度の威力に留めて昏倒させる方式にしている。だから、今の僕は一人で狩りをさせられるようなこともなく、どこかの部隊とセットで扱われる。部隊はアラガミを追い立てるように襲撃し、僕の狙撃ポイントまで追い立てる。僕は引き金を引くだけ。つまり、射手と勢子の関係だ。パチの打ち子じゃんね、とかちょっと思ってる。違うか。
現状を自嘲していたそのとき、同じ部隊員から通信が入った。
『──わりぃ、ホムラ! 一匹逃がしちまったんでそっちでどうにか確認してくれ!』
言われてスコープを覗く。通信相手の第一部隊員が倒れたアラガミのコアを回収している中、遠ざかる巨体がひとつ。……コンゴウだ。すでに結合崩壊して満身創痍の状態でも生き延びようと、神機使いに背を向け瓦礫を乗り越えていくことで追撃を上手く躱している。
まあ、こっちからは丸見えだけどね、と引き金を引く。
「──もう撃った、回収よろしく」
『こっちで追跡する!……って言うつもりだったんだけどなぁ……まあいいや、助かったわ。さすがはあちこち引っ張りだこの天才狙撃手だな!』
爽やかに通信を切られる。
嫌味なくこういう言葉が出てくるあたり、育ちがいいのか性根がいいのか。付き合って気持ちの良いタイプだ。自然とスコープを覗いて安全を確認してやりたくなる。
案の定、道先をオウガテイルが群れで散歩中だった。
照準を合わせ、一匹一匹逃げ惑う隙も与えずに撃ち抜いていく。
「──こちらホムラ。道中に鬼がいたから片付けておいたんで、そっちも回収よろしく、リンドウ」
『承った!』
……ビックリだよなぁ。
適合試験の直後に出会った同期が、まさかリンドウだったとは。
「よくやった、お前たち。入隊して二か月とは思えない活躍だな」
アナグラに帰投した僕とリンドウを待っていたのは、第一部隊の『隊長』となったツバキさんのお褒めの言葉だった。前の隊長?あー……うん、GE世界だからね。
「俺はともかくホムラはそうですよ、姉上。鷹の目が背中にいるだけで安心して街が歩けるってもんだ。こんなに楽してていいのかねぇ……」
リンドウが謙遜して言う。
ゲームのリンドウを知っている身からすると、彼こそがぶっちぎりのチート野郎だと思うんだ。率いる部隊の生還率は七割超。オウガテイルが狩れて一人前、コンゴウ・シユウが狩れて一流、ヴァジュラを狩れれば天才という状況で、”単独でウロヴォロス狩りました”は怪物どころじゃない。これがソーマのような特殊な背景を持つのならともかく、リンドウにはその手の出自の秘密すらない。もはや公式チートと言うべき人物だ。
そのリンドウに褒められたところで、ねぇ。
テンション爆上がりしちゃうんだな、これが。カリスマ持ちってずるくない?
「姉上はよせ。規律を乱すな愚弟、士気に関わる。……とはいえ、ホムラ。見事な仕事ぶりだ、その調子で頼む」
ツバキさんの称賛は心に染みるなぁ。上司からの賛辞であれば、しかり。それが美人ともなればなおしかり。いつかチンポ堕ちさせてみたいと股間がうずくけど、ツバキさんって浮いた話がひとつもないんだよな。めちゃくちゃ男に声かけられてるのにも関わらず。ガードが固いのか、あるいは……。
「入隊二か月でコンゴウをズタボロにするリンドウに謙遜されても困りますけどね。手間だからトドメは貰いましたけど、何もしなくてもリンドウ一人で狩れたでしょうし。……立派に仕事していると思います。安心の仕事ぶりは、僕のセリフですよ」
まあ、僕の本音はこれだ。
転生者としてリンドウの将来の活躍を知っているけれど、現時点の彼は入隊三か月目に突入した新兵の16歳の少年に過ぎない。単独行動でコンゴウを瀕死に追い込める時点で一人前の仕事、それを無傷でとなれば優秀の部類だ。
「……………………」
「おお、言ってくれるねぇ。お前さんに褒められると悪い気が全然しないんだよなぁ。ったく何が望みだぁ、コイツめ」
このこの、と満面の笑みで僕を小突くリンドウはどう見ても近所の気の良いお兄ちゃんだ。
「それなら配給のトウモロコシで」と言うと「ええ、あんなんでいいのかよ……」と驚かれる。わりと好きなんだよな、無味乾燥とした味。某カロリーバーのプレーン味を彷彿させるというか。
「……たしかに、ホムラの言う通りだな。リンドウもよくやっている。姉として鼻が高い」
「……姉上が素直に褒めるとは……ホムラ、お前なんかしたか?」
明日は雪が降るんかねぇ、とリンドウは呟いた。
直後、ツバキさんの右手がリンドウの頭に差し掛かり、バスケットボールのように握りしめられる。そういうこと言うからだよ。
雨宮姉弟は今日も平和だな、と思った。
仲良く三人で配給に並び、食堂へ向かった。頭に痣の残るリンドウからトウモロコシを頂戴し、代わりに僕は飲めないビールをプレゼント。アルコールは少年の身体には望ましくないし、そもそも舌からして違うのだから楽しめない。それでも年齢一桁の僕に明らかに適していないビールが配給されるのは、こうして交換に使えという意図あってのことなのだろう。交換を通してほかの面子との交流も生まれるし育ち盛りの体には食料が増える。いいこと尽くめ……とでも言うべきなのだろうか。だとしたらフェンリルらしくない過保護だと思う。単にお役所仕事で平等に分配されている可能性、あると思います。
ビールを手に入れてホクホク顔のリンドウだったが、
「お前にはまだ早い」
とツバキさんにビールを没収されてしまう。リンドウ、16歳だからね。仕方ないね。
ツバキさんは自分の分とリンドウの分、そして今没収した僕の分と三人分を飲み干すつもりらしい。飲みすぎでは?やっぱ隊長職って心労溜まるんだなぁ。今度からもうちょっと優しくしよう。あわよくば、酒の席を狙いたい。でも「どしたん、話し聞こか?」とか言ったら撃たれそうだ。
そして不貞腐れたリンドウが、僕に配給された別のものに目をつける。煙草だ。
「お前さんにはまだ早いよな」
……あとで吸おうと思っていたのに。いや、流石に怒られるか。まあ、仕方ない。早く煙草を吸える年齢になりたいぜ。ツバキさんも流石に煙草くらいは……と目こぼしするらしい。ツバキさんも吸うから文句言えないだろうな。煙草吸う女性ってなんかえっちだよな。淫靡というか。
食後はいつもの流れで榊博士の研究室へ。神機ほか日常の報告会みたいなものだ。僕という人員そのものがイレギュラーというか試験要素の塊であるからして、こうして日ごとに接しておくことは経過観察の一環なんだろう。当初は実験動物を見るような糸目だった博士も、最近はそうかそうかつまりきみはそういうやつなんだな、と言いたげな糸目をしている。……ごめんなさい、正直違いはよくわかってないんだ。同じ糸目だからね。
ただ、以前よりは雰囲気が柔らかくなった、ような気がするのだ。
「いやぁ~今日もご苦労だったね笹木くん。今日もいつものメディカルチェックと、ちょっとしたサプライズを予定しているよ」
それ言っちゃダメなやつでは。
「サプライズまで予定ではおよそ3550秒、といったところだ。まあ期待して待っていてほしい。ところで、君の調子のほうはどうかな」
「上々、です。雨宮隊長にもお褒めの言葉を頂けました」
「うんうん、そうだろうとも。贖罪の街のビルに陣取っての三方面同時支援射撃ともなれば褒めずにはいられないだろうさ。キルスコアだけで言えばもはやベテランの領域に到達しているからね。実際、君の初陣から一ヵ月が経ったけれど、極東支部の死傷率は……とりわけ君が支援する部隊において目に見えて下がっている。紛れもない戦果だよ、これは。君一人の登場が戦場を大きく変えつつあると言ってもいいくらいだ」
僕としては目についたアラガミを撃ってるだけだけど……そう言われて悪い気はしない。転生者、それもGEプレイヤーの端くれとして、このくらいは……程度のつもりだ。やってることはGEあんまり関係ないけど。
「今、上層部では狙撃型神機の正式採用と君の持つ『唯我』の発展形の開発が検討されている段階でね、君にも意見を伺っておきたいんだけど、どう思うかな」
「ああ、それは慎重になったほうがいいと思いますよ」
「……やっぱり、そうなのかい?」
ぶっちゃけ、狙撃型神機を採用するのはやめたほうが……。
うーん、これ博士わかってて言わせようとしてない?
「──博士もご承知でしょうけど、遠距離式神機で用いられるバレットは距離による減衰を受けます。人の目には光線や光の弾丸に見えるけれど、その実態はオラクル細胞の塊でしかないからです。バレットの影響を受けて射出されたオラクル細胞はアラガミの細胞結合にダメージを与える能力と威力を持ちますが、距離が離れるほどその威力は空気抵抗などによって減衰し、通常の神機のバレットでは100メートルも離れれば、ほとんど威力を失うか掻き消えることになります」
これが一般的な遠距離式神機とバレットの話。狙撃という現代の銃撃戦で当然に採用される攻撃手段がアラガミに対して行われない、スナイパーという武器種がほとんど名前だけになった事情だ。
「『天上天下』プロジェクトはそれを乗り越えるための狙撃型神機を造り出すのが目標です、けど実際のところ、試作機として作られた『唯我』もその軛から逃れられたわけではありません。通常を上回る出力でごり押ししているだけ。通常のスナイパーの10倍近くオラクル細胞を消費して、ようやくアラガミに対して有効打となる一撃が撃てる程度です。それを実戦の中で瓦礫の山や自然の中を動き回るアラガミに的中させる必要があり、さらに補給も消費も膨大なオラクル細胞を扱うリスクと背中合わせとなれば事故の可能性も膨れ上がるかと」
遠距離式神機にはある欠点が存在する。文字通り遠距離から一方的に、それも弱点部位をピンポイントに適した属性で攻撃することができ、敵の攻撃の回避も容易。それが遠距離式の特徴だが、そのための弾薬ともいえるOPには上限が定められている。これは適切に運用できるオラクル細胞量を超えた場合、神機が事故を起こしたり暴走したりするリスクが生じるからだ。安全に扱える上限=OP上限ということだ。そして、一部の神機使いはその上限が著しく高いためオラクルリザーブといったオラクル細胞を貯蓄する高等技術を扱うことが許可される。言わずもがな、GE主人公のような神機適合率の高い人たちのことである。
そんな話はアラガミ研究の第一人者である博士には釈迦に説法でしかない。
つまり前提の整理でしかないのだけど。
「その通り。……だとしたら、笹木くんはなぜ扱えているんだい、ということになるけれど」
「……僕が聞きたいくらいですが。それを調べることが博士の仕事では」
今更ながら、僕の神機適合率は低い。理論上、僕の適合率では『唯我』をアラガミを一撃で狙撃するほどの出力を安全に扱うことはできず、とっくに事故死しているはずだ。
「残念ながら、私にもわからないことはある。それが上層部のお方々には理解できないようでね。8歳の少年が出来たのだからとか、これまでは理論上できなかったから試さなかっただけで実際には容易なことなのでは、などと安直な結論に至ってしまったらしい。その8歳の少年が適合に成功するまで、誰も扱うことができなかったというのにね」
おかしなことだよ、と榊博士はちょっと大げさに嘆いた。ようするに、これまでの誘導はこの話をするためのパフォーマンスだったらしい。茶番に付き合わされる身にもなって欲しいんだ。お世話になっている身として口には出さないけど。
「まあ茶番はともかく。現実的には、僕のことはイレギュラーとして処理したほうが良いかと。例外を除けば、狙撃型神機のクリアすべきハードルの多さに辟易するんじゃないですか」
「そうだね。良くも悪くも君という例外の輝きが、私たちにはいささか眩しすぎたようだ」
それはそれとして茶番はひどいよ、と崩れ落ちる榊博士。テンション高いな。
実はそういう雑な扱いを喜んでいるのでは?
僕は訝しんだ。
「ところで、『唯我』の発展形って、具体的にはどんな形になるんですか」
「うん、よくぞ聞いてくれた。もともと『唯我』は目指すべき最終形態がはっきりしていてね。高出力のオラクル細胞をビーム状に照射し、一閃で射線上の悉くを貫く最強の固定砲台……名付けて『天上天下唯我貫通砲』!!これぞ『唯我』の理想形なんだよ!!」
なるほど、『唯我』も過程に過ぎなかったのか。これはこれで結構気に入ってきてるんだけど。
それはそれとして、
「それはちょっとダメじゃないですかね」
「へ?」
「だって、『唯我』ですら威力が高すぎてコアを一撃で破壊してしまうのに、これ以上の威力を求めてどうするんです。宇宙怪獣でも倒すんですか」
「言われてみれば、たしかに……」
この人たまに情熱が行き過ぎてあさっての方向に全力疾走することがあるよな、初恋ジュースとか。
「そのうえ、その神機に適合する人材がいない、という話をしているのに机上の空論を追いかけすぎでは」
「そこはほら、笹木くんの『唯我』を改造すれば……」
「で、固定砲台に固定して動き回れるスナイパーの利点を失う、と。防衛兵器として見れば確かに一考の余地はありますけど、それって結局数を揃えることが前提の戦術になりますよね。現状では威力も消費も用途も過剰すぎでしょう。それに僕がその『天上天下唯我貫通砲』?を扱うのは流石に怖すぎませんか」
「たしかに。君、”間違って”上層部に向けて撃ちそうだよね」
そんなサイコパスなことはしないが??
「その上層部に博士が含まれていないといいですね」
「えっ」
驚きのあまり、博士が目を見開いた。噴き出すのをこらえた僕を誰か褒めてくれ。
「僕の言う怖いは、そもそも僕がなぜ『唯我』を扱えているのかわからないのに、さらに高出力にしてどうするんですか、の怖いですよ。原理がわからないものをわからないまま使うの、めっちゃ怖くないですか」
「そ……そうだね。それは一研究者として確かに怖い。原理を解明するまで開発は差し止めかな」
それはそれとして笹木くんのことも怖いな、とつぶやいた。
いや、流石に庇護してくれている恩人を撃つようなことはしないけど。撃つことがあるとすれば、回復弾を頭に向かって撃つくらいはしそう。アタマの衛生兵、大事だと思います。
「それはさておき、そろそろメディカルチェックに移ろうか。なに、いつもの定期健診だからすぐに終わるとも」
言われて寝台に横になる。もはやこれも恒例、勝手知ったる人の部屋といった具合だ。
天井のシミでも数えていたらすぐに終わる。終わった。
「──う~ん……これは実に……面白いデータだ」
どうでもいいけど、博士毎回それ言ってないか。
そう言うように支部長に指示されてる?イジメか?
「結論を言おう。笹木くん、君の適合率がなんと……微増している」
微増なんかい。
「いや、私も”驚くほど適合率が上昇している”とか気前の良い話をしてあげたかったのだけどね、現実に微増としか言えない数値しか出てこないんだよ」
ほら、とよくわからない紙を渡される。何度見てもよくわからない。僕は首を傾げた。
「徐々に、徐々にではあるが、君と神機の適合率は向上している。それ自体は神機を扱う以上起こり得ることだが……君の場合はなんというか……規則的だ。まるで……いや、憶測で物を言うことは避けよう」
まるで……なんなんだろうね。まあ、特に影響ないならヨシ!
「今後もメディカルチェックを怠ることなく続けていこう。君という人間そのものが貴重なデータの塊なのだから」
はいはい、マッドサイエンティストマッドサイエンティスト。
検診終わったなら帰っていいかな……。
ダメ?
ダメそうだ。なんか語りそうな雰囲気だしてる。
「さて、そろそろ今日の本題に移ろうか。今日は君に伝えることがある」
愛の告白かな。
と思ったそのとき、研究室の扉にノックの音が鳴り響いた。
「ふむ、時間ちょうどだね。入りたまえ」
「失礼します」
あっ、と思った。聞き覚えのある声がして、見覚えのあるネコ耳っぽいツインテールのお姉さんが榊博士の研究室に入ってきた。
「香月ヨシノ上等兵、参りました。……ホムくん、お仕事お疲れさま」
誰あろう、セフレのヨシノさんだった。親しげに小さく手を振る女性って、いいよね。
しかし、いったいなんでヨシノさんがここに?僕とヨシノさんがよしよしする関係なのを知られているのは、まあいいとして、流石に年齢一桁男児とハメハメするのはやめろーなんて、まともなことを榊博士が言うかぁ??
「香月君、ご苦労だったね。笹木くん、彼女を呼んだのは他でもない、君の護衛役を香月君が担当することになったからだ。以後、彼女は第一部隊所属となるが君とセットで扱われることになる。これからはどこに行くのも彼女が一緒だ……この意味はわかるね?」
それって……いつでもハメ放題の公認生オナホってコト!?
まさか。
「護衛と言いつつ実態は監視。万が一僕がフェンリルに害をもたらすなら……ってことですかね。こちらの関係も把握したうえで、的確な首輪をつけたいわけだ」
流石は支部長。人の嫌がるところを的確に見抜いている。厭らしい人だ。
「いや、ぶっちゃけ慰安要員だよ。彼女もそれに納得したうえで了承している」
流石は支部長、人の喜ぶことがよくわかっている人格者の鑑だ。いやらしいのは僕でした。
「もちろん君が言ったような意図もあるだろうけどね。それ以上に君を失うリスクを避けたいのだと思うよ。もはや性能を測る段階は終わった、笹木ホムラ新兵は我々が想定していた以上の有用性を示した。しかしそれに対して我々はどんな見返りを与えたか、とね。今頃当初の適合試験をゴリ押した者は青い顔をしているはずさ。何しろ君は天性の狙撃手だ、いつどこで狙われるかわからない。『唯我』に狙われ続けるリスクを負うより、手のひらを返して懐柔したほうがよほど良い、という具合にね。その第一弾が
なにせ君は性的欲求の充足に不満を抱えているからね、と榊博士。なにもかもおっしゃる通りでござる。なにしろ風俗行けないというのが辛すぎる。なんなら当初は外部居住区の非公式風俗に行こうと思っていたくらいだから……ああ、それがリスクか。風俗に通いまくる年齢一桁少年の存在は、治安の悪い外部居住区じゃカモがネギしょってやって来た話でしかない。
となれば、アナグラの内部と外部両方の風俗出禁にされるのは当然の流れだよな。
それは、僕に、死ねというのと同じやぞ。
その満たされない熱情を、常に公認で解消してくれる専属の女性の存在は大きい。ちょっと上層部の皆さんのために働いてもいいよっ!と思うくらいだ。頭チンポ脳かな?はい、チンポ脳です。
「そういうわけで、香月君、あとはよろしく頼むよ」
「はーい。じゃあ、ホムくん行きましょ♡」
よし、話は終わったな。
途端、ヨシノさんに手を引かれ研究室を退出する。
言うまでもなく、おせっせの時間である。
こちとらヨシノさんが現れたときから我慢の限界をとうに超えている。そして向こうもその気らしい。発情した雌の熱気と湿度の高い香りが鼻腔をくすぐり、グツグツとマグマのように煮えたぎる精巣にさらなる猛りを与えた。
というわけで、たったかヤリ部屋扱いしているヨシノさんの部屋へ走りこんだ。
部屋に入った瞬間扉をロック、そのままヨシノさんに唇を貪られる。
ぴちゃ♡ぴちゃぴちゃ♡じゅぞぞぞ♡♡
唇を舐られ、舌を濃厚に愛撫され、そのまま舌フェラで恍惚とした心地にさせられる。
たぶん、ここがエロ漫画の世界だったら、ヨシノさんの瞳にはハートマークが浮かんでいることだろう。キスのような愛撫をしながらも目を閉じることなくこちらの反応を窺い、一切余すところなくこちらの表情を読み取ろうとする様は、見た目通りの猫ではなく飼い主に尽くしたがる忠犬のようだった。盛りのついた雌犬。抑えの効かない雌犬はしつけなきゃ、ねぇ。
右手でたわわな胸を揉みしだく。できるだけ全体をもみほぐすように。
左手で服を脱がせていく。滑らかな肌が視界を埋め尽くすように。
露わになった形の良い乳房を眺めながら、そっと離れ、扉の前で膝立ちする彼女の前に部屋の主のように立つ。
「……♡♡」
言葉に出さずとも意図を受け取ったヨシノさんがすべてをさらけ出すかのような三つ指を立て、僕の服を優しく剥いでいった。パンツをずりおろすと同時にビンッと慣性で揺れるチンポ。ヨシノさんはその勢いに目を見張り、まずはと包皮ごしの男根の匂いを嗅いだ。ワインを楽しむように、その香りをゆっくりと味わい、咀嚼するように嗅いでは堪能する。……じれったい。
ヨシノさんの頬にチンポを押し付け、挿入するように腰を押し込む。すると包皮がめくれ、今日一日の労働分の恥垢がこびりついた肉傘が露出した。瞬間、なんともいえない生理的な匂いが放たれる。それを擦りつけられたヨシノさんは、びくんっと体を震わせ軽イキした。この一ヵ月、幾度となく彼女に染みこませたセフレチンポの匂いだ。快楽の記憶はすでに彼女の脳に刻み付けられている。僕はまったりと腰を動かし、彼女の顔面の温もりと滑らかさを堪能し、美しいものを汚す愉しみに腰を震わせた。
軽イキから我に返ったヨシノさんは、愛おしそうにチンポにキスを落とし、そして舌で丹念に残ったチンカスを綺麗にした。艶めかしいピンク色の粘膜が扇情的に動き、カリを、裏筋を舐めしゃぶり、恥垢をそぎ落としていく。そしてピカピカの亀頭が出来上がったと同時に、その口腔で咥えこみ、チンポはねっとりした感触に包まれた。凄まじい快楽が脳裏に伝っていく。
ぱっくりとペニスを咥えこんだヨシノさんは、まだ陰毛の生え揃っていない根本でふー♡ふー♡と生暖かい鼻息を吐き出しながら、僕の顔を見上げている。まるで、餌を前にした我慢の効かない犬のように。
「よし」
と許しを与えた瞬間、彼女は激しく奉仕を始めた。舌でペニスを舐めまわしながらバキュームで吸い上げ、そしてピストンで擦り上げる。三種類の快楽に同時に襲われた敏感チンポは我慢など出来ず、即座に腰の底から強い射精感がこみ上げた。
「出すよ」
ビュルルルルル!!
言葉とほぼ同時に僕は射精した。キレのいい小便のような、気持ちいい射精だった。
ヨシノさんはその間もまったりと刺激を与え続け、最後の最後まで精液を出し切るようにサポートしてくれる。控えめに言って最高。そのまま彼女の奉仕に身を委ね、チンポの赴くままにピュッ、ピュッと断続的な射精を繰り返した。それが打ち止めになると、ヨシノさんはジュゾゾゾと尿道に残った精液を一滴残らず吸い上げ、搾り上げた白濁をくちゅくちゅと味わい、ゆっくりと口を開いてその成果を見せつけた。粘ついたザーメンが口腔内で糸を引いていて、ほかほかと湯気が立ち、ここにチンポを突っ込んだらさぞ気持ちいいだろうな、という光景を見せつけてくる。褒めてもらうのを待つ子犬のように、期待の眼差しでこちらを見上げるヨシノさんに、よし、と精液を飲むことを許す。待ってましたと言わんばかりにゴクッ♡ゴクッ♡と音を立てて飲み込んだ彼女は満面の笑みで空っぽの口を見せつけ、けぷ、とちいさなザーメンゲップを漏らした。
ヨシノさんの残りの服をすべて脱がせ、二人でシャワーを浴びる。もちろん彼女に体を洗ってもらう。よく泡立てた石鹸とおっぱいで全身をパイズリするみたいに。お返しに彼女の膣を丁寧に、丁寧に洗い、本気汁が出るまで愛液を吸い上げた。その間にヨシノさんは4回絶頂した。どんどん雑魚マンコが加速している気がする。が、それで意識を失わないのは流石のセックスモンスターぶりだと思う。
バスタオルで水気をよく拭い、彼女の匂いの染みついたベッドに潜り込む。
さらさらの肌同士をくっつけると、彼女の存在が直に感じているみたいに心地よかった。
ぴちゃ♡くちゅくちゅ♡
さんざん洗ってよく拭いたはずの割れ目に足先が触れると、なぜか水音がしたので足の甲であんまするようにぐりぐりと擦り上げる。
「あっ♡あっ♡あっ♡」
瞬間、喘ぎが漏れ、まったりとした空気は終わり、淫靡な時間が再開する。
ヨシノさんがM字に股を開いて、陰唇をくぱぁと広げ、白濁した液を亀裂から滴らせて懇願した。
「抱いて♡ホムくんの専用どこでも全自動オナホールになったマンコに、ホムくんのおちんぽさまで所有者の証……刻みつけて♡」
ズプンッ!!
「んあっ♡あは、んぁあ♡♡」
とろとろの膣内にチンポを挿入した辺りから、興奮しすぎてちょっと記憶が飛んだ。
「イグぅ♡」とか、
「イグイグしちゃう♡」とか、
「んあおお゛お゛!!♡♡」みたいな遠吠えアクメみたいな濁音とか、
「孕むぅ♡孕んじゃうぅ♡ホムくんの子種で、二人目孕ませてぇ!!♡♡」
といったやり取りがあったような気もするが、射精快楽が行き過ぎて全然覚えていない。
気が付いたら辺り一面イキ潮でしとどに濡れ、精液の染みついたベッドがあって。
横には、幸せそうに眠るヨシノさんがいた。
煙草が吸いてえなぁ、とか思いながら後処理をして僕も眠った。
一か月前、ヨシノさんをセフレにした日。
セフレにしたその人がまさか原作キャラと思わず、そして公式で出産している人だったから僕の介入で原作ぶち壊ししてしまったのかと焦ったけど、なんのことはない、一回射精したら冷静になった。
よくよく考えたらヨシノさんの娘であるGE2の登場人物、香月ナナは2074年の登場時点で17歳なのだ。2057年には既に生まれている計算になるから、2061年の現在だと4歳だ。つまり、僕が孕ませても原作、というかナナに大きな影響は与えない。安心した僕はもう一回追い射精をして眠ったのである。
後で聞いたらちゃんと避妊はしているとのことだったので、出来るビッチは違うなと感心した。本当に孕ませたかったら大人になってからちゃんとそうしてね、とのことで将来の楽しみも出来た。孕むこと自体はまんざらでもない様子だったので、流石の男尊女卑大和撫子だった。
ただ、彼女は4歳になるはずの娘のことは、一切口にしなかった。その素振りも見せなかった。それなので僕も言わなかったし訊かないことにした。ヨシノさんから話してくれるのを待とう、と。
だから僕は今日も「二人目を孕ませて」なんて言葉は聞かなかったのだ。すべては情事の最中のこと。興奮のあまり記憶が飛んだり、変なことを口走ることもある。ただ、それだけのことなのだ。
──そして、僕はのちにこの判断を一生悔やむことになる。ここが『GOD EATER』の世界だと忘れて、享楽といい男気分に浸ったツケを払うことになると知るのは、まだ先の話だった。
作業用BGM:『孤独を背負う者』(GOD EATER ORIGINAL SOUNDTRACK)
最近はサブスクでもゲームやアニメのサントラが聴けてQOL爆上がり。
ここすきの一覧とかもチェックしてたんですが、適当に散りばめたネタを細かく拾っていただいていてちょっとテンション上がりました。そういうのだいすき!!
ゲンさん関連のことも結構共感を得られていたみたいでよかったです。冗談抜きに英雄扱いされないのおかしいじゃろって人だと思います。だから原作とはちょっとキャラ違うけど10年前ってことでゆるして。そしてゲンさんは自伝書いたら読ませてくれ。
今回はランキングにびっくりして衝動的に書きました。ちょっとがんばりました……。
次回の更新は未定です。
今後、臭い描写についてがっつり入れていい?結果を見て今後の描写の参考にします
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「くさそう」過激派。GEには必須!
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臭いはあくまで自然ならOK、嗜みだよね
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臭いはちょっと……必要ならともかく
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臭いとか無理、入れるなら読むの止めます