大したキャラではありませんがオリキャラはちょっと……という方はブラウザバック推奨。嫌いな方は、この話は本筋には影響しないため読み飛ばしてOK。伴ってオリキャラのタグを追加する予定です。
一応事前情報を載せておくと、勘違いした生意気金髪ギャルです。何も起こらないはずもなく。
つまり、──わからせの時間だ。
──私の名前はアンジェリカ・エヴァンジェリスタ。フェンリル極東支部のオペレーターだ。
2050年代のアラガミによる大混乱の最中、家族とともに故国アメリカを命からがら逃げ出してこの極東にやってきた。それなりに自慢の肉体を駆使し、アナグラの慰安業務を兼業する形でオペレーターとして入隊できた時は、人生最高にハッピーだった。
フェンリルが世界の統治機構として取って代わった現状、そのスタッフとして内側にいる……それってつまり勝ち組になったってこと。
子どものころ思い描いてたセレブでラグジュアリーな暮らしとはちょっと違うけど、外の賎民のように雨水を啜って生きるような惨めな真似をしなくてもいいというだけで、ここは十分に私にとっての天国だ。
慰安業務も始めは抵抗感があったけど(だって知らないブルーカラーごときにいいように触られるって嫌じゃない?)、ペニスを手玉に取る方法を身につけてからはそれなりにお気に入りの仕事になった。
だって面倒なオペレーターをせずに済むし、精力無尽蔵のゴッドイーターたちにはそこそこ満足させてもらえるし。
ミドルスクールのガキレベルに盛りのついた男たちから鍛えられたテクは、そのまま男たちに貢がせるための手段に変わった。あなたのために可愛くなりたいの……ってペニスを咥えながら上目遣いで見つめるだけで、好きなだけ可愛い服もファビュラスなバッグもプレゼントしてもらえる。
定期的に見知った男が消えていくのを除けば、割のいい仕事だった。
散々食い散らかしたペニスから選び抜いたお気に入りのペニスを彼氏にして、来月には結婚の約束もしている。彼は現場仕事のゴッドイーターだけど、ペニスはアメリカンサイズだしセックスのときは最低2回はしてくれる。
結婚を機に引退してゴッドイーターの教官になるって言ってるし、将来は安泰だ。間違いなく最高のダーリンを引き当てた。順風満帆の人生だった。
……いくつかの例外を除けば。
「アンジェリカさん、今日はこの任務をこなす予定です。受理をお願いします」
「………………」
つい、不機嫌になってしまう。口元が歪むことを抑えきれない。
ゴッドイーター用のミッション受注用デスクの前に並んだ小さな背丈。明らかに危険な仕事には向いていない体格だ。
しかし、目の前のリトル・モンスターが見た目からは想像もできない殺傷能力を秘めていることを私は知っている。
「………………チッ」
舌打ちを返し、無言のままその申請を受理。極東支部の外壁上からのアラガミ討伐支援。チームメンバーは2人。
普通なら撥ね退ける非常識なミッションではあるが、これは目の前の人物を対象とした専用のもの。拒むことはできない。しかもチームメンバーの名前に嫌いなクソビッチを見つけてしまい今日一日の最悪な気分を更新した。
私の前からとっとと消えてくれ、という思いで「次の方、どうぞー」と対応を終わらせた。
リトル・モンスターは一瞬、すごい眼差しで私を見た。
そして、なんとも言えない、どんな感情も窺わせない無表情のまま去り、人の男に平気で手を出す発情雌猫と共に出立していった。
(……チッ、クソガキが。結局何も言わないくせに、できないくせに)
あの雌猫はその弱々しさに絆された様だが、私の彼氏とはそこが違う。ダーリンなら嫌なものは嫌だとちゃんと主張するし、オスらしく力でわからせる。
所詮はアジア人のガキ、きっとペニスも短小包茎。どうせ水みたいに薄くて、雨の一滴よりも少ない精液しか出ない雑魚オスだ。ビビることなんてない。
完璧にキュートな笑顔を保ったまま内心で毒づき、私は平静を取り戻す。
そして……手元の通信端末でダーリン宛てのメールを打ち始めた。
今年の初めに、新人のゴッドイーターが2人増えた。
1人は名実ともに遠距離式ゴッドイーターの極東トップである雨宮ツバキの弟、雨宮リンドウ。入隊して2か月で新人として歴代トップクラスの戦績を叩き出した近距離式のホープ。
将来性の高さを感じさせる、16歳ながら既に一流のゴッドイーター。最初にオペレーターを担当した私としても誇らしい新人だ。P53偏食因子を投与して性欲も強化されているはずなのに、彼女以外に手を出さないところもポイントが高い。
筋肉はちょっとまだ物足りないけど……トークは面白いし、優秀なオスだし、ダーリンと違ってイケメンだし……チャンスがあればツバつけときたいくらいお気に入りの男の子だった。
しかし、もう1人は……正直言ってあまり好きじゃない。
笹木ホムラ。
年齢は8歳。神機はプロトタイプの狙撃型スナイパー。つまり実験体だ。それもそのはず、あの貧民の巣窟から上がってきたスラム出身の孤児だから。使い捨てにされる程度に見た目は普通の冴えないガキ。なのに妙に落ち着いていて物腰は丁寧。
そして戦績は……この1か月で歴代最高クラスのキルレートを叩き出した、空前絶後のモンスター。
大型アラガミという枠組みのきっかけとなった絶対的な捕食者、ヴァジュラ。
私のキープくんたちが挑み、為すすべなく無残に殺された、全世界でも討伐例の希少なアラガミをあの少年は一撃で倒した。……あの時から笹木ホムラは私にとってモンスターでしかない。
そもそも初陣に新種のアラガミが選ばれることなんてありえない。
要するに、笹木ホムラの性能試験として選ばれたミッションは極東支部の悪意を色濃く汲み上げたものだったということだ。
実際、新兵はオウガテイルの討伐を通過儀礼として行う慣例になっていて、実際雨宮リンドウの初陣は通常通りオウガテイルだった。万が一の際の第一部隊による手厚いサポートも控えていたのだから、同期でも扱いの違いは明白だ。
討伐例の少ない強敵を相手にした初陣など、絶対にない。
つまり笹木ホムラは失敗前提。
それに付き合わされたコアの回収部隊……榊博士の横やりでつけられることになった護衛も、その内実……人員の選考はそれぞれに対する悪意によって選出された”死んでも構わない”、むしろ”死んでくれたほうが都合がよい”者ばかり。
ま、それを最終的に選んだのは私だけど。ミッション発注者のペニスを握ればいくらでも操作できる。私の持つ特権の一つだ(誰も咎めないってことはそういうことよね?)。
要するに、笹木ホムラに対する無法がまかり通ったのは、狙撃型という新しい枠組み自体を否定したい誰かの八つ当たり、一ヵ月の訓練で実戦に出ようとする生意気な子どもに恐怖を味わってほしいという大人げない願い、……ダーリンに手を出したあの雌猫についでに死んでほしい、という私の思惑。それらすべてが合わさった結果だ。
ミッション担当者の名前一覧を見て私は思わず笑ってしまった。まるでフェンリルに都合の悪い負け組連中の一斉在庫処分。公開処刑も同然のミッションになっていた。
その決定が通達された時点で、私はポップコーンを片手に中継を観賞しようと決めた。だってあの雌猫が死ぬところなんて、絶対見逃せないショウだもの。
狙撃に失敗すれば狙撃型を否定できる。
狙撃に成功しても、倒せなければコアの回収部隊が犠牲になる。
犠牲が出たなら、それを理由に難癖をつけられる。
回収部隊が素通りさせた場合、反撃によって笹木ホムラは死ぬ。
少年が生き延びるには、わざと狙撃を外したうえでフェンリルに低頭平身して赦しを乞うか、狙撃を完璧に成功させるくらいしかなかった。いずれにせよ、笹木ホムラの進退は窮まっていた。
しかし。
リトル・モンスターは全ての悪意を一撃で撃ち抜いた。コアに至るまで貫き通してしまった。オペレーターとして中継映像を見ていて私は言葉を失った。おそらくフェンリル上層部も。
これまでの経験から、ヴァジュラにはそこいらのゴッドイーターでは敵わないと想定していた。戦力評価と比較にはこれでもそこそこ自信がある。
あのアラガミは、それこそ遠距離式最強の雨宮ツバキに、タメを張れるクラスの近距離式をつけて、そのうえで死を覚悟した優秀なサポートが最低2人以上ついたチームでようやく倒せるくらいの強敵だ。……そのはずだった。
しかし、現実に少年は倒した。
私の勘が外れた?いや、それは違う。経験豊富なゴッドイーターたちがこぞって太刀打ちできなかった事実は否定できない。
つまり……。
あの少年が、ヴァジュラ以上の怪物なのだ。
それを理解した瞬間、私の背筋は凍った。笹木ホムラに通信で帰投申請を促されたからだ。慌てて声を張り上げて帰投処理を回収班に伝達した。
もはやあの雌猫のことなど頭から消えていた。
少年の身体をした、理解不能なモンスターが直に戻ってくる。まるでこのアナグラに人狼が混ざったかのような異物感に、恐怖がこみ上げた。
人狼、人のフリをして人の社会に溶け込み、人を欺き毎夜ごとに貪る怪物。あの少年はきっとそれに違いない。だからあんなにも……人間離れしている。人間離れした所業が平然と出来る。
けれど、戻ってきた少年はやはり少年だった。
どんなに雑な対応をしても、怒りの一つさえ見せない。
所詮、ガキなのだ。
ダーリンに一言言えばきっと叩きのめしてくれる。たくましい大人の雄に、なよなよした貧弱な子どもが敵うはずがないんだから。
そのことに気づいたら呼吸がすっと楽になった。
相変わらず異物感はあったけど、触れなければ大したことはない。オペレーターの仕事とかち合わなければ嫌なこともない。プレイルームに行けばあのガキは惨めに出禁だから顔を合わせることもない。
しかし今日の仕事で知ってしまった。
理解不能なモンスターと嫌いな嫌いな雌猫の2人がくっついてしまった、と。
年中盛りの雌猫、人の男に手を出す子持ちの泥棒女は、前から私の男たちにも手を出していた。そして、あろうことか彼氏だと公式に宣言しているダーリンにまでその毒牙を向けたのだ。
クソビッチが。
わかってる。ダーリンが浮気なんてするはずがない。ただの性処理だからとか、ちょうどいい穴がそこにあったからとか言い訳してたけど、私のことが大好きなダーリンが大事な女のための精液を他の雌の子宮に吐き出す理由なんてない。
あの尻軽が全裸土下座でハメ乞い懇願しなきゃ、そんなことするはずがない。あの、プッシー脳が。歩き方より尻の振り方を覚えた生まれつきのペニスホールめ。絶対に許さない。
不愉快、不愉快、不愉快だ。
死体に集る蠅よりも、群れを成して追いかけてくるオウガテイルよりも。
あの2人は不愉快だ。
だから、
「──ねぇダーリン、お願い♡」
「任せとけよ、ハニー」
私の天国を汚す奴は、みんな地獄に落ちればいい。
────────────
舌打ち塩対応のアメリカンパツキンツリ目ダイナマイトガール(そばかすアリ)って、芸術点高すぎぃ!びっくりして思わず目が点になっちゃった。
いやぁ、朝からいいもん味わったぜ、今日はきっといい日になる(確信)。
ところで、なんであの人当たりキツイの?ショタに親でも殺されたんか?
初対面のときはもうちょい……いや、最初から蔑みの目で見られていたな。
もしかして、未だにリトル・グレイだと疑われてる……?
「アンジェリカはね、アラガミ前の世代だからちょっと変わった価値観を持っているの」
と、明らかにアンジェリカ女史よりも長く生きてそうな香月さんちのヨシノさんが言う。
男根崇拝村価値観の人が言っていいセリフではないと思うよ。
「雄の選び方も独特で……おちんぽさまの大きさくらいしか取り柄がないのに、その大きさだけで雌が惚れるって勘違いしたイキリおちんぽばかり飛びつく感じなの」
珍しく辛辣。
……話を纏めるとAVでしかセックスを知らないような脳みそチンポなデカチンDQNに目がない感じか?すげぇ、なんてステレオタイプなアメリカンビッチなんだ。平和な世界ならきっとクインビー。ジョックしか相手にしないセレブ気取りだな、間違いない。
ま、だからこそスケベ撫子とは肌が合わなさそうだ。さもありなん。
「そういう人なら趣味に合わないのも、仕方ないか。切り替えていこう」
そんな知らん人のことはどうでもいい。せっかくハッピーセットになって初のお仕事なんだ、楽しく行こう。頭もハッピーセットになったら全人類と仲良くなれそう。そしてトリガーハッピーは基本。
「ええ、セフレからオナホに昇格して初の雌仕事だから、お姉さんもがんばらないと」
えい、えい、がんばるぞー!とテンション高めのお姉さん。
オナホに……昇格……?
ちょっとなに言ってるかわかんないけど、なんか気合入っててかぁいいからいいかぁ。
でも、
「戦場ではえっちなことは禁止ね」
「えっ」
がびーん、と効果音が出そうなほど落ち込んでる。そんな落ち込むようなことか……?チンポ気持ちよくする仕事に熱意持ちすぎでしょ……あれ、それって最高では。
だけどここはGE世界。油断して戦場でヤったら死ぬ。
殺人現場で「こんなところにいられるか!帰る!」って言いだした人くらい、間違いなく死ぬ。
滅びゆく世界で全裸になってする青姦は死ぬほど気持ちいいだろうけど、射精した直後あたりで上から降ってきたオウガテイルにパクつかれちゃうな。……つまり原作でエリックは髪をかき上げながらノーハンド射精を決めていた……?
「破ったらコンビ解消、即、別の護衛を回してもらう。もちろん、戦場でトチ狂った僕が「マンコ差し出せ」とか言い出したら殴って止めてほしい」
「そ、そんな……どこでも股を開くのがオナホの長所なのに……。それに雄に迫られたら、お姉さん……断れない……」
「もしかして、他の人のところでもそうしてた?なら、今後は一切禁止で。所有者特権で命令……みたいな?」
「はーい。今後はご主人様に断れって命令されたから、って言うようにするわね……ふふ、ご主人様がいるって、なんだか素敵♡」
よくわからない感性してるなぁ。
とはいえ、このルールは大事。お互い歯止めが利かない事態にならないようにリスクは回避だ。
「じゃあ、そろそろ行こう」
二人に増えたけど──お仕事の時間だ。
ゲンさんに教わり、また実戦で培った経験通りに最適な狙撃場所を構築。アナグラの外壁の上って一見安全圏に思えるけど、ザイゴートやサリエルのような飛行可能なアラガミからは丸見えだったりする。
一度、豆粒みたいな距離からスコープでザイゴートと目が合ったと思ったら、大群を引き連れてきたのはわりとトラウマだ。あと、シユウなんかは外壁普通に駆け上がってくるし……NINJAかよ……グボロ・グボロは狙撃し返してきたりと散々だ。
狙撃って、こちらから先手を取って突然死を与えられる以上のメリットって、実はあんまり存在しないよな……と思う。こちらの有利を確保しつづけなければ、一瞬で不利になり窮地に追い込まれる。実は狙撃手って結構めんどうくさい、というのがやらされている僕の率直な感想だ。
ヨシノさんにも迷彩用のカバーを渡して身を隠せるようにしてもらう。
ぶっちゃけ、ヨシノさんの出番はあまりない。彼女の出番はこちらがアラガミに見つかって、こちらに攻撃を仕掛けられてから。
だけど、僕の戦闘スタイル的に『そもそも見つからない』『見つかる前に殺す』を徹底する以上彼女の出番が来た時点で僕は逃亡を選択する。
死にそうになったら逃げる。
そして隠れる。運が良ければまた陣取って不意を突いてぶっ殺す。
(…………あ)
ふと、それが原作のリンドウの言葉だったことを思い出した。自分の行動原理として頭にこびりついたフレーズ。たぶん、死ぬその瞬間まで唱えていることだろう。というか、死んでからも唱えている。
それが巡り巡って生存に役立っているというおかしな輪廻だ。
魂の髄までGEプレイヤーだったんだなぁ。
ともかく、僕はヨシノさんに仕事をさせないことにした。そもそも彼女は忙しい。ゴッドイーターの業務に、僕の護衛に、雌仕事に、母親に……彼女は常日頃から休まるときがないんじゃないだろうか。
せめて、僕のそばにいるときくらい、幸せそうに眠っていてほしい。戦場で安心しきって微睡むくらいに、気を抜いていてほしいんだ。
『唯我』を背から降ろす。──可変機構、作動。狙撃状態へと移行させ、長く頑丈な銃身を呼び起こす。
特殊遠距離式試作神機狙撃型、『唯我』は通常状態では一般的なスナイパーの神機として扱える。『唯我』が特殊なのはここからで、可変機構によって狙撃に特化した状態へと移行が可能だったりする。まるで近距離式と遠距離式を適宜入れ替えることが可能な新型神機のような機能。その狙撃版みたいなものだ。
狙撃形態では銃身が伸びて全体的に構造を補強するようにごつくなる。そこに貫通性を主張するように螺旋を描く砲塔のような銃身が備えられている。
ただ、当然ながらこの重量と巨体は偏食因子を投与されて身体能力を強化された僕でも扱いに苦慮する。体格的に扱うことが難しいし、そもそも膂力が足りていない。そのうえ発射時の衝撃が甚大ということで、初期状態の『唯我』の引き金を引いたときは鎖骨が骨折した。
治療されてかゆみと痛みに泣きながら改善点を苦情形式でまとめて、スパムよろしく16連射して榊博士に送った。フィードバックがまめだったというのは、実はそういう事情が大きい。
そしてその欠点を改善するために、銃身からはなんと近距離式神機の捕食状態に出る触手が数多放出され、床や壁などの環境に食い込んで固定する。そうすることで上下左右に自在に銃身を回転させることができるようになり、腹ばいや座り撃ち、立射などさまざまな姿勢で自由に射撃することができるようになる。そして発射時の衝撃・反作用はこの触手を通して分散、放出されるため僕への反動は最小限に抑えることに成功したのだ。
この機構を思いついた榊博士はやっぱり天才だな、と僕はめちゃくちゃ称賛した。それを実現させた技術部所属のみなさんも熟練の職人技で魅せつけてくれた。
こうして特殊遠距離式試作神機『唯我』はひとまずの完成を迎え、実戦で運用できるようになったのだ。実に涙ぐましい一ヵ月だった。
触手によって固定された銃身を構え、撃つ。撃つ。撃つ。
時折スコープから離れ、全体の状況を概観し、銃身を動かしまた撃つ。それをひたすら繰り返す。
アラガミは倒してもコアが現存していればいずれ再生する。そのためコアを捕食によって回収しない限りアラガミを倒すことに意味はない。
だから僕という狙撃手は他の部隊の狙撃支援が主な仕事になる。アラガミの知覚範囲の外側から叩きつけるサドン・デス。起用された当初は現職のゴッドイーターたちに難色を示されたが、他ならぬツバキさんのいる第一部隊が積極的に誘ってくれたおかげで風向きは変わっていった。
当然のことながら、極東支部から離れた土地ほどアラガミは増えるし、アラガミ同士の喰い合いによって蟲毒的な環境になることで討伐に苦労するやつばかり出現する。そんな死地に赴く討伐班第一部隊の殉職率は高い。
その討伐班が僕を採用した直後から死傷率が目に見えて低減し、戦果が増えていったのだから変わらざるを得なかったのだろう。そうやって純然たる結果を示すことで反対する口は閉じられていき、代わって僕に支援を要請する声が増えた。
そのせいで、最初は一部隊を支援するだけの簡単だった任務が、一部隊をバラバラに支援しろとかいう無茶苦茶になり、さらに幾つかの部隊を同時支援しろとかいう理不尽に変わっていった。もちろん、そんなことを言い出したアホは真っ先に殉職なされた。
なぜか狙撃支援が届かない位置にいたり、他の部隊の支援で忙しかったりしたからね、仕方ないね(ニッコリ)。前第一部隊の隊長氏はゴッドイーターとして人類を救う使命に殉じたのだ、僕には畏敬の念しか浮かばない。
そして現在支援している防衛班の方々は狙撃支援が届かなくなることの不都合を理解している。僕の扱い方をわかっている。だから、僕が撃ちやすい場所、狙いやすい場所にアラガミを釣りだしてくれる。それに加え任務の前や後に、狙撃がしやすかったかどうすればお互いに効率よく動けるか、相談し把握し連携に努めてくれる。
その結果、防衛班の死傷率は著しく下がった。僕としてもありがたいので、防衛班の誰かが危ない場面には攻撃性能はないけど目を引く装飾弾を使ってアラガミの気を引いたり、現場が狩りやすいように結合崩壊だけしておいたりといった手厚いサポートを返していた。
向こうは面倒な仕事が減って安全に狩りができる。僕は楽が出来る。お互いウィンウィンの良い関係を築けているんじゃないだろうか。
都合二十三体目のコアの回収を見届けたところで、戦場には小休止が訪れた。僕が見渡す範囲でもアラガミは見当たらない。いちおう警戒しつつ、危機感知の精度を下げる。
心臓の鼓動が少しずつ平常のものへと変わっていき、僕はようやく平静に近い状態へと戻った。今のうちにとOアンプルを口に放り込み、各種ブーストアイテムをいつでも使えるように定位置に補充する。そして、狙撃時よりも少しだけゆるい気持ちで戦場を眺めた。
「いつも、こんなことしてるの……?」
びっくりした。一瞬飛び上がりそうになり、ヨシノさんと一緒だったことを思い出す。
「あー、ごめん集中しすぎた。そう、いつもこんな感じ」
「最初は私も護衛のお仕事真面目にがんばろーって思っていたけど……思わず見入っちゃったわ。私の中では、プレイルームの前で迷子になってたホムくんのままだったから実感が湧かなかったけど、天才狙撃手って呼ばれている理由が今になってようやく理解できたみたい」
……正直、天才と呼ばれることに関しては分不相応だと思っている。結構必死なんだ、内心的には。集中力を極限まで振り絞って、その全てを一発一発の狙撃に費やしている。そしてそれ以上の神経を自分に対する危機感知に割り振っている。
なにせ、この『唯我』には──盾がない。
狙われたら回避することしかできない。なのに狙撃状態を解除するには、まず触手を解除し、通常状態へと変形させてようやく回避行動に移れる。
神機を放置すれば真っ先に壊されるから、アラガミの初動を察知することは僕が常に意識しなければならない最重要項目だ。そのせいで仕事中は常に張りつめていなければならない。
だから僕はいつも唱える、仕事の時間だ、と。そうやって集中力をオンオフさせることで、なんとか狙撃手笹木ホムラは成り立っている。とてもとても、天才だなんて胸を張ることはできない。僕はいつも、生きるのに必死な小心者にすぎない。
「……もしかしたら、だけど。私のすべきことがわかっちゃったかも。──もし、お姉さんがホムくんを全力で守ってたら、ホムくんは狙撃だけに集中できるんじゃない?」
それは。
「いつも、ボロボロに疲れて帰ってきてるのは子どもだからだと思っていたけど、こんなことを一人でこなしてたら疲弊するのは当然でしょう。そんなドーピングまでして……大人以上に自分を痛めつけて、ようやく成り立っている。でも、二人で協力すれば負担は減る。そうでしょ?ここでぼーっとホムくんを見てるのもいいけど、だんだんイタズラしたくなっちゃうし、仕事しないと大変だわ……だって、手を出したら解雇だものね」
と、冗談めかして言う。いや、解雇はそうだけど……代わりに来る人が信頼できる保証はない。僕はヨシノさんがいい。でも、ヨシノさんには楽をしていて欲しいと願ってしまう。
「もしやお姉さんのこと気にしてる?そうだとしたら……それは思い上がりよ、ホムくん。これでも入隊して五年のベテラン、生きるか死ぬかの修羅場なんていくつもあったわ。自分から死にたいと思うくらい辛いときなんて、それこそ死ぬほどあった。それに比べれば、いまホムくんと過ごす日々は楽園のように健やかで……あなたのそばは天国みたいに素敵なところよ。だから、それを守るために、私も出来ることをしたいの」
こう見えてお姉さん、頑丈だから。ヨシノさんはタワーシールドを掲げてウインクした。確かに頑丈そうだ。防御力的にも、そして精神的にも。
……これ以上は、僕のエゴか。
頭の中で戦術を組み替える。周辺の索敵と危機察知を、捨てる。その代わり、狙撃に意識をつぎ込む。もし奇襲されたり反撃されたら、ヨシノさんに任せて、僕は撃つ。
自分を単一化した機能に落とし込む。
僕はそれだけの機能になる。
狙撃のための、殺すためだけの存在に切り替える。
──連携している防衛班から連絡。新たな敵影を発見、接敵する、と。
──返信。試したいことがあるので僕がやります。代わりに報酬はそちら持ちで。
即座に了承が返ってきたので、これで安心して練習ができるようになった。
「──ヨシノさんを、信じる」
さあ、ここからは──殺しの時間だ。
その後に起こったことに、特筆すべきことはない。遥かに楽になった視界処理の世界で、見えたアラガミを片っ端から撃って、撃って、撃ちまくった。
外壁から僕の弾丸が届くアラガミを倒し、そのアラガミに群がるアラガミを倒し、それに釣られて誘き出されたアラガミを倒した。それだけ。
その後は防衛班総出でコアの回収が行われて大仕事になり、同時に素材と報酬の溢れるボーナスになったくらいだ。
後から聞いた話だと、榊博士が観測したところもはや極東支部周辺で広範囲に渡ってアラガミの反応が消えたそうだ。そのため外部居住区にもアナウンスされてすべての極東民が珍しくアラガミに怯えることなく過ごすことができる日となった。とんだ珍事だ。
僕はもう精も根も尽き果てて、体には力なんて入らなかったけど、まあこれで『護衛付きの自分』の価値を見せつけることができたと言えるかもしれない。もうこんな大仕事は二度としないぞ……。しばらくはヨシノさんとイチャイチャパコパコして過ごすんだ……。
さあ、あとは帰るぞとなったところで、問題が発生した。
体に力が入らない。……これは、やらかしたなぁ。初陣以来のヘマだ。流石に反省する。
仕方がないのでヨシノさんにおんぶされて帰ることになった。外壁からリフトで降り、外部居住区を歩いてゲートを目指す。
「今日はありがとう、ヨシノさん」
「いいえ、私は何にもしてないもの。狙撃に集中するホムくん、恰好よかったわよ。……ところで、なんだか背中に硬いものが当たっている気がするんだけど、お姉さんの気のせいかしら♡」
なんていうか…………その……下品なんですが……ふふ……勃起……しちゃいましてね……。
……ちゃうねん。疲れマラやねん。いつも以上に働いて疲れたところに、お姉さんのうなじの匂いを嗅がされたら、そら勃起もするじゃろ。
「大変、このままじゃアナグラに帰れないわ。護衛として、どこでもオナホとして、勃ったおちんぽさまはヌかないと危険よね♡」
さすがヨシノさん、わかってる!そういうのだいすき!
「ほら、物陰に行きましょ♡ホムくんはゆっくりしててね♡全部お姉さんがするから、身も心も委ねて好きなだけ気持ちいいピュッピュしたらいいわ♡」
というわけで外部居住区の物陰へと連れ込まれ、服を脱がされ、鬼勃起マラを露出させられる。
「んん、濃厚な雄の匂い……たまらないわ♡これだけでイケちゃいそうだけど、今日はホムくんへのご奉仕だから、我慢しておこうかな♡」
どこまでもわきまえた雌の姿勢を見せつけつつ、ヨシノさんはチンポしゃぶりを開始した。
「んっ♡」
キスから始まり、唾液の溜まったぬるぬるの口内に一瞬で亀頭が飲み込まれ、唇を突き出した下品なひょっとこフェラで奉仕される。スケベお姉さんのひょっとこフェラほど視覚的にも優れたオナネタはないなぁ。
いつものような激しい口奉仕ではなく、じわじわとした快感を与えるだけの、労わるようなフェラ。まるでぬるめの温泉にチンポだけ浸かっているかのような心地よさ。
あ~、極楽極楽。
天国はここにあったんじゃ、と黄昏の空を見上げた。
おそら、きれい。そうおもった。
そして射精した。
ピュッ♡ピュッ♡
宣言もせず、おもらしのように射精。断続的に精を垂れ流し続け、吐精の快楽に耽る。
ヨシノさんは嬉しそうに目を細め、漏れ出る精液を飲み下しながらひょっとこフェラを続けた。そして射精が収まったころ、勃起の収まらないチンポを口から離してザーメンの生産を続けるタマの方を舐め始めた。じんわりと刺激され、チンポは整っていく。
頃合いを見計らい、ヨシノさんはなにもしなくても愛液を割れ目から溢れさせる快適オナホールを覆いかぶらせ、眺めているだけで幸せになれるまんまるな白いお尻を魅せつけながら、背面騎乗位のカタチでチンポを挿入した。
「んあっはぁ♡」
喜色ばんだ喘ぎと共にチンポは膣内に歓迎される。
なんか、締め付けがすごい。もしや、これは……。
「オナホマンコとして、ヌキに特化した感じにしてみたの♡ぞりぞりぃ♡っておちんぽさまを高刺激でお射精まで導けるようにマン肉を絞って締め付けて……どう、お加減はいかが?♡」
控えめに言って、さいこう。まさしく小型の非貫通オナホールみたいだ。
さっきは甘めの射精だったから、タマ舐めの効果もあってすぐにイケそう。
「じゃあ、これからこの締め付けのまま、ひたすらパンパンっ♡パンパンっ♡て腰振りオナホ業務を始めさせていただきます♡ホムくんのおちんぽさまが勃たなくなるまで、ノンストップでケツ振り続けて搾り取るから安心して♡ホムくんは寝てても大丈夫だからね♡」
そして、全自動オナホは動き出した。宣言通り、高刺激のキツイ締まりのまま、一定のペースで、パンパンっ♡パンパンっ♡と。
「んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡んっ♡」
目の前で尻が上下に揺れる。その眺めだけでも、一生ヌケそうなくらい素敵な光景だった。ヨシノさんのお尻はデカケツというほど肉付きが良いわけではない。けれど、形がよくて真っ白だ。
過酷な戦場で幾度となく負傷しただろうに傷もシミもない。それでいて膣の肉付きはよく、何回使っても飽きの来ない、最高の穴だった。最高級品質のオナホールだ。
ヨシノさんは言い出した通りに一定のペースでパンパンした。チンポがいいところに当たって気持ちよくなっても、その腰振り頻度は変わらない。潮を噴き出しイキながら、快感に喘ぎを漏らすことなく健気に腰をスタンプし続けた。
これ、ケツ叩いたらどうなるんだ?
尻を見つめていたらふと少年のようなイタズラ心が湧いた。せっかくなのでがんばって手を伸ばし、スパンキング。ぱしぃと音が響く。
すると、ヨシノさんは腰振りの速度を上げた。なるほど、そういう趣向か。全自動オナホなら速度変更機能もあるよな。物足りなさを感じ始めていた僕は、ぱし、ぱしとさらに二段階速度を上げさせる。
「んぉ♡おほっ♡おほっ♡ほっ♡んおっ♡」
おほ声が混ざり始めたが、テンポはきっちりと上げて対応してくる。まるで一定間隔で鳴るメトロノームのような安定性。自分が気持ちよくなることは二の次で、オナホとしての使命を全うしようとしている。
素晴らしい職人魂だ。チンポを気持ちよくする雌として、矜持が高すぎる。スナイパーとして自分の仕事に一定の矜持を持つ僕も、共感とリスペクトを感じるほどの仕事ぶり。ついつい好感を抱いちゃうぜ。労わるように尻を撫で、むにゅっと揉むと、ヨシノさんは速度を落とした。そのまま揉みこんで最初のテンポに戻す。
テンポは最初と同等に戻ったが、その汁の粘度はさらに増し、膣肉はあつあつのとろとろ。そのマンコがひたすら休みなく叩きつけられるのだ。すぐに我慢の限界が訪れた。
まったくヨシノさんは最高のオナホールだぜ、と思いながら僕は射精した。
その後もヨシノさんはゴッドイーターらしいスタミナを見せつけ、オナホ業を全うした。僕はあっという間に五回絞られ、計六回の射精でひとまず満足することにした。
「いっぱいお射精できたわね♡さすがはホムくん♡ほんとうにもういいの?まだまだ余裕はあるけど……♡」
情事のあとを片付け汗を拭いたヨシノさんは、まるでちょっとジョギングから帰ってきたみたいな程度の疲弊しか見せなかった。むしろ、まだまだ搾り取りたいくらいの気概だった。
「うん、今日は満足したし、おかげで歩ける程度に回復したからもう帰って寝ようかなと」
「そうね、おちんぽさまが満足したなら休息をとった方がいいわ。おんぶはしなくていいのかな?♡」
それは、また勃起しちゃうからダメ。無限ループ確定だろ、それ。
「じゃあ、アナグラまで戻って報告しましょうか」
笑顔で差し出された手を握り、僕らは一直線にアナグラへと帰投した。
アナグラでは、稀に見るお祭り騒ぎをしていた。極東支部最大の所属人数を誇る防衛班が濡れ手に粟状態で素材を回収したことで、大量の報酬を獲得し、宴会を開いていたのである。
僕も誘われていたみたいだが、ヨシノさんオナホに夢中で全然気づかんかった。察しのいい防衛班の皆さんはそういうことの最中だと悟ったらしく、僕ら抜きで宴会を始めちゃったらしい。いや、全然いいけど。その手の付き合いは苦手なんだ、情けないけど。
未曽有の好景気に酒が入り、早くも大乱交状態となったアナグラは、肌色率の高い風紀ゆるゆるなことになっていた。いちおうはそういうことを隠そうとする建前だった気がするんだけど、タガが外れてしまったらしい。お酒のちからってすげー!
僕も大乱交したい!
と、普段ならルパンダイブを決めるところだが、生憎今はヨシノさんにさんざん絞られ賢者モード。そのうえ色気より眠気が勝つくらい疲れて、歩くのでせいいっぱいときた。
そのため、血の涙を流しつつ見送り、報酬を譲り渡した僕を気にするまともな防衛班の方々にお酌だけして帰ることにした。これからもどうぞよろしく、お互い、いい仕事をしましょうね。
「それじゃあね、ホムくん。寄り道せずに、まっすぐお部屋に帰るのよ」
明らかに情事の香りをさせたヨシノさんも、今日は予定があるからと大乱交の誘いを断り、ゲートで別れることになった。周辺にアラガミの気配がない、早く帰れた日だ。ナナのところへ行ってやりたいのだろう。
部屋へ向かう途中、射精のし過ぎによって尿意を催したので、ヨシノさんの言いつけを破りトイレに向かった。小便を垂れ流し、手を洗ってけえるべけえるべ、と出ようとしたところ、タイミング悪く男がぬっと入ってきた。
身長180くらいはありそうな剃りこみのある坊主頭の、筋骨隆々の大男。それこそ、全力で蹴られたら僕は死にそうだ。そして男は僕を見て気味悪くニヤついていた。まるで自分以外のすべての人間を見下しているような目つき。それに嫌なものを感じた僕は、横をすり抜けようとしたところで、
「俺の肉便器に手ぇ出したのは、お前だろ、クソガキ」
と、どつかれた。いってぇ。そのまま壁に叩きつけられ、詰め寄られる。
「ヨシノって女はさぁ、アナグラ全体の共用肉便器なんだわ、わかるか?熟練ゴッドイーターの俺みたいなベテラン御用達、お気に入りの便器の一つなわけ。それを独占するなんて許されるわけがないよなぁ。最近急に付き合いが悪くなったと思ったら、お前みてぇなカスが専属なんかにするせいでヤリそびれたじゃねぇか。どうしてくれんだ、ああ?」
ああ、そういう。
「僕は、」
パァン、と頬を張られる。
「『僕は』ああ!?てめぇの意見なんか聞いてねぇわタコ。口答えすんなやカス」
パァンパァンと、大人の膂力で殴られる。
「お前が口にしていいのは、『ごめんなさい』と『なんでも言うことを聞きます』の二つだけだ。わかったら返事せぇ!!」
ドスの効いた声が耳元で怒鳴り、髪を根元から掴まれグッと顔を引き上げられる。
「聞いたぜ。なんでもお前、稼がせてくれるそうじゃねぇか。今日の宴会もお前が払ってるらしいな、どんなイカサマしたか知らんが、俺にはお見通しだ。こんなヒョロヒョロのガキにアラガミなんか狩れるわけがねぇ。どうやっているかは知らねぇが、稼げるってんならその力は俺のために使え」
下卑た笑みだ。しょうもない皮算用を頭の中で巡らせているんだろう。
「まずは、慰謝料だ。ヨシノを勝手に使われて俺のチンポはひどく傷ついた。その精神的苦痛の代償を払って貰わなきゃな。それからヨシノのレンタル料、あれは俺の肉便器だ。それを持ち出すってんなら有り金全部差し出して土下座するのが筋だよなぁ」
……………………。
「明日からは俺が護衛してやる。ヨシノは俺の護衛に使う。お前は一人寂しくスコープ越しにシコシコしてろ。報酬は護衛料として俺が貰ってやる、キルスコアも全部俺のものだ。……わかっていると思うが、誰かに話したり助けを求めたり反抗したら、殴るからな」
そう言って腹パンされる。もう殴ってるじゃん。
「反抗的な目ぇしやがって、教育してやる。お前が逆らう度に先輩として指導してやるよ。お、そしたら指導料も貰わなきゃだよな、俺ってあったまいい~!さらに搾り取れるとか天才か!」
なんて、頭の悪いことをほざきながら、DQN男はさらに殴る蹴るを加えてくる。……医務室行くのめんどうくさいなぁ。早く寝たかったのに。
ガツン、と最後に頭を洗面台の鏡に叩きつけられ、視界が真っ赤に染まる。頭のどっかを切ったな、これ。そう思いながら、首を絞められた状態でDQNのさえずりを聞く。
「まあ、これが調子に乗ったお前への罰ってやつだ。今後一生、俺の幸せのために消費してやるよ。せいぜい惨めにシコって生きてろ、それくらいは許してやる」
がはははは、と聞くに堪えない笑い声を響かせながら男は去っていった。
しん、と静まり返ったトイレには外の宴会が漏れ聞こえる程度で、別世界のようだった。誰も踏み入れないことの有難さを噛み締めつつ、ぽたぽたと唇に零れ落ちる血を舐めて、考えた。
まあ、なんとかなる。
こういうことは起こりうる、と想定していたし、ああいう輩はどこにでも一定数存在する。それにいちいち腹を立てていたらキリがないし、そのための護衛と人脈だ。でも、それがわからない馬鹿もいる。どうしようもない人間というやつは、やっぱりいるもので。
だからこそ、平穏と幸福を守るために、人は銃を手に取るのだろう。
しばらく怠々としたあと、宴会で誰もいない医務室に行って下手な治療を自分に済ませた後、体に染みついた汚れをシャワーで洗い落として、僕は眠った。
「よぉ、ヨシノ。クソガキも逃げずに来たみたいだな。今日は俺が護衛役ってことになってるからさ、よろしく頼むわ」
翌朝、幸せそうな顔でアナグラへとやってきたヨシノさんを出迎えたのは、DQN男のいやらしいニヤつきだった。よろしく頼むわ、と言いながら早速ヨシノさんの尻を揉みしだいている。ああ……ヨシノさんのテンションが急降下してる……。
……ん、なんでオペレーターのアンジェリカさんが反応して……憎々しげにヨシノさんを睨んでいるのか。……ほぉん。
「ヨシノさん、なんか今日はこの人が護衛やってくれるんだって。なんか肉便器を欲しがっているみたいだからさ、任務が終わったら相手してあげてよ」
……目線をヨシノさんに送る。
ヨシノさんは即座に状況を理解した様子で、倦怠感を孕んだ眼をしたのち、笑顔を作った。
そして、僕の言葉にアンジェリカさんは離れたここまで聞こえるように舌打ちを鳴らした。なるほどね、面白くなってきた。
「あ?任務中だろうと、チンポがムラついたらしゃぶりに来るのが肉便器だろうが。任務が終わったらとかお前が決めてんじゃねーよ」
と、僕の首を絞めにくる状況の読めないDQN。が、ここは昨日のトイレと違ってゲート前。任務を受注する前のゴッドイーターたちのたまり場だ。そして、ここには昨日僕が支援した防衛班の皆さんがいる。ツバキさんたちもいる。つまりどうなったかというと、──それらの人々が一斉にDQN男を見た。
まさに、四面楚歌。ゴッドイーターたちの白く冷たい眼差しに晒されたDQNは一瞬で手を離した。
「チッ……おい、ヨシノ。チンポに奉仕してたら幸せなマンコのお前は、わかってるよなぁ?」
「ごめんなさい。私、ご主人様に『戦場ではえっちなことは禁止』って命令されているから」
「あ?だから、お前のご主人様は、所有者の俺だろ。俺の命令が最優先だ」
「ごめんなさい、ご主人様に言われているから」
「はぁ??……クソが、わけわかんねぇ……任務の後なら好きなだけパコっていいんだな!?」
「ええ、任務の後ならお好きなようにどうぞ?」
「クソが、今日はとりあえずそれで我慢してやる。こんなクソガキのはずはねぇし……誰だそのご主人様ってやつは……ぶっ殺してやる」
そのクソガキだわ、お前の目の前におるじゃろ。節穴だなぁ。
まあ、パコれるもんならパコればいい。パコれれば、ね(ニッコリ)。
「そういうわけでアンジェリカさん、今日は贖罪の街に護衛役を変えた場合の訓練がてら行こうかなと思ってます。──任務、受理してもらえますよね」
アンジェリカさんは一瞬手を震えさせながらも、頷いた。
そうして僕、ヨシノさん、DQNの三人は仲良く贖罪の街へ。
僕はいつも通りにひとりで狙撃ポイントへ行き、DQNはヨシノさんのケツを揉みしだきながらアラガミの索敵を始めた。
『お、オウガテイルはっけ~ん。見とけよヨシノ。俺の実力を見ればすぐにでも抱かれたくなるだろ』
通信越しに男の下卑た声が聞こえてくる。まだ諦めてなかったんかい。
『おらっ、おらっ!どうだ、見たか!これが、俺の、本気ってやつだぁ!』
ショートブレードをぶんぶん回してすげえうるさい。黙っててくれないかな。
そしてヨシノさんは笑顔ではいるみたいだけど、手助けする気はないらしい。まあ、一切を僕に任せてもらえたってことで、やってやろう。
「こちら、ホムラ。オウガテイルの群れを発見、狙撃します」
いちおう通達したうえで発射する。
オウガテイルを数体狙撃して終了。ポイントも通信越しに伝達。
『ほーん、俺ほどじゃないがやるな。便利じゃねぇか』
まあ、勝手に倒してくれるMAP兵器みたいなもんやしなぁ。
気が付いたらアラガミが倒れていて、後はコアを回収するだけとか、ゲーム時代に僕も欲しかった。周回効率爆上がり間違いなしだ。悪食つけなきゃ。
さて、次は……っと。
「シユウを発見、撃破」
『おっほ、シユウまで!今日の俺は過去一ツイてる!これで借金返して結婚式の費用も確保!オキニの肉便器も帰ってきたし、アナグラ戻ったらプレイルームで優勝だぁ~!!』
「──グボロ・グボロを撃破」
『お』
「オウガテイルを撃破」「コクーンメイデンを撃破」「サリエルを撃破」「ザイゴートを撃破」「ザイゴートを撃破」「ザイゴートを撃破」「オウガテイルを撃破」「コンゴウを撃破」「シユウを撃破」「オウガテイルを撃破」「グボロ・グボロを撃破」「グボロ・グボロを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」「オウガテイルを撃破」
『……はぁ?』
壊れたか、というDQNの呟きを拾う。そしてDQNが困惑しつつ角を曲がると……そこには僕が宣告した通り、アラガミたちの死屍累々が道沿いに広がる光景があった。
『た、宝の山じゃねぇか……!』
ドル箱落ちてるみたいなもんだよね、わかるわかる。でも、油断大敵な。
僕の視界内、DQNのちょうど手前に向かってビルの上から巨影が舞い落ちた。
『ぉっ、ぁっ……』
ヴァジュラだ。ここはヴァジュラの餌場だったのだろう。ヴァジュラからしたら外敵の登場と狩りの手間が省けたみたいなもんか。大喜びでやってきたのだろう。これももちろん、
「──ヴァジュラを撃破」
狙撃完了。状況はひとまずクリアになったことだろう。
『し、死ぬかと思った……だが俺は生きてる、俺は生きてるぞぉ!!このヴァジュラの素材もコアもスコアも、全部全部俺のもんだぁ!』
そうだね、そういう約束だもんね。
さて、やるか。
「──アンジェリカ、黙って聞いてろ。邪魔したら……わかるよな」
通信を勝手に盗み聞きしている奴に、牽制を入れておく。余計な横やりは望ましくない。
『……!?』
アンジェリカの動揺と息を呑む音が聞こえた。了承として受け取る。これでよし。
スコープの向こう側で、DQNが神機を捕食形態に移行させ、ヴァジュラへと食らいつかせた。
その瞬間、『唯我』を構えDQNに向けて撃った。
脳天、心臓、そして股間。アラガミでも絶死の三連射をお見舞いする。
『うぎゃああああ!?』
レーザーに貫かれたDQNは汚い叫びを上げた。
が、もちろんながら実弾ではない。攻撃性能を持たない装飾レーザーである。
DQNもそのことにすぐ気が付いたのか、混乱の中、徐々に静かになっていった。
少しは身をもって理解してもらえた、と判断して、僕は通信機に語り掛ける。
「──装飾弾は誤射にカウントされない。だから今のところ、僕は戦場に出てから一度も誤射をしていないことになっている。僕個人としてもOPの無駄遣いは良くないと思っている」
だが、
「日本には、極東には素敵な言葉がある。『一発までなら誤射かもしれない』。フェンリルでのルールは知らないが、極東に生きる人間として僕もそのルールに則るつもりだ。つまり、生涯で一発までなら誤射をしてもいい。それを今日、お前に使ったところで構いはしない。僕はその一発を盛大に見せしめとして使おう。お前のような人間が僕の人生を脅かすことのないよう、徹底的に惨たらしく誤射をしてしまおう」
「そしてそれは今日でなくとも構わない。僕は記録上2000メートルまでの狙撃に成功している。人間を殺すのにアラガミほどの威力はいらない、どこからだって誤射はできる。極東の街並みをのんきに散歩しているとき、戦場で全裸で青姦しているとき、アナグラ内でセックス中に窓際に立ったとき、クソしているとき、寝ているとき、いつだって僕の『唯我』は狙っている」
「僕を虐げるものはすべて敵だ。そしてお前は僕の敵だ、お前自身がそうすることを選んだんだ。僕は、敵に対してはどんなときも油断はしない。殺せるチャンスがあればいつでも殺す。なにがあろうと殺す。そう決めている」
言葉を染みこませるように、たっぷりとした時間を僕は待った。
そして一つの指示を出した。
「理解出来たら、ゆっくりと左手を上げろ」
DQNはのろのろと左手を上げた。僕はその左手を撃った。
『ああああ!』
本当に撃たれた、と勘違いするDQN。
「ああ、すまない、あまりにも遅いから『反抗』したのかと思ってつい撃ってしまった。けどまあ装飾弾だ、安心したらいい。けど、次はちゃんと誤射だ。……今度は右手だ、誤射だろうと好きに選んでくれ」
DQNはさっきと違い俊敏に右手を突き上げた。
『ご、ごめんなさい……そんなつもりじゃなかったんです……許してください……ただ、彼女に、アンジェリカにそうしてくれって頼まれて……ただ、出来心だったんです。これからはなんでも、なんでも言うことを聞きますから……』
DQNは涙声で謝罪を始めた。
「残念ながら、僕はお前と違って優しくない。『ごめんなさい』も『なんでも言うことを聞きます』もいらない。僕は何も求めない。『殴る』のも『指導』するのも好きにすればいい、僕は未来永劫油断しない、僕は僕の敵に対してすべきことをするだけだ」
そう言われて、初めて彼は状況を理解したのだろう。泣くことも謝罪もしなくなり、ただ虚無的な顔で虚空を見つめるようになった。……このくらいか。もう十分だろう。
「──なーんちゃって、冗談ですよ。脅かしてしまってすみません、つい、倒れたヴァジュラが動き出したように見えたものですから、焦って牽制に撃ってしまいました。四回くらい当たってしまったようですけど、装飾弾だし許してくれますよね。さあ、今日の報酬はあなたへのプレゼントです、そういう事前の約束だったでしょう?彼女との結婚費用に充てるんですよね。いいことじゃないですか、幸せのためにがんばるって素敵なことだと思いますよ……どうした、コアが大量に落ちてるだろ、拾えよ」
冷たい声を出した瞬間、DQNは動き出した。左手の震えをものともせず動き出し、必死の形相で倒れたアラガミを片っ端から捕食している。いやぁ、彼女のために立派に働いていて偉いなぁ。
そうして、DQNがすべてのコアを回収し終えた後、仲良く三人で帰投した。DQNは顔面蒼白で今にも死にそうな顔で俯いていたけど、僕らはとっても仲良し!これからもよろしくな!
回収班のバンに揺られ、やがてアナグラのゲートに到着した。報酬を支払うデスクではアンジェリカが処刑を宣告されたような顔で俯いていたけど、いったいどうしたんだろう。誰がこんなことを……(すっとぼけ)?大変だね、彼氏に慰めてもらうといいよ。
コア回収の報酬、手に入った素材、それらすべてをDQNに握らせてニッコリ。
「これからも仲良くしましょうね」
コンゴトモヨロシクゥ!
あ、結婚式には僕も呼んでね。絶対行くし、ご祝儀は弾むから。今日の報酬があればそれなりの規模の結婚式にできると思うんだ。……わかるよね。
照れちゃったのか、俯いて黙りこんだカップルを残して僕らは去ることにした。人類の未来は明るいなぁ。もしや、仲人ってこんな感じか??転職したら仲人やろっかな、楽しそうだわ。
ところで、任務は終わったわけだけどヨシノさんをパコらなくていいのかなぁ??(煽り)
まあ、そのようにして、”護衛を別の人に変えてみる訓練”は終わった。やっぱりヨシノさんだけでいいや、というのがやってみた僕の結論だ。
ところが、部屋に一緒に着いてきたヨシノさんは落ち込んだ様子だった。
「……ホムくん、ごめんなさい。私のせいで迷惑をかけてしまって……護衛失格よね」
それは違う。たまたまヨシノさんと関係する人物によって迷惑を被っただけで、ヨシノさんが悪意を持って敵対行為を取ったわけではない。それに僕の容姿やら支払われる報酬だけ見て、よからぬ輩が湧いてくるであろうことは予想出来ていた。つまり、今回のことは想定の範囲内であり、僕が僕に降りかかった火の粉を払っただけだ。
だから、……でもオナホ失格はそうだよな。
だって疲れマラが勃起してるのにしゃぶりに来ないなんて、オナホの自覚を疑われても仕方がないのでは?
「ホムくんのすけべ♡真面目な話をしているのに、そういうとこ、お姉さんはどうかと思うな……♡」
お説教が始まりそうな気配を察知した途端、僕は服を脱いだ。
途端、ヨシノさんは目が釘付けになり、息を呑んだ。
「もう……めっ♡」
ヨシノさんは叱るそぶりをしつつ、結局はチンポに跪いた。
そして嬉しそうにチンポをしゃぶり始めようとしたところで、不意に扉にノックの音が。
とんとんとんとんとん。
ノックの音は五回。誰だろうか。
半目になり、明らかに不機嫌そうな様子を見せるヨシノさん。これからってところでお預けされて、僕もチンポもちょっと許せそうにない。これで可愛い女の子じゃなかったら許さないぞ……と思った直後、外から声がした。
「あの、私です。……アンジェリカ・エヴァンジェリスタ。もしよろしければ開けていただけますか。武器の類はもっていません、確かめていただいて結構です。その、出来れば早めに開けていただけると助かります」
ヨシノさんと顔を見合わせる。あれだけのことがあって、どのツラ下げてここに来たんだろう。心の中で警戒度を上げる。まさか、仕返しにきたのでは。
まあ、一般人相手なら刃物を持っていたとしてもどうにでもできる。DQNが一緒でも、まあ距離があればなんとかなる。ヨシノさんもいるのである程度安全を確保できているし。
別に待たせたところで僕の方は困らないので、迎撃準備をしつついそいそと服を着る。
出迎える準備ができたところで、ヨシノさんに頷きを返し、ドアを開けてもらう。
そこには……カエルのようにうずくまるブロンドが。その横には、綺麗に服が折りたたまれている。靴もそろえて置いてある。これは……もしや……。
全裸土下座だこれぇ!
僕のテンションはV字回復した。一方、ヨシノさんのテンションは目に見えて下がった。
作業用BGM:『人類の天敵』(GOD EATER ORIGINAL SOUNDTRACK)
すみません、アンジェリカのエロまで描き切ろうと思ったのですが、二万字で限界を迎え燃え尽きました。つきましては次回はアンジェリカの全力謝罪からのわからせっくすから始めさせていただきたく……。オリキャラのエロなんかいらねぇよ、という方はすみません。精進します。
がっつりエロを期待されていた読者の皆さまには、シリアス展開続きで申し訳ない……そろそろツバキさんが、代理として下の口でお詫びしてくれるんじゃないかなと思います(願望)。シリアスは正直書きたいけど、以降はなるべく控えめにします(疼く右手を抑えながら)。とりあえず、次回はエロ+ほのぼの回の予定です。
この小説はシリアス一割、バカ二割、そしてエロ七割の比率を目指しています(くもりなき眼)。
今後、臭い描写についてがっつり入れていい?結果を見て今後の描写の参考にします
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「くさそう」過激派。GEには必須!
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臭いはあくまで自然ならOK、嗜みだよね
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臭いはちょっと……必要ならともかく
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臭いとか無理、入れるなら読むの止めます